粕川の親水性を重視した整備

地球上の水資源と水危機
① 地球全体の問題として取り扱う必要がある
②我々はアジアモンス-ン地域にいて,先進国であり,
水は豊かであり,水不足による病気,死亡か無い
水危機は世界人口60億の60%を占める80カ国で
深刻
水危機は
① 農工業への影響
② 健康を脅かす
*途上国の約10億人は清浄な飲料水を入手できない
*約17億人は適切な下水処理設備を備えていない
*途上国における病気の80%は汚水使用が原因
*年間1000万人が死亡
人口の増加
2025年 85億人
2050年 100億人
この人口増加のほとんどが開発途上国
十分な水の供給と水処理は困難である
世界開発銀行の副総裁のIsmail Serageldin
”今世紀の戦争の多くは石油をめぐるもので
あったが,来世紀はは水をめぐる戦争が発生す
るであろう”
水資源開発と水の使用量
全世界での水の使用量はこの世紀の間に10倍に
増加
*新しい水源が不足している
水資源開発のコストが高くなる
*環境破壊をもたらす原因となる可能性
*途上国の発展,生存のために水が最も重要
な資源
水資源開発のコスト
世界全体での水利用の特色
① 水使用の増加率は1940年以後に顕著
② 年間5000km3使用している
③今世紀中の人口増加率より水の総使用量の
増加率の方がかなり大きい
この数十年間,人口増加の3倍の速さで
使用量が増加している
④人口増加 → 経済活動の構造が変化する
水の使用の内訳が変化する
農業用水
1900年・・水使用の90%を占める
2000年・・
62%
*この傾向は21世紀にも持続する
*人口増加に伴って食料の生産が
必要であったとして も,この
割合は変化しない
*途上国で農業国ではいまだに農
業用水の比率が80%以上である
*日本は60%,アメリカは 40%以
下)
工業用水
*1940年以降の工業化の進展に伴って需要が増
加
*1940年 水使用の6%を占める
*2000年
24%
この傾向は21世紀にも持続する
水資源の利用率
アジア全体では
1960年
2000年
6%
22%
全地球平均の2倍
水資源危機の原因
①長期的に見ると利用可能な水の量はほぼ一定
している
②水は飲料,農業,工業用水としてすべての人
間活動に不可欠である
人口増加に伴って水の総需要も増加する
③容易に開発可能な水資源は大部分がすでに開
発されているか,あるいは開発中
新しい水資源開発のコストが将来高くなる
2倍から3倍
日本
ダムによる水資源開発のコスト
*1m3/秒 の水を開発するのにこの10年間
でコストが4倍になった
*この増加した分の20%は社会,環境的要
求
水源地対策,環境保全対策
*残りは建設が技術的,経済面でも複雑に
なった為の建設コストの高騰
④人間活動による排出物の増加による水質の汚
染
河川,地下水,湖沼の汚染
地下水の利用
ドイツ ・・家庭用水の総使用量の73%
オランダ・・
70%
英国・・
30%
アメリカ・・農村人口の90%以上,総人口
の50%の人が飲料水として使用
⑤環境面での問題
客観性と科学的分析
感情論
*途上国では大型の新規水資源開発プロジェク
トが現在必要
*大型開発プロジェクトの必要の無い先進国か
らの環境面を理由にした圧力
水質での危機
河川水の汚染
1)都市化に伴う人口増加と生活排水の増加
*化学物質の安全性と内分泌撹乱物質(環境ホル
モン)、ダイオキシン類
2)上流都市で使用した下水処理水が下流で水 道水源
として取水する
*病原性微生物・・クリプトスポリジウム
大きさ:4~5μm(1μmは1000分の1mm)
*牛、馬、豚、犬、猫、ネズミなどの腸管に寄生
する原虫で、糞便に混じって環境中に排出
*塩素殺菌では効果なし
*下痢、発熱
クリプトスポリジウムの集団感染
*アメリカ、ヨーロッパではたびたび発生
流域が大きく繰り返し利用が大きい
*平成6年(1994年)8月
平塚市の雑居ビルの貯水槽
3)原水の水質が悪化すると,浄水の過程
で消毒用の塩素と化合して,トリハロ
メタンが生成される.
4)ダム貯水池での富栄養化