質問 ・追加で知りたい問診,身体所見はありますか? ・鑑別診断としては何を考えますか? ・また,その場合どんな検査を計画しますか? 【検査所見】 WBC 10120 /μl Neu 70.4 % Lym 20.5 % Mon 8.9 % Eos 0.1 % Bas 0.1 % Hb 14.8 g /dl Plt 17.4 ×104 /μl CRP 13.10 mg/l 【尿検査】 比重 1.021 PH 7.0 蛋白 1+ 糖 潜血 2+ 亜硝酸 WBC反応 - AST 15 ALT 12 LDH 192 CK 85 ALP 217 γ-GTP 36 T-BIL 1.29 TP 7.0 ALB 3.7 BUN 9.0 Cr 0.58 Na 135 K 3.8 Cl 98 PCT ESR(1h)60 HbA1c 5.6 IU/l IU/l IU/l IU/l IU/l IU/l mg/dl g/dl g/dl mg/dl mg/dl mEq/l mEq/l mEq/l mm % 【血液ガス】 (r.a.) 7.491 pH 39.1 mmHg PaCO2 69.6 mmHg PaO2 HCO3 ‐ 29.8 mEq/l +6.0 mEq/l B.E 0.8 mmol/l Lac 【血液培養】 2セット陰性 【単純CT】 胸部~腹部~骨盤部単純CT:感染・熱源となる所見なし 【経過】 入院当日:リウマチ性多発筋痛症,偽痛風,敗血症 (フォーカス不明)などを鑑別に血液培養採取, セフトリアキソンを開始. 翌日:全身状態は悪化なく経過.肩関節痛は軽減 するも,手関節痛,肘関節痛出現あり.頸部痛持続. 39度の発熱あり. 【経過】 経過から偽痛風を疑い 両膝レントゲン写真,頸椎単純CTを撮影. 感染否定目的に頸部~上気道を耳鼻科で, 脊椎~軟部組織を整形外科で精査を依頼. 各科での精査の結果 感染は否定的 石灰化あり 【経過】 偽痛風と診断,入院2日目からロキソプロフェンの 内服を開始した.速やかに解熱,鎮痛が得られた. 入院4日目にはADLは平素と同様の状態となった. 7日目に自宅退院となった. 頸椎偽痛風 (Crowned dens syndrome) Crowned dens syndrome ・1985年にBouvetらにより報告された. ・軸椎歯突起周囲に石灰化を伴い,急性の頸部痛を起こ す症候群.=環軸関節の偽痛風. ・CTで環軸椎周囲に石灰化を認め,他の関節でも関節軟 骨石灰化がみられる(66%程度)ことが特徴的. しかし高齢者では非特異的な石灰化も多く,診断には他 疾患の除外(髄膜炎,感染性脊椎炎など)が重要. J Bone Joint Surg Am 2007 dec;89(12):2732 偽痛風 ・他疾患罹患中の発症が70%であり,入院中の発熱の原 因にもなる. ・関節液よりピロリン酸カルシウムが証明されれば診 断的だが,5%で化膿性関節炎を合併していたとの報告 もあり,培養検査は必須. ・治療はNSAID投与.重症・難治例ではコルヒチンや副 腎皮質ステロイドの使用が考慮される. Can med Assoc J.1981 Mar 1;124(5) 545 J Rheumatol.2012 Jan;39(1) :157
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