Supply Chain Risk Management

サプライ・チェイン・リスク管理
• 効率性だけでなく,リスクに対して柔軟かつ頑強
なサプライ・チェインを目指す
• サプライ・チェインの途絶(disruption)に対する予
防(proactive) と応答(response)活動
操
業
度
(
性
能
)
途絶
復旧
予防
応答
時間
重要性の高まり
• 大規模災害の発生頻度の増加
– 自然災害:地震,津波,台風・ハリケーン・サイクロン,
雪崩,竜巻,干ばつ,噴火,飢饉,洪水,重症急性呼
吸器症候群(SARS),牛海綿状脳症(BSE),口蹄疫,
鳥インフルエンザ+ドミノ(将棋)倒し現象
– 人的災害(人災):原子力発電所の事故,テロリストに
よる攻撃(CBRNE災害),戦争,ストライキ,暴動
• サプライ・チェインのスリム化
– カンバン方式(リーン生産方式)に代表される在庫削
減活動 =>脆弱性増加
• グローバル化
– 長リード時間,アウトソーシング,治安・政治的・為替
リスク
関連する分野
• リスク管理(Risk Management)
– 発生頻度と強度で評価するリスク・マッピング等
• 事業継続計画(管理) Business Continuity
Planning (Management): BCP(M)
– 緊急事態に備えた非常時マニュアルの策定
• 人道支援ロジスティクス
– 救援物資の備蓄,輸送
• 人道支援サプライ・チェイン
– +IT, 協調,在庫戦略
人道支援サプライ・チェインの特徴
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緊急時における人命救助,被害の軽減を目標
需要の不確実性が大,予測が困難
供給の不確実性が大,制御不能
需要地点,輸送経路が不確実
リード時間は所与ではなく,できるだけ早く
費用最小化,利益最大化だけではない評価尺度
– 公平性,募金使用の効率性・迅速性
• 複数の団体がばらばらに行動(自衛隊,政府,
NGO,ボランティア)
リスクの分類 (1)
• 定常的リスク : 需要や供給の不確実性
• 非定常的リスク : 途絶(disruption);地震,津波,
ストライキなど
頻度(発生確率)
ストライキ
生産ライン停止
為替変動
供給遅延
台風
不良品
地震
強度(影響度)
リスクの分類 (2)
工場
倉庫
需要リスク
供給リスク
生産ライン
輸送資源
内部リスク
環境リスク
リスクの分類 (3)
• 災害: ハザードマップの利用
• 政治的リスク:貸金業法の改正,カントリー
リスク
• 社会的リスク: ナイキやGAPの児童労働,
企業の社会的責任
• 知的所有権:コピー商品,商標登録(クレヨ
ンしんちゃん,青森,鹿児島など)
リスクに対する対処法
操業度
事前情報
途絶発生
事前準備
緊急時対応計画
減災計画
初期応答
復旧
事前情報を
もとにした予測
予防
応答
時間
対処戦略
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保有戦略: 軽佻なリスクはあきらめて保有
回避戦略: リスク要因のプロセス変更・除去
移転戦略: 保険やオプション
提携戦略: 共有・需要側とリスクや利益を分け合
う契約
• 強化戦略: サプライ・チェインを,頑強性,復元性,
冗長性,柔軟性,互換性,俊敏性,可視性によっ
て強化
強化戦略
• 応答
• 予防
–
–
–
–
–
頑強性
復元性
冗長性
柔軟性
互換性
– 俊敏性
– 可視性
操業度
途絶発生
頑強性
操業度の
復元性
時間的な
復元性
時間
冗長性
• 途絶発生時のための在庫
• 緊急用の資源,ネットワーク,施設要領,
情報システムの確保
柔軟な生産
1-柔軟性
2-柔軟性
全-柔軟性
Graves-Tomlin: 需要の不確実性に対処:2-柔軟性で十分
最近の実験 : 供給も不確実な場合には2-柔軟性では不十分
輸送の柔軟性
多モード
多キャリア
多ルート
互換性
• インテルのCopy Exact戦略
• リスク共同管理(地震の後の白キャップ)
• 航空機会社の例
– サウスウエスト航空:
ボーイング737のみ(計器も旧式に統一)
– 日本航空(JAL):
ボーイング737, 747, 767, 777(787) ,エアバス A300,
マクドネルダグラスMD81, MD87, MD90,エンブラエ
ルE170,ボンバルディアCRJ200, DHC-8,サーブ340,
日本航空機製造YS-11
リスク・マッピングと対処法
頻度(発生確率)
強度大・頻度大
ポカよけ
予防保全
ストライキ
生産ライン停止
為替変動
可視性強化
提携戦略
回避戦略
移転戦略
回避戦略
供給遅延
強度大・頻度小
冗長性強化
台風
不良品
地震
強度大・頻度小
柔軟性強化
強度(影響度)