2015 年 1 号(春) 最近ヨーロッパでは、ギリシアの経済状況が大きな問題となっています。報道によれば、欧州連合(EU)が新た に資金を提供しなければ、ギリシアはまたたく間に債務不履行(デフォルト)状態に陥るとのこと。そのため、ギリ シアがユーロ圏から離れ、旧通貨『ドラクマ』を再導入することを含め、多角的な議論がなされています。欧州 経済に『ギリシアのユーロ離脱』がどういう影響を与えるのか、全く想像がつきません… お待たせしましたが、欧 州プラスチック産業 NEWS・2015 年 1 号をお届けします。本年第 1 四半期のニュースから、下記のテーマを 取り上げました: * トレンド 医療に使われるプラスチック、環境保護を目的としたプラスチックバッグ規制 * 業界・企業ニュース 独・化学業界中小企業の動向、ランクセス社のリストラ * メッセ情報 NPE、Chinaplas、そして K 2016 ぜひ、最後までご覧ください。 第 1 部: トレンド 医療現場で使われるプラスチック製品増加に、3D 印刷が貢献 SF のような話と感じるかもしれません が、近い将来可能になると思われてい るのは、失われた内臓、骨の再建、あ るいは視力の回復に寄与する、義 肢、角膜などを 3D 印刷機械で作成 することです。技術的にも価格的に も、3D 印刷は日々進化しており、この 動きを後押ししています。フラウンホー ファー・境界層・バイオプロセス技術研 究所(Fraunhofer IGB)の調査によ れば、全プラスチック製品のおよそ 2% が医療産業向けで、内訳としては包 装と医療機器部品が半々とのこと。イ ンプラントはまさにこれからなのですが、 一般化するまでには、忍容性などの問題を解決しなければなりません。しかしながら、今後の見通しは明るく、 『K 2016』ではこれに関連するソリューションが見られるものと思います。 出典: http://www.plasticseurope.de/anwendungsgebiete/medizin-gesundheit.aspx http://www.k-online.com 写真: http://www.k-online.de/cipp/md_k/custom/pub/content,oid,68656/lang,1/ ticket,g_u_e_s_t/~/Herausforderungen_meistern_Kunststoffe_in_der_Medizintechnik.html 環境保護を目的に、プラスチックバッグ利用をさらに制限 環境保護はヨーロッパで重要なテーマであり、それに対し消費者が果たす役割は、非常に大きいものがありま す。そして、欧州連合(EU)もいろいろな規制を導入しており、つい最近では、 2018 年から軽量型プラスチックバッグを有料にすること 2019 年までに、住民一人当たりの年間利用を軽量型バッグ 90 枚、 2025 年までに、住民一人当たりの年間利用を軽量型バッグ 40 枚まで削減すること を、欧州委員会が決定しました。その規制に対し、欧州プラスチック工業会(PlasticsEurope)フェルスター代 表(K. Foerster)は批判するとともに、プラスチックの代わりに他の包装材が利用され、ごみが増加する可能 性があると指摘しました。 出典: http://www.europarl.europa.eu/news/de/news-room/content/20141121 IPR79835/html/Reducing-use-of-plastic-bags-MEPs-strike-deal-with-Council-Presidency http://www.europeanplasticsnews.com 第 2 部: 業界・企業ニュース ドイツ中小企業の動向 ドイツ化学工業協会(VCI)によれば、ドイツ化学産業の中小企業にとって、ドイツにおける経済環境が厳しい ため、その約 5%は短期的にはドイツへ投資をせず、代わりに国外への投資を増強することが明らかになりまし た。なお、ドイツ国外への投資を計画する企業は、回答の 1/3 にのぼります。ドイツの弱点として、規制、インフ ラ、人件費、エネルギー費用が挙げられています。エネルギー費用については、つい最近減少したのは事実で すが、再生可能エネルギー転換策(Energiewende)にまつわる負担が大きい、というのが現状です。例えば ポーランドの電気料金はドイツの半分であるため、自ずと生産コストもドイツに比べ低くなり、この点において、 投資先としてはポーランドがドイツより優位、と言えます。 出典: 2015 年 1 月 30 日付 VDI Nachrichten 紙、2014 年 10 月 14 日付 FAZ 紙 化学大手ランクセスがリストラを継続し、配当金を支払う ランクセス(Lanxess)社は昨年、経営難から 3 段階にわたるリストラプログラムを導入しました。第 1 段階は、 世界のアドミニストレーション部門の従業員数を削減、第 2 段階は生産拠点の分析です。その結果、ルール 工業地方にあるマール(Marl)工場の閉鎖を決定しました。加えて、投資家の評価を視野に入れ、配当金を 昨年と同額(1 株あたり 0.50 ユーロ、合計 4,600 万ユーロ)で支払うことも発表しました。ドイツの経済システ ムが、従業員優先から投資家優先の方向に変わってきているように思われます。 出典: 2015 年 2 月 18 日付 FAZ 紙、2015 年 3 月 20 日付 FAZ 紙・Rheinische Post 紙 第 3 部: メッセ情報 NPE NPE 2015 が、3 月 23 日~27 日にフロリダ州オーランドで開催されます。今回の注目は、最新技術と高機 能樹脂とのこと。在米支店・代理店からのお申し込みがほとんどのようですが、日本企業も多数参加します。 メッセ・デュッセルドルフグループは、北米支店協力のもと、『K 2016』をご案内するブース(#W1191)を設ける ほか、24 日 17 時からレセプションを開催致します。ドイツ本社からドーンシャイト社長、弊社からはメルケが会 場に参りますので、ご視察の折にはぜひブースへお立ち寄りください。 出典: http://www.k-online.com、http://www.mpponline.in Chinaplas 2015 年 5 月 20 日~23 日には、メッセ・デュッセルドルフ・中国(MDC)が中国・広州で共催する、中国国際 プラスチック・ゴム産業展『Chinaplas』が行われます。会期 2 日目・3 日目には、『製造新時代 – New Era Manufacturing』と銘打った会議が予定されており、その重要なテーマのひとつは、本号第 1 部で取り上げまし た、医療産業向けプラスチックです。会議の詳細はこちら、そして来場事前登録はこちらにてご確認ください。 K 2016 出展申込期限=2015 年 5 月 29 日(金) 世界中から最先端技術・製品が集結し、業界の未来を示す、国際プラスチック・ゴム産業展『K』の次回開催 を来年 10 月に控え、その出展募集が本年 1 月にスタートし、早くも多くの企業から出展お申し込みをいただ いています。弊社では、単独出展のご相談はもちろん、前回に引き続き『ジャパン・パビリオン』を企画しており ます。このところ、お申し込み締切と同時に、ご用意しているスペースが完売することが多いため、出展参加を ご希望のお客さまは、本年 5 月 29 日(金)までに、お申し込み手続きを完了して下さいますよう、なにとぞよろ しくお願い致します。 欧州プラスチック産業 NEWS・2015 年 1 号は、いかがだったでしょうか?ご意見やご要望をお聞かせいただけ れば幸いです。 【発行】㈱メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン 【編集担当】メルケ・橋木 【メッセ担当】橋木 http://www.messe-dus.co.jp ・ http://k.messe-dus.co.jp 本ニュースレターの掲載情報は発行日現在のものであり、予告なく変更される場合がございます。あらかじめご 了承ください。
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