ハブ咬傷の1症例 瀬戸内徳州会病院 2年次研修医前田康晴 [主訴]ハブ

ハブ咬傷の1症例
瀬戸内徳州会病院
2年次研修医前田康晴
[主訴]ハブに咬まれた。
[現病歴]生来健康。マツタケ狩りに近所の山に出かけたら背中に違和感あり痛みあり、足下
みたらハブがいた。すぐ下山し違和感感じた後1時間で当院外来受診。
[既往歴]特になし
[内服薬]特になし
[社会歴]タバコ5本/日
酒:機会飲酒
[身体所見]
Vital Sign: BP123/81mmHg
眼瞼結膜:貧血-
黄疸-
HR134 Spo297%(RA)
肺音:清
心音:純
RR16
腹部:平坦軟
腸音:良
圧痛なし
背部:正中部に刺し口2つ
その周囲に発赤と腫脹
刺し口からは少量の出血あり
下肢:浮腫あり
[採血結果]
WBC:11700
/μl
AST:37
U/l
Na:142
mEq/l
Hb:14.8
ALT:36
U/l
K:3.9
g/dl
MCV:91
LDH:237
mEq/l
[外来処置]
創部から吸引
洗浄 NS1L
破傷風トキソイド im
U/l
Cl:1.19
fl
血小板:23.8
BUN:15
mg/l
mEq/l
10*4/μl
Cre:1.19
CRP:0.14
mg/l
mg/l
創部から 2cm 程度筋膜切開 2 箇所
ハブ血清
メチルプレドニゾロン 250mg+NS100ml
1A
DIV
DIV
[入院後経過]
入院後から 38℃台の発熱継続。皮下出血が背側全体から下腹部にかけて広がってきた。
(写
真後提示)尿は褐色尿となった。また創部周囲の疼痛著明でソセゴン 15mg-30mg IM/日
3 日間使用。輸液は生食 100ml/hr で 7 日間その後 80ml/日で 3 日間使用。 抗生剤 CTRX2g
/日
9 日間使用した。入院後広がってきた皮下出血と同様の部位に疼痛部位も拡大。第 3
病日を Peak に腎機能は改善。
第 4 病日を Peak に筋原性酵素も改善した。
皮下出血痕は徐々
に吸収されていき第 7 日病日で前写真様。第 12 病日特に合併症なく退院となった。