新聞に載っている数字 最高桁の数 ~ ベンフォード則と不正経理の捜査 ~ 新聞に載っている数字 総額で1400億円・・・ 84年以降・・・ 最高桁の数字は 1 8 30万人余りと米国へ・・・ 3 5000トン・・・ 5 最高桁の各数字の出現する割合は? 「1から9まで、同じくらいの割合になる」 と思うのが自然だが・・・ 実際に調べてみよう 北海道新聞 2008年1月21日(月曜日) 16版 1面 51% 一般に ランダムに取ってきた数が1で始まる確率は、 他の数字に比べてずっと高い 約半分の数が1か2で始まる 大きな数字ほど、その数字で始まるものは少ない 9から始まる数は稀 たくさんの統計をとると・・・ 1939年 フランク・ベンフォードが発見した分布 ベンフォード則 (Benford’s Low) n で始まる数の割合 log10 N 1 log10 N Frank Albert. Benford, Jr. (1883-1948) 1990年代始め ある会計学校の話 マーク・ニグリニ先生の課題 「企業収支の各数値の最高桁が ベンフォード則に従った分布を示すか確かめよ」 ある学生が親戚の金物屋の帳簿を調べると・・・ 1から始まる数値の割合 93% 残りの数値 8か9で始まる ベンフォード則から かけ離れた値 不正経理 多くの会計士が不正経理を発見する方法として ベンフォード則を採用するようになった ベンフォード則が成り立つ理由 100 10 1 1000 10進数 ・・・ 10倍するごとに1桁上がる構造 10倍するごとに1周する円周上の点 ×10 1 ×10 ×10 10 100 ×10 10n x ・・・・・ 0周 1周 2周 n周 log10 x ベンフォード則が成り立つ理由 1桁の数は何周か・・・ x 数 1 log10 x 周 0 2 3 4 5 6 7 8 9 0.30 0.48 0.60 0.70 0.78 0.85 0.90 0.95 8 9 1 0.95 0 0.90 7 0.85 6 0.78 5 0.30 2 0.70 0.60 4 0.48 3 ベンフォード則が成り立つ理由 284,572,341 = 2.84572341 10 8 0.95 0 0.90 7 0.85 8 log10 2.84572341 108 = 8 + log102.84572341 1 9 6 0.78 5 0.30 2 0.70 0.60 8 周 と log102.84572341 周 0.48 4 3 log102 < log102.84572341 < log103 2で始まる数は、すべて円周上の log10 2 と log103 の間にある 2 で始まる数の割合 log103 - log10 2 = 0.48-0.30 = 0.18 n で始まる数の割合 log10 N 1 log10 N 2.84572341 出典 「数学で身に付ける柔らかい思考力」 ダイヤモンド社 ロブ・イースタウェイ/ジェレミー・ウィンダム 著 Mark. Nigrini 水谷 淳 訳 Frank Albert. Benford, Jr. THE END 最高桁の数 ~ベンフォード則と不正経理の捜査~
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