ディジタル信号処理 Digital Signal Processing 第14講 sampling theorem(2) サンプリング定理(2) ○ 標本化定理:アナログ信号を完全に再現できる離散時間信号 を作るには,原信号の持つ周波数成分をサンプリング周波数 の1/2以下に制限しなければならない。 ○ 帯域制限信号:原信号の周波数をサンプリング周波数の1/2以 下になるように高域遮断フィルタを入れて作った信号をいう。 サンプリング定理(標本化定理)のポイント • アナログ信号が再現できるようにサンプリングする には,サンプリング周波数は,信号に含まれる最高 周波数(周波数成分の内,ネグレクトできない最高 の周波数)の2倍以上でなければならない • 一般に,周期信号は三角関数の無限級数で表され ることからもわかるように,周波数成分は無限にあ る。このため,原信号の最高周波数を制限する必要 がある。 • 制限用(高周波遮断用)のフィルタをanti-aliasing filterという。 • もし,サンプリング周波数の1/2以上の高い周波数 成分があれば,aliasing現象が起きる。 例題4.1 (1)ナイキスと周波数を求める (2)ナイキストレートを求める (1)サンプリング周波数100kHzの場合処理可 能な周期性アナログ信号の最高周波数は? サンプリング周波数の1/2以下 → 50Hz (2) 帯域幅10kHzに制限されている信号を処 理するための最低サンプリング周波数は? 最高周波数の2倍以上 → 20kHz 例題4.2 (1) 図のようなスペクトラムをもつ連続信号 を標本化するときのナイキスとレートは? 最高周波数σの2倍以上 → 2σ (2) この信号をサンプリング周波数2σで標本化して 得られる離散時間信号のスペクトラムは? 連続信号の スペクトラム 離散信号の スペクトラム 2σでサンプリングすると,スペクトラムは離れも せず,重なりもせず (3) この信号をサンプリング周波数3σで標本化して 得られる離散時間信号のスペクトラムは? 3σでサンプリングすると,スペクトラムはゆとり ができて離れてしまう 4.2 周期信号の標本化 • サンプリングしたい原信号が周期信号 ∞ x(t)=ΣCmejmω t 0 m=-∞ であるとする。この信号を標本化周波数Nω0で標本化する(標 本化周期は,Ts=2π/ Nω0 )離散時間信号(サンプリングさ れた信号:標本値)は, ∞ ∞ x(nTs)=ΣCkejmω nTs =ΣCkej2πmn/N 0 m=-∞ m=-∞ となる。ej2πmω /Nは,m=k+rNのとき,次のようになる。 ej2πmn/N =ej2π(k=rN)n/N =ej2πkn/N ただし,k=0,1,2,・・・.N-1 r=・・・,-1,0,1,・・・ である。 0 • これを用いると, N-1 ∞ x(nTs)=Σ Σ Ck+rNej2π(k+rN)n/N k=0 r=-∞ N-1 ∞ =Σ Σ Ck+rNej2πkn/N k=0 r=-∞ ∞ j2πkn/N =Σe Σ Ck+rN k=0 r=-∞ N-1 となる。 • 上式の後半部分はエイリアシング係数と呼ばれる。 ∞ Ck=Σ Ck+rN r=-∞ 例題4.3 次式の信号のエイリアシング係数を求める。 x(t)=+C-2e-j2ω t + C-1e-jω t + C0 + C1 ejω t + C2ej2ω t 0 0 0 0 エイリアシング係数からフーリエ係数を求める 4.3 現実のフィルタによる内挿 連続信号に戻す 4.4 帯域制限の影響 サンプラの前に置くフィ ルタ このフィルタで高調 波がカットされる 質問はありませんか? • ここまで • ごきげんよう
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