スライド 1 - YAMAGATA UNIVERSITY

長岡工業高等専門学校科学研究費補助金制度説明会
~科学研究費補助金制度の概要~
平成19年10月18日(木)
山形大学研究プロジェクト戦略室
マネージング・プロフェッサー
山﨑 淳一郎
目
次
Ⅰ.競争的資金とは
Ⅱ.科学研究費補助金(科研費)制度
Ⅲ.20年度公募要領等の概要
Ⅳ.科研費応募のポイント
Ⅴ.不正使用等の防止
2
Ⅰ.競争的資金とは
3
競争的資金とは
資源配分主体が広く研究課題等を募り、提案された課題の中
から、専門家を含む複数の者による科学的・技術的な観点を中
心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択し、研究者に配
分する研究開発資金
(平成18年3月「第三期科学技術基本計画」より)
□ 資源配分機関が国、独立行政法人となっている競争的資金は、
8省庁7独立行政法人1公益法人に及ぶ。
□ 競争的資金の総額は約4,700億円。政府の科学技術関係経
費の約13%を占める。
□ 第2期科学技術基本計画において、競争的資金の倍増が主要
施策になったこともあり、計画期間中(平成13~17年度)では7%か
ら13%に大幅増。
4
公的研究資金の分類
イ
研
究
内
容
・
研
究
者
・
研
究
組
織
等
ニ
シ
ア
テ
ィ
ブ
政府による主導
【mission-oriented research】
研究者の自由な発想
【学術研究 (curiosity-driven research)】
めあ
設ら
定か
じ
政府主導の国家プロ
ジェクトの実施(約2兆円)
大学共同利用機関、大学附
置研究所などにおける特定
目的の研究の推進
【
競
争公
的募
研・
究審
資査
金
】
各省がそれぞれ定める
目的のための公募型
研究の実施(36制度)
科学研究費補助金
による研究の推進
(2,853億円)
(1,913億円)
基盤的経費
研
自究
由者
の
による研究の推進
約2兆1,000億円
約1兆4,000億円
(矢印は、研究が拡大・発展していく一般的なプロセスを示す。)
5
資料:文部科学省作成
我が国の科学技術投資にかかる資源配分の俯瞰図
(平成17年度科学技術関係予算)
 わが国の科学技術関係予算は、基礎研究、応用研究、実用化・事業化の各段階に配分。
 研究実施の観点からは、大学等のように研究者の自由な発想に基づく研究(ボトムアップ型)から、独立行政法人事業、各府省直
轄事業のように、組織の使命に沿った研究(トップダウン型)まで様々な性格のものがある。
※下図中、各楕円の大きさは、概ね、予算額の規模を示している
トップダウン型
各府省直轄事業:約3,400億円
情報収集衛星:約600億円
国立試験研究機関:約2,100億円
研究開発等事業費: 約32,900億円
国立感染症研究所: 約70億円
防衛庁技術研究本部: 約1,400億円
国土地理院: 約110億円
独立行政法人(競争的資金を除く): 約10,500億円
宇宙航空研究開発機構: 約1,800億円
日本原子力研究開発機構: 約1,900億円
海洋研究開発機構: 約380億円
情報通信研究機構(競争的研究資金を除く): 約380億円
農業・生物系特定産業技術研究機構(競争的研究資金を除く): 約400億円
国立環境研究所: 約100億円
新エネルギー・産業技術総合開発機構(競争的研究資金を除く): 約1,700億円
科学技術振興機構(競争的研究資金を除く): 約280億円
産業技術総合研究所: 約730億円
科学技術関係予算:
約35,800億円
理化学研究所: 約750億円
競争的資金:約4,700億円
ボトムアップ型
厚生労働科学研究費補助金: 約380億円
戦略的創造研究推進事業(JST): 約480億円 等
科学研究費補助金: 約1,880億円
21世紀COE: 約380億円 等
科学技術振興調整費: 約400億円
産業技術研究助成事業(NEDO): 約90億円 等
大学共同利用機関法人 約1,000億円
国立大学・私立大学(科学技術関係):約11,200億円
国立大学法人:約9,400億円
基礎研究
その他: 約2,900億円
応用研究
開発研究
実用化/事業化
6
(上記研究開発等事業費のほか、各府省が実施する制度事業費(産学官連携推進、知的基盤整備、科学技術理解増進等)等)
(出典: 内閣府作成(平成17年度)
競争的資金①
文部科学省で15制度、政府全体で37制度
文部科学省(15)
1.科学研究費補助金
2.戦略的創造研究推進事業
3.科学技術振興調整費
4.研究拠点形成費等補助金(21世紀COEプログラム)
5.研究拠点形成費等補助金 (グローバルCOEプログラム)
6.世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム
7.キーテクノロジー研究開発の推進(ナノテク融合、社会
資源配分機関
文部科学省・(独)日本学術振興会
(独)科学技術振興機構
文部科学省
的ニーズを踏まえたライフサイエンス、次世代IT)
8.地球観測システム構築推進プラン
9.原子力システム研究開発事業
10.先端計測分析技術・機器開発事業
11.革新技術開発研究事業
12.独創的シーズ展開事業
13.産学協同シーズイノベーション化事業
14.重点地域研究開発推進プログラム
15.地域結集型研究開発プログラム
(独)科学技術振興機構
7
競争的資金②
内閣府(1)
16.食品健康影響評価技術研究
資源配分機関
内閣府
総務省(4)
17.戦略的情報通信研究開発推進制度
18.先進技術型研究開発助成金制度
19.民間基盤技術研究促進制度
20.消防防災科学技術研究推進制度
総務省
(独)情報通信研究機構
消防庁
厚生労働省(2)
21.厚生労働科学研究費補助金
22.保健医療分野における基礎研究推進事業
厚生労働省
(独)医薬基盤研究所
農林水産省(4)
23.新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業
24.生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業
25.先端技術を活用した農林水産研究高度化事業
26.産学官連携による食料産業等活性化のための
新技術開発事業
(独)農業・食品産業技術総合
研究機構(NARO)
農林水産省
8
競争的資金③
経済産業省(5)
27.産業技術研究助成事業
28.イノベーション実用化助成事業
29.石油・天然ガス開発・利用促進型事業
30.地域新生コンソーシアム研究開発事業
31.革新的実用原子力技術開発事業
資源配分機関
(独)新エネルギー・産業技術総合
研究機構(NEDO)
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
経済産業省
国土交通省(2)
32.運輸分野における基礎的研究推進制度
33.建設技術研究開発助成制度
(独)鉄道建設・運輸施設設備支援機構
国土交通省
環境省(4)
34.環境技術開発等推進費
35.廃棄物処理等科学研究費補助金
36.地球環境研究総合推進費
37.地球温暖化対策技術開発事業
環境省
9
Ⅱ.科学研究費補助金(科研費)制度
10
科 学 研 究 費 補 助 金 と は
◇ 「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を対象とする
競争的研究資金。
◇ 人文・社会科学から自然科学まですべての分野をカバー、基礎から応用ま
でのあらゆる段階の研究活動をサポート。
◇ 審査は、延べ6,000人に及ぶ研究者が実施(ピアレビュー)。
◇ 予算規模は1,913億円(平成19年度)。
政府全体の科学技術関係経費(約3.5兆円)の約5%
競争的研究資金全体(4,766億円)の約40%
◇ 新規応募10万件に対し、採択は2.4万件(採択率24%)(平成18年度)
◇ 継続分を含め、年間5万件を超える研究に補助金を交付
→科研費は「知識基盤社会」において大きな存在!
資料:文部科学省作成
11
未来の技術革新の芽を育む科研費
「有機化合物の光電解の研究」
(昭和41年度~ 各個研究) 本多健一 (東京大学名誉教授)
電気分解に光をあてることによる新しい反応の創出
「励起状態の電極反応に関する研究」
(昭和48年度~ 奨励研究(A))
藤嶋昭 (東京大学名誉教授)
水の光分解電極反応の発見と環境
浄化としての光触媒への展開
・セルフクリーニング機能をもつガラス・タイル
・病院の抗菌タイル などに実用化
半導体酸化チタンへの光照射効果の解明
「磁気薄膜による高密度情報記録の研究」
(昭和42年度~ 機関研究)
光磁気効果等を用いた磁気記録作用の解明
岩崎俊一
(東北工業大学長)
垂直磁気記録の実現
垂直磁気記録方式による小型大容量の
HDDの実用化
・パソコンのハードディスク
・高性能携帯機器、携帯音楽プレイヤー など
「農林水畜産食品の微量香味成分に関する化
学的研究」 (昭和44年度~ 一般研究(A))
「機能性食品」という新しい分野の
創出
食品の成分間反応で生成される香気物質等を解明
生活習慣病や老人病などの病態に対応した
機能を有する食品
藤巻正生
(成分:β‐カロチン、 γ‐アミノ酪酸(GABA) など)
(東京大学・お茶の水女子大学名誉教授)
「溶融状態から超急冷した非平衡結晶相の超電
導性質」 (昭和56年度~ 奨励研究(A))
TiおよびZr系の高強度・高延性を示す結晶/非結晶
混相合金の創出
井上明久
強くしなやかな「金属ガラス」を開発
材料科学分野に新領域を興す
・ゴルフクラブのヘッド
・世界最小モーター などに応用
(東北大学総長)
「神経系細胞培養におけるSSPEウイルスの増殖
様式」 (昭和56年度~ 一般研究(C))
プリオン病の発病機構の解析
SSPEの発病機構を神経細胞レベルで解析
BSE(牛海綿状脳症)などのプリオン病の
発病機構を解析
山内一也
(東京大学名誉教授)
12
資料:文部科学省作成
第3期科学技術基本計画と科学研究費補助金
第3期科学技術基本計画(18.3.30)(関連部分抜粋)
第2章 科学技術の戦略的重点化
1.基礎研究の推進
基礎研究には、人文・社会科学を含め、研究者の自由な発想に基づく研究と、政策に基づき将来の応用を目指
す基礎研究があり、それぞれ、意義を踏まえて推進する。すなわち、前者については、新しい知を生み続ける重厚
な知的蓄積(多様性の苗床)を形成することを目指し、萌芽段階からの多様な研究や時流に流されない普遍的な知
の探求を長期的視点の下で推進する。一方、後者については、… 知識の創出を目指して進める。なお、… 例え
ば、科学研究費補助金で行われるような研究者の自由な発想に基づく研究については、政策課題対応型研究開発
とは独立して推進されることを明確化し、理解の徹底を図る。
第3章 科学技術システム改革の推進
2.科学の発展と絶えざるイノベーションの創出
(1)競争的環境の醸成
①競争的資金及び間接経費の拡充
研究者の研究費の選択の幅と自由度を拡大し、競争的な研究開発環境の形成に貢献する科学研究費補助
金等の競争的資金は、引き続き拡充を目指す。…間接経費については、全ての制度において、30%の措置を
できるだけ早期に実現する。
13
科学研究費補助金の予算額の推移
科学研究費補助金予算額の推移
百万円
240,000
平成20年度
概算要求額
2,175億円
220,000
200,000
180,000
160,000
1,018億円
140,000
1000億円突破
(H8)
120,000
100,000
526億円
500億円突破
80,000
(H元)
60,000
40,000
20,000
100億円
(S47)
0
S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
14
14
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の拡充と改革
革新的な学術研究を支援する科学研究費補助金の拡充
平成20年度要求額 : 217,481百万円
(平成19年度予算額 : 191,300百万円)
(262億円増)
○科学技術基本計画 (閣議決定)
“競争的資金の拡充”
“間接経費30%の早期実現”
“若手研究者支援”
○経済財政改革の基本方針2007(閣議決定)
“競争的資金の拡充”
“間接経費30%の早期実現”
“若手研究者支援”
科
◎ 挑戦的研究、若手研究者への投資等による
革新的な学術研究の促進
(+95億円)
研
・新たな領域を開拓する「新学術領域研究」の新設
(既存種目の見直し)
(+22億円)
・若手研究者の自立を促進する「若手研究」の拡充
(+47億円)
・学術研究の裾野を広げ、多様性を確保する「基盤研究」の
充実
(+26億円)
費
○長期戦略指針イノベーション25 (閣議決定)
“若手研究者の自立支援”
“ハイリスク研究の推進”
“競争的資金の拡充”
“間接経費30%の早期実現”
○平成20年度の科学技術に関する予算等の
資源配分の方針(総合科学技術会議)
“多様な基礎研究等への競争的資金の拡充”
“若手研究者支援”
“間接経費30%の早期実現”
“新分野開拓等の挑戦的な研究へ向けた競争的資金
の拡充”
の
◎ 間接経費の拡充
拡
充
と
改
○研究費の有効活用
・補助金の不正使用の防止
・研究活動の不正行為の防止
・研究費配分における無駄の排除
○科研費の弾力的使用
革
(+196億円)
・多くの国公私立大学に配分されている「若手研究(B)」などの研究種目
において、間接経費30%を早期に措置
◎ 審査・評価体制の充実
(+2億円)
◎ 審査・交付業務の日本学術振興会への更なる移管
◎ 不正使用防止策の推進
・経理管理・監査実施状況報告書の応募要件化
・機関管理の体制強化
・ルールの徹底
等
◎ 電子システム化の推進
◎ 年度間繰越の活用促進
15
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の拡充①
◎ 挑戦的研究、若手研究者への投資等による革新的な学術
研究の促進
(+95億円)
・新たな領域を開拓する「新学術領域研究」の新設
(既存種目の見直し)
(+22億円)
→特定領域研究、学術創成研究費の募集停止
<趣旨>
学術研究にブレークスルーをもたらすためには、基盤的な研究の積み重ねととも
に、挑戦的でリスクの高い研究が重要であり、既存研究種目の見直しにより、新し
い学術領域を開拓する「新学術領域研究」を創設。
<特徴>
① 私立大学、地方国公立大学の参加促進、人文・社会科学分野の振興に配慮
し、応募金額の下限を引き下げ、採択件数の増。
② 課題提案型では、研究計画の独創性を重視するため、事前審査において、
氏名・所属を伏したマスキング審査を試行。
③ 新規採択分から間接経費30%を措置。
16
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の拡充②
・若手研究者の自立を促進する「若手研究」の拡充
(+47億円)
◇若手研究者のチャレンジする機会を確保
(+34億円)
若手研究(B)、若手研究(スタートアップ)を充実させ、新規採択率40%
を2年で実現(1年目35%)
35%達成に必要な額
○若手研究(B)
採択率29%(H19) 164億円(+18億円)
○若手研究(スタートアップ) 採択率20%(H18)
26億円(+ 8億円)
間接経費(+ 8億円)
◇特に優れた若手研究者の自立を促進
(+13億円)
若手研究(S)の年次進行予算を確保
平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
13億円
+13億円
+13億円
+13億円
+13億円
17
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の拡充③
・学術研究の裾野を広げ、多様性を確保する「基盤研究」の
充実
(+26億円)
◇人文・社会科学等の研究振興のため、基盤研究(C)を充実
(+10億円)
人文・社会科学や私立大学・地方国公立大学等の研究振興により学術研究の
裾野を広げるため、基盤研究(C)の採択件数を増加。
◇優れた研究をシームレスに発展させるため、基盤研究(S)を
充実
(+16億円)
学術創成研究費の見直し・転換により、基盤研究(S)の配分額の上限を2億円
に増額。採択件数を倍増(80件→160件)
18
資料:文部科学省公表資料より作成
科学研究費補助金の拡充④
◎ 間接経費の拡充
(+196億円)
・多くの国公私立大学に配分されている「若手研究(B)」などの研究種目におい
て、間接経費30%を早期に措置
特定領域研究
94億円
萌芽研究
17億円
若手研究(B)
44億円
若手研究(スタートアップ)
5億円
特別研究促進費
1億円
特別研究員奨励費
16億円
合 計
177億円
新規増額要求分 19億円
◎ 審査・評価体制の充実
(+2億円)
科研費の全ての研究種目について
①採点理由の提示を含めて、審査員自体の評価を導入。
②中間報告書の提出、ホームページ公表による中間評価を実施。
◎ 審査・交付業務の日本学術振興会への更なる移管
若手研究(A・B)
19
資料:文部科学省公表資料より作成
応募件数と採択件数の推移
平成18年10月
件数
132,500
140,000
112,600
120,000
93,700
100,000
101,700
80,000
60,000
65,600
54,600
59,100
40,000
20,000
0
50,300
16,000
89,800
81,300
54,500
43,700
35,300
21,000
11,700
14,500
S61
H3
23,000
20,800
23,800
H8
H13
H18
応募件数(新規+継続)
採択件数(新規+継続)
年度
応募件数(新規)
採択件数(新規)
20
資料:文部科学省作成
「科学研究費」の採択率の推移(H6~H18)
%
27.6
28.0
採択率
27.0
27.0
26.0
26.1
25.0
24.0
23.8
23.0
22.7
22.0
22.5
22.2
21.8
21.0
21.6
21.6 21.5
21.4
21.1
20.0
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
年度
21
資料:文部科学省作成
平成19年度科学研究費補助金 配分状況①(研究機関種別)
平成19年度科学研究費補助金のうち、特別推進研究の研究課題(継続分)及び特定領域
研究(継続領域分)、基盤研究、萌芽研究、若手研究、学術創成研究費の研究課題(新規採
択+継続分)の当初配分について分類したものである。
研究機関種別の応募件数・採択件数(新規採択+継続分)
その他
11.2%
12,884件
その他
10.9%
5,255件
私立大学
25.9%
29,649件
私立大学
21.9%
10,525件
公立大学
6.9%
3,317件
公立大学
7.1%
8,206件
研究機関種別の応募額・配分額(新規採択+継続分)
(直接経費)
その他
12.0%
506億円
応募件数
その他
12.3%
178億円
採択件数
私立大学
19.8%
839億円
応募件数合計
114,588件
採択件数合計
48,029件
国立大学
60.2%
28,932件
国立大学
55.7%
63,849件
応募額
私立大学
14.5%
211億円
公立大学
4.7%
69億円
公立大学
5.7%
241億円
採択額
応募額合計
4,232億円
採択額合計
1,455億円
国立大学
68.5%
997億円
国立大学
62.5%
2,645億円
22
資料:文部科学省作成
平成19年度科学研究費補助金 配分状況②(研究分野別)
平成19年度科学研究費補助金のうち、特別推進研究の研究課題(継続分)及び特定領域
研究(継続領域分)、基盤研究、萌芽研究、若手研究、学術創成研究費の研究課題(新規採
択+継続分)の当初配分について分類したものである。
なお、科学研究費補助金の配分については、分野ごとの応募件数・応募金額に応じて、採択件数・配分
額を算出する方式をとっている。
研究分野別の採択件数(新規採択+継続分)
薬学系
2.0%
946件
脳・神経科学系
3.6%
1,732件
生物科学系
10.9%
5,243件
その他
2.2%
1,045件
人文科学系
7.8%
3,732件
その他
2.2%
1,045件
歯科疾患関係
3.9%
1,852件
生物系
44.1%
21,179件
成人病・感染症・
その他疾患関係
16.4%
7,888件
採択数合計
48,029件
数物科学系
4.9%
2,371件
環境・自然災害・
エネルギー科学系
3.1% 1,508件
地球・宇宙科学系
3.3%
1,571件
物質・材料科学系
9.7%
4,662件
情報・電気電子
工学系 6.4%
3,087件
構造・機能工学系
6.5%
3,145件
生物科学系
16.3%
237億円
社会科学系
11.9%
5,730件
人文・社会系
19.7%
9,462件
理工系
34.0%
16,343件
がん・エイズ等
難治疾患関係
7.3%
3,518件
研究分野別の配分額(新規採択+継続分)
(直接経費)
薬学系
1.7%
25億円
脳・神経科学系
4.3%
62億円
歯科疾患関係
2.6%
38億円
その他
1.6%
24億円
人文科学系
4.8%
70億円
その他
1.6%
24億円
生物系
45.9%
669億円
社会科学系
7.1%
103億円
数物科学系
5.2%
76億円
人文・社会系
11.9%
174億円
環境・自然災害・
エネルギー科学系
3.8% 55億円
地球・宇宙科学系
5.0%
72億円
配分額合計
1,455億円
理工系
40.5%
589億円
成人病・感染症・
その他疾患関係
12.9%
188億円
物質・材料科学系
13.7%
200億円
がん・エイズ等
難治疾患関係
8.1%
118億円
情報・電気電子
工学系 6.9%
100億円
構造・機能工学系
5.9%
86億円
23
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の構造
資料:文部科学省作成
国際的に評価の高い研究の推進
研
究
費
の
規
模
/
研
究
の
発
展
特別推進研究
3~5年 制限なし(5億円程度)
*国際的に高い評価を得ている研究
学術創成研究費
5年
若手研究(S)
5年
1億円程度
若手研究(A)・(B)
2~4年 (A) 500~3000万円
(B)
~500万円
若手研究(スタートアップ)
2年
年間150万円以内
特別研究員奨励費
基盤研究(S)
原則5年 5,000万~1億円
*独創的・先駆的研究の格段の発展
基盤研究(A)・(B)・(C)
2~4年 (A) 2,000~5,000万円
(B) 500~2,000万円
(C)
~500万円
*研究者個人の独創的・先駆的研究
3年以内 年間150万円以内
年間 7,000万円程度
特定領域研究
〔領域〕3~6年
年間 2,000万円~6億円
〔公募〕1~2年
400万円程度
特別研究促進費
萌芽研究
*実験的試行、緊急研究
1~3年 ~500万円
*意外性のある芽生え機の研究
若手研究者の自立支援
新領域の形成等
研究者の自由な発想に基づく研究の多様性の確保
24
研究種目の趣旨
科学研究費補助金の研究種目①
◇研究段階・規模等に応じた多様な研究種目
採用
3年目
37歳
特 若手研究
別 (スタートアップ)
研
究
員 特別研究促進費
[年府数回応募]
奨
励
若手研究(A・B)
費
42歳
特別研究促進費[緊急・重要研究]
若手研究(S)
萌芽研究
基盤研究
(S・A・B・C)
特別推進研究
<平成20年度から新規領域募集停止>
<平成20年度から募集停止>
特定領域研究
学術創成研究費
研究成果公開促進費[研究成果公開発表・学術図書・データベース]
<平成20年度から研究成果公開発表(A)シンポジウムの開催 募集停止>
25
科学研究費補助金の研究種目②
◇研究段階・規模等に応じた多様な研究種目
研究種目
特別研究員奨励費
若手研究(スタートアップ)
若手研究(S)
若手研究(A)
応募金額
DC1,PD,SPD 3年 DC1,DC2 200,000円
DC2
2年 PD 364,000円 SPD 446,000円(月)
2年
年間150万円以下
5年 概ね3,000万円~1億円程度
2~4年
500~3,000万円以下
若手研究(B)
2~4年
500万円以下
萌芽研究
1~3年
500万円以下
5年
5,000万~2億円程度
基盤研究(S)
募
集
停
止
研究期間
概
要
日本学術振興会特別研究員が行う研究
研究機関に採用された研究者が一人で行う研究
42歳以下。自らチームを率いた、格段の発
展が期待できる、優れた着想を持つ研究
37歳以下。一人で行う研究
独創的な発想、特に意外性のある着想に基
づく芽生え期の研究
一人又は比較的少人数の研究者が行う独創
的・先駆的な研究
基盤研究(A)
3~5年 2,000~5,000万円以下
基盤研究(B)
3~5年
500~2,000万円以下
基盤研究(C)
3~5年
500万円以下
特別推進研究
3~5年
5億円程度を目安
特定領域研究
3~6年
年間2,000万~6億円
国際的に高い評価を得て、格段に優れた研
究成果をもたらす可能性のある研究
我が国の学術研究分野の水準向上・強化に
つながる研究領域等を特定するもの
5年
年間3,000万~1億円
特に優れた研究分野に着目し、特に重要な研究課題
を選定し、学術研究の推進を図るもの
500万円以下
前年11月の公募受付後、応募資格を得た者又は産前
26
産後の休暇、育児休業の取得により前年11月に応募
できなかった者が対象の基盤研究(C)相当の研究
学術創成研究費
特別研究促進費
年複数回応募の試行
2~4年
一人又は複数の研究者が共同して行う独創
的・先駆的な研究
募集
停止
科学研究費補助金の研究種目③
◇研究段階・規模等に応じた多様な研究種目
研究種目
研究成果公開発表(A)
事業期間
1~2年
応募金額
1日
150万円以内
研究成果公開発表(C)
1~2年
制限なし
学術定期刊行物
制限はないが、対象経費は
1~4年 直接出版費、欧文校閲費、
往復郵送料に限定
データベース
要
<シンポジウム開催>制限なし 科研費による相当規模の研究等に関
<講演収録集刊行>
する成果をわかりやすく発表したり、
300万円以内 講演収録集を刊行するもの
研究成果公開発表(B)
学術図書
概
学会等が開催するシンポジウム・学
術講演会等で青少年・社会人に研究
動向等を平易に普及啓発するもの
学会が主催する国際シンポジウム・
国際会議等で、主催に係る運営体制
が確保されているもの
学会・複数の学会の協力体制による
団体等が学術の国際交流に資するた
め定期的に刊行する学術誌助成
個人又は研究者グループ等が学術研
究の成果を公開するために刊行する
学術図書の助成
対象経費は翻訳・校閲経費、直接
出版費に限定され、直接出版費と
定価による発行価額の差が上限
<研究成果DB>
入力作業に係る謝金、委託費、
著作権使用料、旅費、消耗品費、
個人又は研究者グループ等が作成す
CD-ROM等作成費ほか
るデータベースで公開利用を目的と
1~5年<学術誌DB>
編集委員会に係る謝金・旅費
するものの助成
入力作業に係る謝金、委託費、
著作権使用料、旅費、消耗品費、
27
CD-ROM等作成費ほか
<刊行のみ>1年
<翻訳・校閲の上
刊行> 1~2年
27
これまでの主な制度・運用上の改善点
年度
11
13
14
15
16
17
18
19
事 項
■日本学術振興会へ基盤研究等の種目を移管。
■一部種目に「間接経費」を導入。
■指定する研究機関の大幅拡大(国の設置する研究機関その他を対象とする)
■直接経費による研究支援者の雇用を可能に。
■基盤研究等について、不採択の場合の審査結果の開示内容を充実。
■境界領域の研究の推進等に適切に対応するため「分科細目表」を抜本改正。
■文部科学省において学術調査官を大幅増員。日本学術振興会において「学術システム研究センター
を設置し、プログラムオフィサーを配置。
■応募対象者を企業研究者にも拡大。
■年度を越えて使用可能に(繰越明許費として登録)。
■育児休業により研究を中断した場合には、研究を廃止せず再開を可能に。
■不正に使用した研究者及び共同研究者について、一定期間の資格停止措置を導入。
■科研費のルールを明確化するとともに、研究機関との契約によりその責任を明確化。
■研究費目を大括り化し、経費執行を弾力化。
■平成17年度公募分より、応募資格を「常勤の研究者」から抜本改正。
■「特別推進研究」「学術創成研究費」の応募を電子化。
■基盤研究等の審査に電子システムを導入。
■日本学術振興会へ「学術創成研究費」を移管。
■基盤研究等の応募についても一部電子化。
■科研費の繰越しについて、幅広い適用が図られるよう取扱を明確化。
■「若手研究(スタートアップ)」を新設。
■特別研究促進費により年複数回応募を試行。
■年度末までの円滑な研究遂行を可能とするため、実績報告書の提出期限を5月31日まで延伸。
■「若手研究(S)」を新設。
■「基盤研究(B)・(C)」に間接経費を導入。
■日本学術振興会へ「萌芽研究」を移管。
資料:文部科学省作成
28
~ 間接経費の導入 ~
「科学研究費補助金に係る間接経費の執行について」(平成19年6月7日付学術研究助成課長通知)
を各研究機関に発出し、間接経費の執行について改めて周知
間接経費とは
 科研費などの競争的資金を獲得した研究者の研究開発環境の改善や研究機関全体の機能向上
に活用するため、研究機関に交付される経費
研究機関の長が当該研究課題の遂行に関連して間接的に必要と判断した場合、研究機関の長の裁量により執
行することができる。
研究の遂行・成果のとりまとめに必要な経費
(直接経費)
■研究に協力する者の雇用(研究機関が雇用
する場合)
■研究実施場所の借上げ費用(借料・敷金・礼
金など)
研究環境の整備のために必要な経費
(間接経費)
■研究費の機関管理に必要な専門の事務スタッフ
の配置費用
■海外・国内での研究・会議参加費用
■研究棟などの施設整備のための費用(大型計算
機棟、図書館、学内共通設備の整備・維持・管理
費用)
■シンポジウムなどを開催するときの食事費用
(ビール、ワインなどのアルコール類は除く)
■大学主催の研究成果発表・シンポジウムの開催
経費(科研費の成果を含む)
■研究成果発表のための学会誌投稿、HP開設
経費
など
■その他(特許関連経費、雑役務費、通信運搬費、
29
光熱水費)
資料:文部科学省作成
29
科学研究費補助金に関するルール
科研費のルールには、「応募ルール」、「評価ルール」、「使用ルール」の3つがある。
①応募ルール
科研費への応募・申請に関するルール。「公募要領」の内容。
応募資格
<研究者要件>
①研究機関に、研究活動を職務に含む者として所属する者
②研究機関の研究活動に実際に従事
<研究機関要件> 補助金が交付された場合、
①研究活動を当該研究機関の活動として行わせること。
②機関として補助金の管理を行うこと。
②評価ルール
事前評価(審査)、中間評価、事後評価に関するルール
◇ピア・レビューの具体的方法について定めたルール
◇「科学研究費補助金における評価に関する規程」等の内容
◇研究期間が長期の課題→「中間評価」、「事後評価」も
③使用ルール
交付された科研費の使用に関するルール
<研究者使用ルール>交付決定時の「補助条件」の内容
◇研究者による科研費の使い方に関するルール。
<研究機関使用ルール>
◇交付内定時の「科学研究費補助金の使用について各研究機関が行うべき事務等」の内容
30
◇研究機関が科研費の管理等を行うことに関するルール。
使用の柔軟化
◆改善・弾力化を進め、柔軟な使用を実現◆
使用できる例
使用できない例
■研究に協力する者を雇用するための経費(研
究機関が雇用する場合)
■研究場所を借り上げるための経費
(借料、敷金、礼金など。なお、研究機関の施設
で使用料が必要な場合も含みます。)
■海外・国内での研究・会議参加のための旅費
■シンポジウムなどを開催するときの食事費用
(ビール、ワインなどのアルコール類は除く)
■研究成果発表のための学会誌投稿料、HP開
設経費
■経費の使用内訳の一定範囲内の変更
■施設整備に関する費用
■通常研究機関において備えるべき事務用品
■科研費と他の資金を混ぜた使用(旅費の場
合など、補助条件に示された一定の例の場
合には、可能です。)
以下の事項は、文部科学大臣の承認を経て、変更が可能です。
■経費の使用内訳の一定限度以上の変更 ■研究代表者・分担者の変更 ■分担金の配分
■翌年度への繰越 ■育児休業による研究の中断と年度を越えた再開
31
資料:文部科学省作成
補助金の翌年度への繰越
平成15年度:24件、平成16年度:10件、平成17年度:55件
平成18年4月1日付けで、科研費の繰越の取扱(通知)を改正
→ これまで限定的に記載されていた科研費の繰越しの例示を大幅に追加した。
(例)研究の進展に伴い、当初予想し得なかった新たな知見が得られたことから、そ
の知見を使用し十分な研究成果を得るために、当初の研究計画を変更する必要が
生じたことにより、その調整に予想外の日数を要したため年度内に完了すること
がとなった。
平成18年度
641件に大幅増加
繰越に関する事例集を配布
→ 平成19年7月10日開催の「科学研究費補助金等に係る機関管理に関する研修
会」
において、事例集を配布。文部科学省ホームページにおいても公開してい
る。
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/07071108/008.pdf)
◎繰越しの実例
・トランスジェニックマウスの作製のための検討に予想外の期日を要した
・外国製加速器の故障・修理のため予想外の期日を要した
・地震、津波、豪雨等により研究の継続が一時困難となった
・臓器提供予定者の急死により研究に必要となる臓器の入手が困難となった
32
資料:文部科学省作成
平成18年度繰越事例集
1.研究に際しての事前調査又は研究方式の
決定の困難
2.計画に係る諸条件
①新たな知見の発見
②研究者の確保
③海外研究協力者の事情
④研究用設備の開発の遅延
⑤研究内容・方法の変更
3.資材の入手難(資材不足)
4.気象の関係(天候不良による観測時間の
不足)
33
本学の繰越事例
【事業概要】
マウス等の小動物を用いて電子スピン共鳴イメージングを行うための計測装置の開発
と、疾病に関した機能的イメージングを行うための研究を行います。これまでに開発した
…イメージング装置を用いて、新しいイメージング技術の開発を目指します。
【事由】
⑥資材の入手難 ゥ(研究用資材の納入遅延)
○具体的な内容
計測装置の一部であるマイクロ波共振器に係る当初の開発計画は、12月までに試作し、
性能評価の試験を1月から3月までの3ヶ月で行う予定であった。
しかし、…1月に発注したところ、国内だけでなく、試薬の製造会社(米国)にも在庫がない
こと、及び3月にならないと製造されないことが判明した。その為、試薬は、年度内に入手す
ることが困難となり、マイクロ波共振器の性能評価の試験が不可能となった。なお、本試薬
は、通常、発注後3週間程度で納入されるものである。
本経費の繰越承認を受けた後は、早急に試薬を発注し、平成19年7月からマイクロ波共
振器の性能試験を行いたい。
○経費を繰越す必要性
この研究計画の一部分となる…作製ができなくなり、平成18年度中のマイクロ波共振器
の性能試験が不可能となった。
補助事業を完了するためには、…作製のための試薬購入に係る経費を繰越す必要があ
る。
34
○補助事業の完了時期
平成19年9月30日
不正使用・不正受給対策
◆公正な利用の確保◆
◆不正使用、不正受給の例
・ いわゆる「預け金」、「カラ出張」、「カラ謝金」
・ 「無資格応募」
・ 会計年度を越えた使用
・ 他の研究のための立替
・ 他の資金を混ぜた使用
・ 研究室内での一括管理・再配分
等
◆不正使用、不正受給
の防止対策
・ 「使用ルール」の周知
・ 教員のモラル、コンプ
ライアンス意識の向上
・ 事務局の管理・チェッ
ク体制の強化
◆不正に対する措置
・ 不正にかかる補助金の返還
・ 不正を行った者に対する学内処分
・ 不正を行った研究者に対する受給資格停
止処分
・ 刑事罰(私的流用の場合)
35
資料:文部科学省作成
不正使用・不正受給対策
◆受給資格停止処分◆
■処分の対象者
・ 「不正」を行った研究者(研究代表者・分担者)
・ 「研究組織」に名前がなくても、不正を共謀した研究者は処分の対象。
■受給資格停止期間
・ 補助金適正化法第17条等による取消があった年度の翌年度から2年~5年
補助条件等違反
2年
科研費の研究以外の研究活動に使用
3年
研究以外の活動に使用
4年
個人的な利得のために使用、不正受給
5年
■受給資格停止の効力
・ 資格停止処分を受けた者が研究代表をつとめる研究費は、新規・継続を問わず、資格停止期
間中一切交付されません。研究分担者の場合は、分担をはずさない限り交付されない。
・ 科学研究費補助金のみならず、他の競争的研究資金も同時に資格停止となる。
■共同研究者の責任
・ 取り消された補助金に係る研究かかわる研究者は、その不正に直接かかわっていなくても、
36
自動的に1年間、新規課題にかかる補助金を受けることはできない。
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の機関管理の徹底について
ア)「科学研究費補助金に係る不正使用等防止のための措置について(通知)」
(H18・11・28)
イ)「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」 (H19・2・15)
○適正な執行管理の徹底(ア、イ)
■物品費の適正管理の徹底
→ 会計事務職員により検収行為
(購入物品の納品検査の徹底)
■旅費・謝金の支出管理の適正化
→ 事務職員による確実な事実確認の徹底
■機関としての経費管理責任者及び補助事業ごとの
経費管理責任者の報告
○補助金応募時の申請要件化(ア)
■応募時に、大学等から前年度の経費管理・監査の
体制・実施状況に関する報告書を提出
経費管理・監査体
制の整備状況の
報告
自己管理体制の強化
・不正防止のための経費管
理・監査体制の整備
「契約」
※必要に応じ指導
し、
日
本文
学部
術科
振学
興省
会・
研究機関
管理する義務
不十分な場合は
ペナルティ
補助条件
管理を委託す
る義務
○実地検査の実施(ア、イ)
■管理体制等に不備がある大学等を中心に実地検査
を実施
研究者
ルールの遵守
37
(不正は行わない旨の宣誓)
資料:文部科学省作成 36
科研費不正使用防止のための取り組み
【これまでの取組み状況】
【新しい措置(平成18年度~)】
① 応募資格を一定期間停止する措置の導入
(平成15年度~)
① 不正使用防止に向けた新たな対策を取りま
とめた通知の発出 (平成18年11月28日)
○ 不正使用を行った研究者及び共謀者:2~5年
○ 上記の共同研究者
:1年
○ 不正受給を行った研究者
:5年
○ 不正行為を防止するための研究機関の自主的
な経理管理・監査体制の整備を義務化
○ 執行管理を強化・徹底
○ 補助金の経費管理責任者の登録を義務化
○ 全ての採択者に対し、「不正を行わない」旨の誓
約を確認
○ 補助金応募手続時に、機関管理状況報告を組
入れ、審査
○ 文部科学省及び日本学術振興会による実地検
査の実施
○ 研究機関に対するペナルティ(間接経費の減額
査定等)の導入
② 機関管理の義務化(平成16年度~)
○ 研究機関による科研費の管理について、雇用契
約、就業規則、個別契約等で規定
○ 研究機関による研究者・事務職員を対象とした
研修会、説明会の開催
○ 研究機関における交付件数に対する一定割合
(概ね10%)以上の内部監査の実施
③ 不正使用防止ルールの周知
○ ハンドブック(研究者用、研究機関用)の作成、配
布および文部科学省HPへの掲載
○ 不正防止のための通知の発出(平成17年1月24日)
○ 説明会の開催(18年度実績:全国で91回)
② 大学等の関係機関を対象に説明会を実施
(平成18年12月5日開催・842機関出席)
③ 日本学術振興会に対して、経理管理業務等
の詳細な実施状況についての報告を義務化
(平成19年4月)
38
資料:文部科学省作成
研究上の不正行為への対応に関する取組状況
1.検討の背景
3.文部科学省における取組
文部科学省所管の競争的資金を活用した研究活動における不正行為に対する
一定の措置、不正行為が指摘された時の対応体制等を整備
○ 研究活動におけるデータ
捏造等の不正行為が相次い
で指摘
○ 研究活動の不正行為は、
科学の発展を妨げ、研究に
対する社会の信頼を損なう
行為
○ 貴重な国費を効果的に活
用する意味において、研究
活動の公正性を一層確保
●
○ 科学技術の社会的信頼を獲得する
ために、国及び研究者コミュニティ
等は、社会に開かれたプロセスによ
りルールを作成し、科学技術を担う
者がこうしたルールにのっとって活
動するよう促してゆく
(「第3期科学技術基本計画」(H18
.3 閣議決定))
科学技術・学術審議会における検討
2月以降
8月
「研究活動の不正行為に関する特別委員会」を設置して、文部科学省、資金配分機関、
大学等研究機関が構築すべきシステム・ルールを検討
検討結果を「ガイドライン」として取りまとめ
「ガイドライン」のポイント
・対象とする不正行為は、競争的資金を活用した研究の論文等の捏造、改ざん、盗用
・告発を受け、予備調査、本調査を経て、不正行為が行われたか否かを認定
・不正行為の認定を踏まえ、資金配分機関及び研究機関は措置を実施
資金配分機関が行う措置
2.不正行為への
対応に関する指摘等
○ 研究に関わる者の自律を基本とし
つつ、日本学術会議をはじめとする
研究者コミュニティ、関係府省、大
学及び研究機関等がそれぞれの立場
において対応
(「研究上の不正に関する適切な対
応について」(H18.2 総合科学技
術会議))
資料:文部科学省作成
研究機関が行う処置等
○ 競争的資金の打ち切り
○ 内部規程に基づき適切な処置
○ 競争的資金申請の不採択
○ 不正行為と認定された論文等
の取り下げ勧告
○ 不正行為に係る競争的資金の返還
○ 文部科学省所管の全ての競争的資金の申請制限
(不正行為の重大性等に応じて1年~10年)
●
ガイドラインを踏まえた対応
文部科学省において不正行為への対応体制等の整備を図るとともに、資金配分機関・
研究機関に同様の取組を要請(8月31日付で通知)
文部科学省・資金配分機関
・所管する競争的資金制度の各公募要領等に不正行為を行った者への措置等を明記(今秋以降
の募集分より対応予定)、告発等の受付窓口の設置等体制を整備
39
研究機関
・研究者倫理の向上に関する取組、告発等の受付窓口の設置や調査のための規程等体制を整備
平成18年科学研究費補助金の審査
<基盤研究>
外部評価
ピア・レビュー
審査員の選任
● 日本学術振興会
学術システム研究
センターのPO(プ
ログラムオフィサー
(110人))が主体と
なり、審査委員候
補者データベース
(約4万人を登録)
を基に、審査委員
を選出し、各分野
に配置
(12月~1月)
(2月~3月)
(4月・6月)
第1段審査
(書面審査)
第2段審査
(合議審査)
交付内定、決定
● 284の専門分野に第
1段審査委員を配置
(約4,000人)
● 1研究課題について、
6人又は3人の第1段
審査委員が個別に
書面審査
● 「第1段審査の基準」
に基づき5段階評価
→ 評点及びコメント
を記入
● 12~22人程度の第2段
審査委員で構成する専
門分野委員会(35委員
会)において合議審査
(約600人)
● 第1段審査員の付した
評点等を基に採択課題
を調整・決定
● POが司会進行
○ 評価ルール(「科学研究費補助金(基盤研究等)における審査
及び評価に関する規程」に基づく審査
資料:文部科学省作成
39
科研費の情報公開
審査に関する情報は、文部科学省・日本学術振興会のホームページでご覧いただくことができます。
【文部科学省ホームページ http://www.mext.go.jp】
【日本学術振興会ホームページ http://www.jsps.go.jp】
例えば、日本学術振興会ホームページでは、次の情報等を公開しております。
■科学研究費補助金(基盤研究等)の配分審査に係る、審査及び評価に関する規程、
審査委員の選考方法、審査委員名簿等について記載
■ 科学研究費補助金の配分について(文部科学省記者発表資料)
(平成17年度・平成18年度・平成19年度)
■ 科学研究費補助金(基盤研究等)の審査結果について(平成16年度)
■ 科学研究費補助金(基盤研究等)細目別新規課題応募受付状況(平成18年度)
■ 科研費NEWS LETTER(平成19年度~)
■ 科学研究費補助金の予算額の推移
■ 科学研究費補助金の応募・採択の状況
■ 科学研究費補助金 分科細目表
科研費による過去の研究実績の概要は、国立情報学研究所(NII)のホームページにおいて、情報
検索サービスによりご覧いただくことができます。
【国立情報学研究所(NII)ホームページ http://seika.nii.ac.jp】
41
資料:文部科学省作成
科研費の改善への取組
公正性・透明性等を確保するため、以下のような改善を実施。
【公募】
■ 電子申請を段階的に導入。
【審査】 (「基盤研究」等における改善例)
■ 科研費の制度運営に第一線の研究者が関わるPO制度を導入
研究機関からの推薦者の中より公正に選考(約110名)。
■ 審査員選考方法を学会推薦からPOが選定する方式に変更
選定責任を明確化。審査員の事後チェックも実施。
■ 利害関係者の排除を徹底
緊密な関係、競争的な関係にある場合を幅広く排除。
■ 審査基準の見直し・公表
第1段審査(書面審査)の評定要素を2項目→5項目に細分化。
第1段審査員の氏名・所属を第2段審査(合議審査)資料に明記。
審査基準(評定要素及び評価の視点等)を事前に公表。
42
資料:文部科学省作成
科学研究費補助金の今後の課題
1 必要な予算の確保
・ 基盤研究採択率30%へ(平成17年度基盤研究採択率は21%程度)
・ 間接経費30%の確保(特定領域研究、基盤B・C、若手B、萌芽は未措置)
2 学術研究にブレークスルーをもたらす助成
3 若手研究者を育てる制度へ
・ 若手研究者の自立支援の研究費の充実
4 審査・評価システムの改善
・ 評価が次の資金配分に活用できるようなシステムの構築
5 研究成果の社会への還元
6 研究費の「不合理な重複・過度の集中」の排除
等
43
資料:文部科学省作成
Ⅲ.20年度科研費公募要領等の概要
44
主な公募内容等の変更点
(8月3日文科省通知)
◇科学研究費補助金において当面講ずべき施策の方向性について
(研究費部会「審議のまとめ」(その1)) 19.8.10 より
45
1.新学術領域研究(仮称)の新設
研究グループが提案する、
①新たな研究領域
②分野を超えた融合領域
③異分野連携による共同研究
④従来の分科細目区分では採択されにくい、独創性・創造性の高い挑戦的な研究等 を発掘・支援
特定領域研究
学術創成研究費
発展的見直し
募集停止
20年2月公募
研究領域提案型
新学術領域研究
【目的】
我が国の学術水準の向上・強化につながる新たな研究
領域について、異分野連携や共同研究、人材育成等により
当該領域の研究を格段に発展させる
【内容】
1.複数の計画研究課題と公募研究課題により構成
2.原則として、「特定領域研究」よりも規模を抑制
◇若手研究者の連携、人文社会系など小規模グループ
による提案を積極的に支援
◇機動的、多くの領域を設定
【審査】
分野融合・連携に対応できるシステムを導入
研究課題提案型
【目的】
従来の細目区分では採択されにくい、単独・ごく少数の
研究者が提案する新興・融合分野等におけるリスクの高い
挑戦的な研究課題を支援
【内容】
1.課題の規模を抑制
2.研究期間は、当初短めに設定、評価に応じて延長
【審査】
1.分野ごとではない
2.比較的少人数
3.書面審査と合議審査〔2段階審査方式〕
46
2.研究分担者等の意義の明確化
1.研究代表者とは所属機関が異なる研究分担者に係る機関管理が不十分となると懸念。
2.共同研究者ペナルティ制度が、研究遂行上の研究分担者と、補助事業の研究分担者の
意義を同一と捉え、共同研究の萎縮・妨げにつながると指摘。
3.分担金を受けていない研究分担者がどの程度資金の提供・使用をしているのか把握で
きず、研究資金の過度の集中等の防止の観点から障害となる。
研究分担者
☆補助金適正化法上の補助事業者。共同研究者ペナルティが適用される。
研究計画の遂行、研究課題の実現に向け、研究代表者と協力しつつ、補助事業としての研究
遂行責任を分担して、研究活動を行う者
◇原則として、分担金の配分を受ける。
◇分担金の配分をうけない、研究代表者と同一機関に所属する者も含む。
連携研究者
☆共同研究者ペナルティは適用されない。
研究代表者、研究分担者の責任の下、研究課題の遂行に当たり、研究計画に参画する者。
◇研究計画調書の「研究組織」欄に記載。
研究協力者
☆共同研究者ペナルティは適用されない。
研究代表者、研究分担者及び連携研究者以外の者で、研究課題の遂行に当たり、協力を行う
者。
47
研究分担者の在り方の見直し
研究代表者 研究分担者 連携研究者 研究協力者
変更前 変更後 変更前 変更後
変更後 変更前 変更後
補助事業者
○
○
○
○
×
×
×
応募資格の有無
○
○
○
○
○ 4△ 4△
3○ 3 × 3 ×
研究計画調書(研究組織欄への記載) ○
○
○
○
-
-
代表者交替
○
○
×
×
×
-
- 1○ 2 ○
分担金の配分
×
×
×
交付対象除外規定
○
○
○
○
×
×
×
論文等への記載
○
○
○
○
○
○
○
1
2
研究者と異なる研究機関に所属する場合は分担金の配分が可能。
分担金の配分を受けなければならない。ただし、研究代表者と同一の研究機関に属する研究分担者
は分担金を受けなくても構わない。
3
「研究計画・方法」欄等については、研究計画調書作成・記入要領の指示に従い、必要に応じて記
載することができる。
4
応募資格の有無は問わない。
48
研究計画調書
1.「研究分担者に分担金を配分する理由」 欄の廃止
研究分担者の在り方の見直しに伴うもの
2.「連携研究者」の記入方法
①「研究組織(研究代表者、研究分担者及び連携研究者)」欄に記載。
②研究協力者と同様、
「研究計画・方法」、「今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況等」欄は
必要に応じて記述可。
「研究者調書(特別推進研究、基盤研究S)」、「研究業績」、「これまでに受け
た研究費とその成果等」欄には記述不要。
③「連携研究者」として参画している研究課題に係るエフォート
「その他の活動」のエフォートに含めて記入。
電子申請入力方法
①連携研究者
◇研究組織入力項目に「連携研究者」を追加。
連携研究者は、入力時、「連携研究者」の区分欄を選択すること。
◇連携研究者は、「平成20年度研究経費」、「エフォート」欄は入力不可。
②研究分担者
◇研究代表者と異なる研究機関に所属する者
「分担金の有無」欄は「有」を選択、「平成20年度研究経費」欄には配分額を入力。
◇研究代表者と同一研究機関に所属する研究分担者
49
「平成20年度研究経費」欄には「0」を入力。
3.「系・分野・分科・細目表」の改正
278細目→284細目 に充実
1.細目 2303 ゲノム情報科学の新設(公募要領P24)
2301 基礎ゲノム科学・2302 応用ゲノム科学の情報科学に関するキーワードを統合
2.分科 芸術学、細目 2851 芸術学・芸術史・芸術一般の新設(P24)
時限付き分科細目「表象芸術」の応募状況を踏まえ、新設
3.細目ヨーロッパ文学→細目 2902 英米・英語圏文学と 2903 ヨーロッパ文
学(英文学を除く)に分割
4.分科 内科系臨床医学、細目 膠原病・アレルギー・感染症内科学→
細目 7210 膠原病・アレルギー内科学と 7211 感染症内科学に分割
5.分科 歯学、細目 補綴理工系歯学→
細目 7405 補綴系歯学と 7406 歯科医用工学・再生歯学に分割
6.分科 看護学、細目 臨床看護学→細目 7502 臨床看護学と 7503 生涯発達
看護学に分割
50
4.管理・監査体制整備等実施状況報告書の提出を応募要件化
◇本報告書の提出がない場合は、所属する研究者の応募は認められない。
◇本報告書の様式は、10月初旬以降、文科省調査調整課から通知される。
◇これにより、従前の様式T-3 内部監査等の実施状況報告書、T-4 科学研
究費補助金事務担当者名簿、T-5 検収(納品検査)の実施体制に関する
整備状況報告書は廃止。
5.「人権の保護及び法令等の遵守への対応」欄の見直し
◇指示書きに、個人情報の取り扱いに配慮する必要がある研究も対象として
記述する旨明記。該当しない場合はその旨記載するよう、指示書きに追加。
51
6.電子申請システム
1.応募受付の電子化
◇ 特定領域研究(継続の研究領域)及び「萌芽研究」を完全電子申請化。
◇基盤研究(C)及び若手研究(A・B)は昨年と同じ。
2.「研究者名簿の登録状況」情報の確認
◇研究機関担当者が「電子情報システム」からダウンロード、確認可。
3.研究代表者の連絡先の登録
基盤研究(S)、若手研究(S)の研究代表者の連絡先を登録することを追加。
4.「提出確認用」のすかし文字出力
基盤研究(C)、若手研究(A・B)の研究計画調書の前半部分(応募情報)は、
応募者が作成中の場合、「提出確認用」のすかし文字が入力されるよう変更。
5.「継続課題情報取得」ボタンの追加
特別推進研究、特定領域研究(継続領域)の継続応募の場合、「継続課題情報
取得」ボタンを押すと、「研究課題名」欄に継続研究課題に係る研究課題名が表示
され、「研究経費」欄に内約額が表示。
52
7.基盤研究・萌芽研究・若手研究
基盤研究(A・B・C)
1.研究期間の延伸 2~4年→3~5年
2.基盤研究(C) 審査を希望する分割体系(分割番号)の変更
キーワードにより審査を分割する細目を増やし、従来2分割していた分割体系(分割
番号)は最大5分割までに。
基盤研究(S)
1.応募総額の引き上げ
5,000万円以上1億円程度まで→5,000万円以上2億円程度まで
2.審査方法の変更
ヒアリング審査を実施
3.研究計画調書の分量の見直し
「これまで受けた研究費とその成果等」欄 1㌻追加で2㌻に
萌芽研究
モノクロ印刷による審査
完全電子申請化により、研究計画調書はモノクロ印刷により出力し、審査に付される。
カラー図表等を挿入することは可。ただし、モノクロ印刷されることを想定して挿入すること。
(特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、若手研究(S)はカラー印刷出力で審査)
若手研究(S)
1.応募総額の目安を明記 1億円程度まで→概ね3,000万円以上1億円程度まで
2.研究計画調書の記入欄の見直し
研究経費の明細欄 基盤研究(S)と同様に変更。
53
8.特別推進研究①
1.最終年度前年度応募の研究課題の取扱い
研究計画調書について、翌年度の4月1日以降の補助事業として作成すること
とし、当該応募課題が採択された場合で、既に継続課題の交付決定を行って
いるときには、継続課題の補助金を全額返還する旨を明記。
2.審査希望分野の選定
審査希望分野を「人文・社会」、「理工」、「生物」から選択することを明記。
「理工」については、「数物系科学」、「化学」、「工学」のうちから最も関係が深い
と思われる区分を選択。
<研究計画調書>
3.新規課題 「研究業績Ⅰ」欄、継続課題 「研究成果の発表状況」欄
◇研究代表者は二重下線、研究分担者は一重下線を付す。
◇corresponding authorは左に*印を付す。
◇発表年ごとに線を引いて区別し、通し番号を付す。
4.継続課題「研究成果の発表状況」、「研究成果の妥当性・必要性」欄の
分量を増加
54
8.特別推進研究②
5.<新規課題>各項目の順番・分量の見直し
19年度
Ⅰ.全体研究計画
1.研究目的
2.これまでに受けた研究費とその成果等
3.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
4.研究計画最終年度前年度の応募を行う
場合の記入事項
5.研究の必要性
6.文献
7.研究計画・方法
8.人権の保護及び法令等の遵守への対応
9.分担金の有無
10.研究分担者に分担金を配分する理由
11.研究経費の妥当性・必要性
12.使用施設
13.現有設備
14.設備備品費の明細
15.消耗品費等の明細
Ⅱ.研究者調書
20年度
Ⅰ.全体研究計画
1.研究目的
2.研究の必要性
3.文献
4.研究計画・方法
5.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
6.これまでに受けた研究費とその成果等
7.研究計画最終年度前年度の応募を行う
場合の記入事項
8.研究費の妥当性・必要性
<削除>
<削除>
9.人権の保護及び法令等の遵守への対応
10.使用施設
11.現有設備
12.設備備品費の明細
13.消耗品費等の明細
Ⅱ.研究者調書
55
9.特定領域研究①
【継続領域】
1.「公募研究に係る研究課題の応募書類を提出する時期に当たる研究領域一覧
(別表6)」及び「特定領域研究の概要(別添)」の見直し
公募研究の単年度当たりの応募金額の上限額を明記。
<研究計画調書>
2.各項目の分量等の見直し
①「研究成果の発表状況」、「研究経費の妥当性」欄 増量
②「研究資金の応募・採択状況」欄 追加
3.公募研究各項目の見直し
① 「研究業績」欄
◇記載対象の変更
「応募研究課題の内容に限ることなく」→「本研究に関連する重要なもの」
◇発表年ごとに線を引いて区別、番号を付す(基盤研究と同様)
②「研究成果の応募・採択状況」欄
「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」欄に変更
4.モノクロ印刷による審査
完全電子申請化により、研究計画調書はモノクロ印刷により出力し、審査に付される。
カラー図表等を挿入することは可。ただし、モノクロ印刷されることを想定して挿入すること。
(特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、若手研究(S)はカラー印刷出力で審査) 56
9.特定領域研究②
5.公募研究各項目の順番・分量の見直し
19年度
1.研究概要
2.研究目的
3.これまでに受けた研究費とその成果等
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.研究計画・方法
6.人権の保護及び法令等の遵守への対応
7.分担金の有無
8.研究分担者に分担金を配分する理由
9.研究経費の妥当性・必要性
10.設備備品費の明細
11.消耗品費等の明細
12.研究業績
13.研究資金の応募・採択状況
20年度
1.研究概要
2.研究目的
<分量の増>
3.研究計画・方法 <分量の増>
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.これまでに受けた研究費とその成果等
6.人権の保護及び法令等の遵守への対応
<削除>
<削除>
7.研究経費の妥当性・必要性<分量の減>
8.設備備品費の明細
9.消耗品費等の明細
10.研究業績
11.研究費の応募・受入等の状況・エフォ
ート
57
9.特定領域研究③
6.計画研究(新規)各項目の順番・分量の見直し
① 「研究業績」欄
◇記載対象の変更
「応募研究課題の内容に限ることなく」→「本研究に関連する重要なもの」
◇発表年ごとに線を引いて区別、番号を付す(基盤研究と同様)
②「研究成果の応募・採択状況」欄
「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」欄に変更
19年度
1.研究概要
2.研究目的
3.これまでに受けた研究費とその成果等
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.研究計画・方法
6.人権の保護及び法令等の遵守への対応
7.分担金の有無
8.研究分担者に分担金を配分する理由
9.研究経費の妥当性・必要性
10.設備備品費の明細
11.消耗品費等の明細
12.研究業績
13.研究資金の応募・採択状況
20年度
1.研究概要
2.研究目的
<分量の増>
3.研究計画・方法
4.今回の研究計画を実施するに当たって
の準備状況等
5.これまでに受けた研究費とその成果等
6.研究経費の妥当性・必要性
<削除>
<削除>
7.人権の保護及び法令等の遵守への対応
8.設備備品費の明細
9.消耗品費等の明細 <分量の減>
10.研究業績
58
11.研究資金の応募・採択状況
10.研究成果の取りまとめ・社会還元方策
科研費は、我が国の発展基盤につながる優れた学術研究を支援する重要な役割を担うが、
成果が短期的に現れにくい、専門性が強いことなどから、その意義が広く国民に理解されて
いるとは言い難い。
1.文科省・日本学術振興会の取組
①「科研費ニューズレター」の発行
②成果公開シンポジウム(文科省・日本学術振興会主催)の開催
③追跡調査・評価による研究成果の検証(特別推進研究)
④国立国会図書館関西館に冊子納付している「研究成果報告書」をインターネットでの公開
に変更
⑤配分結果公表時における詳細なデータの公表
2.「研究成果公開発表(A)」の募集廃止
全ての研究課題で取り組まれるべき研究成果の公開・普及について、競争的に支援すること
はかえって誤った認識を生み出しかねないとの指摘や研究種目の整理・合理化の観点により、
新規募集を廃止。
◇研究成果の公開・普及は、交付を受けた研究者が採択期間中に取り組むことを奨励。
◇科研費の直接経費・間接経費からの支出可。
59
11.評価の充実・評価結果を踏まえた支援
1.科研費における評価は、全体としては不十分。
2.中間・事後評価実施の研究種目は、研究者・評価者の負担が重い反面、評価結果が
有効に活用されていない。
研究者の意欲の向上と、他の競争的資金の獲得を含めた次の段階の研究につながる
方向で、優れた研究活動を継続的にサポートしていく評価システムの改善が必要。
1.中間評価の充実と効率化
全ての研究種目で、3年目に自己点検による中間評価を実施。
評価結果をインターネットで公開。
2.大型研究種目における中間・事後評価の見直し
中間・事後評価を統一し、研究期間の最終年度の前年度に評価を実施。
評価結果を次の応募(含最終年度前年度応募)の際の研究計画に添付し、次の審査に
活かす仕組みを導入することにより、優れた研究課題を継続して支援。
指定席化ととられない配慮について検討(特に特別推進研究)。
3.「特別推進研究」追跡結果の実施〔試行〕
中長期的な観点から成果を検証し、国民に対する説明責任を果たすため、特に大型の研究
種目で研究期間終了後3~5年目程度に追跡調査を実施。まず、「特別推進研究」で試行的に
追跡調査を実施。
60
12.学術振興施策の検討に必要な調査研究への交付
学術の振興施策を検討する前提として不可欠な基礎調査が不十分。これが学術の振興施
策の妨げと指摘。
学術振興施策の検討に必要な調査研究へ「特別研究促進費」交付
学術振興施策の検討に資するために緊急に実施することが必要な調査研究で、科学技術・学
術審議会学術分科会各部会で実施の必要性が認められたものは、科研費「特別研究促進費」
で支援。
61
Ⅳ.科研費応募のポイント
62
応募に当たって留意すること
1. 応募する研究課題は、これまでの研究の延長線
上にある研究であること。
2. 応募書類は、プレゼンの一環として捉える。
3. 研究計画は、審査員の目線に立って作成してみ
る。
4. 応募ルール(公募要領)を熟読するほか、評価
ルールを理解し、審査の観点に沿って研究計画
調書を作成する。
5. 審査員は半分以上は専門分野外であることに留
意する。
63
評価ルールは、公表されている
第2・3種科研費〔基盤研究・若手研究・萌芽研究等〕
【審査規程】
○科学研究費補助金(基盤研究等)における審査及
び評価に関する規程(2007.10.5改正)
【審査の手引】
○第1段審査の手引
○第2段審査の手引
64
審査の実施体制
■日本学術振興会科学研究費委員会で実施
■審査は、研究種目により部会ごとに実施
〔審査・評価部会〕
基盤研究(S)・若手研究(S)
〔審査第一部会〕
基盤研究(A・B)・萌芽研究
〔審査第二部会〕
基盤研究(C)・若手研究(A・B)・特別研究員奨励費
〔審査第三部会〕
若手研究(スタートアップ)
■各部会は、運営小委員会と7~18の専門分野ごとの小委
員会から構成
■このほか、奨励研究部会、成果公開部会、学術創成部会
の7部会構成
65
小委員会の構成
1.総合領域委員会
2.複合新領域委員会
3.哲学小委員会
4.文学小委員会
5.史学小委員会
6.法学小委員会
7.経済学小委員会
8.社会学・心理学・教育学小委員会
9.数物系科学小委員会
10.化学小委員会
11.工学小委員会
12.生物学小委員会
13.農学小委員会
14.医歯薬学Ⅰ小委員会
15.医歯薬学Ⅱ小委員会
16.海外学術調査人文社会科学系小委員会
17.海外学術調査理工系小委員会
18.海外学術調査生物系小委員会
審査・評価部会
基盤S・若手S
1○
2○
○
○
3○
○
○
○
○
審査第一部会
基盤A・B、萌芽
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
審査第二部会
審査第三部会
基盤C、若手A・B、奨励費 若手スタートアップ
○
○
○
○
4 ○
○
○
5 ○
○
○
6 ○
○
○
○
○
7 ○
○
○
○
○
○
○
1 は、総合領域・複合新領域小委員会、2は、人文学・社会科学小委員会、3は、工学Ⅰ小委員会及び工学Ⅱ小委員会。
4は、人文学小委員会、5は、社会科学小委員会、6は、数物系科学・化学小委員会、7は、生物学・農学小委員会。
66
審査の方法
第1段審査
個々の研究課題の研究計画調書について専門的
見地から審査
■「評定要素」ごとに4段階評価〔絶対評価〕
■「総合評点」は5段階評価〔相対的評価〕
第2段審査
第1段審査の審査結果を基に、広い立場から総合
的に必要な調整を行うことを主眼とした合議審査
67
評定基準
評定要素ごと
【評点区分】
4
3
2
1
【評定基準】
優れている
良好である
やや劣っている
劣っている
総合評価
【評点区分】
5
4
3
2
1
【評 定 基 準】
【評点分布の目安】
非常に優れた研究課題であり、最優先で採択すべき
優れた研究課題であり、積極的に採択すべき
優れた研究課題であり、採択してもよい
採択するには研究内容等に不十分な点があり、採択を見送るべき
研究内容等に問題があり、採択に値しない
10%
20%
40%
20%
10%
※1または5を付した場合、審査意見(長所、短所中心)を記入。記入がなければ評点は不採用。 68
「評価項目」
1.研究課題の学術的重要性・妥当性
「研究経費」、「研究目的」欄など
2.研究計画・方法の妥当性
「研究計画・方法」、「研究経費の妥当性・必要性」欄など
3.研究課題の独創性及び革新性
「研究目的」、「研究計画・方法」欄
4.研究課題の波及効果及び普遍性
「研究目的」、「研究計画・方法」欄
5.研究遂行能力及び研究環境の適切性
「研究組織」、「研究計画・方法」、「研究業績」、
「これまでに受けた研究費とその成果等」、
「今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況等」欄など
69
「評価の観点」①
1.研究課題の学術的重要性・妥当性
□学術的に見て、推進すべき研究課題であるか。
□研究構想や研究目的が具体的かつ明確に示されているか。
□応募額の規模に見合った研究上の意義が認められるか。
2.研究計画・方法の妥当性
□研究目的を達成するため、研究計画は十分練られたものになっているか。
□研究計画を遂行する上で、当初計画通りに進まないときの対応など、多方面からの検討
状況は考慮されているか。
□研究期間や経費配分は妥当なものか。
□研究代表者が職務として行う研究、または別に行う研究がある場合には、その研究内容
との関連性及び相違点が示されているか。
□公募対象としていない以下のような研究計画に該当しないか。
①単に既製の研究機器の購入を目的とした研究計画
②他の経費で措置されるのがふさわしい大型研究装置等の製作を目的とする研究計画
③商品・役務の開発・販売等を直接の目的とする研究計画(商品・役務の開発・販売等に
係る市場動向調査を含む)
④業として行う受託研究
70
「評価の観点」②
3.研究課題の独創性及び革新性
□ 研究対象、研究手法やもたらされる研究成果等について、独創性や革新性が認められる
か。
4.研究課題の波及効果及び普遍性
□当該研究分野もしくは関連研究分野の進展に対する大きな貢献、新しい学問分野の開拓
等、学術的な波及効果が期待できるか。
□科学技術、産業、文化など、幅広い意味で社会に与えるインパクト・貢献が期待できるか。
5.研究遂行能力及び研究環境の適切性
□これまでに受けた研究費とその研究成果を評価するとともに、これまでの研究業績等から
見て、研究課題に対する高い遂行能力を有していると判断できるか。
□複数の研究者で研究組織を構成する研究課題にあっては、組織全体としての研究遂行
能力は十分に高いか、また各研究分担者は十分大きな役割を果たすと期待されるか。
□研究課題の遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等、研究環境は整っているか。
□研究課題の成果を社会・国民に発信する方法等は考慮されているか。
71
その他の評価の観点
1.適切性
①人権の保護及び法令等の遵守を必要とする研究課題の適切性
空白か×
□相手方の同意・協力や社会的コンセンサスを必要とする研究計画、個人情報の取り扱
いに配慮する必要がある研究計画又は法令等に基づく手続きが必要な研究計画につい
ては、所要の手続き、対策が講じられているか。
□ヒト遺伝子解析研究等の研究課題にあっては、法令等に従い、所定の手続き・対策が
講じられているか。
②研究経費の妥当性
空白か○、△、×
□研究経費の内容は妥当であり、有効に使用されることが見込まれるか。
□購入を計画している設備備品等は研究計画上真に必要なものであるか。
□研究設備の購入経費、旅費又は謝金等のいずれかの経費が90%を超えて計上され
ている場合には、研究計画遂行上有効に使用されることが見込まれるか。
□単に既製の研究機器の購入を目的とする研究や、他の経費で措置されるのがふさわし
い大型研究装置等の製作ではないか。
72
その他の留意事項
1.「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」欄
□第2段審査で、「研究資金の不合理な重複や過度の集中に ならず、研究課題が
十分遂行し得るかどうか」を判断する際の参考とする。
2.エフォート欄
□第2段審査で、「研究課題が十分遂行し得るかどうか」を判断する際の参考とする。
73
科研費の配分方式
○各専門分野毎の研究費の配分枠
当該研究種目
の本年度新規
配分予定額
当該専門分野
当該専門分野
の本年度新規
の本年度新規
+
応募課題数の
応募研究費の
シェア
シェア
×
2
74
Ⅴ.不正使用等の防止
75
科研費不正使用防止のための取り組み
【これまでの取組み状況】
【新しい措置(平成18年度~)】
① 応募資格を一定期間停止する措置の導入
(平成15年度~)
① 不正使用防止に向けた新たな対策を取りま
とめた通知の発出 (平成18年11月28日)
○ 不正使用を行った研究者及び共謀者:2~5年
○ 上記の共同研究者
:1年
○ 不正受給を行った研究者
:5年
○ 不正行為を防止するための研究機関の自主的
な経理管理・監査体制の整備を義務化
○ 執行管理を強化・徹底
○ 補助金の経費管理責任者の登録を義務化
○ 全ての採択者に対し、「不正を行わない」旨の誓
約を確認
○ 補助金応募手続時に、機関管理状況報告を組
入れ、審査
○ 文部科学省及び日本学術振興会による実地検
査の実施
○ 研究機関に対するペナルティ(間接経費の減額
査定等)の導入
② 機関管理の義務化(平成16年度~)
○ 研究機関による科研費の管理について、雇用契
約、就業規則、個別契約等で規定
○ 研究機関による研究者・事務職員を対象とした
研修会、説明会の開催
○ 研究機関における交付件数に対する一定割合
(概ね10%)以上の内部監査の実施
③ 不正使用防止ルールの周知
○ ハンドブック(研究者用、研究機関用)の作成、配
布および文部科学省HPへの掲載
○ 不正防止のための通知の発出(平成17年1月24日)
○ 説明会の開催(18年度実績:全国で91回)
② 大学等の関係機関を対象に説明会を実施
(平成18年12月5日開催・842機関出席)
③ 日本学術振興会に対して、経理管理業務等
の詳細な実施状況についての報告を義務化
(平成19年4月)
76
資料:文部科学省作成
1.不正使用防止対策の策定経緯
1.研究経費の不正行為防止通知 2003.4.8.
2.参議院決算委員会警告決議 2003.6.16
3.通知・警告決議の背景
4.科研費の不正使用防止対策の策定(平成15年度)
5.不正使用等に対する措置
6.共同研究者ペナルティのきっかけ
77
1.研究経費の不正行為防止通知 2003.4.8.
◇科学技術・政策局長、研究振興局長、会計課長連名通知◇
◇預け金、カラ謝金等研究経費の不正経理が頻発。
◇研究費の不正行為は、基本的には研究者個人のモ
ラルの問題としつつ、
◇研究機関事務局の不適正な経理事務・不十分な牽
制体制が大きな原因。
研究機関事務局に対し、以下の事項を要請。
①臨時監査の実施
②教職員に対する研修等の実施
③不正行為に対する牽制体制の強化
78
2.参議院決算委員会警告決議 2003.6.16
(平成13年度決算に対する警告決議)
内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告す
べきである。
(6) 一部大学等において、架空の伝票処理、勤務実態
のない謝金の支払い等の研究費に係る不正経理が相
次いで発生したことは遺憾である。
政府は、研究費使用について必要な制度改善を一層
進めるとともに、綱紀粛正、内部監査の強化等指導を
図り、この種事案の再発防止に万全を期すべきである。
79
3.通知・警告決議の背景
1.東京大学医学部堤教授や似田貝副学長による科学
技術振興調整費や科学研究費補助金等の不正使用
(カラ出張やカラ謝金など)が発覚、大きく新聞報道さ
れる。
2.他にも、後に約5億円の返還を求められた東京慈恵
会医科大学医学部教授等による科研費の不正使用・
不正受給など複数の大学等で不正経理の事案のマス
コミ報道が続き、社会問題に。
80
4.科研費の不正使用防止対策の策定(平成15年度)
2.ルールの徹底 研修会・説明会の開催
1.研究機関による補助金の管理
◇研究機関による科研費の管理を義務化。
◇交付申請時に、研究者・研究機関の長の連名
で補助金管理について合意確認(契約行為と
みなす)。
◇研究者・事務職員対象、積極的・定期的な実施。
3.研究機関による内部監査の実施
4.研究機関による不正使用調査実施
◇「通常監査」・「特別監査」の実施、報告。
◇科研費の不正使用が明らかになった場合の
調査実施、事実関係及び再発防止策の資
源配分機関に対する報告
き調
っ査
か開
け始
の
1.会計検査院による実地検査
2.税務署による税務調査
3.総務省による行政評価・監視調査
4.内部監査、外部監査
5.内部告発
・研究機関 ・資源配分機関 ・マスコミ ・上記1~3
81
5.不正使用等に対する措置
1.補助金の取消・返還
不正行為
◇17条取消
◇18条①返還
原始的瑕疵に
よる取消・返還
○他用途使用
○不正受給
○交付決定の内容・
補助条件違反
○法令・処分違反
○善良な管理者の
注意義務違反
(第11条関連)
《該当要件》
①国損
②不正行為の関与
③故意性
2.応募・受給資格停止
不正行為以外
◇17条取消
◇18条①返還
<成果報告の提出
による額の再確定>
○事務職員による不正
等
《該当要件》
①国損
②不正行為の関与なし
③故意性なし
3.刑事罰(私的流用の場合)
①2003年9月制度化
補助金適正化法第17条に基づく取消のあった研究
課題の翌年度から2~5年
②2004年4月改正
共同研究者(平成16年度から・新規課題 1年間)
③2004年8月改正
文科省所管の競争的資金の一斉適用
④2005年1月改正
○共謀研究者(①と同じ)
○偽りその他不正の手段により交付を受けた研究者
(5年)
⑤2006年3月改正
政府所管の競争的資金の一斉適用
4.人事上の処分
①不正研究者
②不正研究者の管理監督者
③不正職員
など
82
6.共同研究者ペナルティのきっかけ
国会審議-研究機関停止論
「 ある大学で科研費の不正が起こった場合、1回目は研究者
本人に対して制裁措置を取り、同じ機関で再度科研費の不正
が起こった場合には、大学に所属する全員が科研費の申請
資格を少なくとも1年失うという厳しい措置を取らなければなら
ない。(2003.4.5 参議院決算委員会 与党議員の見解)
河村文部科学大臣(当時)
ー高校野球でも野球部で不祥事が起これば甲子園大会に出場
辞退をすることがあることを例にして、制度の検討を示唆。
83
2.不正使用防止対策の強化
1.研究経費の不正行為防止通知 2003.4.8.
2.参議院決算委員会警告決議 2003.6.16
84
1.科研費不正使用防止のための取り組み
【これまでの取組み状況】
【新しい措置(平成18年度~)】
① 応募資格を一定期間停止する措置の導入
(平成15年度~)
① 不正使用防止に向けた新たな対策を取りま
とめた通知の発出 (平成18年11月28日)
○ 不正使用を行った研究者及び共謀者:2~5年
○ 上記の共同研究者
:1年
○ 不正受給を行った研究者
:5年
○ 不正行為を防止するための研究機関の自主的
な経理管理・監査体制の整備を義務化
○ 執行管理を強化・徹底
○ 補助金の経費管理責任者の登録を義務化
○ 全ての採択者に対し、「不正を行わない」旨の誓
約を確認
○ 補助金応募手続時に、機関管理状況報告を組
入れ、審査
○ 文部科学省及び日本学術振興会による実地検
査の実施
○ 研究機関に対するペナルティ(間接経費の減額
査定等)の導入
② 機関管理の義務化(平成16年度~)
○ 研究機関による科研費の管理について、雇用契
約、就業規則、個別契約等で規定
○ 研究機関による研究者・事務職員を対象とした
研修会、説明会の開催
○ 研究機関における交付件数に対する一定割合
(概ね10%)以上の内部監査の実施
③ 不正使用防止ルールの周知
○ ハンドブック(研究者用、研究機関用)の作成、配
布および文部科学省HPへの掲載
○ 不正防止のための通知の発出(平成17年1月24日)
○ 説明会の開催(18年度実績:全国で91回)
② 大学等の関係機関を対象に説明会を実施
(平成18年12月5日開催・842機関出席)
③ 日本学術振興会に対して、経理管理業務等
の詳細な実施状況についての報告を義務化
(平成19年4月)
85
資料:文部科学省作成
2.不正使用防止対策強化の背景
1.早稲田大学理工学術院松本和子教授による科学
技術振興調整費、科研費、NEDO委託費等の公的
研究費の不正使用・不正行為の事案が発覚。
ことに松本教授が総合科学技術会議の議員や研究
活動の不正行為対策を検討する文科省の審議会特
別委員会の副主査等を歴任していたこと、早稲田大
学総長選の時期に重なった事情から、大きくマスコミ
報道され、社会問題化。
2.他にも、国立天文台の研究者による科研費の不正
使用など複数の大学等で不正経理の事案のマスコミ
報道が続いた。
86
3.公的研究費の管理・監査のガイドライン
1.平成18年8月、文科省において「研究費の不正対策
検討会」(主査:石井紫郎東大名誉教授)が設置され、
研究費の不正対策について検討開始。
2.同研究会の検討結果を受けて、本年2月、文科省は
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイド
ライン(実施基準)」を策定。
3.科研費においては、平成19年度から、同ガイドライ
ンを踏まえた機関の経理管理・監査体制の整備を行う
ことが研究機関の責務とする使用ルールを改正。
4.公募時に、機関の経理管理・監査体制の整備状況を
文科省に報告(11月)。
87
4.ガイドラインの概要
◇7節構成。本文のほか、実施事項の例を参考に提示。
◇研究機関においては、7節を除く内容を踏まえ各機関独自のガイドラインを策定
することを要請。
<基本的考え方>
①個人補助、機関補助の別にかかわりなく、国民の信頼に応えるため、競争的資
金等の管理は研究機関の責任において行うべきとの原則を一層徹底。
②研究費の不正な使用が行われる可能性が常にあるという前提の下で、不正を
誘発する要因を除去し、抑止機能のあるような環境・体制の構築を図ることは、
機関の責任者の責務。
<構成>
第1節 機関内の責任体系の明確化
第2節 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備
第3節 不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定・実施
第4節 研究費の適正な運営・管理活動
第5節 情報の伝達を確保する体制の確立
第6節 モニタリングの在り方
第7節 文部科学省による研究機関に対するモニタリング、指導及び是正 88
措置の在り方
5.ガイドラインのメッセージ
 研究資金制度を内部から壊す者に対し、大学が厳正に対処す
ること
 研究費管理のみならず経費管理全体の問題として捉えること
が重要
 結果よりプロセスを重視
 個別問題ではなく組織の問題と捉え、局所最適から全体最適
へ隙間を埋める
 リスクマネジメント、コンプライアンス、内部統制の一体化したガ
バナンス体制の構築・整備
 「ムシ的不正」対処から「カビ的不正」対処へ
 「ガイドライン」と「行動規範」策定による不正リスク軽減が目的
89
6.不正が発生する背景と防止策
①誠実性の欠如・
不正の正当化
行動規範
②不正を犯す動機
組織または個人の利益の
ために不正を働こうとす
る動機をもたらす状況が
ある。
機会があれば、不正を犯す
「その気」がある。また、
内部統制や正確な報告義務
に対する関心が欠如してい
る。
経営者が「良きに計らえ」と言い、
構成員の活動をチェックせず経営
判断を示さないなどにより、不正の
動機が生まれる。
不正
③不正を犯す機会
不十分な職務分離や監視等により、内部統制が
不十分なために不正を犯すことが可能な状況に
ある。
ガイドライン
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
研究者と事務職員とのコミュニケーション
がない、あるいは不足することにより不正
を犯す機会が生まれる。
90
7.ガイドラインの構成
【内部統制の目的】
第1節 機関内の責任体系の明確化
第2節 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備
【
内
部
統
制
の
基
本
的
要
素
】
① 内部統制環境
②リスク評価
③ 内部統制活動
④情報と伝達
事
業
単
位
A
(
本
部
)
事
業
単
位
B
(
部
局
)
事
業
活
動
A
事
業
活
動
B
⑤ モニタリング
(1)
(2)
(3)
(4)
ルールの明確化・統一化
職務権限の明確化
関係者の意識向上
調査及び懲戒に関する規程の整備及び運用の透明化
第3節 不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定
(1)
(2)
不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定
不正防止計画の実施
第4節 研究費の適正な運営・管理活動
第5節 情報の伝達を確保する体制の確立
第6節 モニタリングの在り方
◇COSOフレームワークの概念に基づいて構成。
*COSOフレームワーク=米国トレッドウェイ委員会組織委員会が1992年にまとめた内部統制の包括的フレームワーク。
*米国の監査基準等のベース。日本でも、会社法、金融証券取引法、監査基準等のベースとなっている。
◇内部統制のポイント
①結果責任からプロセス責任への転換→結果さえよければよい時代は終わった
②財務分野、非財務分野ともに規律
☆経営者(学長)は従業員(教職員)を管理・監督するプロセスを構築する責任を負う。
☆経営者(学長・理事)はこれを共通認識することが不可欠。
91
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
8.リスクマネジメント導入による内部統制システム構築
《COSO ERM(Enterprise Risk Management)フレームワーク・キューブ》
◇内部統制システムを有効に機能させるため、企業組織のリスクと機会を全社横断的・継続的に
評価・改善していくフレームワークとして開発。
◇経営・戦略の視点から、リスク許容度を設定・コントロールすること、個々のリスクをポートフォ
リオの観点から統合管理することを提唱。
【目
的】
【
構
事象認識
成
リスク評価
要
素
】
◎経営管理のPDCAが回せることが内部統制のポイント
1.言い放し、やりっ放しになっていて、PDCAがきちんと回っているか?D(Do)のみに終わっていないか?
2.経営者(全ての理事)が共通に理解すること、情報共有が不可欠。理事の責任が縦割りになっていないか?
3.治療計画(不正防止計画)ができているか?
4.リスク対応計画がフィードバックされているか?
92
9.内部統制による経営管理のPDCAの転回
第3節
不正を発生させる要因の把握
①内部統制環境
目的設定
◇戦略
◇業務活動
◇財務報告
◇コンプライアンス
事象認識
ビジョン・目的を実現
するに当たって、それ
を阻害する可能性のあ
るリスク要因の現状を
把握する
④情報と伝達
⑤モニタリング
円滑に行われるよう、情報
の伝達・共有化の仕組み
が機能し、また対外的に
も 必要な情報の開示
を適切に行う。
②リスク評価
⑤モニタリング
戦略目的に関連するリスクが識別され、
リスク許容限度に照らして評価された上
でこれらの対策が期待した通りに機能し
ているか監視され、問題点があれば改
善し、対応策の定着化を図る
認識した事象の優先
対応リスクを整理・
現状把握し課題を
精査
③内部統制活動
リスク対応
マスタープランの対策
における具体的な方針
や手法に従い、組織と
してリスクマネジメン
ト態勢を構築
課題リスクに対する
マネジメント態勢を
構築するために対応
すべきマスタープラ
ンを組織的に決定
第3節
不正防止計画の策定・実施
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
不正発生要因の順位付け
重点的に投資するリスクを選別
93
10.内部統制はリスクマネジメントの低減手法
リ
ス
ク
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
大学の価値を維持・拡大していくために
定義 事業に関連する内外の様々なリスクを
適切に管理する活動
コンプライアンスマネジメント
事業活動遂行に関連するリスク(不確実
定義 性)に対するマネジメント
事業機会に関連するリスク
分類
戦略的意思決定に係るリスク
事業活動遂行に関連するリスク
限定
適正かつ効率的な業務の遂行に係るリスク
流れ
リスクの
発見・特定
リスクの
算定
リスクの
評価
リスク対応方
針・対策のモ
ニタリング
残留リスク
の評価
リスクの対
策の選択
「法令違反」、「財務報告違反」、「教
対象 育・研修の品質」、「個人情報の漏洩」、
「環境汚染」等
流れ
計画(Plan)
経営層による
見直し(Act)
実施と運用
(Do)
監査(Check)
リスクマネジメントの手法の一つ
低減
定義
目的
大学がその業務を適正かつ効率的に遂行するために、学内に構築され、運用される
体制・プロセスであり、事業目的の達成を支援する仕組み
財務報告の信頼性
業務の有効性・効率性
内部統制
資料:私立大学の社会的責任に関する研究報告 平成16年11月発行(P32)
法令遵守
94
11.モニタリングの重層化の例
報告
役 員 会
指示・指導
監 事
報告
報告・提言
リスクマネジメント委員会
内部監査部門
報告
監査室
委員長:リスクマネジメント担当理事
指示・指導
指示・指導
関
連
部
署
内部通報窓口
通
報
・
相
談
報
告
・
相
談
指示・指導
モニタリング
(第3次防御)
報告・相談
リスクマネジメント部門
フ
ィ
ー
ド
バ
ッ
ク
報告・提言
関
連
部
署
関
連
部
署
報告・相談
各部コンプライアンス担当者
及び教職員
モニタリング
(第4次防御)
指
示
・
指
導
*マネジメント態勢
の実効性評価
モニタリング
(第2次防御)
*リスクの網羅性の
評価
モニタリング
(第1次防御)
*コントロールの評価
95
資料:研究機関がとるべき対策セミナー 2007.6.14 配付資料をもとに作成
ご静聴お疲れ様でした。
山形大学研究プロジェクト戦略室 山崎 淳一郎
TEL.023-628-4838
FAX.023-628-4849
E-mail:[email protected]
山形大学ホームページには「研究助成金情報」が掲載
されています。この中の「研究プロジェクト戦略室」の㌻
から講演会資料などが検索できます。
(トップページの「研究案内」の㌻からアクセス)
http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/kenindex.html
96