環境・CSR担当者、経営層には必ず読んで欲しい GREEN to GOLD 企業に高収益をもたらす「環境マネジメント」戦略 に学ぶ、 38のベストプラクティス 本資料の目的 • 『グリーン・トゥ・ゴールド』(G2G)は環境マネジメントや CSRに携わるすべての方々、そして経営層が読む価値 のある本です。ベストプラクティス(模範事例)が満載だ からです。 • 「環境が利益を生む」とは良く使われる言葉ですが、本 心から環境経営の重要性と利点を理解する方は少ない かもしれません。 (特に経営層) • 環境経営への理解を深めるために、G2Gで紹介される 世界有数のベストプラクティスは大いに役に立ちます。 • そこでご多忙でG2Gを読む時間がない方、社内で事例 を活用されたい方のために抜粋し纏めました。 • 貴方の責任によりご利用ください。 GREEN to GOLDとは – ダニエル・C・エスティ、アンドリュー・S・ウィンストン著 – 3M、BP、デル、デュポン、GE、ハーマンミラー、イケア、インテル、フェデックス・キン コーズ、マクドナルド、コカ・コーラ、シェル石油、ティンバーランド、ユニリーバなど数 百社300人以上への取材をもとに環境戦略を分析し、その成功例、失敗例を詳細に 検討した結果、既に今日の経営では環境戦略を取り入れること、つまり「環境優位 (エコ・アドバンテージ)」を確立することが経費削減、リスク軽減、収益アップ、ブラン ドイメージ確立などにつながっていることを証明する画期的な企業戦略研究書。 – 企業の環境戦略が、イメージアップのための宣伝材料ではなく、利潤に直結する現 実となったことを説得力をもって知らしめる本書は、企業が環境戦略に取り組む際の バイブルである。企業戦略の第一人者、マイケル・ポーター(ハーバード・ビジネスス クール教授)は、「本書は、世界で生き残っていく企業のリーダーが、環境戦略を考え ていく際の指針となる」と絶賛。 – 出版元:アスペクト 2008年4月7日第一版発行 【アスペクト社ホームページより】 リスク・コントロール マクドナルド(ハンバーガー) • 2004年、ケロッグがコーンフレークのおまけのお もちゃに水銀ボタン電池を使用し非難を浴び州 検事からも事情聴取を受け、1700万人に封書を 送り商品を回収 • マクドナルドでは、その数年前にボタン電池のリ スクを察知し使用禁止の措置 • ゴミ、容器、狂牛病問題を経験したマクドナルド は「予防戦略」に切り替えており難を逃れる リスク・コントロール SCジョンソン(洗剤・ワックスなど) • 全商品は「グリーンテスト」と呼ばれる社内審査 にかけられ、含まれているすべての成分が毒性 や生物分解性などの基準に基づいて採点され、 点数の低いものは排除の対象になる • 同社では3000種類以上の物質を評価している が、連邦政府の指定をはるかに上回る厳しさで ある • EU委員会で合成洗剤に関する規制が成立した 際にも、まったく動じなかった リスク・コントロール デュポン(化学) • モントリオール議定書によりクロロフルオロカー ボン(CFC)の使用が禁止されたとき、シェアを 一気に拡大した • CFCで5億ドルの収入を得ていたデュポンは当 初使用禁止に反対したが、すぐに代替フロンで それ以上の利益が上がることに気づいた 顧客への環境貢献 アイドルエア・テクノロジーズ(サービス) • 長距離トラック用の大型駐車場で専用サービス を開発 • 駐車中の車両に電気、熱源、空調、TV、イン ターネット接続サービスを提供 • 社内での休憩、仮眠の際のアイドリングをストッ プできる • 普及すれば3400万トンの温室効果ガスを削減 できる 顧客への環境貢献 デル(パソコン) • 製品回収サービスを提供 • 環境保護の観点からも情報漏洩防止の観点か らも老朽モデルの廃棄には問題が伴う顧客の悩 みを解決 • 一部の部品は回収してそのまま再利用、プラス チックはリサイクル、廃棄物として出されるのは 全体の1% • このサービスは新品の売上増にもつながる ブランドバリューの創出 トヨタ(自動車) • 1993年、「21世紀のクルマ」の設計に取り組む • 環境と資源をテーマにすることを決定 • 経営陣が立てた目標は自社の小型自動車の2倍 • プリウスの成功は単に一モデルの成功に止まら ずにトヨタそのものの企業信頼性を高め、全世界 で好成績を収めている • プリウスというバリュー・イノベーションである ブランドバリューの創出 BP(石油) • 2000年、2億ドルを投じてBritish Petroleumを Beyond Petroleum(石油を超えて)に社名変更、 キャンペーン • 当初は眉唾と批判を浴びるも温室効果ガスの削 減やソーラーパネル製品に成功 • クリーンなイメージ演出に成功し、ブランド調査で 上位、ブランドバリュー押し上げ効果は30億ドル • 工学系学生の採用の苦労も解消 ブランドバリューの創出 GE(電機) • エコマジネーション戦略:環境技術への投資を15 億ドル、環境関連製品の売上高を5年間で200億 ドルとそれぞれ倍増することを全世界に発表 • 当初は風力タービン、ソーラーパネル、ジェットエ ンジンなど17品目の重点商品に絞る • GE全社を挙げて環境問題に取り組む決意を示し、 環境問題の解決を図る企業として自社を位置づ けた 環境意識の浸透 3M(総合化学) • ポストイットは10億ドルの大ヒット、パソコンのモニ ターに貼れる(垂直面)少し強い粘性のニーズが あったが強い接着剤にはVOCの問題があった • CEOの決断は「VOCを発生させるものには予算 はつけない」 • 結局、製品化されヒットしたのは6年後の2003年、 CEO は利益よりVOCによる大気汚染、作業環境 悪化、処理コストアップを許さなかった 環境意識の浸透 リオ・ティント(鉱山) • 銅、アルミ、鉄鋼石で世界最大級であるが、掘削 の許可を得るのは困難 • 生物多様性の保護に乗り出し、地域やNGOとの 協力、採掘による自然破壊の最小化に取り組む • 環境担当顧問:「我々の営業許可は地方自治体 からだけでなく、広く社会から与えられる。社会の 利益に反することをすればしっぺ返しを喰う。我々 の取り組みはリスクをチャンスに変えるもの」 環境意識の浸透 コカコーラ(飲料) • CEOダグラス・ダフトは環境諮問委員会を新設し、 環境法の専門家ダン・エスティに参加を要請した • CEOの説明:我社の時価総額は1150億ドル、し かし帳簿上の資産価値は150億ドル、差額の 1000億ドルはすべて無形価値 • 自社ブランドを守るためには環境対策での失敗が 数十億ドルの価値の損失につながることをはっき り意識していた 環境意識の浸透 イケア(家具) • 莫大な予算を投じて原料の出所を調査、特に問 題は木材、原生林からの木材、不法伐採による 木材は絶対に買わず、認定林の木材のみ使用 • 18人の森林監督官が年間140日も世界を飛び回 り家具や木材サプライヤーの現場を視察する • この努力と予算は環境対策のためだけでない、サ プライヤーとのよりよいパートナーシップは事業成 功のカギ、直接買付のコスト削減も重要な意味 環境意識の浸透 HP、ヒューレット・パッカード(パソコンなど) • 1990年当時、顧客はプリンターの使用済カート リッジの処分に困っていた • 新興企業が使用済カートリッジにインク最重点リ サイクル事業を計画していることを察知 • HPはカートリッジの回収・再製品化事業を開始 • 再生事業は今では1億ドル規模の高収益事業、 年間1100万本が再利用され、1991年からの累 計は8000万本を突破 環境意識の浸透 グルーポ・ヌーバ(林業・PVC) • PVC(塩ビ)製造工程での鉛を使った安定剤の使 用を止めることを最優先課題とする • 安定剤のサプライヤーに化学者を送り込み、丸一 年かけて無害の安定剤を開発 • しかし製造プロセスの転換費用回収が困難 • CEOジュリオ・モーラ自らがPVC管バイヤーに出 向き、鉛使用の作業員、地域住民、子供への悪 影響を説いて説得した 環境意識の浸透 デュポン(総合化学) • 有害化学物質排出目録制度が発足し、世界最大 の汚染企業であることを認識 • CEOは「有害廃棄物ゼロ」を宣言、断固として指示 • 1990年に18000トンの廃棄物を出していたナイロン 中間体のビクトリア工場をテストケースに選定 • 製造プロセスを根本から見直す、工場周辺に湿地 を作り排水を浄化、廃棄物から副産物を製品として 売出す事業立上により2002年に5000トンに削減 環境意識の浸透 インテル(半導体) • アリゾナの工場の水使用量は240万トン、近隣の ゴルフ場から比べるとわずか7%であるが、年間 数百万ドルを投じて水の再循環をしている • 「地域の人々が当然抱く感情に配慮することが、 事業を快く受け入れてもらうために必要」 • 新工場建設に際し、わずか数カ月で地元住民の 承認を得ることに成功、通常なら数年はかかる ケースである 情報の収集管理 GE(電機) • 買収合併の経験豊富なGEでは、厳格なリスク評価 を実行し、コスト計算の中に法規制適合費用、GE の環境衛生安全システムの導入費用、買収前の損 害賠償問題解決費用を含める • ブラジル企業の買収交渉では、環境評価チームは 化学品タンクのすぐ近くに保育園があることに気付 き、即座に園児をよそに移すよう強硬に主張 • 3ヶ月後に火災が発生し保育園にも延焼した、「シ ステムの重要性は、まさにここにある」と環境評価 チーム NGOとのパートナーシップ チキータ(バナナ) • 1990年代前半、チキータを槍玉に挙げて非難し ていたNGOレインフォレスト・アライアンスとパート ナーシップを組む • 農家を含むステークホルダーと共同で環境、社会 にとって望ましいバナナ栽培のガイドライン「ベ ター・バナナ・プログラム」を作成、NGOが農園を 毎年審査し認定書を発行、チキータは結果を公表 • 透明性の実現により環境報告に関して数々の賞 を受賞、欧州からも信頼を得る NGOとのパートナーシップ チキータ(バナナ) • バナナ栽培のガイドライン「ベター・バナナ・プログ ラム」の実行に10年で2000万ドルを投じ、1億ドル の事業コスト削減を実現 • 農園の生産性は27%向上、バナナ1箱当たりのコ ストは12%削減 • 殺虫剤の使用が大幅削減、廃棄物も削減され、 観光客も農園を訪れるようになる • 「労働者のモラル向上だけでも投資価値あり」と経 営幹部 NGOとのパートナーシップ マクドナルド(ハンバーガー) • ED(環境防衛)とともに梱包材改革で発泡スチ ロール製容器を追放 • コンサベーション・インターナショナルと組んで放 牧場の水質・土壌汚染、廃棄物処理を監視する • マクドナルドを守るのは、環境プログラムに真剣 に取り組んだという事実 • ブランドを守るための“予防接種”である 専門家とのパートナーシップ クリフ・バー(エナジー食品) • イエール大学出身の環境学者をフルタイムで採 用 • この専門家は社内の全事業部に目を配り、食品 の有機成分への切替から地球温暖化配慮のマー ケティングまで、あらゆることに助言指導する • 例えば、バイクレースの後援では「環境を傷つけ ない」をモットーに掲げるなど指導 • 専門的見地から顧客との関係に新しい切り口が 見つかりやすい 政府とのパートナーシップ インテル(半導体) • 米国環境保護庁EPAは、環境に率先して取り組 む企業には規制を弾力的に適用するプロジェクト KL方針を打ち出す • インテルは第1号として名乗りを上げ、厳しい目標 を立て、定期的に環境実績を見直し、数値指標を 算定している • 見返りとして、工場拡張の際などに最優先で環境 アセスメントが行われる • 「メリットの方が格段に大きい」とインテル幹部 コミュニティとのパートナーシップ シェル(石油) • カナダ・アルバータ州アサバスカでのオイルサンド 開発で、住民の懸念に配慮して先住民族の村落 とのコミュニケーションに注力 • 事業立上の支援、耕作権・漁業権の保障、雇用 に配慮するなどの対応と並行してNGO、地域社 会、競合他社と共に地域インフラ整備も推進 • 地域の好ましいパートナーとして認められ、採掘 計画承認は1年は短縮でき、そのコスト削減効果 は極めて大きい DfE 環境適合設計 ロナー・テキスタイル(織物、布地) • 約10年前に環境配慮では同業他社に負けないと 決意、製品の構造や成分から見直すことを決定 • 木綿は殺虫剤の使用が不可避なため、ウールと 麻に限定することを決定 • 発がん物質、有害物質、重金属を含む化学染料 は使用しないと決め、60社に照会したが、基準ク リアは1社16種類のみ • 天然材料と基準適合染料のみ使用の製品を完成 DfE 環境適合設計 日立(電機) • リサイクル法施行に先駆け洗濯機にDfEを導入 • 組立にネジを6本しか使用しない新設計を採用 • リサイクル性向上のみならず製造時間を33%短 縮、部品点数も大幅削減、シンプル構造で故障し にくいメリットも生じる • 顧客満足向上、生産コスト削減、廃棄コスト削減 を同時に実現 リサイクル ダウ・ケミカル(化学) • 有機塩素化合物製造に使用する塩酸の廃棄プラ ントを見直し、塩酸を回収へ • 腐食性物質廃棄量を年間6000トン削減 • プロセス変更費用25万ドル、年間のコスト削減は 240万ドル リデュース オランダ生花栽培産業 • 肥料と殺虫剤の大量使用で河川汚染と非難される • ロックウールと水を使用するまったく新しい栽培方 法を開発 • 肥料と殺虫剤が循環使用され、使用量抑制、汚染 低減、病害リスク低減、花の品質改善、ばらつき低 下、花を切る作業負荷低減 • 競争が激化する世界の生花市場で大きなシェア サプライ・チェーン イケア(家具) • 1990年代前半、パキスタン工場で児童労働、環 境保護団体から熱帯雨林の乱伐を非難される • 徹底的な調査の末に網羅的で配慮の行き届いた サプライヤー評価プログラムIWAYを策定 • 約80名の社員がサプライヤーを検査しCSR・環 境の観点から評価、加えて18名の林務専門家に よる木材検査を実施、数千のサプライヤーを評価 • 定期的に第三者機関によるIWAY全体の外部評 価も実施、「何も手を打たないことはリスク、ブラン ドには無限の価値」とCSR担当役員 文化の育成 コノコ(石油:当時デュポンの子会社) • 1997年、コノコの原油タンカーがタグボートと衝突、 タンカーの横腹には30mの亀裂が入るも原油は 流出せず、二重船殻構造であったため • 1989年、デュポンのCEOが取締役会に環境戦略 委員会を発足させ、その下に環境リーダーシップ 協議会を設け月一回開催した • コノコ会長も協議会に出席し“改宗”、会社と環境 双方のリスク低減のためなら高い投資でないと 1990年以降発注するタンカーは二重船殻構造と 決めていた、企業文化の成果 環境効率の向上 デュポン(化学) • 過去15年間に温室効果ガスを72%削減 • 削減の半分は一つのプロセス(アジピン酸の製 造プロセスにおける亜酸化窒素の排除)の改善 • 過去10年間で20億ドルのコスト削減も達成 環境効率の向上 AMD(半導体) • 化学物質の使用量削減のためにウェットプロセ スを改良 • シリコンウェハーの洗浄に使用する水量を 70リットル/分 → 20リットル/分に削減 環境効率の向上 ティンバーランド(アウトドア用品) • 靴箱のデザインを変更、厚紙の使用量を15%削 減 • コストもほぼ15%削減 • 省スペース化により1台当たりの出荷量も増加 環境効率の向上 IBM(コンピュータ) • 空調設備の設計見直しなどエネルギー効率の 改善プロジェクトを実施 • 温室効果ガス削減5カ年計画を前倒しで実現 • 1億1500万ドルのコスト削減に成功 環境効率の向上 アドビ・システムズ(コンピュータソフト) • 本社敷地内のスプリンクラーをコンピュータ制御 により節水 • 雨の予報が出ているときは散水しない 環境効率の向上 3M(総合化学) • 3Pプログラム(Pollution Prevention Pays):「汚 染防止は利益を生む」 • 排出ガス、廃棄物、廃水など自然を汚染するも のはどれもこれも非効率の証拠、という考え • 3Pプログラムの下で実施された環境関連プロ ジェクトは5000件以上 • VOCの削減70000トン(1988)→6000トン(現在) • 廃棄物処理費の低減は初年度だけで10億ドル 環境効率の向上 ステープルズ(オフィス・サプライ) • 1500の店舗で空調の中央制御を導入 • 2年間で600万ドルのコスト削減に成功 環境効率の向上 フェデックス・キンコーズ(オフィス・サプライ) • 1000以上の店舗でセンサー付きの省エネ型照 明を導入 • 人がいない時には自動消灯 • コストは1年半で回収 環境効率の向上 イケア(家具) • フラット・パッケージと呼ばれる梱包方式を導入 • 梱包の無駄なスペースを50%削減 • 輸送コストを15%削減 • ソファ(88cm)の場合はトラック荷台に4個多く積 載可能 http://www.esh.co.jp [email protected]
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