レーザーの仕組み 07232020 工藤 レーザーは分子の性質を利用している 分子に光が入射すると、その光の持って いるエネルギーを蓄えて、より活発な分 子の状態に変化します。このよりエネル ギーの高い状態を励起状態といいます。 これとは逆に、左図の様な光の吸収などに よって励起している分子が、ある特定の光に よって刺激を受けた時には、分子はその光と 全く同じ波長を持つ光を、やってきた光と同じ 方向に、かつ同じ位相で放出します。 これを 誘導放出 という 誘導放出はレーザーの発振に最も重要な事なのですが、せっかく出た誘導放出の光 も周りにいる励起していない分子に吸収されてしまいがちです。 そこで周りの分子もみんな励起状態になってしまいます。そうすると・・・ 上の図ように、光はどんどん増幅され、進行方向は等しく、位相のそろった光 が得られます。 そしてこれを反転分布といいます 何が反転というのか?? 普通、励起していない分子は励起状態 の分子より数が多いはずだが、励起状 態の分子の方が、励起していない分子 よりも数が多いので、その比が逆転して いるという意味。 まだレーザーとはいえない・・・ 反転分布と誘導放出により位相のそろった光(これを コヒーレント光と言う)は発生しましたが、我々がそ れを、レーザー光として使うには問題が残されてい ます。 その一つには、このように、発生した誘導放出によ る光はあらゆるところで発生し、様々な方向に、しか もいくつかの位相の違う光の束が存在しているだけ に過ぎないのです。 そこで、ある一定方向の光だけが出てくるガラスの 筒を作ります。この筒の両側に反射鏡を取り付けま す。ただし、片方の反射鏡はいくらか光が漏れる様 に反射面を薄くしておきます。 」 青色のガラス筒の中で動き回っているのは、励起分子です。 励起分子の中を飛び回って、二つの反射鏡の中を行ったり来たりする間に光は 増幅し、右の反射鏡で反射する度に、レーザー光を右に放出しています。 反射板がいくらか光が漏れるようなつくりだから 従って、この二つの反射鏡を行き来できない方向に進む誘導放出光や自然発光 はガラス管の外に飛び出していってしまいます。 このように、ガラス管が長ければ長いほど、方向のそろった光の束がレーザー光 となって飛び出してきます。 また、このガラス筒は、両端をつながれた弦のように、一定の波(光)を定常的に 発生させます。このような構造を・・・ 共振器という 電球とレーザーの違い 電球のような光はあらゆる レーザーでは、共振器のなか 方向に、光が放出されるた め光源から離れれば離れる ほど光は弱くなっていく。 光の波長が一つだけ(これ を単色光と言う)ではないの で、プリズムの中を通ると 様々な色の光に分かれてし まう。 位相がそろっていないため、 光の干渉によっていくらラン プのパワーを強くしても光子 の数に比例した分だけの光 強度を得ることができない。 で一定の方向の光以外取り除 いてあるので、その方向に進む 光は何かに遮られない限り、弱 まらずに進んで行く。 レーザー光は非常に波長の良 くそろった単色光なので、プリズ ムを通っても光が様々な色に分 けられることはない。 位相がそろっているため、この 全く同じ波同士を重ね合わせる と、二倍大きな波が起こる。 波の重ね合わせで考える☆ 波の位置をずらして重ね合わせると波は、二倍 にはならない。これが干渉。 現在では69個の元素からレーザ発振が確認 されている。 レーザーは大別すると、固体、気体、液体に 分けられる。 すべてのレーザーがこの特徴を有しているわ けではなく、レーザーにはその利用法によっ て一部の特徴を生かすために、それ以外の 特徴を殺してしまっている物もたくさんある。 固体レーザーの材料としては、ルビ、 (クロムイオンを含む酸化アルミニウ ム結晶)と、ネオジムイオンを含む結 晶およびガラスが最も代表的。 ふつうこれらの材料を直径3~10m mほどの大きさの棒とし、その両端 面を研磨して、そこに直接反射鏡を 蒸着して共振器とする場合が多い。 固体レーザーは、大きな出力が得ら れるという特徴があるが、十分強い 連続光原が得にくいので、連続的な 動作を行わせることは 難しい。 しかし非常に ピーク出力の大きい、 時間幅の狭いパルス発振が得られ る。 気体レーザーの材料としては、ヘリウム (He)とネオン(Ne)の混合気体、アルゴ ン(Ar)、炭 酸ガスCO3などが最も代表 的なものである。 低圧の気体は、数多くのケイ光線をもち、 しかもそれらの多くが基底隼位より十分 高い隼位の間の遷移に対応する ので、 負の温度の状態が実現しやすい。 そのためほとんどの気体がレーザー媒体 となる可能性をもっており、実際多く気体 で成功している。 気体レーザー は、他のレーザーと比べて 連続的発振が容易であり、発振光の位相 がそろう度合もすぐれている。 反面、粒子の密度が小さいため、単位長 さ当りの増幅度は固体 レーザーに比べ てかなり小さい。 そのため気体レーザー装置は、ある程度 長さの長いものになる。 半導体レーザーは、電子や正孔 (ホール)を注入する方法によって電 気的に直接励起することができる点 が最大の特徴である。 ユーロピウムイオンを含む数種の 有機金属化合物をアルコールに溶 かしたものなどで発振が行われ、 比較的大きな出力が得られる。 そのため入力エネルギーの出力光ヘ の変換効率は数十%にもおよび、他 のレーザーの数%に比べて格段に高 い。 励起にはキセノンフラッシュランプ が用いられ、性質も固体レーザー に近い。 また励起電流を変化させることによっ て容易に変調を行うことができる、応 答が速い、装置が 小型、軽量で、操 作も簡単で取り扱いやすいなどの特 徴があるが、出力は大きくない。 終
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