第3章 東南アジアの国家と社会 輪読3班 坂下琢磨 高谷早紀 中澤圭代 金子晃子 松尾香奈 蛭間崇正 発表の流れ はじめに 「東アジア」と「東南アジア」 東南アジアの範囲 前近代の東南アジアにおける国家構成原理 東南アジアにおける伝統的国家の類型 東南アジアの近代 結論 論点 はじめに ① 東南アジアの前近代にはどういう社会構 造をもった国家が存在したか ② 東南アジアにとって「近代」とはどのよう な意味をもつ時代だったか 国家概念の形成 近代国家制度の導入とそれに対する反発 国民国家と伝統社会との相克 「東アジア」と「東南アジア」 「東アジア」 「東南アジア」 地理的隔絶 陸上交通の発達 ↓ 東アジア文化圏の形成 交易ルートの中継点 ↓ インド文化の伝播 中国文化・フィリピン 中国を中心とする 文化交流を通じて 独自の文化を発展 3つの文化圏の共存 東南アジアの範囲 北側 中国文化圏 文化的 西側 インド文化圏 境界線 東側 太平洋 自然の 南側 インド洋 境界線 大陸部 5カ国 中規模の国々 島嶼部 6カ国 極端に大きい国と小さい国 現代の国家の構成要素 領土 国民 主権 • • • • 政府 行政 組織 法律 暴力組織の国家による独占(防衛 力、警察力) 近代以前の東南アジアにおける「国家」 ないし「国」の概念は? タイ 「ムアン」(タイ語:村落共同体) ⇒「プラテート」(サンスクリット語:地域、地方) …インドの影響 ベトナム 「ヌオック」(ベトナム語:国、水) …地域の特徴 「クオック」(漢字のベトナム音) …中国の影響 ⇒東南アジアらしいもの+諸外国の影響 東南アジアの言葉における「国」ないし 「祖国」という概念 ①二元的 「ムアン」「ヌオック」・・・固有語 + 「プラテート」、「クオック」・・・外来語 ②近代的な意味での「国家」という概念は民族 固有語では表せない 1.平原型国家 「平原に依拠した領域的都市国家群とその連合体」 Ex.)カンボジアのアンコール王朝 ミャンマーのバガン朝 権力の基盤は灌漑用水路と用水の掌握 2.ムアン型国家 「バーン」と呼ばれる村が次第に統合されて 一人の首長を戴く首長国に発展 ゆるやかな連合体 Ex.)13c:タイのランナータイ王国 成立条件・・・地理的条件ゆえ、村相互間の 交通困難 3.クルン型国家 村落共同体の中にある商業都市 Ex.)アユタヤ王朝 18cバンコク 東南アジア首都や主要都市 貿易拠点都市 4.ヌガラ型国家 政治的権威、近隣諸国の文明を利用 首長を戴く、都市国家 東西貿易 交通の要衝 小規模 ※王権の正当性は外の権威 ⇒ex.)中国(明)への朝貢 5.制海政国家 ヌガラがいくつか集まってゆるやかな連合体 を形成し、さらには国際貿易路をも支配下に おさめた国家ないしは国家連合 “thalassocracy”の訳語 Ex.)パレンバン(シュリービジャヤの盟主) シンガポール 6.首長国 伝統的 原初形態の「国家」 Ex.)フィリピン まとめ 東南アジアの人々は「領域国家」、「民族国 家」という概念を、西欧列強諸国による植民 地支配とそれに対する抵抗運動の過程で形 成してきた。他者から一方的に与えられたも の。 一方、地方の一般民衆は固有の伝統を維持。 ⇒このように、人々の意識に差がみられる 東南アジアの近代の特徴1 ①みずからの意志で成し遂げたものではない ②西欧勢力の持ち込んだ論理にむりやり適応 させられたもの⇒国境線 東南アジアの近代の特徴2 ③近代的な価値観・諸制度と前近代的な価値 観・諸制度とが重層構造をしめす ④国家の存在そのものが、近代化のもたらした 矛盾を内包している ⇒政治家レベルと一般民衆の意識の乖離 3章の結論 東南アジアでは ①西欧近代型の国民国家は成立していない ②みずからのidentityを模索中⇒近代化の過程 ③これから創りあげられる国家の形態は西欧 型の近代国民国家と同じにはならない 3章の結論~日本の在り方~ 数字に捕らわれずに、東南アジア世界の基 本概念や基本構造に注意を払い、真に理解 する必要がある メディアによって報道される社会、経済、政治 現象を見る際は、その背後にある基本構造 に注目すべき 論 点 Q.今後将来的に、東南アジアでは、 どのような国家形態になりうるか、 もしくは推奨されるだろうか? 選択肢 ①現状維持(西欧近代型コース) ②東南アジアの前近代を尊重型 時代の流れ 過 去 ( 前 近 代 ) の 東 南 ア ジ ア 現 在 の 東 南 ア ジ ア 近代国家? 東南アジア 独自の形 態? ①現状維持(西欧近代型コース) 欧亜折衷型。日本が典型例? 〔条件〕 ・工業社会の発達 ・教育の発達 近代システム 前近代意識 ・情報化の発達 ・交通インフラの発達 ②東南アジアの前近代を尊重型 P78 ~東南アジア世界とは所詮、(中略)、大小さまざまな 形態の共同体からなる集合体である。~ 連邦国家形態 共同体 共同体 共同体 中央政 府 共同体 地方(各共同体)に、大 幅な権限を持たせる。 中央政府は外交・多少 の地方間調整に特化。 共同体 論 点 Q.今後将来的に、東南アジアでは、 どのような国家形態になりうるか、 もしくは推奨されるだろうか? 選択肢 ①現状維持(西欧近代型コース) ②東南アジアの前近代を尊重型 ご静聴ありがとうございました!!
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