ガイダンス

市場と効率性
公共経済学(財政学A )
第4回
畑農鋭矢
1
「私利私欲」は悪いとは限らない!
• 政治家の目的
私利私欲
• 個人の目的
私の幸せ
• 企業の目的
私企業の利益
⇒問題が生じるか?
⇒皆が自分の利益を求めると世界は効率的に
効率的とは?
• 分配
⇒誰がどれだけ資源を利用できるか?
⇒人々の相対的な豊かさが問題
• (資源)配分
⇒希少な資源をどのように利用するか?
⇒無駄のない資源の利用が問題
• 無駄のないとは?
⇒パレート効率(最適)
パレート効率性
• 無駄のない状態
=「誰かの効用↑⇒他の誰かの効用↓」
=パレート効率(最適)な状態
• パレート効率でない状態
⇒他の人の犠牲なしに、誰かの効用↑
⇒状態の改善が可能(パレート改善)
• パレート基準
パレート効率を望ましい状態として評価
純粋交換経済
• 財は2つ(x財とy財)、個人は2人(AとB)
• 初期保有量⇒消費量(新たな生産はしない)
⇒純粋交換経済
初期保有量
A
B
合計
x財
XA
XB
X
y財
YA
YB
Y
消費量
x財
xA
xB
X
y財
yA
yB
Y
y
財
エッジワースのボックス・ダイアグラム
OB
I B1
IB2
YB(yB)
Y
IB3
初期保有量(消費量)
IA3
YA(yA)
IA2
XA(xA)
XAB(xB)
I
OA
1
x財
X
y
財
パレート効率性と契約曲線
OB
パレート効率
パレート改善⇒
パレート非効率
契約曲線
OA
x財
予算制約
y
財
OB
B
I
1
x財とy財を交換して消費量を調整
IB 2
IB 3
x財の価格px、y財の価格py
px(xA-XA)=py(YA-yA)
pxxA+pyyA =pyYA+pxXA
yA=[(px/py)XA+YA]-(px/py)xA
IA3
IA2
IA1
OA
x財
y
財
OA
交換とパレート効率性
OB
x財
y
財
価格の変化とパレート効率性
OB
予算制約線の移動
yA=[(px/py)XA+YA]-(px/py)xA
時計回りに回転
⇒無差別曲線が接するまで
yB
C
B
xB
xA
A
x財は超過需要⇒px上昇
yA
F
y財は超過供給⇒py下落
OA
x財
厚生経済学の第1基本定理
• 競争市場における交換によって
パレート効率な状態を実現できること。
• 需給一致の場合
AとBの無差別曲線が接している場合
⇒交換によってパレート効率性の実現
• 需給不一致の場合
⇒価格の変化(ワルラス調整過程)
⇒パレート効率性の実現
初期保有量の変更
y
財
OB
D
C
E
A
B
OA
x財
厚生経済学の第2基本定理
• 初期保有量の変更
⇒実現する効率的な配分の変化
(第1基本定理より)
• 契約曲線上の特定の点を実現したいとき
⇒初期保有量の変更で対応可能
=再分配
• 第2基本定理
適切な再分配によって、いかなる効率的な
配分も実現可能
基本定理と政府の役割
• 効率性のみを基準
=契約曲線上ならば、どこでもOK
第1基本定理:競争市場均衡がパレート効率
⇒政府の介入は不要
• 個人の相対的な効用の大きさが問題
契約曲線上の特定の点を実現する必要
⇒適切な再分配(政府の役割)
• 第1基本定理が成立しない場合
⇒市場の失敗(政府の役割)