公共経済学(第5講 市場メカ ニズムの機能と市場均衡 ) 今日の講義の目的 (1)需要曲線、供給曲線という概念を理解する (2)市場均衡という概念を理解する (3)超過需要、超過供給という概念を理解する (4)産業の長期という概念を理解する (5)価格弾力性という概念を理解する 公共経済学 第5講 1 市場全体の需要曲線 市場全体の需要量=各消費者の需要量の合計 D(P)=D1(P)+D2(P)+...+Dm(P) 市場全体の需要曲線=個別需要曲線を横に足したもの (前回の消費者1+消費者2の需要曲線の話参照。) 市場全体の供給曲線 市場全体の供給量=各企業の供給量の合計 S(P)=S1(P)+S2(P)+...+Sn(P) 市場全体の供給曲線=個別供給曲線を横に足したもの 公共経済学 第5講 2 企業1の個別供給曲線 P Pa Pb 0 Y1b Y1a 公共経済学 第5講 Y 3 企業2の個別供給曲線 P Pa Pb 0 Y2b Y2a 公共経済学 第5講 Y 4 市場全体の供給曲線 P Y2a Y1a Pa 企業1と企業2 Y2b Y1b の個別供給曲線 Pb を横に足したもの 0 公共経済学 第5講 Yb Ya Y 5 超過需要・超過供給 D(P)>S(P)→超過需要 D(P)<S(P)→超過供給 市場均衡 市場均衡 D(P)=S(P)、市場全体の需要量=市場全体の供給量とな る状態⇒超過需要も超過供給もない状態 市場均衡における価格:均衡価格 市場均衡における供給量(需要量)=均衡供給量 公共経済学 第5講 6 市場均衡 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PE 均衡 価格 0 公共経済学 第5講 均衡 供給量 YE Y 7 問題:超過需要・超過供給? 需要曲線(D) P 供給曲線(S) PL 0 公共経済学 第5講 Y 8 問題:超過需要・超過供給? 需要曲線(D) P PH 0 公共経済学 第5講 供給曲線(S) Y 9 ワルラス的調整過程 D(P)>S(P)→超過需要⇒価格上昇 D(P)<S(P)→超過供給⇒価格下落 この調整過程で、均衡価格以外の価格が付いても均衡に 近づいてくる均衡をワルラス安定均衡と呼ぶ。 公共経済学 第5講 10 超過供給 P 需要曲線(D) PH 供給曲線(S) PE 0 公共経済学 第5講 YE Y 11 超過需要 P 需要曲線(D) 供給曲線(S) PE PL 均衡は安定的 0 公共経済学 第5講 Y 12 マーシャル的調整過程 P PS 需要曲線(D) 供給曲線(S) PD 0 公共経済学 第5講 YH Y 13 マーシャル的調整過程 PD>PS→超過需要価格⇒生産量増加 PD < PS →超過供給価格⇒生産量減少 この調整過程で、供給量が均衡供給量からはずれたとこ ろから出発しても均衡供給量に戻ってくる均衡をマー シャル安定均衡と呼ぶ。 公共経済学 第5講 14 マーシャル的調整過程 P PS 需要曲線(D) 供給曲線(S) PD 0 公共経済学 第5講 YE YH Y 15 マーシャル的調整過程 需要曲線(D) P 供給曲線(S) 0 公共経済学 第5講 YL Y 16 価格と参入企業数 実際の参入企業数~価格に依存 低価格→生産性の高い企業だけが参入 高価格→生産性の低い企業も参入できる ⇒価格が高いほど企業数が増える 産業の長期 参入退出が自由~参入したい企業はすべて参入し、 退出したい企業はすべて退出している状況 公共経済学 第5講 17 産業の短期と長期の供給曲線 P 企業数固定の 供給曲線(S) 0 公共経済学 第5講 Y 18 供給の価格弾力性 供給の価格弾力性~価格が1%変化したとき供給量が 何%変化するか 長期の方が価格弾力性は高くなる 公共経済学 第5講 19 企業格差と産業の長期供給曲線 問題:企業間 格差が縮小 すると供給曲 線はどう変わ るか? P 元の産業の長期 供給曲線(S) 0 公共経済学 第5講 Y 20 産業の長期供給曲線 すべての企業が同質的~企業の費用格差が極限的に小 さいケース ⇒すべての企業の損益分岐価格=生産停止価格が等し くなる。 ⇒すべての企業にとって共通の損益分岐価格で一斉に全 企業が参入を始める 公共経済学 第5講 21 産業の長期供給曲線 P すべての企業に共通の 損益分岐価格 すべての企業が参入 0 公共経済学 第5講 Y 22 産業の長期均衡 価格が需要Dと 無関係に決まる P D P* D’ 0 公共経済学 第5講 Y* Y*’ Y 23 需要の価格弾力性 需要の価格弾力性~価格が1%変化したとき需要量が 何%変化するか 長期の方が価格弾力性は高くなる 例:電気・石油の需要 短期:価格が上がっても節電・省エネするぐらいし か対策がない⇒需要の価格弾力性は小さい 長期:短期の対策に加えて、省エネタイプの家電製 品・低燃費自動車に買い換えるなどの対策がとれる 需要の価格弾力性は大きくなる 公共経済学 第5講 24 需要の価格弾力性と需要曲線 P 0 公共経済学 第5講 問題:需要の価格弾力 性が小さいのはどちら の需要のパターンか? Y 25 必需品と需要の価格弾力性 P 必需品 0 公共経済学 第5講 Y 26 需要に関する注意 (1)価格が下がると需要量が増える ⇒需要曲線は右下がり (2)需要が増えると価格が上がる ⇒需要曲線が右上方にシフトすると価格が上がる 公共経済学 第5講 27 市場均衡 P 供給曲線(S) PE PE 0 公共経済学 第5講 YE YE Y 28
© Copyright 2024 ExpyDoc