時系列データ(1)暦年データ

経済予測入門Ⅰ 第3回
2006年5月6日
• 内容
(1)成長率の計算について
(2)季節性のあるデータの成長率
(3)景気動向指数(内閣府、DI)の先行性
(4)景気動向に関するサーベイ
景気ウォッチャー調査(内閣府)
全国企業短期経済観測調査(日本銀行)
1
1 成長率の計算について
関数の線形近似(テイラーの公式より)
f ( x)  f (a)  f x (a)(x  a)
a
x
2
1 成長率の計算について(続き)
Xの成長率
g
( X t  X t 1 )
X t 1
あるいは、
g  log(X t )  log(X t 1 )
log(g  1)  log(X t / X t 1 )  log(X t )  log(X t 1 )
g 0
で関数の線形近似を用いる。
1
log(g  1)  log(a  1) 
( g  a)
a 1
a0
1
log(g  1)  log(0  1) 
( g  0)  g
0 1
3
実質GDPの対前年同期成長率
.08
.08
.07
.07
.06
.06
.05
.05
.04
.04
.03
.03
.02
.02
.01
.01
.00
.00
1988
1989
1990
LOG(RGDP)-LOG(RGDP(-4))
1991
1992
RGDP/RGDP(-4)-1
4
2 季節性のあるデータの成長率(年率換算)
・ 実質GDPの原系列
対前年同期成長率で見る。
・ 実質GDPの季節調整系列
対前期成長率で見る。これは四半期分の成長率なので、通常は年率に換算する。
G  g4
1  G  (1  g ) 4
両辺の対数をとると、
G  4g
5
実質GDPの原系列と季調系列
140000
136000
132000
128000
124000
120000
95Q3 96Q1 96Q3 97Q1 97Q3 98Q1 98Q3 99Q1
RGDP
RGDP_SA
6
年率換算の比較
.12
.08
.04
.00
-.04
-.08
1988
1989
1990
1991
1992
(LOG(RGDP_SA)-LOG(RGDP_SA(-1)))*4
(LOG(RGDP_SA)-LOG(RGDP_SA(-1))+1)^4-1
7
実質GDP(季調系列)の対前期成長率(年率)
と実質GDP(原系列)の対前年同期成長率
.12
.08
.04
.00
-.04
-.08
1988
1989
1990
1991
1992
LOG(RGDP)-LOG(RGDP(-4))
(LOG(RGDP_SA)-LOG(RGDP_SA(-1))+1)^4-1
8
年度ベースの成長率と四半期の成長率
131000
130000
129000
128000
127000
126000
125000
124000
123000
95Q3
96Q1 96Q3 97Q1
RGDP_SA
97Q3 98Q1 98Q3
99Q1
RGDPFY/4
9
3 景気動向指数の先行性
・ 月次のDIを3カ月移動平均
・ 2月の値を第1四半期
5月の値を第2四半期
8月の値を第3四半期
11月の値を第4四半期
10
DI 円高不況からの回復
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
1984
1985
1986
DIL
1987
DIC
1988
DID
1989
11
実質GDPとDI(先行指数)
100
80
60
40
.08
.07
20
.06
.05
.04
.03
.02
1984
1985
1986
DIL
1987
1988
RGDP/RGDP(-4)-1
1989
12
4 景気動向に関するサーベイ
景気ウォッチャー調査(内閣府)
調査の目的
地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域
ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすること
を目的とする。
DIの計算方法
評価
良く
やや良く
変わらない
やや悪く
悪く
なっている
なっている
なっている
なっている
良くなる
やや良くなる
変わらない
やや悪くなる
悪くなる
(良い)
(やや良い)
(どちらとも
(やや悪い)
(悪い)
いえない)
点数
1
0.75
0.5
0.25
(http://www5.cao.go.jp/keizai3/2006/0410watcher/menu.html
アクセス日付2006年5月5日)
0
13
2.調査の範囲
(1) 対象地域
北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11 地
域を対象とする。
(2) 調査客体
家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象
を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050 人を調査客体とする。
3.調査事項
(1) 景気の現状に対する判断(方向性)
(2) (1)の理由
(3) (2)の追加説明及び具体的状況の説明
(4) 景気の先行きに対する判断(方向性)
(5) (4)の理由
(参考) 景気の現状に対する判断(水準)
4.調査期日及び期間
調査は毎月、当月時点であり、調査期間は毎月25 日から月末である。
(http://www5.cao.go.jp/keizai3/2006/0410watcher/menu.html
アクセス日付2006年5月5日)
14
4 景気動向に関するサーベイ 日銀短観
1.調査の目的
短観は、統計法(昭和22年法律第18号)に基づく総務大臣への届出統
計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営
に資することを目的としている。
3.調査・公表時期
毎年3、6、9、12月に調査を実施し、それぞれ4月初、7月初、10月初、
12月央に調査結果を公表している(公表時刻は午前8時50分)。なお、3、
6、9、12月の下旬に、先行き6か月間分の公表日を事前公表している。
4.調査対象
(1)全国短観
母集団企業は、総務省の「事業所・企業統計調査」(2001年10月実施
分)をベースとした、全国の資本金2千万円以上の民間企業(金融機関を
除く。約22万社)。
調査対象企業は「事業所・企業統計調査」の実施(2、3年毎)に合わせ
て見直す(追加・削除および業種や規模の変更をする)こととしており、直
近では2004年3月調査時に見直しを行っている(3月調査時の対象企業
数は10,562社)。
http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/tk/index.htm
アクセス日付2006年5月5日
15
4 日銀短観(続き)
6.集計方法
(1)判断項目(四半期項目の「先行き予測に関する判断」を含む)
調査対象企業からの回答を、以下の通り算出される「DI」(ディフュージョン・イン
デックス<Diffusion Index>)という指標に加工・集計している。
DI(%ポイント)
=「第1選択肢の回答社数構成比(%)」-「第3選択肢の回答社数構成比(%)」
例えば、「業況判断DI」は、「1.良い」の社数構成比から「3.悪い」の社数構成比を
引いて算出している。
(2)計数項目(四半期項目、年度計画、新卒者採用状況)
業種別・規模別の区分毎に、以下の通り「母集団推計値」を集計し、同推計値を用
いて、「前年同期比増減率」や「前回調査比修正率」等を算出している。
http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/tk/index.htm
アクセス日付2006年5月5日
16