情報化と職業倫理」 ~ 社会保障行政に携わる理数 系

「情報化と職業倫理」
~ 社会保障行政に携わる理数系官僚の立場から ~
〔 3日目 〕
厚生労働省年金局数理課
数理調整管理室 室長補佐
西岡 隆
平成16年年金制度改正における給付と負担の見直し
給付水準
保険料負担
( 厚生年金( 夫婦の基礎年金を 含む) )
( 厚生年金・ 国民年金)
今後の少子化の中でも 、 標準的な年金
の給付水準は、 年金を 受給し 始める 時
点( 65歳) で 現役サラ リ ーマン 世帯の
平均的所得に対する 比率( 所得代替率
) が50%を 上回る 水準と する 。
平成35( 2023) 年度以降
50.2%
現在の59.3% から 、 現役世代の
人口減少と と も に水準を 調整。
た だ し 、 も ら っ て いる 年金額は
下げない 。
年金を も ら い始めた 年以降の年
金額( 名目額) は物価の上昇に
応じ て 増加する が、 通常は物価
上昇率よ り も 賃金上昇率の方が
大き いた め、 そ のと き ど き の現
役世代の所得に対する 比率は下
がっ ていく こ と と なる 。
改正前
厚生年金: 13.58%
( 本人6.79%)
国民年金: 13,300円
( 厚生年金)
・ 平成16 ( 2004 ) 年10 月から 毎
年0.354%(本人0.177%)の増
※平均的勤労者( 月収36.0 万円、
ボーナス 3.6ヶ 月分) 本人
各月650円
ボーナス1 回1,150円(年2 回)
( 国民年金)
・ 平 成 17 ( 2005 ) 年 4 月 か ら
毎 年 月 額 280 円 の 増 ( 平 成 16
年度価格)
平成29( 2017) 年度以降
厚生年金: 18.30%
( 事業主9.15%)
国民年金: 16,900円
( 平成16年度価格※)
※「 平成16 年度価格」 ・・・16 年度の賃金水準を 基準と し
て価格表示し たも の。 実際に賦課さ れる 保険料額は、
16年度価格の額に、 賦課さ れる 時点までの賃金上昇率
を 乗じ て定めら れる 。 し たがっ て、 その額は今後の賃
金の上昇の状況に応じ て変化する 。
基礎年金国庫負担割合の
引上げと その道筋
平成16( 2004) 年度: 着手
財源: 年金課税の見直し ( 公的年金等
控除の見直し 、 老年者控除の廃止)
増収約2,400 億円のう ち 地方交付
税分を 除く 約1,600 億円を 基礎年
金に充当( 11/1000)
平成17( 2005) 年度・ 18( 2006) 年度:
適切な水準にま で 引上げ
・ 平成17 年度は、 定率減税の2 分の1 縮
減によ る 増収分のう ち 1,101 億円を 基礎
年金に充当
・ 平成18 年度は、 定率減税の縮減・ 廃止
を 踏 ま え 、 国 庫 負 担 割 合 を 1/ 3 +
25/1000に引上げ
・ 平成19 年度は、 定率減税の縮減・ 廃止
を 踏 ま え 、 国 庫 負 担 割 合 を 1/ 3 +
32/1000に引上げ
・ 平成20年通常国会において、 平成20 年
度の国庫負担割合の1/3+40/1000への
引上げを 内容と する 「 国民年金法等の
一部を 改正する 法律等の一部を 改正す
る 法律」 を 提出( 現在、 継続審査中)
平成21( 2009) 年度ま で:
2 分の1 への引上げ完了
少子化の状況が変動した場合の所得代替率の見通し
-平成16年財政再計算-
(%)
60
所得代替率
(平成16年度)
59.3%
平成21(2009)年 財政検証
55
合計特殊出生率
2005年
少子化改善
1.33
基準ケース
1.31
実績
1.26
少子化進行
1.22
2050年
1.52
1.39
-
1.10
厚生年金の所得代替率
(夫婦2人の基礎年金を含む)
平成26(2014)年 財政検証
現在生まれた子が
被保険者になるの
は20年後であり、
今後の少子化の
影響が現れるのは
2020年代以降
50
45
平成31(2019)年 財政検証
平成29(2017)年度
保険料率18.3%到達
(平成32(2020)年度以降51.7%)
少子化改善
(平成35(2023)年度以降50.2%)
基準ケース
(平成36(2024)年度以降50%)
少子化進行
(平成43(2031)年度以降46.4%) 少子化進行
51.7%
50.2%
50%
(46.4%)
機械的にマクロ経済スライドの適用
を続けて財政を均衡させる場合
仮に、少子化進行ケースで機械的にマクロ経済スライドの適用を続けて財政を均衡させる場合には、
所得代替率は46.4%まで低下することとなるが、
40
・改正法附則第2条の規定により、その次の財政検証までの間に50%を下回ることが見込まれる場合(2019
年以降)には、50%の給付水準を将来にわたり確保するという趣旨にのっとり、マクロ経済スライドによる
調整の終了その他の措置を講ずるものとされている。
35
・この場合、給付及び負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずるものとされている。
~
~
・上記措置については、法律改正が必要。
30
平成12年度
(2000)
(注)所得代替率は、新規裁定年金のものである。
平成32年度
(2020)
平成52年度
(2040)
平成72年度
(2060)
合計特殊出生率の推移と将来人口推計(平成18年推計)における仮定値
2000年
(実績)
2.0
~
高位推計
1.6
1.32
低位推計
1.76
1.7
1.36
前回推計
(H14中位)
実績
(2050年)
1.36
1.54
(2055年)
1.26
1.55
1.06
中位推計
1.9
1.8
2006年
(実績)
1.39
平成19年
1.34
1.42
1.26
平成18年
中位推計
1.06
平成18年
低位推計
1.39
1.36
1.2
中位推計の最低
値
1.213 (2013
年)
1.1
1.0
0.9
平成2年
(1990)
平成18年
高位推計
(2050年)
1.3
平成60年
(1985)
1.55
前回推計(H14中位)
1.5
1.4
平成72年
(2055年)
平成7年
(1995)
平成12年
(2000)
平成17年
(2005)
平成22年
(2010)
平成27年
(2015)
平成32年
(2020)
平成37年
(2025)
財政検証について
従前の財政再計算
○ 厚生年金及び国民年金制度は、平成16年改正前は、法律の規定により、少なくとも
5年に一度、保険料(率)の再計算を行っていた(財政再計算)。
○ 保険料負担については、段階的に保険料を引き上げる「段階保険料方式」がとられて
きたが、将来の保険料(率)の引上げについては見通しを示すにとどまり、法律上は
当面の負担水準を定めるのみ。 → 5年に一度の法改正は不可欠
16年改正後の財政検証
○ 平成16年改正では、少子高齢化が急速に進展する中、将来の現役世代の負担感を
過重なものとしないため、最終的な保険料水準を法律で定め、その負担の範囲内で
給付を行うことを基本に、給付水準を自動的に調整する仕組みを導入。
○ この方式の下では、これまでのような保険料引上げ計画を策定する財政再計算は
行われないが、財政状況を検証するため、少なくとも5年に一度、政府は「財政の現況
及び見通し」を作成し、公表することとされた。
=「財政検証」(初回は平成16年の5年後にあたる平成21年までに実施)
○ 現在、社会保障審議会年金部会において財政検証に向けた議論を行っている。
(4) 我が国の医療保険制度の状況
後期高齢者医療制度の運営の仕組み(平成20年度)
○ 75歳以上の後期高齢者については、その心身の特性や生活実態等を踏まえ、平成20年度に独立した医療制度を創設する。
○ 財源構成は、患者負担を除き、公費(約5割)、現役世代からの支援(約4割)のほか、高齢者から広く薄く保険料(1割)を
徴収する。
○ 現役世代からの支援は、国保(約4,100万人)・被用者保険(約7,300万人)の加入者数に応じた支援とする。
○ 後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できるよう、新たな診療報酬体系を構築する。
<対象者数> 75歳以上の後期高齢者 約1,300万人
<後期高齢者医療費> 11.9兆円(平成20年度概算要求ベース:満年度)
給付費 10.8兆円 患者負担1.1兆円
【全市町村が加入する広域連合】
公費(約5割)
〔国:都道府県:市町村=4:1:1〕
患者
負担
高齢者の保険料
1割
後期高齢者の
心身の特性に
応じた医療
サービス
後期高齢者支援金(若年者の保険料)
約4割
<一括納付>
口座振替・
銀行振込等
年金から
天引き
医療保険者
健保組合、国保など
<交付>
社会保険診療
報酬支払基金
保険料
被保険者
(75歳以上の者)
各医療保険(健保、国保等)の被保険者
(0~74歳)
(注1)現役並み所得者については、老人保健法と同様に公費負担(50%)はないため、実質的な公費負担率は46%、後期高齢者支援金の負担率
は44%となる。
(注2)国保及び政管健保の後期高齢者支援金について、各々50%、16.4%の公費負担があり、また、低所得者等の保険料軽減について公費負担
があり、これらを含めた公費負担率は58%となる。
OECD加盟国の医療費の状況(2005年)
○ OECD加盟国と比較すると、我が国の総医療費の対GDP比は先進国の中では比較的低く、また我が国
の一人当たりにかかる医療費は比較的低い水準に留まっている。
OECD加盟国の医療費の状況(2005年)
総医療費の
対GDP比(%)
国 名
ア
メ
ス
フ
イ
ラ
ド
ベ
リ
ス
ン
イ
ル
カ
ス
ツ
ギ
ー
ポ ル ト ガ ル
オ ー ス ト リ ア
ギ
リ
カ
シ
ナ
ャ
ダ
ア イ ス ラ ン ド
オ ース トラリア
オ
ラ
ン
ダ
ス ウ ェー デ ン
ノ ル ウ ェ ー
デ ン マ ー ク
一人当たり医療費
(ドル)
備 考
順 位 15.3
11.6
11.1
10.7
10.3
10.2
10.2
10.1
9.8
9.5
9.5
9.2
9.1
9.1
9.1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
総医療費の
対GDP比(%)
国 名
順 位
6401
4177
3374
3287
3389
2033
3519
2981
3326
3443
3128
3094
2918
4364
3108
1
4
8
10
7
23
5
14
9
6
11 ※
13 ※
16
3
12
出典:「OECD HEALTH DATA 2007」(最終更新日:2007年6月27日)
注1)上記各項目の順位は、OECD加盟国間におけるもの
注2) ※の数値は2004年のデータ
ニュ ー ジ ー ラ ン ド
イ
タ
リ
ア
イ
ギ
リ
ス
ル ク セ ン ブルク
ス
ペ
イ
ン
ハ ン ガ リ ー
日
本
ト
ル
コ
ア イ ル ラ ン ド
フ ィ ン ラ ン ド
チ
ェ
コ
ス ロ バ キ ア
メ
キ
シ
コ
ポ ー ラ ン ド
韓
国
一人当たり医療費
(ドル)
備 考
順 位 9.0
8.9
8.3
8.3
8.2
8.1
8.0
7.6
7.5
7.5
7.2
7.1
6.4
6.2
6.0
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
順 位
2343
2532
2724
5352
2255
1337
2358
586
2926
2331
1479
1137
675
867
1318
20
18
17
2 ※
22
25 ※
19 313861円※
30
15
21
24
27
29
28 26
医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム(平成19年5月厚生労働省) (参考)
策定趣旨・目標期間
必要なサービスの確保と質の維持向上を図りつつ、効率化等により供給コストを低減させていくための総合的な取組を、計画的に推進
するため、可能な限り定量的な指標を盛り込んだプログラムを策定。目標期間は、基本的に平成20年度から平成24年度までの5年間
具体的取組の概要
取
組
主な目標・指標
政策手段
(1)予防重視の観点
1.生活習慣病対策の推進
・ 平成27年度までに、メタボリックシンドローム(内臓
脂肪症候群)の該当者及び予備群を平成20年度比で
25%以上減少(平成24年度までに10%以上減少)
○ 新健康フロンティア戦略に沿って、各界各層を巻
き込み、国民運動を展開
○ 平成20年度から、メタボリックシンドロームに着目
した特定健診・特定保健指導を推進
2.介護予防の推進
・ 平成17年から平成26年までの10年間で、要介護者
を「7人に1人」から「10人に1人」に
○ 要支援者に対する予防給付や特定高齢者(要支
援になるおそれのある人)の判断基準の見直しによ
る介護予防事業の推進
(2)サービスの質向上・効率化の観点
3.平均在院日数の短縮
・ 平成27年度までに、平均在院日数について、全国
平均と最短の県の差を半分に
(平成24年度までに差を3分の1短縮)
○ 平成20年度から、国・都道府県において、平均在
院日数の短縮等に係る目標を掲げた医療費適正化
計画(5カ年計画)を策定
4.在宅医療・在宅介護の推進
と住宅政策との連携
・ 平成20年度までに、全都道府県において、新たな医
療計画を策定、主要な疾病ごとに急性期、回復期か
ら在宅療養までの一貫した医療連携体制を明示
・ 平成20年度までに、全都道府県において、地域ケア
体制整備構想を策定、地域ケア体制の将来像を明記
○ いわゆるターミナルケアを含め、自宅、ケアハウス、
有料老人ホーム等の在宅で療養を望む人の希望に
応える体制づくり
○ 地域における高齢者の生活の継続を支援するた
め在宅生活への移行や在宅ケアの充実
○ 在宅医療・在宅介護の推進につき住宅政策と連携
5.往診・訪問診療、休日・
時間外診療の重視、診療所
と病院の役割の明確化
・ 平成19年度中に、総合的な診療能力をもつ医師の
養成の仕組みについて検討
・ 平成20年度中に、地域連携クリティカルパス(31都
道府県で実施〔平成18年度〕)の全国実施
○ 開業医の役割として往診・訪問診療、休日・時間
外診療を重視、地域の医療機関の機能分化と連携
6.EBM(Evidence-basedMedicine:根拠に基づく医療)
の推進、医療の標準化
・ EBMに基づき
① 平成21年度までに総合的な初期診療のガイドライ
ンの作成
② 平成24年度までに診療ガイドラインの診療現場
への普及を一層促進するための方策を確立
○ EBMの一層の理解・定着の促進、効率化や医療
安全の確保のための医療の標準化の検討
7
取 組
(2)サービスの質向上・効率化の観点
主な目標・指標
政策手段
7.重複、不要検査の是正や
健診の標準化
・ 平成20年度までに、検査項目毎の検査測定値等の
標準化(例えば血液検査)
○ 医療機関における検査や健診の標準化・精度管
理の推進、IT化等を通じた医療機関の連携等による
重複検査の排除の推進、診療報酬の包括化等
8.後発医薬品の使用促進
・ 平成24年度までに、後発医薬品のシェア(数量ベー
スで16.8%〔平成16年度〕)を30%(現状から倍増)以
上に
○ 情報提供・安定供給についての後発医薬品メー
カーに対する指導の徹底、国民や医療関係者に対す
る先発医薬品との同等性等についての情報提供・啓
発等
○ 処方せん様式の変更の効果の検証結果を踏まえ
た使用促進のための効果的な措置の検討
9.不正な保険医療機関、介護
サービス事業者等への指導・
監査の強化
・ 診療報酬の包括化の普及に伴い保険医療機関等
の指導・監査を更に強化(個別指導の数を毎年8,000
箇所を目指す)
・ 平成19年度中に広域で事業展開する指定訪問介
護事業所の監査を実施し、平成24年度までに営利
法人の全ての介護サービス事業所に対し指導監査
を実施
○ 更なる指導・監査の強化を図るとともに、不正な診
療を行う保険医療機関等に対して厳正に対処
○ 法令に違反する介護サービス事業者を始めと
して全ての事業者に法令遵守を徹底
10.医師・看護師等の医療従
事者等の役割分担の見直し
・ 平成19年中に、医師・看護師等の医療従事者等の
役割分担の見直しについて、一定の結論を得る。
○ 医師の業務負担の軽減等の観点から、医療従事
者等の業務範囲・役割分担の見直しを順次実施
11.診療報酬・薬価の見直し
・ 平成18年度診療報酬改定の結果検証等を踏まえ、
平成20年度に、次期改定を実施
○ PDCAサイクルを通じた診療報酬改定(薬価・医療
材料を含む。)の適切な実施
12.診療報酬の包括払いの
促進
・ 平成24年度までに、病院の機能分化を推進する中
で、DPC支払い対象病院数360(平成18年度)を当面
1000(現状から3倍増)に
○ DPC(急性期入院医療の診断群分類に基づく1日
当たりの包括評価制度)制度の精緻化や対象病院
の着実な拡大
○ 診療報酬の包括化対象の拡大
13.後期高齢者の心身の特性
に応じた診療報酬の創設
・ 平成20年度に、後期高齢者の診療報酬を創設
○ 高齢者医療の現状等を踏まえ、必要かつ適切な
医療の確保を前提とした後期高齢者の心身の特性
にふさわしい診療報酬体系の確立
14.介護報酬の見直し
・ 平成20年に、介護事業経営実態調査を実施し、そ
の結果等を踏まえ、平成21年度に、次期改定を実施
○ PDCAサイクルを通じた介護報酬改定の適切な
実施
(3)診療報酬体系等の見直し
8
取
組
主な目標・指標
政策手段
(4)国民の利便性向上の観点
15.健康情報の効率的な利活用
等のためのIT化の推進
・ 平成22年4月までに、8割以上、平成23年4月まで
に、原則全てのレセプトをオンライン化
○ 「医療・健康・介護・福祉分野の情報化グランドデ
ザイン」(平成19年3月27日厚生労働省)の着実な実
施
16.健康ITカード(仮称)の導入
に向けた検討
・ 平成19年中を目途に、健康ITカード(仮称)の導入
に向けた結論
○ 平成19年中を目途に、社会保障全体を視野に入
れたシステムの基本構想づくり・個人情報の保護・費
用対効果等について検討
(5)国民の安全・安心を支える良質かつ適正なサービスの確保の観点
17.医師確保対策など地域医
療提供体制の整備
・ 平成20年度までに、全都道府県の医療計画におい
て、主要な4疾病・5事業について、医療機能に着目
した診療実施施設を各医療圏域ごとに明示
○ 産科・小児科といった診療科や地域による医師の
偏在に対する拠点病院づくり等、各般の医師確保対
策の着実かつきめ細やかな推進
○ 医療計画を通じた医療連携体制の構築
18.患者に対する医療情報の
提供の推進
・ 平成20年度中に、全都道府県において、医療の実
績、結果に関する事項を含めてインターネット等によ
る情報提供を実施
○ 広告規制の見直し、都道府県による医療機関の医
療機能に関するインターネット等による分かりやすい
情報提供
19.医療・介護の安全体制の
確保
・ 平成19年度中に、死因究明制度等について有識者
による検討会の議論を踏まえ結論
○ 医療従事者や介護専門職の資質の向上・役割分
担の在り方の検討、診療に係る死因究明制度等の
検討などによる、医療・介護の安全体制の確保
20.公立病院等の果たすべき
役割を踏まえた重点化、効率
化
・ 平成20年度までに、全都道府県において、拠点病
院と地域の医療機関の医療機能の分化・連携への
取組を含む、新たな医療計画を策定
○ 新たな医療計画制度を通じ、公立病院等が果たし
てきた役割を踏まえた、拠点病院と地域の医療機関
の医療機能の分化・連携
フォローアップ
各取組の着実な実施を図る観点から、社会保障審議会等の場において、プログラムの実施状況について、PDCAの下に
必要な検証を行い、必要に応じ政策手段の見直しを行う。
9
7.社会保障番号やレセプトオンラインの検討
(1) レセプトオンラインについて
〔 保険診療の仕組み 〕
※ サラリーマンなどが加入する健康保険の場合(社会保険診療報酬支払基金HPより)
〔様式〕
○ レセプトとは?
報酬明細書
○ 診 療 (医科入院)
都道府
県番号
平成
年
-
-
公費負
担者番
号 ①
公費負担
医療の受
保険者
番 号
給者番号①
被保険者証 ・ 被保険者
手帳等の記号 ・ 番号
公費負担
医療の受
公費負
担者番
号 ②
1 1 社・国 3 後 期 1 単独 1 本 入
7高入一
22併 3六入
医
科 2 公 費 4 退 職 3 3 併 5 家 入 9高入7
給 10 9 8
付
割
7 (
)
合
医療機関コード
月分
給者番号②
特記事項
区分 精神 結核 療養
保険医
療機関
(主な記載事項)
氏
名
の所在
地及び
1男 2女
・氏名、生年月日
職務上の事由
1明 2大 3昭 4平
.
.
生
名 称
1 職務上 2 下船後3月以内 3 通勤災害
診
傷
(1)
保
(1)
年
月
日 転 治ゆ 死亡 中止 診
(2)
年
月
日
(3)
年
月
日
療
(2)
・傷病名
病
開
(3)
始
名
帰
日
1 1
1 3
1 4
・受診(入院)日数、点数
2 0
投
・診療行為ごとの処方回数
・入院時の食事回数
薬
など
3 0
注
射
4 0
処
置
5 0
手麻
術酔
6 0
検病
査理
7 0
画診
像断
8 0
そ
の
他
9 0
初
診 時間外・休日・深夜
医学管理
在
宅
21 内
服
22 屯
服
23 外
用
24 調
剤
26 麻
毒
27 調
基
31 皮 下 筋 肉 内
32 静
脈
内
33 そ
の
他
薬
剤
薬
剤
薬
剤
薬
剤
回
点
単位
単位
単位
日
日
回
回
回
回
回
薬
入院年月日
病
診
剤
年 月 日
90 入院基本料・加算
日間
×
日間
×
日間
×
日間
×
日間
×
92 特定入院料・その他
点
※高額療養費
9 7 基準
食事
・
生活
公
費
給①
公
付費
②
日
公費分点数
回
院
の
日
回
入
療保
養険
日
険
公
実費
日①
公
数費
②
療
請
求
点※
決 定
点
負 担 金 額
円
保
特別
円 ※公費負担点数
円× 回 ※公費負担点数
円× 回 基準(生)
食堂
環境
円× 日
円× 日
点
点
円× 回
特別(生)
円× 回
減 ・ 免 ・ 猶 ・ Ⅰ ・ Ⅱ ・ 3月超
回 請 求 円 ※ 決 定 円 (標準負担額) 円
食
減額 割(円)免除・支払猶予 事
点※
点
点※
点
備考 1.この用紙は、日本工業規格A列4番とすること。
2.※印の欄は、記入しないこと。
・
生
活
療
円 養
円
険
公
費
①
公
費
②
回
円 ※
円
円
回
円 ※
円
円
最近の医療費の動向
[概要]
1.制度別概算医療費
(1) 医療費総額の伸び率(対前年同期比)
(単位:%)
総 計
医療保険適用
公 費
70歳未満
高齢者
被用者
保険
本 人
家 族
老人保健
国民健康
保険
平成15年度
2.1
▲ 0.1
▲ 2.6
▲ 5.2
0.4
3.0
4.7
0.2
7.6
平成16年度
2.0
0.6
0.6
0.9
0.2
0.5
3.8
▲ 1.1
3.8
4~9月
1.3
▲ 0.6
▲ 1.2
▲ 1.1
▲ 1.4
0.1
3.6
▲ 1.3
4.3
10~3月
2.7
1.7
2.3
2.8
1.8
0.9
4.1
▲ 0.9
3.3
3.1
1.1
1.2
2.1
0.4
0.9
5.7
0.4
4.1
4~9月
3.9
2.1
2.5
3.2
1.7
1.8
6.1
0.9
4.6
10~3月
2.3
0.1
0.1
1.0
▲ 0.9
0.1
5.3
▲ 0.1
3.6
0.1
▲ 1.4
▲ 0.2
▲ 0.2
▲ 0.3
▲ 2.7
2.0
▲ 3.3
0.9
4~9月
0.0
▲ 1.6
▲ 0.6
▲ 0.5
▲ 0.7
▲ 2.8
2.1
▲ 3.3
0.9
10~3月
0.2
▲ 1.1
0.1
0.2
0.1
▲ 2.5
1.9
▲ 3.3
0.8
3.3
1.5
2.4
3.8
1.0
0.3
5.6
0.5
3.3
4~9月
2.4
0.5
1.3
2.8
▲ 0.5
▲ 0.4
4.7
▲ 0.7
2.6
10~2月
4.4
2.6
3.9
4.9
2.8
1.2
6.6
1.8
4.1
1月
3.5
2.3
4.0
4.9
3.0
0.3
5.1
0.8
2.5
2月
5.9
3.4
4.0
5.7
2.1
2.7
8.9
5.1
6.5
平成17年度
平成18年度
平成19年4~2月
注1. 社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会における審査分の医療費(算定ベース)である。
注2. 高齢者とは、70歳以上の医療保険適用者である。但し、老人医療受給対象となる65歳以上の障害認定を
受けた者を含む。70歳未満とは、医療保険適用の高齢者以外の者である。
注3. 「公費」欄には、老人保健を含んだ医療保険との併用分を除く、公費負担のみの医療費を計上している。
(3)制度別1人当たり医療費の伸び率(対前年同期比)
(単位:%)
総 計
医療保険適用
70歳未満
高齢者
被用者
保険
本 人
家 族
国民健康
保険
老人保健
平成15年度
1.9
0.4
▲ 1.3
▲ 4.2
2.0
1.7
0.8
3.4
平成16年度
1.9
0.9
1.0
0.6
1.5
0.7
0.2
3.2
4~9月
1.2
▲ 0.2
▲ 0.6
▲ 1.2
0.1
0.0
▲ 0.1
2.9
10~3月
2.6
2.0
2.5
2.3
2.8
1.4
0.5
3.5
3.1
1.5
1.2
1.1
1.4
2.3
2.0
5.1
4~9月
3.8
2.5
2.5
2.3
2.6
2.9
2.5
5.6
10~3月
2.4
0.6
0.1
▲ 0.0
0.3
1.7
1.5
4.6
0.1
▲ 0.8
▲ 0.5
▲ 1.3
0.5
▲ 0.4
▲ 1.4
1.4
4~9月
0.0
▲ 1.0
▲ 0.7
▲ 1.6
0.3
▲ 0.8
▲ 1.4
1.3
10~3月
0.2
▲ 0.5
▲ 0.2
▲ 1.0
0.8
▲ 0.1
▲ 1.4
1.4
3.3
2.0
1.8
2.2
1.3
3.4
1.9
4.2
4~9月
2.4
1.0
0.6
1.3
▲ 0.1
2.5
1.4
4.3
10~2月
4.4
3.2
3.1
3.4
2.9
4.5
2.5
4.2
1月
3.5
2.9
3.2
3.4
3.0
3.7
0.5
1.8
2月
5.9
4.0
3.3
4.3
2.2
6.1
4.0
4.9
平成17年度
平成18年度
平成19年4~2月
注.
人数が未確定の制度もあり、数値が置き換わる場合がある。
(3)受診延日数の伸び率(対前年同期比)
(単位:%)
総 計
診療費
調剤
医科入院 医科入院外
歯科
訪問看護
療養
平成15年度
▲ 1.4
▲ 1.4
▲ 1.0
▲ 1.6
▲ 0.7
2.9
3.4
平成16年度
0.1
0.1
▲ 0.3
▲ 0.0
0.8
4.5
11.1
4~9月
▲ 0.6
▲ 0.7
▲ 0.3
▲ 1.3
1.5
2.5
10.5
10~3月
0.8
0.8
▲ 0.3
1.2
0.2
6.4
11.7
▲ 0.3
▲ 0.3
▲ 0.2
▲ 0.7
1.1
2.4
9.8
4~9月
0.6
0.6
▲ 0.1
0.8
0.2
4.7
10.3
10~3月
▲ 1.2
▲ 1.2
▲ 0.3
▲ 2.1
2.0
0.2
9.3
▲ 0.7
▲ 0.7
▲ 1.4
▲ 0.5
▲ 1.0
3.9
11.0
4~9月
▲ 0.8
▲ 0.8
▲ 0.9
▲ 1.0
▲ 0.2
3.2
10.3
10~3月
▲ 0.6
▲ 0.6
▲ 1.9
0.1
▲ 1.8
4.6
11.7
▲ 0.7
▲ 0.7
▲ 0.8
▲ 0.5
▲ 1.5
3.0
8.4
4~9月
▲ 1.9
▲ 1.9
▲ 1.5
▲ 1.8
▲ 2.8
1.4
8.6
10~2月
0.7
0.7
0.1
1.0
0.2
4.8
8.2
1月
▲ 0.2
▲ 0.2
▲ 1.0
0.5
▲ 2.4
5.3
5.8
2月
2.1
2.0
3.1
1.5
3.4
4.9
11.6
平成17年度
平成18年度
平成19年4~2月
注1. 診療実日数を取りまとめている。調剤については、処方せん枚数を取りまとめている。
注2. 総計については、調剤の処方せん枚数を含めずに計上している。
(4)1日当たり医療費の伸び率(対前年同期比)
総 計
医科入院
食事等含まず
食事等含む
医科
入院外
歯科
調剤
(単位:%)
(参考)
訪問看護 医科入院外
療養
+調剤
平成15年度
3.5
3.3
3.0
2.4
▲ 1.3
6.8
▲ 0.3
4.6
平成16年度
1.9
1.6
1.5
1.3
▲ 0.6
3.1
2.1
2.9
4~9月
1.9
1.1
1.0
1.6
▲ 1.0
4.0
1.8
3.2
10~3月
1.9
2.1
1.9
1.0
▲ 0.2
2.3
2.3
2.6
3.4
2.6
2.4
3.1
0.0
6.2
0.6
4.8
4~9月
3.3
2.9
2.7
2.7
0.3
5.9
0.7
4.6
10~3月
3.6
2.4
2.2
3.6
▲ 0.3
6.5
0.4
5.0
0.8
2.7
1.4
0.1
▲ 1.8
▲ 0.5
1.3
1.1
4~9月
0.9
2.3
1.0
0.5
▲ 2.3
▲ 0.4
1.3
1.4
10~3月
0.8
3.2
1.9
▲ 0.2
▲ 1.2
▲ 0.6
1.3
0.9
4.0
4.0
3.7
2.7
1.3
6.0
0.4
4.7
4~9月
4.3
4.1
3.9
2.9
1.8
6.3
0.5
4.8
10~2月
3.7
3.8
3.6
2.4
0.7
5.6
0.2
4.5
1月
3.7
3.4
3.1
2.6
0.7
5.3
0.6
4.8
2月
3.7
3.3
3.1
2.2
0.6
5.9
▲ 0.3
4.3
平成17年度
平成18年度
平成19年4~2月
注1. 1日当たり医療費とは、診療実日数当たりの医療費である。
調剤では、処方せん1枚当たりの医療費の対前年同期比を計算している。
「(参考)医科入院外+調剤」では、医科入院外及び調剤の医療費を医科入院外の受診延日数で
除して得た値の対前年同期比を計算している。
注2. 歯科医療費と入院時食事療養及び入院時生活療養の費用額とを合算した上で、歯科分の
1日当たり医療費を計算している。
3.医療機関種類別概算医療費
(1) 医療機関種類別 医療費の動向
a. 医療費総額の伸び率(対前年同期比)
(単位:%)
総 計
歯科計
医科計
医科
病院
医科
診療所
保険
薬局
訪問
看護
ステーション
大学病院
公的病院
法人病院
個人病院
平成15年度
2.1
1.4
1.5
3.5
1.0
2.4
▲10.2
1.1
▲ 2.0
9.9
3.1
平成16年度
2.0
1.2
0.7
1.2
▲ 0.6
2.1
▲ 6.6
2.5
0.3
7.8
13.4
4~9月
1.3
0.5
0.1
1.0
▲ 1.2
1.7
▲ 8.3
1.3
0.5
6.7
12.4
10~3月
2.7
1.9
1.2
1.4
▲ 0.1
2.6
▲ 4.9
3.6
0.0
8.8
14.3
3.1
2.3
2.2
2.9
1.1
3.4
▲ 4.6
2.5
1.1
8.7
10.4
4~9月
3.9
3.0
2.5
2.6
1.4
3.9
▲ 3.6
4.2
0.5
10.9
11.1
10~3月
2.3
1.6
1.9
3.2
0.8
3.0
▲ 5.5
1.0
1.7
6.7
9.8
0.1
▲ 0.2
▲ 0.4
3.0
▲ 2.0
0.9
▲12.6
0.3
▲ 2.8
3.4
12.5
4~9月
0.0
▲ 0.2
▲ 0.3
2.7
▲ 2.0
0.9
▲ 9.9
0.1
▲ 2.6
2.8
11.7
10~3月
0.2
▲ 0.1
▲ 0.4
3.4
▲ 2.0
0.9
▲15.4
0.5
▲ 3.0
3.9
13.2
平成19年4~2月
3.3
2.5
2.6
4.4
1.6
3.7
▲12.3
2.4
▲ 0.2
9.2
8.8
4~9月
2.4
1.7
1.9
4.2
1.1
2.9
▲14.0
1.2
▲ 1.1
7.8
9.1
10~2月
4.4
3.5
3.4
4.6
2.3
4.6
▲10.0
3.8
0.9
10.7
8.4
1月
3.5
2.6
2.1
2.6
0.9
3.6
▲10.8
3.8
▲ 1.7
10.9
6.4
2月
5.9
5.0
5.6
6.9
4.3
7.0
▲ 8.6
3.7
4.1
11.1
11.2
平成17年度
平成18年度
注1. 病院は経営主体別に分類している。
注2. 「大学病院」には、病院のうち、医育機関である医療機関を分類している。
注3. 「公的病院」には、病院のうち、国(独立行政法人を含む)の開設する医療機関、公的医療機関(都道府県、市町村等)
及び社会保険関係団体(全国社会保険協会連合会等)の開設する医療機関を分類している。但し、医育機関を除く。
注4. 医療費には、入院時食事療養の費用額及び入院時生活療養の費用額を含んでいる。
(2) 社会保障番号の導入の検討
「社会保障カード(仮称)の基本的な構想に関する報告書」より
(社会保障カード(仮称)のあり方に関する検討会、平成20年1月)
<4つの基本的考え方>
① まずは、年金、医療、介護分野を対象に本カードを導入し、利用者の利便性を向上させることとす
るが、将来的には、ICカードの特性を活かして、他の社会保障分野への用途拡大が可能となるよう
な仕組みとする。
② カードの導入によって、利用者の利便性を向上させるだけではなく、保険者、医療機関や介護
サービス提供者、行政機関の事務効率化にも資する仕組みとする。
③ 自らの年金記録、特定健診結果やレセプト情報等の情報が一元的に管理され、プライバシーが侵
害されるのではないかという不安が極力解消されるような仕組みとする。また、カードを紛失した場
合や盗難にあった場合でも大丈夫なのかといった点も含め、様々な懸念や不安が極力解消されるよ
う、具体的な仕組みの説明に努め、利用者の理解が得られるようにする。
④ カードの導入に当たっては、レセプトオンライン請求、住民基本台帳カード発行、公的個人認証
サービス、電子私書箱等の既存の仕組みや関連する仕組みを最大限に活用し、可能な限り、追加
費用を抑える仕組みとしつつ、カードの導入費用及び毎年の運営費用に見合うだけの効果が生み
出されるような仕組みとする。