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消費者余剰,生産者余剰および経
済厚生
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2007年11月22日
消費者余剰(p.128)




消費者余剰とは大ざっぱに実際に価格を支
払ったときの財からの満足度
正確には支払ってもよいと考えている金額か
ら実際に支払った金額を差し引いた値
英語で Consumer Surplus
CS と略す
国際経済の基礎8
2
支払い意欲





消費をするときに満足度と支払いの費用を比
較する
同じ値段でも既に沢山購入していればもう買
わない
ある財が1単位増えたときにどのくらい支払っ
ても良いか考えている
それを支払い意欲という
限界効用に似かよった概念
国際経済の基礎8
3
支払い意欲/2




ヤワラがビザを食べようとしている
1枚目のビザは1800円まで支払おうとして
いる.
1枚目を食べてもう1枚には1600円の支払
い意欲
この金額までは支払って良いと考えているの
で,それ以下の価格では喜んで支払うだろう
国際経済の基礎8
4
ヤワラのピザへの支払い意欲
ピザの枚数
支払い意欲
1
1800
2
1600
3
1500
4
1400
5
1300
国際経済の基礎8
5
支払い意欲のグラフ
支払い意欲
1800
1600
1500
1400
1300
枚数
1
2
3
4
5
国際経済の基礎8
6
ピザの価格が1400円のとき
支払い意欲
4枚目まで食べるだろう
1800
1600
1500
価格は1400円
1400
1300
5枚目までは食べない
枚数
1
2
3
4
5
国際経済の基礎8
7
需要曲線=支払い意欲曲線





価格と支払い意欲が一致している枚数を購
入する
価格=支払い意欲→購入量
これは需要曲線と同じ
価格に対して購入しようとする数量
支払い意欲曲線は各数量から1単位増えたと
きに支払っても良い金額
国際経済の基礎8
8
需要曲線(価格から数量へ)
価格
P
需要曲線
数量
Q
国際経済の基礎8
9
支払い意欲のグラフ=需要曲線
支払い意欲,価格
1800
1600
1500
1400
需要曲線
1300
枚数
1
2
3
4
5
国際経済の基礎8
10
支払額
支払い意欲,価格
支払額
=1400円×4個
=5600円
需要曲線
1800
1600
1500
1400
価格は1400円
1300
枚数
1
2
3
4
5
国際経済の基礎8
11
ピザの価格が1400円のとき
支払い意欲
支払い意欲-支払額
=財購入による満足
=消費者余剰
1800
1600
1500
価格は1400円
1400
1300
4枚目まで食べるだろう
枚数
1
2
3
4
5
国際経済の基礎8
12
消費者余剰


支払ってもよいと考えている金額から実際に
支払った金額を差し引いた値
金額を面積で表す=△PABの面積
A
消費者余剰
B
P
需要曲線
国際経済の基礎8
Q
13
生産者余剰(p.296)






生産者余剰とは実際にその市場で営業して
いる企業の利益を表します
生産者余剰 Producer Surplus
PSで略
生産者余剰とは収入から可変費用を差し引
いた額を言う
収入=価格×数量
可変費用とは産出量の増減により変化する
費用を表す
国際経済の基礎8
14
生産者余剰と利潤






利潤に似た概念
生産者余剰=収入ー可変費用
収入 Revenue
Rで略
可変費用 variable cost,
VCで略
PS=RーVC
国際経済の基礎8
15
生産者余剰と利潤/2






利潤は収入から総費用を差し引いた額
総費用は可変費用と固定費用を加えた額
総費用 total cost,
Cで略
固定費用 fixed cost
FCで略
国際経済の基礎8
16
生産者余剰と利潤/3


利潤をπとすると
π=RーC
=Rー(VC+FC)
=R-VC-FC
=PSーFC
以上の議論より
π=PSーFC
PS = π+ FC
国際経済の基礎8
17
生産者余剰と利潤/4


生産者余剰は利潤に固定費用を加えたもの
利潤は生産者余剰から固定費用を除いたも
の
国際経済の基礎8
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供給曲線と生産者余剰



固定費用が0の企業,可変費用のみ
限界費用とは生産量が1単位増加したときの
費用の増分
限界費用曲線は供給曲線である
国際経済の基礎8
19
限界費用の例
生産量
限界費用
1
2
3
800
900
1100
4
1400
国際経済の基礎8
20
可変費用と限界費用
生産量
限界費用
可変費用
0
1
2
0
800
900
800
1700
3
1100
2800
4
1400
4200
国際経済の基礎8
1700+1100=2800
21
限界費用と可変費用


ある生産量の可変費用は,1単位前の可変
費用にそこから1単位生産量を増やしたとき
の限界費用を加えたもの
ある生産量の可変費用は,その生産量まで
の限界費用をすべて加えたもの
国際経済の基礎8
22
限界費用曲線
限界費用
このすべての面積が生産
量4の時の可変費用
限界費用4
限界費用2
1400
限界費用3
限界費用1
限界費用
1100
900
800
枚数
1
2
3
4
国際経済の基礎8
23
限界費用曲線
限界費用
この色の面積が生産量3
の可変費用
それに限界費用4を加え
ると生産量4の可変費用
限界費用4
1400
1100
900
800
枚数
1
2
3
4
国際経済の基礎8
24
限界費用曲線=供給曲線
限界費用,価格
生産量は4単位
価格が1400円
1400
1100
900
800
枚数
1
2
3
4
5
国際経済の基礎8
25
限界費用曲線=供給曲線/2


限界費用曲線は供給曲線でもある
利潤最大化条件
限界費用=価格

限界費用=価格 → 企業の望ましい生産量
国際経済の基礎8
26
限界費用曲線=供給曲線/3
限界費用,価格
供給曲線
価格
1400
1100
900
800
枚数
1
2
3
4
数量
国際経済の基礎8
27
供給曲線
限界費用,価格
生産量は4単位
価格が1400円
1400
1100
900
800
枚数
1
2
3
4
国際経済の基礎8
28
供給曲線と収入
限界費用,価格
この面積が収入
生産量は4単位
価格が1400円
1400
収入=価格×数量
1100
900
800
枚数
1
2
3
4
国際経済の基礎8
29
供給曲線と収入/2
価格
供給曲線
1400
四角の面積=収入
1100
900
800
数量
1
2
3
4
国際経済の基礎8
30
供給曲線と可変費用
価格
供給曲線
1400
台形の面積=可変費用
1100
900
800
数量
1
2
3
4
国際経済の基礎8
31
生産者余剰=収入ー可変費用
収入
-
可変費用
=
生産者余剰
国際経済の基礎8
32
供給曲線と生産者余剰
価格
供給曲線
生産者余剰
1400
1100
900
800
数量
1
2
3
4
国際経済の基礎8
33
消費者と生産者余剰
価格
供給曲線
消費者余剰
1400
1100
生産者余剰
900
800
数量
1
2
3
4
国際経済の基礎8
34
経済厚生




経済厚生とは取引をしている全ての主体の望
ましさ
経済厚生は消費者余剰と生産者余剰の和
政府がある場合はそれに政府税収をさらに加
える
需要曲線と供給曲線の交わる点である均衡で
は経済厚生が最大化される
国際経済の基礎8
35
均衡価格と経済厚生のまとめ/1




個別需要曲線はある経済主体の様々な価格
の下で需要量がいくらかになるか
市場需要曲線とは市場全体の様々な価格の
下で需要量がいくらかになるか
他の要因が変わると需要曲線が移動=シフト
する
財の価格上昇が他方の財の需要量を増す場
合に2財は代替財
国際経済の基礎8
36
英語の復習

価格とは英語で
price

数量を英語で
quantity

需要を英語で
demand
国際経済の基礎8
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英語の復習

供給を英語で
supply
国際経済の基礎8
38
需要曲線の見方
今川焼きの価格
イチローの今川焼き
に対する需要曲線
価格から数量を見る
100円
今川焼きの数量
6個
国際経済の基礎8
39
まとめ





供給とはものを販売したいと考えている数量
供給=supply (英語)
供給曲線は価格と数量のグラフ
供給曲線は右上がり
市場供給曲線はすべての売り手の供給曲線
を加えたもの
国際経済の基礎8
40
まとめ/2
その価格以外の要因で供給曲線が変化する
ことをシフトするという
 投入要素価格の変化
 技術進歩
 自然環境の変化
 信用の供与枠
 予想

国際経済の基礎8
41
まとめ/3




需要曲線と供給曲線が交わるところが均衡
均衡価格は需給が一致している価格
均衡数量は需給が一致している数量
需要・供給の法則

競争的な市場経済においては実際の取引価格が
均衡価格になる傾向がある
国際経済の基礎8
42
まとめ/4




需要曲線や供給曲線がシフトすると均衡価格
や均衡取引量が変化する
取引による消費者の利益を消費者余剰
取引による生産者の利益を生産者余剰
生産者余剰は利潤に固定費用を加えた額
国際経済の基礎8
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