研究費の不適切な経理に関する調査結果 及び職員の処分について

(照会先)
国立長寿医療研究センター
企画戦略室長 吉野(2001)
総務部長
水谷(2002)
TEL:0562 - 46 - 2311
平成 25 年 9 月 13 日
独立行政法人
国 立 長 寿医 療 研 究セ ン タ ー
研究費の不適切な経理に関する調査結果
及び職員の処分について
当センターの研究費の執行において、不適切な経理について外部からの通報や会計検
査院からの調査依頼があったことから、職員及び取引業者を調査した結果、過去に預け
金、前年度納品及び翌年度納品等の不適切な経理があったことが確認され、この度調査
が終了し、職員を処分しましたのでご報告いたします。研究費が私的に流用されたケー
スはありませんでした。
今回、当センターの研究費の執行において、不適切な経理が判明したことは当センタ
ーの社会的信用を損なうもので、極めて遺憾であり、深くお詫びいたします。当センタ
ーとしては本件を重く真摯に受け止め、反省するとともに、再びこのような事態が起ら
ないよう、服務規律の徹底と再発防止に取り組み、センターを挙げて信頼の回復に努め
る所存であります。
(1)不適切な経理の内容
1)預け金等
区 分
年度
A
18
研究費の種別
経営費(国立高度専門
医療センター特別会計)
件数
1
不適切な経理の内容
金額(円)
預け金
備 考
定年
退職済
300,468
計
300,468
※ 平 成 18 年 度 に 架 空 伝 票 に よ り 研 究 用 物 品 の 代 金 を 支 払わせ、業者に預け金をし
た。翌年度に研究用物品を購入した。
元研究室長
区 分
B
研究室長
年度
19
19
20
研究費の種別
件数
3
2
14
金額(円)
備考
厚生労働科学研究費補助金
前年度納品
881,209
長寿医療研究委託費
前 年度・ 前々年
999,904
度納品
6,075,370
計
7,956,483
※ 平成 18 年度に事務職員による検収を受けずに納品させた研究用物品について、
翌年度及び翌々年度の研究費で支払った。その際、当時の物品検収規程において事
務職員による検収が不要となるよう納品書を 50 万円未満に分割するよう取引業者
に求める等の行為を行った。
不適切な経理の内容
区 分
年度
研究費の種別
件数 不適切な経理の内容 金額(円)
C
17
受託研究費
1 翌々年度納品
研究部長
3,916,500
※ 平成 17 年度に研究用物品を発注したが、翌々年度納品となった。
-1-
備考
区
分
年度
18
研究費の種別
件数 不適切な経理の内容 金額(円)
科学研究費補助金
1 前年度・翌々年
151,907
483,000
D
1 度納品
研究部長
19
長寿医療研究委託費
2 翌年度納品
594,345
計
1,229,252
※ 平成 18 年度にデータ解析を依頼したが、翌々年度納品となった。
備考
2)その他
行為の態様が1)には至らないが、前年度納品或いは翌年度納品など 16 件
(13,540,413 円)あった。
(別紙)
(2)不適切な経理の財源となった研究費の取扱
研究費の配分元に調査結果を報告し、研究費の返還措置を講ずることとしている。
(3)関係者の処分
1)在職者については(不適切な経理を行っていた 11 名のうち 3 名は既に退職)、国立
長寿医療研究センター職員就業規則、国立長寿医療研究センター職員懲戒規程及び国
立長寿医療研究センター職員の訓告等に関する規程に基づき、平成 25 年 9 月 13 日に
職員の処分等を行った。
懲戒処分
B研究室長
C研究部長
D研究部長
矯正措置
訓告
厳重注意(文書)
厳重注意(口頭)
停職 1 ヶ月
戒告
戒告
2名
3名
1名
※厳重注意(口頭)1名は監督責任
2)当該取引業者(2 社)については、国立長寿医療研究センター契約指名停止等措置要
領に基づき指名停止処分を行うとともに厳重注意を平成 25 年 9 月 13 日に行った。
(4)再発防止のための対応
今回の事案は研究用物品の納品検査に係る検収手段の整備が十分でなかったこと
によるものであるが、平成 23 年 5 月に物品検収センターを新たに設置し全ての研究
用物品の検収を財務経理課検収担当者が行うこととし、検収体制の強化を図ったと
ころであり、同様の事例は生じないものと考えている。引き続き経理の適正化に取
り組んでいきたい。
また、「公的研究費の管理・監査のガイドライン」(平成19年2月-文部科学大臣決
定)に基づき、監査室の設置による監査及びモニタリング体制の強化、行動規範、不
正防止計画の策定、公的研究費使用ハンドブックの作成、定期的な説明会の開催等
によるルールの周知、徹底を図っているところである。
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別紙
区
E
F
G
分
H
I
J
退職者
K
退職者
年度
22
17
18
19
20
22
研究費の種別
長寿医療研究開発費
受託研究費
科学研究費補助金
件数
6
1
1
1
1
1
前年度納品
20
20
18
科学研究費補助金
受託研究費
2
1
1
翌年度納品
前年度納品
計
前年度納品
翌年度納品
前年度契約
20
受託研究費
1
前年度納品
長寿医療研究開発費
小
長寿医療研究委託費
計
※
不適切経理の内容
前年度納品
翌年度納品
金
額(円)
2,386,630
9,341,850
8,505
9,450
360,958
493,983
872,896
507,309
42,367
44,100
345,261
13,540,413
今回の不適切な経理の公表に係る案件は、41 件、金額 26,943,116 円である。
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