サプライ・チェインの設計と管理 第7章 国際的なサプライ・チェイン・マネジメントの課題 pp.169-194 ウォルマートのケーススタディを読んでおくこと! 東京商船大学 久保 幹雄 ここで学ぶこと • 国際的(グローバル)サプライ・チェインとは • 国際的サプライ・チェインのリスクと対処法 – リスク要因(為替,現地政府) – 戦略(投機的戦略,ヘッジ戦略,柔軟戦略) – 柔軟戦略のために必要な機能 • 国際製品と地域製品 • 分散的自律管理と中央集中管理 • 地域(先進諸国,新興諸国,第三世界諸国)による違 い 国際的サプライ・チェインの動機付け 1. 2. 3. 4. 5. 世界市場への進出 世界的な専門知識(技術)を得るため 安価な労働力 税制の優遇 関税,国内部品調達率(ローカル・コンテ ンツ)規制 リスクと対処法 • リスク要因 – 為替レートの変動 円高->輸入が有利 円安->輸出が有利 – 現地政府の方針 自国製品の保護,税制の変更,政府の不安定性 • 戦略 – 投機的戦略(一か八かで勝負する.) – ヘッジ戦略(ある国での損出を別の国の利益で相殺 する.) – 柔軟戦略(複数の国内で生産,調達可能にすることに よるフレキシビリティで対処する;生産を1カ所にまと めて行うことによる規模の経済性は失われる.) 柔軟戦略 • 生産の移転 為替レートや人件費の変動を生産容量を オプションとして利用することによって吸収 • 情報の入手 各地域の市場変化の情報を入手可能 • 国際的な協調 国際市場でのライバルとの駆け引き(例:ミ シュランとグッドイヤータイヤ) 国際的サプライ・チェインのため に必要とされるもの • 製品開発力 特定地域向け製品(地域ごとにタイプの異なる自動車),真に世 界的な製品(マクドナルド,リーバイス)を開発できる能力 • 購買 世界中のベンダーから主要な資材を調達できる能力 • 生産 生産を移転できる能力->情報の集中管理 • 需要管理 地域ごとの需要予測や販売戦略の集中管理(中央集中管理) ->各市場予測は地域分散的自律管理 ロジスティクス基盤の地域差 • 文化の違い • 基盤設備 先進国(日本,米国,西欧): 完備 新興諸国(中国,台湾,ブラジル,東欧):整備中 第三世界:未整備 • 効率性,信頼性 • 情報システムの利用可能性 • 人的資源(能力と賃金)
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