企業システムの進化と多様性 清水耕一 第3講 生産モデル 3-1 利潤戦略と成長分配様式の適合性 国際体制 市場 国民所得の 成長・分配様式 企業 利潤戦略 労働 3-2 利潤戦略(1) 利潤源泉 量(規模の経済) 大量生産によって製品1単位当りの製造コストを削減 多様性 製品を多様化して多様な支払い能力を持つ需要を満たす 品質 社会的な差異化を求める消費者の期待を満たす イノベーション 製品イノベーションによって独占的利益(レント)を確保 生産のフレキシビリティ 生産・雇用調整によって市場停滞期にも収益性を確保 原価低減 絶えざる原価低減活動によって利益を確保 3-2 利潤戦略(2) 自動車産業における利潤戦略 品質戦略:BMW,ダイムラー,ボルボ 多様性・品質戦略:初期のメーカー(手作り), イギリス 量戦略:T型フオードのフォード,ビートルのVW 量・多様化戦略:GM,1970年代以降のVWグルー プ 原価低減戦略:トヨタ,プジョー イノベーション・フレキシビリティ戦略:ホン ダ,1990年代のクライスラー 3-3 成長・分配様式 競争型成長分配様式:イギリス 所得分配は不平等で不安定⇒市場は細分化 消費主導・競争型成長分配様式:現代のアメリカ 所得水準は高いが貧富の差⇒需要の階層化 競争的価格財輸出主導・競争型成長分配様式:アジア諸国 競争的分配⇒分配の不平等⇒市場の階層化 消費主導・調整型成長分配様式:戦後のアメリカ,フランス,イタリア 所得分配は全国的に調整⇒所得水準は高いが格差も小さい⇒装備市場の成長⇒ 需要の差別化へ 特化財輸出主導・調整型成長分配様式:ドイツ 所得分配は全国的に調整⇒高賃金⇒中・高級品市場の発達 競争的価格財輸出主導・調整型成長分配様式:日本 対外競争力⇒分配の調整⇒高賃金・低格差⇒消費需要の拡大 3-4 生産モデル 生産モデル 選択した利潤戦略を展開するためにCG妥協によって 支えられた首尾一貫性・整合性を持つ実現手段(製品 政策,生産組織,雇用・労働関係)の総体である CG(コーポレート・ガバナンス)妥協 首尾一貫して利潤戦略を遂行しうるための企業内ア クター間の,とくに労使間におけるコーポレート・ガバ ナンスについての妥協 例:フォード主義的労使間妥協、トヨタの労使共同宣 言、ドイツの共同決定、フォードの譲歩交渉 国際体制 成長分配様式 労働 市場 利潤戦略 製品戦略 CG妥協 生産組織 雇用関係 生 産 モ デ ル
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