目次 Ⅰ.わが国における腎移植の現況 腎移植患者の推移 移植待機患者数 腎移植成績 Ⅲ.腎移植後の生活 腎移植後の合併症 免疫抑制剤 Ⅱ.腎移植の概要 腎不全治療の比較 腎移植の種類、特徴、流れ 献腎移植 ・献腎移植の登録・流れ ・脳死判定とレシピエント選択基準 ・提供可能な臓器および組織 生体腎移植 ・ドナーの適応条件とリスク ・必要検査 ・腎移植手術 Ⅳ.費用 (社)日本臓器移植ネットワークへの 登録・コーディネート費用(献腎移 植) 手術・入院、および通院にかかる費用 生体ドナーの費用 Ⅰ.わが国における腎移植の現況 腎移植 都道府県別実施症例数 (2008年) 北海道 東北 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 関東甲信越 栃木 群馬 埼玉 茨城 千葉 東京 神奈川 山梨 長野 新潟 東海北陸 富山 石川 福井 岐阜 静岡 愛知 三重 生体腎 献腎 脳死体腎 計 53 48 6 2 19 19 0 2 381 23 6 19 8 26 233 36 3 7 20 138 3 6 0 13 6 104 6 16 4 0 0 1 0 0 3 60 2 2 0 0 10 32 12 0 2 0 44 3 0 0 1 14 24 2 2 0 0 0 0 0 0 0 11 0 0 1 0 2 5 2 0 0 1 5 0 0 0 0 0 5 0 71 52 6 2 20 19 0 5 452 25 8 20 8 38 270 50 3 9 21 187 6 6 0 14 20 133 8 近畿 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 中国四国 鳥取 島根 岡山 広島 山口 香川 徳島 高知 愛媛 九州 福岡 大分 佐賀 長崎 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄 全国合計 生体腎 献腎 脳死体腎 計 170 4 34 79 33 13 7 135 2 0 12 27 12 8 6 7 61 66 39 5 0 3 7 1 2 9 991 16 0 1 5 5 2 3 14 0 0 2 0 2 6 1 1 2 30 17 0 0 5 0 0 0 8 184 3 0 0 3 0 0 0 4 0 0 0 4 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 26 189 4 35 87 38 15 10 153 2 0 14 31 14 14 7 8 63 97 57 5 0 8 7 1 2 17 1,201 日本臨床腎移植学会、日本移植学会・腎移植臨床登録集計報告(2009)-1 Ⅰ.わが国における腎移植の現況 腎移植症例数の年次別推移 (例) 総数 生体腎 献腎(心停止) 献腎(脳死) (年) 日本臨床腎移植学会・腎移植臨床登録集計報告(2009年.1月現在) Ⅰ.わが国における腎移植の現況 わが国における透析・腎移植患者数の推移 2006年末現在、26万人弱が透析療法を受けており、腎移植は1136例実施された。提供腎が少ない事から、生体 間移植が大部分を占めているのが、特徴的であり、ABO血液型不適合や夫婦間移植も年々増加傾向にある。 透析患者数 300,000 250,000 全腎移植件数(年間) 心停止下献腎移植 200,000 透析患者数 脳死下献腎移植 150,000 移植者数 100,000 1200 1000 移植希望登録者 移植希望者 800 10000 600 2007年度 1224 400 生体腎 1037 200 献腎 163 脳死腎 24 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 (年) 日本移植学会 臓器移植ファクトブック2008より引用 http://www.asas.or.jp/jst/pdf/fct2008.pdf Ⅰ.わが国における腎移植の現況 腎移植患者の推移 (日本、韓国、中国、米国) 韓国は、人口比では日本の約3倍の症例数。米国は、anonymous donor(匿名提供者) による生体腎移植が少数ながらも増加傾向。 (腎移植実施人数) 米国 (2002年:14,779例) 中国 韓国 (2001年:5,496例) 日本 (2007年:1224例) (2003年:797例) 太田和夫 他:今日の移植,18(1),5,2005 (一部改変)、岩城裕一:今日の移植,17(5),637,2004(一部改変) Ⅰ.わが国における腎移植の現況 世界の腎臓移植件数 (2003年度:百万人あたりの移植件数) アメリカの人口は、日本のおよそ2倍であるが、人口百万人当たりの腎移植数は約10倍にもなる。日本の移植数は、他の先進国と 比べても桁違いに少ないのが現状である。 Opting Out 本人が生前、臓器提供に反対の意思を文書で残さない限り、臓器提供をするものとみなす。臨床の現場では家族の反対があれ ば実際には臓器提供しないことが多い。 イタリア 28.3 26.4 スペイン フランス 35.4 32.5 ベルギー 43.0 オーストリア 42.2 Opting In 50.0 46.7 44.0 46.8 本人が生前、臓器提供の意思を示していた場合または家族が臓器提供に同意した場合、臓器提供がおこなわれる。日本の脳死移植では、 本人の意思表示かつ家族の同意が必要である。 オランダ 25.2 イギリス 25.6 アメリカ 29.5 1.1 6.7 総移植件数 献腎移植件数 29.3 22.0 ドイツ 日本 37.3 30.5 51.5 (件) (社)日本臓器移植ネットワークHPより引用(一部改変) http://www.jotnw.or.jp/ Ⅰ.わが国における腎移植の現況 移植待機患者数 (日本臓器移植ネットワーク登録) <2009年 1月 5日 現在> 現登録者数 心臓 肺 (心肺同時含む) (心肺同時含む) 123 123 肝臓 腎臓 (膵腎・肝腎同時含む) 237 12,021 膵臓 小腸 159 1 心臓・肺の各移植希望登録者数には、心肺同時移植希望登録者数は含まれない 腎臓移植希望登録者数 (ブロック別) ブロック 男 女 希望者 北海道 299 188 479 東北 473 218 691 関東甲信越 3,004 1,539 4,543 東海北陸 1,562 756 2,318 近畿 1,127 699 1,826 中国四国 618 356 974 九州沖縄 755 435 1,190 合計 7,838 4,183 12,021 (社)日本臓器移植ネットワークHPより引用 http://www.jotnw.or.jp/ Ⅰ.わが国における腎移植の現況 移植待機累計患者数と登録抹消理由 登録から外れる理由は、脳死提供が必要な心移植の場合、渡航移植に踏み切るか待機中の死亡例が目立つが、生体移植が可能 な肝や腎移植は、生体移植が多く占めている。また、待機日数の長期化が影響するため、腎移植待機登録では、取り消す方も多くみ られる。 <2009年 1月 5日 現在> 現登録者数 心臓 肺 肝臓 腎臓 膵臓 123 123 237 12,021 159 既登録者の転帰 小腸 1 (一度登録された方が登録からはずれた理由) 死体移植済 60 53 58 2,251 54 4 取消 12 2 70 13,738 15 0 死亡 117 156 305 2,301 21 0 生体移植済 - 25 136 1,652 3 0 海外渡航 35 2 21 - 0 0 他・不明 0 0 0 12 0 0 登録者累計 347 361 827 31,975 252 5 登録開始月 '97.10 '98.5 '97.10 '95.4 '99.3 '00.1 (社)日本臓器移植ネットワークHPより引用 http://www.jotnw.or.jp/ Ⅰ.わが国における腎移植の現況 腎移植待機患者 年代別と待機期間 <2009年 1月 5日 現在> (日本臓器移植ネットワーク登録 : n=12,021) 年代別 0.2% 1.1% 13.8% 待機期間 0.6% 7.4% 4.0% 3.5% 16.2% 40.9% 19.5% 0~10歳 11~20歳 21~30歳 36.0% 31~40歳 41~50歳 28.2% *16歳未満:49名 51~60歳 61~70歳 71歳以上 28.8% 5年未満 5年~10年未満 10年~15年未満 15年~20年未満 20年以上 (社)日本臓器移植ネットワークHPより引用 http://www.jotnw.or.jp/ Ⅰ.わが国における腎移植の現況 成績:年代別の生着率 (生体・献腎) 1983年よりシクロスポリン、1990年代にはタクロリムス、2000年以降にはミコフェノール酸モフェチルが使用できるようになった。(バシ リキシマブは、2002年より市販される。) 2000年以降の5年生着率は、生体腎移植90.9%・献腎移植78.6%にまで向上している。 生体腎移植 % % 2000年以降 100 献腎移植 100 (n=981) 2000年以降 (n=191) 80 80 1990-1999年 (n=2561) 60 1990-1999年 60 (n=989) 40 1982年以前 1983-1989年 40 (n=1695) (n=2588) 1983-1989年 20 1982年以前 20 (n=4045) (n=564) 0 0 0 生体移植 1982以前 83-89 90-99 2000以降 10 1年 82.7% 94.2% 93.5% 96.7% 20 3年 75.0% 87.2% 88.2% 93.8% 30 5年 69.1% 79.1% 81.9% 90.9% 10年 57.7% 60.2% 67.6% - 年 0 10 献腎移植 1982以前 83-89 90-99 2000以降 20 1年 51.6% 81.4% 84.5% 90.6% 3年 41.6% 70.9% 75.8% 84.7% 30 5年 34.8% 62.8% 67.4% 78.6% 年 10年 26.8% 45.9% 52.6% - 日本臨床腎移植学会、日本移植学会・腎移植臨床登録集計報告(2007)-3 2006年追跡調査 『移植』Vol.42,No.6 Ⅰ.わが国における腎移植の現況 ドナーとレシピエントの関係 (生体腎:2000年~推移) 夫婦間腎移植の占める割合が、この数年で増加傾向にある。 他 100% 80% 6.3% 6.3% 3.2% 11.0% 12.5% 17.5% 13.8% 14.6% 6.6% 5.0% 4.7% 4.1% 21.3% 24.2% 25.1% 28.7% 14.2% 15.8% 60% 15.7% 13.7% (実子、祖父母、叔父叔母、一卵 性双生児、血縁その他、未記入) 6.2% 非血縁 34.9% 兄弟・姉妹 14.2% 12.2% 40% 68.8% 20% 66.6% 65.0% 56.2% 55.2% 56.5% 52.2% 46.7% 親子 0% 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 日本臨床腎移植学会、日本移植学会・腎移植臨床登録集計報告より改編 Ⅰ.わが国における腎移植の現況 ABO血液型の適合度(生体腎:2000年~推移) ABO不適合生体腎移植に関しては、臓器不足と移植成績の向上に伴い、2006年度以降には全体の23.3%を占め るまでに至った。 100% 5.2% 0.5% 11.9% 13.3% 80% 21.1% 18.2% 0.8% 1.1% 0.4% 0.0% 0.2% 0.8% 15.5% 14.6% 17.7% 20.9% 23.3% 23.3% 19.9% 18.6% 21.3% 20.2% 20.4% 19.7% 不明 不適合 不一致 60% 適合 40% 63.3% 66.4% 63.8% 65.7% 61.5% 59.4% 55.1% 55.8% 2006年 2007年 一致 20% 0% 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 日本臨床腎移植学会、日本移植学会・腎移植臨床登録集計報告より改編
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