東アジア文化論

東アジア文化論(9/30)
講義HP:
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/
~imai/eastasia/eastasia.html
今井 剛
参考テキスト:
「2010年のアジア
次世代の成長シナリオ」
出版:東洋経済新報社
野村総合研究所(著)
ISBN4-492-44335
定価1,600円+税
2
成績について:
出席は「欠格条件」
・やむを得ない理由で休む場合は必ず「届け」を提出
のこと
(できるだけ事前に、「学期末にまとめて」は不可)
・また休んだ分の課題を課しますので、必ず指示を受
けに来ること
(課題提示の翌週に提出、 「学期末にまとめて」は
不可)
※届け、課題の提出がない場合は成績を出しません
3
期末テストについて:
参考テキスト持込可、
毎回提出の小レポート持込可、
自分のノート持込可
コピー(講義スライドのプリントアウト、
友人のノート等)は持込不可
4
1.アジアとは
どの地域がアジアと呼ばれるか知ってますか?
北アジア
中央アジア
西アジア
南アジア
東アジア
東南アジア
アジアの国々
北アジア:シベリアを主とする地域
東アジア: 大韓民国 | 朝鮮民主主義人民共和国 | 中華人民共和国 |
日本 | モンゴル国
東南アジア: インドネシア | カンボジア | シンガポール | タイ | 東ティモール |
フィリピン | ブルネイ | ベトナム | マレーシア | ミャンマー | ラオス
南アジア: インド | スリランカ | ネパール | パキスタン | バングラデシュ |
ブータン | モルディブ
中央アジア: ウズベキスタン | カザフスタン | キルギス | タジキスタン |
トルクメニスタン
西アジア: アゼルバイジャン | アフガニスタン | アラブ首長国連邦 | アルメニア |
イエメン | イスラエル | イラク | イラン | オマーン | カタール | キプロス |
クウェート | グルジア | サウジアラビア | シリア | トルコ | バーレーン |
ヨルダン | レバノン
2.地域としての東アジア
本講義が全体を通して扱う地域は「東アジア(共同体)」である。
その前に、アジアなどの「地域」というものについて考えてみる。一言に地域と
いっても簡単に区分することは難しい。
それは何故か?
・ 地理的区分としてのアジアについての合意があいまいであること
・ 何らかのアイデンティティ(同一性)の収束する枠組みとしての共通認識があいまい
であること
それでは、地域を定義する要因とは何か?
外面的指標による地域の定義
・ 経済的結びつき
・ 制度による結びつき : EU(欧州連合)など
・ 文化の共通性:言語や宗教など
地理的範囲による地域の定義
人々が持つ地理的区分に対する認識と自
分たちがその場所に対して※帰属意識を
持ち、それらの認識が一致していること。
※帰属意識 : 何らかの集団やコミュニティに所属していると感じること。
2.地域の定義とは?
外面的指標と地理的範囲による地域の定義より、地域という概念は、以下の
2つの概念と近いものであると考えられる
1.nation(民族) : nation(民族)とは一定の文化的特徴を基準として他と区別
される共同体をいう。土地、血縁関係、言語の共有(国語)や、宗教、伝承、社会
組織などがその基準となる政治的共同体のこと。
2.ethnic group :国民国家の枠組のなかで、他の同種の集団との相互行為的状況下に
ありながら、なお、固有の伝統文化と我々意識を共有している人々による集団。
これらの概念から、「地域」だとみなされている場所においては、
必ずしも単一のnation(民族)とみなされる必要はない。
地域とみなされる地理的範囲に住む人々の間には、nationとはいえないまでも、同じ地
域に属しているという「我々意識」が存在を持つ。
つまり、まったく同じ民族でもないが、全くの「よそ者」というわけでもないという
ことが地域を構成する人々の共通認識であり、その意識を持つ人々の住む場
所が「地域」であるといえる。
アジアにおける「地域」の多様性
アジアのそれぞれの地域の中で、この定義に当てはまる
地域はあるか?
現在、最もはっきりした地域は、東南ア
ジアである。
北アジア
中央アジア
東アジア
人々が「東南アジア」としての地域とし
ての共通認識を持つきっかけは、
西アジア
南アジア
東南アジア
東南アジア諸国連合(ASEAN)
の存在によるといえる。
東南アジア諸国連合(ASEAN)とは?
東南アジア諸国連合(Association of South-East Asian Nations)は、東南ア
ジア10ヶ国の経済・社会・政治・安全保障・文化での地域協力組織。本部はイ
ンドネシアのジャカルタ。
設立目的
(1)域内における経済成長、社会・文化的発展の促進。
(2)地域における政治・経済的安定の確保。
(3)域内諸問題の解決。
1987年
(発足時)
タイ、インドネシア、フィリピン、
マレーシア、シンガポール
1994年
ブルネイ
1995年
ベトナム
1997年
ラオス、ミャンマー
1999年
カンボジア
加盟国数
地域・国名
人口
GDP値
一人当りGDP
値
10
ASEAN
5.50億人
8,619億USドル
1,079USドル
3
北米自由貿易協
(NAFTA)
4.3億人
14兆USドル
29,942USドル
27
欧州連合(EU)
4.56億人
13兆USドル
30,000USドル
6
メルコスール
2.5億人
1兆USドル
4,000USドル
×
中華人民共和国
13.08億人
2.3兆USドル
1,702USドル
×
インド
11.3億人
8,002億USドル
678USドル
メルコスール:南アメリカ諸国の関税同盟、 日本語では、南米南部共同市場
本日の宿題

3年前のタイの50年来の記録的水害(
洪水)について、その原因や現在の状況
など、関連するものについて調べる。
次回の講義終了時に、A4のレポート用
紙にて、次週の講義レポートの次に重
ねて提出
注意事項:ホッチキスでとめないこと、折
り曲げないこと、すべてのページに記名
のこと