総合カタログ技術資料編 第5章 防音

AGC_05章_1-1∼6-2_CID4.1 12.6.21 00:59 ページ140
5 -6
ガラスの遮音設計
1 遮音性能
(室内許容騒音)
(外部騒音)
● 総合透過損失の考え方
遮音対策を考える場合、内外の環境を設定し、
騒音源の指定伝搬経路の確認
間にある壁の構造と開口部の面積などを条件
道路・鉄道…
にして、開 口 部 の必 要 透 過 損 失を求 めること
3
室内吸音力
(A)
室内使用目的の明確化
距離減衰
回折減衰
事務室…
N値・NC値
により、ガラスの板 厚・構 成を決 めるという作
業 が行 われます。つまり、実 際 の 建 物 では窓
1
外部音圧レベル
以 外からの音 の廻り込 み・内 装 の種 類による
(オクターブバンド)決定
室内の音圧レベルの違い等の条件を加味した
(LS)
資料・実測
データ
シミュレーション過程が必要となります。
2 室内許容音圧レベル
4
室内吸音力補正
(LE)
5 騒音に面した外壁面の
必要透過損失値(TLW)
6
コンクリート壁の
● 設計例
透過損失値
外部から室内へ、拡散騒音が伝搬するときを考
5 -6
(オクターブバンド)決定
ガラスの必要透過損失値(TLg)
7
える。
(例)オフィス応接室
防
音
8
ガラス厚
・構成の選定
9 判定
1.2m 2.7m
窓
7.2m
図1
(天井高)
外壁
3.6m
図2
シミュレーション・プロセス
表1
街路騒音に対する開口部の遮音設計の例
太線内が
外壁面とする
シミュレーション・モデル
No.
項 目
125Hz 250
透過損失理論式:TL=10 log 10 τ ……(1)
透過率:τ=10 -(TL/10) ……………………(2)
①
外部音圧 レベル(Ls)
S
外壁面全体の透過損失:TL=10 log10ΣSi
(3)
τi
②
室内許容音圧 レベル(L E)
l
S
全体の面積(m2)
Si
壁を構成する各部分の面積(m2)
τi
壁を構成する各部分の透過率
外壁面全体の必要透過損失: Sw
A
TLw=Ls−LE+10 log10
…………(4)
③
Ls 外部音圧レベル(dB)
LE
室内許容音圧レベル(dB)
Sw 騒音に面した外壁面の面積(m2)
500
1k
2k
4k
備 考
単位
58
47
一般国道(騒音源から30m)
屋外騒音レベル 65dB (A)
dB
32
30
28
NC30(応接室)
室内騒音レベル 40dB (A)
dB
0.35
0.60
0.70
0.70
15.5
18.1
18.1
S1=25.9、表 3 より
岩綿吸音板9 ボード捨張り
−
9.1
0.08
0.06
0.06
0.06
S2=54.0、表 3 より
m2
空気層45 石膏ボード9
−
S3=25.9、表 3 より
パイルカーペット10
m2
72
64
58
60
49
42
36
天井の吸音率 α1
〃 吸音力 A1
0.10
0.20
2.6
5.2
壁の吸音率
〃 吸音力
α2
A2
0.26
0.13
14.0
7.0
4.3
3.2
3.2
3.2
床の吸音率
〃 吸音力
α3
A3
0.10
0.10
0.20
0.25
0.30
0.35
2.6
2.6
5.2
6.5
7.8
9.1
ガラスの吸音率 α4
〃 吸音力 A4
0.18
0.06
0.04
0.03
0.02
0.02
0.8
0.3
0.2
0.1
0.1
室内の吸音力(A)
20.0
15.1
18.8
25.3
天井・壁・床等それぞれの面積(m2)
ー3.1
ー1.9
ー2.9
αi
天井・壁・床等それぞれの吸音率
ガラス窓の必要透過損失は(2)と(3)式を変形
19.9
20.1
して(6)式のようになる。
0.1
m2
29.2
30.5
A1+A2+A3+A4
m2
ー4.2
ー4.8
ー5.0
Sw=9.72
(4)式10log(Sw/A)の値
dB
19.1
23.8
23.2
14.0
(4)式による(①−②)+④
dB
④
吸音力補正値
⑤
騒音に面した外壁面の
必要透過損失(TLw)
⑥
コンクリート壁の
透過損失(TL R)
43
46
50
56
62
65
表 2 より
コンクリートPC板(150)
dB
⑦
ガラスの必要
透過損失(TL g)
17
17
16
21
20
11
(6)式による
小数以下切り上げ
dB
⑧
ガラス厚 構成の選択
19.1
23.7
29.0
33.4
28.1
30.7
⑨
判定
OK
OK
OK
OK
OK
OK
TLg=−10 log10
{10-TLW/10・(
SR+Sg
SR
-TLR/10
・( Sg)}
Sg )−10
…(6)
SR コンクリート外壁の面積(m2)
Sg ガラス窓の面積(m2)
(例の場合)
TLg
SR+Sg
Sg
=2.25
SR
Sg =1.25
TL R コンクリート壁の透過損失(dB)
5-6-1
FL5単板
(5-2-4ページの 表 1 より)
⑧≧⑦が前提
ガラス窓の必要透過損失(dB)
TLW 騒音に面した外壁の必要透過損失
(dB)
−
S4=4.3、表 3 より
大板ガラス
室内吸音力:A=ΣSi・αi …………………(5)
Si
m2
※屋外騒音レベルと室内騒音レベルはA特性の聴感補正を加え合成したものです。
dB
−