逆z変換

逆z変換
• 時間領域から周波数領域への変換ではz変
換を用いたが、逆に周波数領域から時間領
域への変換には逆z変換を用いる。
逆z変換の計算
• 逆変換対の表を用いる
X(z)を逆変換の知られている関数の和とする。
x[n]はそれぞれの関数の逆変換のとなる。
X(z)=X1(z)+X2(z)+…+Xk(z)
x[n]=x1[n]+x2[n]+…+xk[n]
• 部分分数展開を用いる
X(z)を逆変換が容易な因数の和に変換し、その後に
逆変換対の表を用いて逆変換する。
例
1 + z −1
X ( z ) = −1
−1
−1
( z − 1)( z − 2)( z − 3)
これを分母の3つの因数で部分分数に展開する。す
なわち
A
B
C
X ( z ) = −1 + −1
+ −1
z −1 z − 2 z − 3
・・・(1)
の形に展開したとして、係数A, B, Cを求める。
ここでAは
−1
A = [ X ( z )( z − 1)]z −1 =1
⎤
⎡
1+ z
−1
= ⎢ −1
( z − 1)⎥
−1
−1
⎣ ( z − 1)( z − 2)( z − 3)
⎦ z −1 =1
−1
として求めることが出来る。この理由は、上式
の操作を式(1)の右辺に対して行うことを考え
ると
⎡ A
⎤
B
C
−1
−1
−1
⎢ ( z −1 − 1) ( z − 1) + ( z −1 − 2) ( z − 1) + ( z −1 − 3) ( z − 1)⎥
⎣
⎦ z −1 =1
=A
となるためである。
• 例題
実際にA, B, Cを求め、先ほど上げた式を部
分分数に展開しなさい。また逆z変換しなさい。
−1
1+ z
X ( z ) = −1
−1
−1
( z − 1)( z − 2)( z − 3)
• 例題
次式の逆z変換を求めなさい。
X(z)=2+3z-1-z-2
• 例題
インパルス応答h[n]=δ[n]+2δ[n-1]-3δ[n-2]
のLTIシステムに入力x[n]=2δ[n]-δ[n-1]を通
したときの出力を求めなさい。
• ヒント:伝達関数のところで説明したようにz変
換してから計算すると容易に求まる。
• 例題
インパルス応答h[n]=-δ[n]+3δ[n-1] のLTIシ
ステムに入力x[n]=δ[n]-4δ[n-1] -δ[n-3]を
通したときの出力を求めなさい。
• 例題
あるLTIシステムに入力x[n]=-δ[n]+δ[n-1]を
通したとき、出力としてy[n]=-4δ[n]-δ[n1]+2δ[n-2] +3δ[n-3]が得られた。このシス
テムのインパルス応答を求めなさい。