公共経済学(第6講 経済効率性と余剰 分析) 今日の講義の目的 (1)生産者余剰、消費者余剰、総余剰という概 念を理解する (2)総余剰と需要・供給曲線の関係を理解する (3)市場均衡において総余剰が最大化されるこ とを理解する (4)厚生の死重的損失という概念を理解する 公共経済学 第6講 1 消費者余剰 支払い意志額ー実際の支払額 支払い意志額=需要曲線の下側の面積 公共経済学 第6講 2 問題:支払意志額は? P 需要曲線(D) P1 0 公共経済学 第6講 Y1 Y 3 問題:支払額は? P 需要曲線(D) P1 0 公共経済学 第6講 Y1 Y 4 問題:消費者余剰は? P 需要曲線(D) P1 0 公共経済学 第6講 Y1 Y 5 生産者余剰 生産者余剰=利潤ー生産しなかったときの利潤 生産しなかった時の利潤=0-固定費用 =ー固定費用 →生産者余剰=利潤ー(-固定費用) =利潤+固定費用 =収入ー(可変費用+固定費用)+固定費用 =収入ー可変費用 可変費用~供給曲線の下側の面積 公共経済学 第6講 6 可変費用 生産量1の時の可変費用 C(1)ーC(0) 生産量2の時の可変費用 C(2)ーC(0)=(C(2)-C(1))+(C(1)ーC(0)) 生産量3の時の可変費用 C(3)ーC(0)= (C(3)-C (2)) +(C(2)-C(1))+(C(1)ーC(0)) 生産量Yの時の可変費用 C(Y)ーC(0)=(C(Y)-C (Y-1)+(C(Y-1)-C(Y-2))+...+(C(1)ーC(0)) 可変費用~限界費用を順次足していったもの 公共経済学 第6講 7 例4 Y 0 1 2 3 4 C 100 200 350 550 800 公共経済学 第6講 MC 100 VC 0 Y C 5 1100 6 1450 MC 8 限界費用曲線 MC 350 300 250 200 150 100 0 公共経済学 第6講 1 2 3 4 5 6 Y 9 限界費用曲線と可変費用 MC 350 300 250 200 150 100 0 公共経済学 第6講 1 2 3 4 5 6 Y 10 個別供給曲線 P 350 300 250 200 150 100 0 1 公共経済学 第6講 2 3 4 5 6 Y 11 可変費用と限界費用の関係 個別企業の可変費用~限界費用曲線の下側の面積 個別企業の限界費用曲線→個別供給曲線 個別供給曲線の下側の面積~個別企業の可変費用 市場全体の供給曲線←個別供給曲線を横に足し合わせ たもの ⇒市場全体の供給曲線の下側の面積 ~企業部門全体の可変費用 公共経済学 第6講 12 問題:収入は? P 供給曲線(S) P1 0 公共経済学 第6講 Y1 Y 13 問題:可変費用を図示せよ P 供給曲線(S) P1 0 公共経済学 第6講 Y1 Y 14 問題:生産者余剰は? P 供給曲線(S) P1 0 公共経済学 第6講 Y1 Y 15 問題:収入は? P P2 供給曲線(S) 0 公共経済学 第6講 Y2 Y 16 問題:可変費用を図示せよ P P2 供給曲線(S) 0 公共経済学 第6講 Y2 Y 17 問題:生産者余剰を図示せよ P P2 供給曲線(S) 0 公共経済学 第6講 Y2 Y 18 総余剰 この市場に参加するすべての人の余剰の合計 総余剰=消費者余剰+生産者余剰 =支払意志額ー支払額+収入ー可変費用 =支払意志額ー可変費用 =需要曲線の下側の面積ー供給曲線の下側の面積 重要な性質:総余剰は消費量と生産量だけに依存 (価格に依存しない) 公共経済学 第6講 19 市場均衡よりも少ない生産量の場合 P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 20 問題:支払意志額を図示せよ P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 21 問題:支払額を図示せよ P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 22 問題:消費者余剰を図示せよ P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 23 問題:収入は? P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 24 問題:可変費用を図示せよ P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 25 問題:生産者余剰を図示せよ P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 26 問題:総余剰を図示せよ P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 27 価格と総余剰 ポイント(2) 総余剰は価格に依存しないことを 以下で確認する 公共経済学 第6講 28 市場均衡よりも少ない生産量の場合 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 29 問題:支払意志額を図示せよ P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 30 問題:支払額を図示せよ P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 31 問題:消費者余剰を図示せよ P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 32 問題:収入を図示せよ P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 33 問題:可変費用は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 34 問題:生産者余剰図示せよ P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 35 問題:総余剰を図示せよ P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL Y 36 市場均衡の効率性 総余剰は市場均衡で最大化されている ←市場均衡よりも供給量が大きくても小さくても均衡の 時よりも余剰が減る これを以下で確認する。 公共経済学 第6講 37 市場均衡 P 需要曲線(D) 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 38 問題:支払意志額は? 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 39 問題:支払額は? 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 40 問題:消費者余剰は? 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 41 問題:収入は? P 需要曲線(D) 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 42 問題:可変費用は? 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 43 問題:生産者余剰は? 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 44 総余剰 P 需要曲線(D) 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第6講 YE Y 45 市場均衡よりも生産量が小さい場合 の総余剰 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL ポイント:総余剰は市場均衡 の時より小さい Y 46 生産量の増加と総余剰 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL YL’ Y 47 生産量の増加と総余剰 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YL ポイント:総余剰は供給量が 均衡供給量に近づくにつれ増加する Y L’ Y 48 市場均衡よりも大きい場合 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 49 問題:支払意志額は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 50 問題:支払額は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 51 問題:消費者余剰は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 52 P 問題:収入は? 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 53 問題:可変費用は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 54 問題:生産者余剰は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 55 問題:総余剰は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 56 総余剰 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 ポイント:総余剰は 市場均衡の時より小さい YH Y 57 生産量の減少と経済厚生 P 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YH’ YH Y 58 P 生産量の減少と経済厚生 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YH’ YH Y 59 生産量の減少と経済厚生 P ポイント:総余剰は生産量 の減少に伴い増加する 供給曲線(S) 増加し た余剰 0 公共経済学 第6講 需要曲線(D) YE YH’ YH Y 60 市場均衡の効率性 供給量が市場均衡よりも小さい →供給量を増やして均衡供給量に近づけると総余剰が 増える 供給量が市場均衡よりも大きい →供給量を減らして均衡供給量に近づけると総余剰が 増える ⇒市場均衡で総余剰が最大となる ~わざわざ政府が総余剰を最大化しなくても市場メカニ ズムに任せておけば余剰は自然に最大化される。 公共経済学 第6講 61 厚生の死重的損失 厚生の死重的損失: 最大の総余剰ー実現した総余剰 公共経済学 第6講 62 問題:YLの時の厚生の死重的損失は? P PH 供給曲線(S) 需要曲線(D) 0 公共経済学 第6講 YL Y 63 問題:厚生の死重的損失は? P 供給曲線(S) 需要曲線(D) PL 0 公共経済学 第6講 YH Y 64 ポイント ・総余剰は需要曲線の下側の面積から供給曲線の下側 の面積を引いたもの ・総余剰は価格に依存しない ・総余剰は市場均衡で最大化される ・最大化された総余剰と実現した総余剰の差を厚生の死 重的損失(死荷重、dead weight loss)という。 公共経済学 第6講 65
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