スライド 1 - YAMAGATA UNIVERSITY

科学研究費補助金公募要領等説明会
~20年度公募に当たってのポイント~
平成19年9月
山形大学研究プロジェクト戦略室
マネージング・プロフェッサー
山﨑 淳一郎
目
次
Ⅰ.競争的資金とは
Ⅱ.科学研究費補助金(科研費)制度
Ⅲ.公的研究費の管理・監査ガイドライン
Ⅳ.20年度公募要領等の概要
Ⅴ.科研費応募のポイント
1
Ⅰ.競争的資金とは
2
競争的資金とは
資源配分主体が広く研究課題等を募り、提案された課題の中
から、専門家を含む複数の者による科学的・技術的な観点を中
心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択し、研究者に配
分する研究開発資金
(平成18年3月「第三期科学技術基本計画」より)
□ 資源配分機関が国、独立行政法人となっている競争的資金は、
8省庁7独立行政法人1公益法人に及ぶ。
□ 競争的資金の総額は約4,700億円。政府の科学技術関係経
費の約13%を占める。
□ 第2期科学技術基本計画において、競争的資金の倍増が主要
施策になったこともあり、計画期間中(平成13~17年度)では7%か
ら13%に大幅増。
3
公的研究資金の分類
イ
研
究
内
容
・
研
究
者
・
研
究
組
織
等
ニ
シ
ア
テ
ィ
ブ
政府による主導
【mission-oriented research】
研究者の自由な発想
【学術研究 (curiosity-driven research)】
めあ
設ら
定か
じ
政府主導の国家プロ
ジェクトの実施(約2兆円)
大学共同利用機関、大学附
置研究所などにおける特定
目的の研究の推進
【
競
争公
的募
研・
究審
資査
金
】
各省がそれぞれ定める
目的のための公募型
研究の実施(36制度)
科学研究費補助金
による研究の推進
(2,853億円)
(1,913億円)
基盤的経費
研
自究
由者
の
による研究の推進
約2兆1,000億円
約1兆4,000億円
(矢印は、研究が拡大・発展していく一般的なプロセスを示す。)
4
資料:文部科学省作成
競争的資金①
文部科学省で15制度、政府全体で37制度
文部科学省(15)
1.科学研究費補助金
2.戦略的創造研究推進事業
3.科学技術振興調整費
4.研究拠点形成費等補助金(21世紀COEプログラム)
5.研究拠点形成費等補助金 (グローバルCOEプログラム)
6.世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム
7.キーテクノロジー研究開発の推進(ナノテク融合、社会
資源配分機関
文部科学省・(独)日本学術振興会
(独)科学技術振興機構
文部科学省
的ニーズを踏まえたライフサイエンス、次世代IT)
8.地球観測システム構築推進プラン
9.原子力システム研究開発事業
10.先端計測分析技術・機器開発事業
11.革新技術開発研究事業
12.独創的シーズ展開事業
13.産学協同シーズイノベーション化事業
14.重点地域研究開発推進プログラム
15.地域結集型研究開発プログラム
(独)科学技術振興機構
5
競争的資金②
内閣府(1)
16.食品健康影響評価技術研究
資源配分機関
内閣府
総務省(4)
17.戦略的情報通信研究開発推進制度
18.先進技術型研究開発助成金制度
19.民間基盤技術研究促進制度
20.消防防災科学技術研究推進制度
総務省
(独)情報通信研究機構
消防庁
厚生労働省(2)
21.厚生労働科学研究費補助金
22.保健医療分野における基礎研究推進事業
厚生労働省
(独)医薬基盤研究所
農林水産省(4)
23.新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業
24.生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業
25.先端技術を活用した農林水産研究高度化事業
26.産学官連携による食料産業等活性化のための
新技術開発事業
(独)農業・食品産業技術総合
研究機構(NARO)
農林水産省
6
競争的資金③
経済産業省(5)
27.産業技術研究助成事業
28.イノベーション実用化助成事業
29.石油・天然ガス開発・利用促進型事業
30.地域新生コンソーシアム研究開発事業
31.革新的実用原子力技術開発事業
資源配分機関
(独)新エネルギー・産業技術総合
研究機構(NEDO)
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
経済産業省
国土交通省(2)
32.運輸分野における基礎的研究推進制度
33.建設技術研究開発助成制度
(独)鉄道建設・運輸施設設備支援機構
国土交通省
環境省(4)
34.環境技術開発等推進費
35.廃棄物処理等科学研究費補助金
36.地球環境研究総合推進費
37.地球温暖化対策技術開発事業
環境省
7
Ⅱ.科学研究費補助金(科研費)制度
8
科 学 研 究 費 補 助 金 と は
◇ 「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を対象とする
競争的研究資金。
◇ 人文・社会科学から自然科学まですべての分野をカバー、基礎から応用ま
でのあらゆる段階の研究活動をサポート。
◇ 審査は、延べ6,000人に及ぶ研究者が実施(ピアレビュー)。
◇ 予算規模は1,913億円(平成19年度)。
政府全体の科学技術関係経費(約3.5兆円)の約5%
競争的研究資金全体(4,766億円)の約40%
◇ 新規応募10万件に対し、採択は2.4万件(採択率24%)(平成18年度)
◇ 継続分を含め、年間5万件を超える研究に補助金を交付
→科研費は「知識基盤社会」において大きな存在!
資料:文部科学省作成
9
「30年後の重点分野」を育ててきた科学研究費補助金
「半導体多層薄膜構造による光集積回路用レー
ザの研究」
末松安晴(国立情報学研究所顧問)
光 通 信 の 実 現
(超高速ブロードバンド時代の実現)
昭和41年度~ 一般研究、基盤研究 ほか
「ポリアセチレンフィルムの半導体としての応用に
関する研究」
白川英樹(筑波大学名誉教授)
昭和44年度~ 試験研究、基盤研究 ほか
「遷移金属錯体を用いる新規合成反応」
野依良治(名古屋大学名誉教授)
昭和47年度~ 一般研究、特別推進研究 ほか
「食品機能の系統的解析と展開」
藤巻正生(東京大学・お茶の水女子大学名誉教授)
昭和59年度~ 特定研究
「磁気薄膜による高密度情報記録の研究」
岩崎俊一(東北大学名誉教授)
電気を通すプラスチックの実用化
(携帯電話の電池などさまざまな電子部品に利用)
ノーベル化学賞(平成12年)
化学物質の画期的な合成法実現
(副作用のない薬品の製造に幅広く応用)
ノーベル化学賞(平成13年)
機能性食品(※)という新しい分野の創出
※機能性食品とは、成人病や老人病などの病態に対応した
機能を有する食品
(例:β-カロチン、リノール酸)
垂直磁気記録の実現
(垂直磁気記録方式HDDの実用化)
昭和42年度~ 機関研究、一般研究 ほか
10
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の予算額の推移
科学研究費補助金予算額の推移
百万円
240,000
平成20年度
概算要求額
2,175億円
220,000
200,000
180,000
160,000
1,018億円
140,000
1000億円突破
(H8)
120,000
100,000
526億円
500億円突破
80,000
(H元)
60,000
40,000
20,000
100億円
(S47)
0
S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
11
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の拡充と改革
革新的な学術研究を支援する科学研究費補助金の拡充
平成20年度要求額 : 217,481百万円
(平成19年度予算額 : 191,300百万円)
(262億円増)
○科学技術基本計画 (閣議決定)
“競争的資金の拡充”
“間接経費30%の早期実現”
“若手研究者支援”
○経済財政改革の基本方針2007(閣議決定)
“競争的資金の拡充”
“間接経費30%の早期実現”
“若手研究者支援”
科
◎ 挑戦的研究、若手研究者への投資等による
革新的な学術研究の促進
(+95億円)
研
・新たな領域を開拓する「新学術領域研究」の新設
(既存種目の見直し)
(+22億円)
・若手研究者の自立を促進する「若手研究」の拡充
(+47億円)
・学術研究の裾野を広げ、多様性を確保する「基盤研究」の
充実
(+26億円)
費
○長期戦略指針イノベーション25 (閣議決定)
“若手研究者の自立支援”
“ハイリスク研究の推進”
“競争的資金の拡充”
“間接経費30%の早期実現”
○平成20年度の科学技術に関する予算等の
資源配分の方針(総合科学技術会議)
“多様な基礎研究等への競争的資金の拡充”
“若手研究者支援”
“間接経費30%の早期実現”
“新分野開拓等の挑戦的な研究へ向けた競争的資金
の拡充”
の
◎ 間接経費の拡充
拡
充
と
改
○研究費の有効活用
・補助金の不正使用の防止
・研究活動の不正行為の防止
・研究費配分における無駄の排除
○科研費の弾力的使用
革
(+196億円)
・多くの国公私立大学に配分されている「若手研究(B)」などの研究種目
において、間接経費30%を早期に措置
◎ 審査・評価体制の充実
(+2億円)
◎ 審査・交付業務の日本学術振興会への更なる移管
◎ 不正使用防止策の推進
・経理管理・監査実施状況報告書の応募要件化
・機関管理の体制強化
・ルールの徹底
等
◎ 電子システム化の推進
◎ 年度間繰越の活用促進
12
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の拡充①
◎ 挑戦的研究、若手研究者への投資等による革新的な学術
研究の促進
(+95億円)
・新たな領域を開拓する「新学術領域研究」の新設
(既存種目の見直し)
(+22億円)
<趣旨>
学術研究にブレークスルーをもたらすためには、基盤的な研究の積み重ねととも
に、挑戦的でリスクの高い研究が重要であり、既存研究種目の見直しにより、新し
い学術領域を開拓する「新学術領域研究」を創設。
<特徴>
① 私立大学、地方国公立大学の参加促進、人文・社会科学分野の振興に配慮
し、応募金額の下限を引き上げ、採択件数の増。
② 課題提案型では、研究計画の独創性を重視するため、事前審査において、
氏名・所属を伏したマスキング審査を試行。
③ 新規採択分から間接経費30%を措置。
13
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の拡充②
・若手研究者の自立を促進する「若手研究」の拡充
(+47億円)
◇若手研究者のチャレンジする機会を確保
(+34億円)
若手研究(B)、若手研究(スタートアップ)を充実させ、新規採択率40%
を2年で実現(1年目35%)
35%達成に必要な額
○若手研究(B)
採択率29%(H19) 164億円(+18億円)
○若手研究(スタートアップ) 採択率20%(H18)
26億円(+ 8億円)
間接経費(+ 8億円)
◇特に優れた若手研究者の自立を促進
(+13億円)
若手研究(S)の年次進行予算を確保
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
13億円
+13億円
+13億円
+13億円
+13億円
14
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の拡充③
・学術研究の裾野を広げ、多様性を確保する「基盤研究」の
充実
(+26億円)
◇人文・社会科学等の研究振興のため、基盤研究(C)を充実
(+10億円)
人文・社会科学や私立大学・地方国公立大学等の研究振興により学術研究の
裾野を広げるため、基盤研究(C)の採択件数を増加。
◇優れた研究をシームレスに発展させるため、基盤研究(S)を
充実
(+16億円)
学術創成研究費の見直し・転換により、基盤研究(S)の配分額の上限を2億円
に増額。採択件数を倍増(80件→160件)
15
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の拡充④
◎ 間接経費の拡充
(+196億円)
・多くの国公私立大学に配分されている「若手研究(B)」などの研究種目におい
て、間接経費30%を早期に措置
特定領域研究
94億円
萌芽研究
17億円
若手研究(B)
44億円
若手研究(スタートアップ)
5億円
特別研究促進費
1億円
特別研究員奨励費
16億円
合 計
177億円
新規増額要求分 19億円
◎ 審査・評価体制の充実
(+2億円)
科研費の全ての研究種目について
①採点理由の提示を含めて、審査員自体の評価を導入。
②中間報告書の提出、ホームページ公表による中間評価を実施。
◎ 審査・交付業務の日本学術振興会への更なる移管
若手研究(A・B)
16
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の構造
資料:文部科学省作成
国際的に評価の高い研究の推進
研
究
費
の
規
模
/
研
究
の
発
展
特別推進研究
3~5年 制限なし(5億円程度)
*国際的に高い評価を得ている研究
学術創成研究費
5年
若手研究(S)
5年
1億円程度
若手研究(A)・(B)
2~4年 (A) 500~3000万円
(B)
~500万円
若手研究(スタートアップ)
2年
年間150万円以内
特別研究員奨励費
基盤研究(S)
原則5年 5,000万~1億円
*独創的・先駆的研究の格段の発展
基盤研究(A)・(B)・(C)
2~4年 (A) 2,000~5,000万円
(B) 500~2,000万円
(C)
~500万円
*研究者個人の独創的・先駆的研究
3年以内 年間150万円以内
年間 7,000万円程度
特定領域研究
〔領域〕3~6年
年間 2,000万円~6億円
〔公募〕1~2年
400万円程度
特別研究促進費
萌芽研究
*実験的試行、緊急研究
1~3年 ~500万円
*意外性のある芽生え機の研究
若手研究者の自立支援
新領域の形成等
研究者の自由な発想に基づく研究の多様性の確保
17
研究種目の趣旨
科学研究費補助金の研究種目①
◇研究段階・規模等に応じた多様な研究種目
採用
3年目
37歳
特 若手研究
別 (スタートアップ)
研
究
員 特別研究促進費
[年府数回応募]
奨
励
若手研究(A・B)
費
42歳
特別研究促進費[緊急・重要研究]
若手研究(S)
萌芽研究
基盤研究
(S・A・B・C)
特別推進研究
<平成20年度から新規領域募集停止>
<平成20年度から募集停止>
特定領域研究
学術創成研究費
研究成果公開促進費[研究成果公開発表・学術図書・データベース]
<平成20年度から研究成果公開発表(A)シンポジウムの開催 募集停止>
18
科学研究費補助金に関するルール
科研費のルールには、「応募ルール」、「評価ルール」、「使用ルール」の3つがある。
①応募ルール
科研費への応募・申請に関するルール。「公募要領」の内容。
応募資格
<研究者要件>
①研究機関に、研究活動を職務に含む者として所属する者
②研究機関の研究活動に実際に従事
<研究機関要件> 補助金が交付された場合、
①研究活動を当該研究機関の活動として行わせること。
②機関として補助金の管理を行うこと。
②評価ルール
事前評価(審査)、中間評価、事後評価に関するルール
◇ピア・レビューの具体的方法について定めたルール
◇「科学研究費補助金における評価に関する規程」等の内容
◇研究期間が長期の課題→「中間評価」、「事後評価」も
③使用ルール
交付された科研費の使用に関するルール
<研究者使用ルール>交付決定時の「補助条件」の内容
◇研究者による科研費の使い方に関するルール。
<研究機関使用ルール>
◇交付内定時の「科学研究費補助金の使用について各研究機関が行うべき事務等」の内容
19
◇研究機関が科研費の管理等を行うことに関するルール。
補助金の翌年度への繰り越し(平成18年度改正)
4月1日から、科研費繰越しの取扱いが改正
◇繰り越しの対象を、外部要因に限らず、広く、交付決定時には
予想し得なかった要因によるものとした。
◇繰り越しの事由として「研究に際しての事前の調査」及び「そ
の他のやむを得ない事由」を追加。
◇「繰越し事由」の例示を、10例追加し、5例とした。
〔繰り越し事由〕
1 研究に際しての事前の調査 2 研究方式の決定の困難
3 計画に関する諸条件 4 気象の関係 5 資材の入手難
6 その他やむを得ない事由(1~5の事由に類似した事由に限る。)
20
繰り越し事由「計画に関する諸条件」に次の
例示が追加。
◇ 研究を実施していく中において、○○の事象が生じたこと
で当初予定していた成果が得られないことが判明したため、
当初の研究計画を変更する必要が生じたことにより、その
調整に予想外の日数を要したため…
◇ 研究の進展に伴い、当初予想し得なかった新たな知見が
得られたことから、その知見を使用し十分な研究成果を得る
ために、当初の研究計画を変更する必要が生じたことによ
り、その調整に予想外の日数を要した…
21
平成18年度繰越事例集
1.研究に際しての事前調査又は研究方式の決定の困難
2.計画に係る諸条件
①新たな知見の発見
②研究者の確保
③海外研究協力者の事情
④研究用設備の開発の遅延
⑤研究内容・方法の変更
3.資材の入手難(資材不足)
4.気象の関係(天候不良による観測時間の不足)
22
Ⅲ.公的研究費の管理・監査ガイドライン
23
1.科研費不正使用防止のための取り組み
【これまでの取組み状況】
【新しい措置(平成18年度~)】
① 応募資格を一定期間停止する措置の導入
(平成15年度~)
① 不正使用防止に向けた新たな対策を取りま
とめた通知の発出 (平成18年11月28日)
○ 不正使用を行った研究者及び共謀者:2~5年
○ 上記の共同研究者
:1年
○ 不正受給を行った研究者
:5年
○ 不正行為を防止するための研究機関の自主的
な経理管理・監査体制の整備を義務化
○ 執行管理を強化・徹底
○ 補助金の経費管理責任者の登録を義務化
○ 全ての採択者に対し、「不正を行わない」旨の誓
約を確認
○ 補助金応募手続時に、機関管理状況報告を組
入れ、審査
○ 文部科学省及び日本学術振興会による実地検
査の実施
○ 研究機関に対するペナルティ(間接経費の減額
査定等)の導入
② 機関管理の義務化(平成16年度~)
○ 研究機関による科研費の管理について、雇用契
約、就業規則、個別契約等で規定
○ 研究機関による研究者・事務職員を対象とした
研修会、説明会の開催
○ 研究機関における交付件数に対する一定割合
(概ね10%)以上の内部監査の実施
③ 不正使用防止ルールの周知
○ ハンドブック(研究者用、研究機関用)の作成、配
布および文部科学省HPへの掲載
○ 不正防止のための通知の発出(平成17年1月24日)
○ 説明会の開催(18年度実績:全国で91回)
② 大学等の関係機関を対象に説明会を実施
(平成18年12月5日開催・842機関出席)
③ 日本学術振興会に対して、経理管理業務等
の詳細な実施状況についての報告を義務化
(平成19年4月)
24
資料:文部科学省作成
2.不正使用防止対策強化の背景
1.早稲田大学理工学術院松本和子教授による科学
技術振興調整費、科研費、NEDO委託費等の公的
研究費の不正使用・不正行為の事案が発覚。
ことに松本教授が総合科学技術会議の議員や研究
活動の不正行為対策を検討する文科省の審議会特
別委員会の副主査等を歴任していたこと、早稲田大
学総長選の時期に重なった事情から、大きくマスコミ
報道され、社会問題化。
2.他にも、国立天文台の研究者による科研費の不正
使用など複数の大学等で不正経理の事案のマスコミ
報道が続いた。
25
3.公的研究費の管理・監査のガイドライン
1.平成18年8月、文科省において「研究費の不正対策
検討会」(主査:石井紫郎東大名誉教授)が設置され、
研究費の不正対策について検討開始。
2.同研究会の検討結果を受けて、本年2月、文科省は
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイド
ライン(実施基準)」を策定。
3.科研費においては、平成19年度から、同ガイドライ
ンを踏まえた機関の経理管理・監査体制の整備を行う
ことが研究機関の責務とする使用ルールを改正。
4.公募時に、機関の経理管理・監査体制の整備状況を
文科省に報告(11月)。
26
4.ガイドラインの概要
◇7節構成。本文のほか、実施事項の例を参考に提示。
◇研究機関においては、7節を除く内容を踏まえ各機関独自のガイドラインを策定
することを要請。
<基本的考え方>
①個人補助、機関補助の別にかかわりなく、国民の信頼に応えるため、競争的資
金等の管理は研究機関の責任において行うべきとの原則を一層徹底。
②研究費の不正な使用が行われる可能性が常にあるという前提の下で、不正を
誘発する要因を除去し、抑止機能のあるような環境・体制の構築を図ることは、
機関の責任者の責務。
<構成>
第1節 機関内の責任体系の明確化
第2節 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備
第3節 不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定・実施
第4節 研究費の適正な運営・管理活動
第5節 情報の伝達を確保する体制の確立
第6節 モニタリングの在り方
第7節 文部科学省による研究機関に対するモニタリング、指導及び是正 27
措置の在り方
5.ガイドラインのメッセージ
 研究資金制度を内部から壊す者に対し、大学が厳正に対処す
ること
 研究費管理のみならず経費管理全体の問題として捉えること
が重要
 結果よりプロセスを重視
 個別問題ではなく組織の問題と捉え、局所最適から全体最適
へ隙間を埋める
 リスクマネジメント、コンプライアンス、内部統制の一体化したガ
バナンス体制の構築・整備
 「ムシ的不正」対処から「カビ的不正」対処へ
 「ガイドライン」と「行動規範」策定による不正リスク軽減が目的
28
6.不正が発生する背景と防止策
①誠実性の欠如・
不正の正当化
行動規範
②不正を犯す動機
組織または個人の利益の
ために不正を働こうとす
る動機をもたらす状況が
ある。
機会があれば、不正を犯す
「その気」がある。また、
内部統制や正確な報告義務
に対する関心が欠如してい
る。
経営者が「良きに計らえ」と言い、
構成員の活動をチェックせず経営
判断を示さないなどにより、不正の
動機が生まれる。
不正
③不正を犯す機会
不十分な職務分離や監視等により、内部統制が
不十分なために不正を犯すことが可能な状況に
ある。
ガイドライン
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
研究者と事務職員とのコミュニケーション
がない、あるいは不足することにより不正
を犯す機会が生まれる。
29
7.ガイドラインの構成
【内部統制の目的】
第1節 機関内の責任体系の明確化
第2節 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備
【
内
部
統
制
の
基
本
的
要
素
】
① 内部統制環境
②リスク評価
③ 内部統制活動
④情報と伝達
事
業
単
位
A
(
本
部
)
事
業
単
位
B
(
部
局
)
事
業
活
動
A
事
業
活
動
B
⑤ モニタリング
(1)
(2)
(3)
(4)
ルールの明確化・統一化
職務権限の明確化
関係者の意識向上
調査及び懲戒に関する規程の整備及び運用の透明化
第3節 不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定
(1)
(2)
不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定
不正防止計画の実施
第4節 研究費の適正な運営・管理活動
第5節 情報の伝達を確保する体制の確立
第6節 モニタリングの在り方
◇COSOフレームワークの概念に基づいて構成。
*COSOフレームワーク=米国トレッドウェイ委員会組織委員会が1992年にまとめた内部統制の包括的フレームワーク。
*米国の監査基準等のベース。日本でも、会社法、金融証券取引法、監査基準等のベースとなっている。
◇内部統制のポイント
①結果責任からプロセス責任への転換→結果さえよければよい時代は終わった
②財務分野、非財務分野ともに規律
☆経営者(学長)は従業員(教職員)を管理・監督するプロセスを構築する責任を負う。
☆経営者(学長・理事)はこれを共通認識することが不可欠。
30
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
8.リスクマネジメント導入による内部統制システム構築
《COSO ERM(Enterprise Risk Management)フレームワーク・キューブ》
◇内部統制システムを有効に機能させるため、企業組織のリスクと機会を全社横断的・継続的に
評価・改善していくフレームワークとして開発。
◇経営・戦略の視点から、リスク許容度を設定・コントロールすること、個々のリスクをポートフォ
リオの観点から統合管理することを提唱。
【目
的】
【
構
事象認識
成
リスク評価
要
素
】
◎経営管理のPDCAが回せることが内部統制のポイント
1.言い放し、やりっ放しになっていて、PDCAがきちんと回っているか?D(Do)のみに終わっていないか?
2.経営者(全ての理事)が共通に理解すること、情報共有が不可欠。理事の責任が縦割りになっていないか?
3.治療計画(不正防止計画)ができているか?
4.リスク対応計画がフィードバックされているか?
31
9.内部統制による経営管理のPDCAの転回
第3節
不正を発生させる要因の把握
①内部統制環境
目的設定
◇戦略
◇業務活動
◇財務報告
◇コンプライアンス
事象認識
ビジョン・目的を実現
するに当たって、それ
を阻害する可能性のあ
るリスク要因の現状を
把握する
④情報と伝達
⑤モニタリング
円滑に行われるよう、情報
の伝達・共有化の仕組み
が機能し、また対外的に
も 必要な情報の開示
を適切に行う。
②リスク評価
⑤モニタリング
戦略目的に関連するリスクが識別され、
リスク許容限度に照らして評価された上
でこれらの対策が期待した通りに機能し
ているか監視され、問題点があれば改
善し、対応策の定着化を図る
認識した事象の優先
対応リスクを整理・
現状把握し課題を
精査
③内部統制活動
リスク対応
マスタープランの対策
における具体的な方針
や手法に従い、組織と
してリスクマネジメン
ト態勢を構築
課題リスクに対する
マネジメント態勢を
構築するために対応
すべきマスタープラ
ンを組織的に決定
第3節
不正防止計画の策定・実施
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
不正発生要因の順位付け
重点的に投資するリスクを選別
32
10.内部統制はリスクマネジメントの低減手法
リ
ス
ク
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
大学の価値を維持・拡大していくために
定義 事業に関連する内外の様々なリスクを
適切に管理する活動
コンプライアンスマネジメント
事業活動遂行に関連するリスク(不確実
定義 性)に対するマネジメント
事業機会に関連するリスク
分類
戦略的意思決定に係るリスク
事業活動遂行に関連するリスク
限定
適正かつ効率的な業務の遂行に係るリスク
流れ
リスクの
発見・特定
リスクの
算定
リスクの
評価
リスク対応方
針・対策のモ
ニタリング
残留リスク
の評価
リスクの対
策の選択
「法令違反」、「財務報告違反」、「教
対象 育・研修の品質」、「個人情報の漏洩」、
「環境汚染」等
流れ
計画(Plan)
経営層による
見直し(Act)
実施と運用
(Do)
監査(Check)
リスクマネジメントの手法の一つ
低減
定義
目的
大学がその業務を適正かつ効率的に遂行するために、学内に構築され、運用される
体制・プロセスであり、事業目的の達成を支援する仕組み
財務報告の信頼性
業務の有効性・効率性
内部統制
資料:私立大学の社会的責任に関する研究報告 平成16年11月発行(P32)
法令遵守
33
11.モニタリングの重層化の例
報告
役 員 会
指示・指導
監 事
報告
報告・提言
リスクマネジメント委員会
内部監査部門
報告
監査室
委員長:リスクマネジメント担当理事
指示・指導
指示・指導
関
連
部
署
内部通報窓口
通
報
・
相
談
報
告
・
相
談
指示・指導
モニタリング
(第3次防御)
報告・相談
リスクマネジメント部門
フ
ィ
ー
ド
バ
ッ
ク
報告・提言
関
連
部
署
関
連
部
署
報告・相談
各部コンプライアンス担当者
及び教職員
モニタリング
(第4次防御)
指
示
・
指
導
*マネジメント態勢
の実効性評価
モニタリング
(第2次防御)
*リスクの網羅性の
評価
モニタリング
(第1次防御)
*コントロールの評価
34
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
Ⅳ.20年度科研費公募要領等の概要
35
主な公募内容等の変更点
◇科学研究費補助金において当面講ずべき施策の方向性について
(研究費部会「審議のまとめ」(その1)) 19.8.10 等
36
1.新学術領域研究(仮称)の新設
研究グループが提案する、
①新たな研究領域
②分野を超えた融合領域
③異分野連携による共同研究
④従来の分科細目区分では採択されにくい、独創性・創造性の高い挑戦的な研究等 を発掘・支援
特定領域研究
学術創成研究費
発展的見直し
募集停止
新学術領域研究
1領域当たり1千万円~3億円程度/年
研究領域提案型
【目的】
我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究
領域について、異分野連携や共同研究、人材育成等により
5年間で当該領域の研究を格段に発展させる
【内容】
1.複数の計画研究課題と公募研究課題により構成
2.原則として、「特定領域研究」よりも規模を抑制
◇若手研究者の連携、人文社会系など小規模グループ
による提案を積極的に支援
◇機動的、多くの領域を設定
【審査】
分野融合・連携に対応できるシステムを導入
1領域当たり1千万円程度/年
研究期間 3年(評価結果により2年延長可)
研究課題提案型
【目的】
従来の細目区分では採択されにくい、単独・ごく少数の
研究者が提案する新興・融合分野等におけるリスクの高い
挑戦的な研究課題を支援
【内容】
1.課題の規模を抑制
2.研究期間は、当初短めに設定、評価に応じて延長
【審査】
1.分野ごとではない
2.比較的少人数
3.書面審査と合議審査〔2段階審査方式〕
37
2.研究分担者等の意義の明確化
1.研究代表者とは所属機関が異なる研究分担者に係る機関管理が不十分となると懸念。
2.共同研究者ペナルティ制度が、研究遂行上の研究分担者と、補助事業の研究分担者の
意義を同一と捉え、共同研究の萎縮・妨げにつながると指摘。
3.分担金を受けていない研究分担者がどの程度資金の提供・使用をしているのか把握で
きず、研究資金の過度の集中等の防止の観点から障害となる。
研究分担者
☆補助金適正化法上の補助事業者。共同研究者ペナルティが適用される。
研究計画の遂行、研究課題の実現に向け、研究代表者と協力しつつ、補助事業としての研究
遂行責任を分担して、研究活動を行う者
◇原則として、分担金の配分を受ける。
◇分担金の配分をうけない、研究代表者と同一機関に所属する者も含む。
連携研究者
☆共同研究者ペナルティは適用されない。
研究代表者、研究分担者の責任の下、研究課題の遂行に当たり、研究計画に参画する者。
◇研究計画調書の「研究組織」欄に記載。
研究協力者
☆共同研究者ペナルティは適用されない。
研究代表者、研究分担者及び連携研究者以外の者で、研究課題の遂行に当たり、協力を行う
者。
38
研究分担者の在り方の見直し
研究代表者 研究分担者 連携研究者 研究協力者
変更前 変更後 変更前 変更後
変更後 変更前 変更後
補助事業者
○
○
○
○
×
×
×
応募資格の有無
○
○
○
○
○ 4△ 4△
3○ 3 × 3 ×
研究計画調書(研究組織欄への記載) ○
○
○
○
-
-
代表者交替
○
○
×
×
×
-
- 1○ 2 ○
分担金の配分
×
×
×
交付対象除外規定
○
○
○
○
×
×
×
論文等への記載
○
○
○
○
○
○
○
1
2
研究者と異なる研究機関に所属する場合は分担金の配分が可能。
分担金の配分を受けなければならない。ただし、研究代表者と同一の研究機関に属する研究分担者
は分担金を受けなくても構わない。
3
「研究計画・方法」欄等については、研究計画調書作成・記入要領の指示に従い、必要に応じて記
載することができる。
4
応募資格の有無は問わない。
39
研究計画調書
1.「研究分担者に分担金を配分する理由」 欄の廃止
研究分担者の在り方の見直しに伴うもの
2.「連携研究者」の記入方法
①「研究組織(研究代表者、研究分担者及び連携研究者)」欄に記載。
②研究協力者と同様、
「研究計画・方法」、「今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況等」欄は
必要に応じて記述可。
「研究者調書(特別推進研究、基盤研究S)」、「研究業績」、「これまでに受け
た研究費とその成果等」欄には記述不要。
③「連携研究者」として参画している研究課題に係るエフォート
「その他の活動」のエフォートに含めて記入。
電子申請入力方法
①連携研究者
◇研究組織入力項目に「連携研究者」を追加。
連携研究者は、入力時、「連携研究者」の区分欄を選択すること。
◇連携研究者は、「平成20年度研究経費」、「エフォート」欄は入力不可。
②研究分担者
◇研究代表者と異なる研究機関に所属する者
「分担金の有無」欄は「有」を選択、「平成20年度研究経費」欄には配分額を入力。
◇研究代表者と同一研究機関に所属する研究分担者
40
「平成20年度研究経費」欄には「0」を入力。
3.「系・分野・分科・細目表」の改正
278細目→284細目 に充実
1.細目 2303 ゲノム情報科学の新設(公募要領P24)
2301 基礎ゲノム科学・2302 応用ゲノム科学の情報科学に関するキーワードを統合
2.分科 芸術学、細目 2851 芸術学・芸術史・芸術一般の新設(P24)
時限付き分科細目「表象芸術」の応募状況を踏まえ、新設
3.細目ヨーロッパ文学→細目 2902 英米・英語圏文学と 2903 ヨーロッパ文
学(英文学を除く)に分割
4.分科 内科系臨床医学、細目 膠原病・アレルギー・感染症内科学→
細目 7210 膠原病・アレルギー内科学と 7211 感染症内科学に分割
5.分科 歯学、細目 補綴理工系歯学→
細目 7405 補綴系歯学と 7406 歯科医用工学・再生歯学に分割
6.分科 看護学、細目 臨床看護学→細目 7502 臨床看護学と 7503 生涯発達
看護学に分割
41
4.管理・監査体制整備等実施状況報告書の提出を応募要件化
◇本報告書の提出がない場合は、所属する研究者の応募は認められない。
◇本報告書の様式は、10月初旬以降、文科省調査調整課から通知される。
◇これにより、従前の様式T-3 内部監査等の実施状況報告書、T-4 科学研
究費補助金事務担当者名簿、T-5 検収(納品検査)の実施体制に関する
整備状況報告書は廃止。
5.「人権の保護及び法令等の遵守への対応」欄の見直し
◇指示書きに、個人情報の取り扱いに配慮する必要がある研究も対象として
記述する旨明記。該当しない場合はその旨記載するよう、指示書きに追加。
42
6.電子申請システム
1.応募受付の電子化
◇ 特定領域研究(継続の研究領域)及び「萌芽研究」を完全電子申請化。
◇基盤研究(C)及び若手研究(A・B)は昨年と同じ。
2.「研究者名簿の登録状況」情報の確認
◇研究機関担当者が「電子情報システム」からダウンロード、確認可。
3.研究代表者の連絡先の登録
基盤研究(S)、若手研究(S)の研究代表者の連絡先を登録することを追加。
4.「提出確認用」のすかし文字出力
基盤研究(C)、若手研究(A・B)の研究計画調書の前半部分(応募情報)は、
応募者が作成中の場合、「提出確認用」のすかし文字が入力されるよう変更。
5.「継続課題情報取得」ボタンの追加
特別推進研究、特定領域研究(継続領域)の継続応募の場合、「継続課題情報
取得」ボタンを押すと、「研究課題名」欄に継続研究課題に係る研究課題名が表示
され、「研究経費」欄に内約額が表示。
43
7.基盤研究・萌芽研究・若手研究
基盤研究(A・B・C)
1.研究期間の延伸 2~4年→3~5年
2.基盤研究(C) 審査を希望する分割体系(分割番号)の変更
キーワードにより審査を分割する細目を増やし、従来2分割していた分割体系(分割
番号)は最大5分割までに。
基盤研究(S)
1.応募総額の引き上げ
5,000万円以上1億円程度まで→5,000万円以上2億円程度まで
2.審査方法の変更
ヒアリング審査を実施
3.研究計画調書の分量の見直し
「これまで受けた研究費とその成果等」欄 1㌻追加で2㌻に
萌芽研究
モノクロ印刷による審査
完全電子申請化により、研究計画調書はモノクロ印刷により出力し、審査に付される。
カラー図表等を挿入することは可。ただし、モノクロ印刷されることを想定して挿入すること。
(特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、若手研究(S)はカラー印刷出力で審査)
若手研究(S)
1.応募総額の目安を明記 1億円程度まで→概ね3,000万円以上1億円程度まで
2.研究計画調書の記入欄の見直し
研究経費の明細欄 基盤研究(S)と同様に変更。
44
8.特別推進研究①
1.最終年度前年度応募の研究課題の取扱い
研究計画調書について、翌年度の4月1日以降の補助事業として作成すること
とし、当該応募課題が採択された場合で、既に継続課題の交付決定を行って
いるときには、継続課題の補助金を全額返還する旨を明記。
2.審査希望分野の選定
審査希望分野を「人文・社会」、「理工」、「生物」から選択することを明記。
「理工」については、「数物系科学」、「化学」、「工学」のうちから最も関係が深い
と思われる区分を選択。
<研究計画調書>
3.新規課題 「研究業績Ⅰ」欄、継続課題 「研究成果の発表状況」欄
◇研究代表者は二重下線、研究分担者は一重下線を付す。
◇corresponding authorは左に*印を付す。
◇発表年ごとに線を引いて区別し、通し番号を付す。
4.継続課題「研究成果の発表状況」、「研究成果の妥当性・必要性」欄の
分量を増加
45
8.特別推進研究②
5.<新規課題>各項目の順番・分量の見直し
19年度
Ⅰ.全体研究計画
1.研究目的
2.これまでに受けた研究費とその成果等
3.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
4.研究計画最終年度前年度の応募を行う
場合の記入事項
5.研究の必要性
6.文献
7.研究計画・方法
8.人権の保護及び法令等の遵守への対応
9.分担金の有無
10.研究分担者に分担金を配分する理由
11.研究経費の妥当性・必要性
12.使用施設
13.現有設備
14.設備備品費の明細
15.消耗品費等の明細
Ⅱ.研究者調書
20年度
Ⅰ.全体研究計画
1.研究目的
2.研究の必要性
3.文献
4.研究計画・方法
5.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
6.これまでに受けた研究費とその成果等
7.研究計画最終年度前年度の応募を行う
場合の記入事項
8.研究費の妥当性・必要性
<削除>
<削除>
9.人権の保護及び法令等の遵守への対応
10.使用施設
11.現有設備
12.設備備品費の明細
13.消耗品費等の明細
Ⅱ.研究者調書
46
9.特定領域研究①
【継続領域】
1.「公募研究に係る研究課題の応募書類を提出する時期に当たる研究領域一覧
(別表6)」及び「特定領域研究の概要(別添)」の見直し
公募研究の単年度当たりの応募金額の上限額を明記。
<研究計画調書>
2.各項目の分量等の見直し
①「研究成果の発表状況」、「研究経費の妥当性」欄 増量
②「研究資金の応募・採択状況」欄 追加
3.公募研究各項目の見直し
① 「研究業績」欄
◇記載対象の変更
「応募研究課題の内容に限ることなく」→「本研究に関連する重要なもの」
◇発表年ごとに線を引いて区別、番号を付す(基盤研究と同様)
②「研究成果の応募・採択状況」欄
「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」欄に変更
4.モノクロ印刷による審査
完全電子申請化により、研究計画調書はモノクロ印刷により出力し、審査に付される。
カラー図表等を挿入することは可。ただし、モノクロ印刷されることを想定して挿入すること。
(特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、若手研究(S)はカラー印刷出力で審査) 47
9.特定領域研究②
5.公募研究各項目の順番・分量の見直し
19年度
1.研究概要
2.研究目的
3.これまでに受けた研究費とその成果等
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.研究計画・方法
6.人権の保護及び法令等の遵守への対応
7.分担金の有無
8.研究分担者に分担金を配分する理由
9.研究経費の妥当性・必要性
10.設備備品費の明細
11.消耗品費等の明細
12.研究業績
13.研究資金の応募・採択状況
20年度
1.研究概要
2.研究目的
<分量の増>
3.研究計画・方法 <分量の増>
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.これまでに受けた研究費とその成果等
6.人権の保護及び法令等の遵守への対応
<削除>
<削除>
7.研究経費の妥当性・必要性<分量の減>
8.設備備品費の明細
9.消耗品費等の明細
10.研究業績
11.研究費の応募・受入等の状況・エフォ
ート
48
9.特定領域研究③
6.計画研究(新規)各項目の順番・分量の見直し
① 「研究業績」欄
◇記載対象の変更
「応募研究課題の内容に限ることなく」→「本研究に関連する重要なもの」
◇発表年ごとに線を引いて区別、番号を付す(基盤研究と同様)
②「研究成果の応募・採択状況」欄
「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」欄に変更
19年度
1.研究概要
2.研究目的
3.これまでに受けた研究費とその成果等
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.研究計画・方法
6.人権の保護及び法令等の遵守への対応
7.分担金の有無
8.研究分担者に分担金を配分する理由
9.研究経費の妥当性・必要性
10.設備備品費の明細
11.消耗品費等の明細
12.研究業績
13.研究資金の応募・採択状況
20年度
1.研究概要
2.研究目的
<分量の増>
3.研究計画・方法
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.これまでに受けた研究費とその成果等
6.研究経費の妥当性・必要性
<削除>
<削除>
7.人権の保護及び法令等の遵守への対応
8.設備備品費の明細
9.消耗品費等の明細 <分量の減>
10.研究業績
49
11.研究資金の応募・採択状況
10.研究成果の取りまとめ・社会還元方策
科研費は、我が国の発展基盤につながる優れた学術研究を支援する重要な役割を担うが、
成果が短期的に現れにくい、専門性が強いことなどから、その意義が広く国民に理解されて
いるとは言い難い。
1.文科省・日本学術振興会の取組
①「科研費ニューズレター」の発行
②成果公開シンポジウム(文科省・日本学術振興会主催)の開催
③追跡調査・評価による研究成果の検証(特別推進研究)
④国立国会図書館関西館に冊子納付している「研究成果報告書」をインターネットでの公開
に変更
⑤配分結果公表時における詳細なデータの公表
2.「研究成果公開発表(A)」の募集廃止
全ての研究課題で取り組まれるべき研究成果の公開・普及について、競争的に支援すること
はかえって誤った認識を生み出しかねないとの指摘や研究種目の整理・合理化の観点により、
新規募集を廃止。
◇研究成果の公開・普及は、交付を受けた研究者が採択期間中に取り組むことを奨励。
◇科研費の直接経費・間接経費からの支出可。
50
11.評価の充実・評価結果を踏まえた支援
1.科研費における評価は、全体としては不十分。
2.中間・事後評価実施の研究種目は、研究者・評価者の負担が重い反面、評価結果が
有効に活用されていない。
研究者の意欲の向上と、他の競争的資金の獲得を含めた次の段階の研究につながる
方向で、優れた研究活動を継続的にサポートしていく評価システムの改善が必要。
1.中間評価の充実と効率化
全ての研究種目で、3年目に自己点検による中間評価を実施。
評価結果をインターネットで公開。
2.大型研究種目における中間・事後評価の見直し
中間・事後評価を統一し、研究期間の最終年度の前年度に評価を実施。
評価結果を次の応募(含最終年度前年度応募)の際の研究計画に添付し、次の審査に
活かす仕組みを導入することにより、優れた研究課題を継続して支援。
指定席化ととられない配慮について検討(特に特別推進研究)。
3.「特別推進研究」追跡結果の実施〔試行〕
中長期的な観点から成果を検証し、国民に対する説明責任を果たすため、特に大型の研究
種目で研究期間終了後3~5年目程度に追跡調査を実施。まず、「特別推進研究」で試行的に
追跡調査を実施。
51
12.学術振興施策の検討に必要な調査研究への交付
学術の振興施策を検討する前提として不可欠な基礎調査が不十分。これが学術の振興施
策の妨げと指摘。
学術振興施策の検討に必要な調査研究へ「特別研究促進費」交付
学術振興施策の検討に資するために緊急に実施することが必要な調査研究で、科学技術・学
術審議会学術分科会各部会で実施の必要性が認められたものは、科研費「特別研究促進費」
で支援。
52
Ⅴ.科研費応募のポイント
53
応募に当たって留意すること
1. 応募する研究課題は、これまでの研究の延長線
上にある研究であること。
2. 応募書類は、プレゼンの一環として捉える。
3. 研究計画は、審査員の目線に立って作成してみ
る。
4. 応募ルール(公募要領)を熟読するほか、評価
ルールを理解し、審査の観点に沿って研究計画
調書を作成する。
5. 審査員は半分以上は専門分野外であることに留
意する。
54
評価ルールは、公表されている
第2・3種科研費〔基盤研究・若手研究・萌芽研究等〕
【審査規程】
○科学研究費補助金(基盤研究等)における審査及
び評価に関する規程(2006.9.22改正)
【審査の手引】
○第1段審査の手引
○第2段審査の手引
55
審査の実施体制
■日本学術振興会科学研究費委員会で実施
■研究種目により部会・小委員会ごとに実施
・基盤研究(S) 〔審査第一部会〕運営小委・15小委
・基盤研究(A・B)(一般) 〔審査第1部会〕15小委
・基盤研究(C) 〔審査第二部会〕運営小委・15小委
萌芽研究
〃
若手研究(A・B)
〃
15の小委員会
①総合領域小委員会
②複合新領域小委員会
③哲学小委員会
④文学小委員会
⑤史学小委員会
⑥法学小委員会
⑦経済学小委員会
⑧社会学・心理学・教育学小委員会
⑨数物系科学小委員会
⑩化学小委員会
⑪工学小委員会
⑫生物学小委員会
⑬農学小委員会
⑭医歯薬学小委員会
⑮医歯薬学小委員会
56
審査の方法
第1段審査
個々の研究課題の研究計画調書について専門的
見地から審査
■「評定要素」ごとに4段階評価〔絶対評価〕
■「総合評点」は5段階評価〔相対的評価〕
第2段審査
第1段審査の審査結果を基に、広い立場から総合
的に必要な調整を行うことを主眼とした合議審査
57
評定基準
評定要素ごと
【評点区分】
4
3
2
1
【評定基準】
優れている
良好である
やや劣っている
劣っている
総合評価
【評点区分】
5
4
3
2
1
【評 定 基 準】
【評点分布の目安】
非常に優れた研究課題であり、最優先で採択すべき
優れた研究課題であり、積極的に採択すべき
優れた研究課題であり、採択してもよい
採択するには研究内容等に不十分な点があり、採択を見送るべき
研究内容等に問題があり、採択に値しない
10%
20%
40%
20%
10%
58
「評価項目」
1.研究課題の学術的重要性・妥当性
「研究経費」、「研究目的」欄など
2.研究計画・方法の妥当性
「研究計画・方法」、「研究経費の妥当性・必要性」欄など
3.研究課題の独創性及び革新性
「研究目的」、「研究計画・方法」欄
4.研究課題の波及効果及び普遍性
「研究目的」、「研究計画・方法」欄
5.研究遂行能力及び研究環境の適切性
「研究組織」、「研究計画・方法」、「研究業績」、
「これまでに受けた研究費とその成果等」、
「今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況」欄など
59
「評価の観点」①
1.研究課題の学術的重要性・妥当性
□学術的に見て、推進すべき研究課題であるか。
□研究構想や研究目的が具体的かつ明確に示されているか。
□応募額の規模に見合った研究上の意義が認められるか。
2.研究計画・方法の妥当性
□研究目的を達成するため、研究計画は十分練られたものになっているか。
□研究計画を遂行する上で、当初計画通りに進まないときの対応など、多方面からの検討
状況は考慮されているか。
□研究期間や経費配分は妥当なものか。
□研究代表者が職務として行う研究、または別に行う研究がある場合には、その研究内容
との関連性及び相違点が示されているか。
□公募対象としていない以下のような研究計画に該当しないか。
①単に既製の研究機器の購入を目的とした研究計画
②他の経費で措置されるのがふさわしい大型研究装置等の製作を目的とする研究計画
③商品・役務の開発・販売等を直接の目的とする研究計画(商品・役務の開発・販売等に
係る市場動向調査を含む)
④業として行う受託研究
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「評価の観点」②
3.研究課題の独創性及び革新性
□ 研究対象、研究手法やもたらされる研究成果等について、独創性や革新性が認められる
か。
4.研究課題の波及効果及び普遍性
□当該研究分野もしくは関連研究分野の進展に対する大きな貢献、新しい学問分野の開拓
等、学術的な波及効果が期待できるか。
□科学技術、産業、文化など、幅広い意味で社会に与えるインパクト・貢献が期待できるか。
5.研究遂行能力及び研究環境の適切性
□これまでに受けた研究費とその研究成果を評価するとともに、これまでの研究業績等から
見て、研究課題に対する高い遂行能力を有していると判断できるか。
□複数の研究者で研究組織を構成する研究課題にあっては、組織全体としての研究遂行
能力は十分に高いか、また各研究分担者は十分大きな役割を果たすと期待されるか。
□研究課題の遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等、研究環境は整っているか。
□研究課題の成果を社会・国民に発信する方法等は考慮されているか。
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その他の評価の観点
1.適切性
①人権の保護及び法令等の遵守を必要とする研究課題の適切性
□相手方の同意・協力や社会的コンセンサスを必要とする研究計画又は法令等に基づく
手続きが必要な研究計画については、所要の手続き、対策が講じられているか。
□ヒト遺伝子解析研究等の研究課題にあっては、法令等に従い、所定の手続き・対策が
講じられているか。
②分担金配分の適切性
□分担金を配分しないと研究遂行上大きな支障があるか。
2.エフォート欄
□第2段審査で、「研究資金の不合理な重複や過度の集中に ならず、研究課題が十分
遂行し得るかどうか」を判断する際の参考とする。
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科研費の配分方式
○各専門分野毎の研究費の配分枠
当該研究種目
の本年度新規
配分予定額
当該専門分野
当該専門分野
の本年度新規
の本年度新規
+
応募課題数の
応募研究費の
シェア
シェア
×
2
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