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仕事と職業の社会学
 仕事を持つ、失うという経験に関する研究
 仕事とその他の活動にかかわる研究
 職業の歴史的変動や専門職労働にかんする研
究
 仕事の機能にかかわる研究
分業 division of Labor
 近代化された社会では、人々が異なる職につく。
 職の違いに基づいて、異なる「運命」へと人々が
振り分けられる。
 何を基準に異なる仕事が人々に割り当てられる
か。
 分業の帰結は何か。
労働市場 labor marketの基本要素
 労働者 「形式的に」自由
 使用者
「形式的に」自由
 職務 企業間および企業内分業の結果
 雇用 労働力を統制する権利と賃金の交換
 ネットワーク 労働者と使用者の関係
 契約 課業、労働条件、労働と賃金の水準を」規
制する公式の契約と非公式の規範
労働市場にかんする理論的仮定
 雇用は使用者と従業員が自発的に行う交換であ
る。
 完全競争にもとづく
 完全情報にもとづく
 資源配分と価格設定のための効率的メカニズム
である。
職業威信occupational prestige
 職業上の地位に由来する威信のこと。
 「職業に貴賎なし」といっても、現実には「望まし
さ」のモノサシが存在する。
 ホワイトカラー>ブルーカラー
 社会経済地位の側面のひとつ。
White-collar /Blue-collar workers
 ホワイトカラーは主として頭脳労働に携わる。
安定、高賃金、良好な職場環境。
 ブルーカラーは身体労働に携わる。
ホワイトカラーに比べて一般に不安定、低賃金。
 ピンクカラーは女性に典型的な仕事をする人を
指す。図書館員、秘書、看護師など
女性はホワイトカラーの仕事からもブルーカラーの
仕事からも排除されてきた。
専門職 profession ☺
 理論的知識に基づいた技能の使用
 技能の教育と訓練
 試験によって保証される能力
 信頼を保証する行動規範
 成員を組織化する専門職団体
専門職の地位と収入
 高賃金
 高い社会的地位
 仕事上の自律性
専門職の厚遇を説明する:理論A
 専門家が社会的に価値あるサービスを履行する
ので、この特権的地位が与えられる。
専門職の厚遇を説明する:理論B
 専門職の排除戦略―学歴要件を用いて専門職
への参入を制限しているから、専門職は特権を
維持できる。
 資格主義 credentialism ☺ ―教育で得た資格
や要件に基づいて地位、とくに職業上の地位を
あたえること。資格の取得そのものが目的となっ
たり、資格と業務の関係が不明であるという問題
も指摘される(学歴病 diploma disease)。
アスクリプション・属性ascription
☺
 個人の特徴のうち、生まれつきのものや自分で
操作できないもののこと。
 性別(最近はいちおう変更もできるがきわめてま
れ)、年齢、国籍、肌の色、出身地、出身家庭な
ど
能力主義 meritocracy ☺
 職業構造における社会的地位が、アスクリプショ
ン(自分では変えようのない属性)で決定される
のではなく、能力(merit)をもとにして決定される
原理のこと。
 しかし能力をどうやって測定するのか。
 能力と属性はじつは結びついているのではない
か。
人的資本 Human capital ☺
 労働市場の不平等を説明するために使われる、
人間の生産性と雇用主に対する価値を指す概念。
 教育、訓練、資格取得、経験の蓄積に時間やお
金を「投資」する。
 所得の差異の一部は人的資本の差異で説明で
きる。
能力主義を徹底するための工夫
 履歴書に写真を要求しない。
 年齢、性別などの要件をつけない。
 面接で家族構成などプライベートなことを聞かな
い。
など。
理論Aと理論Bを見直す
 理論Aでは専門職の厚遇は能力主義の反映に
すぎないとする見方。
 理論Bは専門職の厚遇は、一見能力主義の反映
にみえるかもしれないが、実際には利益集団が
自分たちの特権を能力主義によって正当化して
いるに過ぎない、とする見方。
「データ」と「説明」
 労働にかんして、国の統計には労働力調査・就
業構造基本調査などがある。
 学術的データに、「社会階層と社会移動」全国調
査、日本版GSS Japanese General Social
Surveyなどがある。
 データからどのようなことが読み取れるか検討し
てみる。
平均年収
 正社員453万円
 パートタイム労働者110万円
 派遣社員213万円
(ニッセイ基礎研究所・斉藤太郎)
(データ 「労働力調査」)
10 入な
0万
し
円
10
0~ 未
満
19
20
9
0~ 万
円
2
99
30
0~ 万
円
39
40
9
0~ 万
円
4
99
50
0~ 万
円
69
70
9
0~ 万
円
9
10
00 99万
~
14 円
15 99万
00
万 円
円
以
上
収
仕事からの収入(平成17年労働力調
査)・男女別
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
男
女
10 入な
0万
し
10
円
0~ 未
満
1
20
99
0~ 万
円
2
30
9
0~ 9万
円
3
40
99
0~ 万
円
4
50
9
0~ 9万
円
6
70
99
0~ 万
円
10
99
00
9
~ 万
14 円
15 99万
00
万 円
円
以
上
収
仕事からの収入(平成17年労働力調
査)・年齢別
350
300
250
200
150
100
50
0
15-24
25-34
35-44
45-54
55-64
65+
10
0
10 万
0~ 円
未
20 19 満
0~ 9万
30 2 円
0~ 99
万
40 39 円
0~ 9万
50 4 円
0~ 99
万
70 6 円
0~ 99
万
10
00 99 円
~ 9万
15 149 円
00 9万
万 円
円
以
上
仕事からの収入(平成17年労働力調
査)・就業上の地位別
800
700
600
500
400
300
200
100
0
正規の 職員・ 従業
員
パート・アルバイト・派遣
など
労働力人口(平成17年労働力調査)・
男女別・年齢別
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
男
女
15-24
25-34
35-44
45-54
55-64
65+
労働力化率(平成17年労働力調査)・
男女別・年齢別
1.2
1
0.8
男
女
0.6
0.4
0.2
0
15-24
25-34
35-44
45-54
55-64
65+
正規職員としての労働力化率
0.8
0.7
0.6
0.5
男
女
0.4
0.3
0.2
0.1
0
15-24
25-34
35-44
45-54
55-64
65+
都道府県別有職率・失業率
 有職率上位5県は福井、
静岡、愛知、長野、石川
 下位5県は北海道、和歌
山、兵庫、奈良、沖縄
 失業率上位5県は沖縄、
大阪、兵庫、京都、奈良
 下位5県は山形、福井、
長野、島根、富山
「変数」と「分析の単位」
 変数 variable 個々の観察によって値が変わる
もの。「数」のことではない。
年収、年齢、学歴、性別などは分析のレベル「個
人」にかかわる変数。
県別有職率や県別都道府県などは分析のレベル
「都道府県」にかかわる変数
 分析の単位 unit of analysis 注目する観察のレ
ベルのこと。 国、都道府県、市町村、世帯、個
人など、さまざまな分析のレベルが存在する。
正規職員男女比
 日本
男性 23760000
女性 10080000
 米国
男性 67570000
女性 49712000
日本にも米国にも、男性と女性がいることに違い
はない。ならばこの比率の差はどこから生じるの
か?