看護経済学 阿部俊子 マクロ経済学 一国全体としての生産量や物価などの 経済全体の骨組みを分析する学問 • 経済全体の労働雇用量、国民性産物、 総消費, 総投資、総貯蓄などの集計料を 経済変数として、一定のモデル(マイ クロモデル)を作成してその変数の相 互関係を明らかにする ミクロ経済学 •個々の経営体の行動およ び消費行動、個別の財を その分析の対象とする学 問 医療経済のミクロ分析 • 医療経済においてミクロ分析が重要だ とされるのは •① 資本市場 •② 購買市場 •③ 労働市場 •④ 医療サービス提供市場 •① から③は自由価格なのに対して、 ④だけが公定価格になっている。 医療費の財源 • 1.国営モデル • 医療費財源を租税とする • 2.社会保険モデル(仏、独、日本) • 医療費財源を国民皆保険 • 医療提供体制は公私組み合わせ • 3.私保険モデル • 診療報酬 • 医療保険で定められた医師の診療行為に対す る報酬(対価)。個々の診療行為が点数で示 され、1点10円で報酬に換算する。日本で は治療すればするほど点数が増える「出来高 払い」が基本で、これが医療費増大の原因に もなっている。02年度医療制度改革大綱に は「賃金・物価動向などを踏まえて引き下げ の方向で検討、措置する」ことが盛り込まれ たが、厚生労働省などが主張していた伸び率 管理制度の導入は見送られた。 スタッフ構成の日米格差 • ジョンスホプキンス病院 病床数 876 外来患者 数 650,384 入院延べ患者数 291,035 手術室利用者数 41,714 職員数 7,791(複合体のため総職員数は2万人 を越えると!) 医師数 1,575 看護婦数(RN) 1,739 メーヨクリニック Rochester (Sant MarysとM ethodis tで構成⇒以下は2病院の計) 病床数 1,941 ス タッフ医師数 2,116 レジデン ト及び学生 1,572 コメディカル職 28,531 総職 員数 32,531 医療の適切性について 常に不適切 常に適切 患者によっては適切(患者特性) 誰のための医療か • • • • 従来の医療の質 1.医療者にとっての医療の質 2.患者にとっての医療の質 3.医療費支払い者にとっての医療の質 誰にとっての質なのか •1.患者にとっての質 •2.医療者にとっての質 •3.支払い者にとっての質 •(経営者にとっての質) ケアの質 • ケアの質とは個人と公衆に提供される 保健医療が、健康に関して個人と公衆 が望んでいるアウトカムがもたらされ る可能性を高め、かつプロフェッショ ナルが有す最新の知見に合致する度合 いのことである。 • IOM (Institute of Medicine) 「医療の質」のパーマーの定義 • 医師 • (患者の健康状態をどれだけ改善できた か) • 政府 • (公衆の健康状態をどれだけ改善できた か) • 医療消費者(患者) • (私の健康状態をどれだけ改善し、どれだ け満足が得られたか) パーマ―の包括的な定義 • 現時点で利用可能な医療技術 と医療資源、および医療消費 者の置かれている環境という 制約下で、公衆の健康状態を どれだけ改善し、満足させるこ とができたか? ケアの質 •1.ストラクチャー •2.プロセス •3.アウトカム ストラクチャー • 1.アセスメント • 病院評価機能 • 2.標準化 • 病院評価の基準 • 保険病院としての監査 • 3.インターベンション 投資、リストラ プロセス • 1.アセスメント • 行動指標 • 医療の査定 • 2.標準化 • 臨床のガイドライン、クリニカルパス、 • EBM, コクラン、疾患マネジメント • 3.介入 • 教育、リエンジニア、カンファレンス、 • QCサークル、CQI、臨床疫学、 • ベンチマーキング アウトカム • 1.アセスメント • アウトカム指標 • 2.標準化 到達目標 国レベルのデータ 医療における質保証と改善 • 医療行為による障害 • IOM(米国医療研究所) • 全米の死亡の8位 • (年間4万4千から9万8千人) • 「あやまちは人の常」 • 「非難に終始するのではなくて、システムと しての取り扱いが必要」 診療報酬改訂の一般的手順 • 医療費全体・各課(医科、歯科、調剤)の改定率 の決定 • ⇒改訂事項の選定(合理化、充実双方) • ⇒他の技術との比較(難易度、コスト等)、 市場価格調査等により仮の点数設定 • ⇒各分野の影響率の計算 • ⇒点数補正、影響率の計算 (全体の枠内に納める) • ⇒告示、通知の改正 21世紀型良い病院 (今後重視する経営方針) • • • • • 入院期間の短縮 紹介患者の増加 医師や看護婦の充実 患者のアメニティー向上 医療事故や院内感染の防止 医療の有効性 •1.患者の立場 •2.国民の立場 •3.医師の医療機関の立場 •4.調整のメカニズム 医療の特性 • 1.需要側の特性 • 2.供給側の特性 • 3.診療報酬体系による調整 •(需給と供給の調整を図ってい る) 日本の医療費 • 何を医療費としてcountするかによって医療 費が変わってくる • 老人ホームは福祉の施設 同じ寝たきり老人 病院にいると医療費 • 老人ホームでは福祉費 • 医療費の比較法 • 1.GDP比(国民総生産) • 2.購買力平価 • 単純為替比較では日本の医療費の変動がある 医療費増加の要因 • 高齢化 • 技術革新 • 対象の拡大:生活改善薬 • 医療技術者の増大:医師数の倍増 • 要求水準の向上 • 説明責任(インフォームドコンセン ト) 国民の負担能力の相対的低下 • • 経済成長の低下 勤労者の減少
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