熱中症

2015/7/21
熱中症
初期臨床研修医 大沢草宣
熱中症にかかりやすい人
中年男性
労働
高齢者
非労作性熱中症
・屋内
若年男性
スポーツ
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発症時期
• 8月の日中など、真夏の気温が高いとき
• 梅雨の晴れ間や梅雨明け直後・・・急に暑くなったとき
どんな条件でなりやすいか?
•気温 : 高い or 低い
•湿度 : 高い or 低い
•風速 : 強い or 弱い
•日射・輻射(太陽からの日射、地表面での反射、
建物からの輻射)
日差し:強い or 弱い
照り返し:強い or 弱い
熱いものがそばにある
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熱中症の診断基準
「暑熱環境に居る、あるいは居た後」の症状として
• めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、
強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、
嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、痙攣、せん妄、
小脳失調、高体温など
• 感染症や悪性症候群による中枢性高体温、
甲状腺クリーゼなど、他の原因疾患を除外したもの
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熱ストレス
(熱浮腫
熱失神
熱けいれん)
<治療>
冷所での安静
体表冷却
経口的に水分とNaの補給
※通常は現場で対応可能
熱疲労
<治療>
体温管理
安静
十分な水分とNaの補給
(経口が無理なら、点滴で)
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熱射病
<治療>
採血、医療者による判断により入
院(場合により集中治療)が必要な
病態
・中枢神経症状
・肝・腎機能障害
・血液凝固異常
などの臓器障害を呈する
体温管理
(体表冷却に加え体内冷却、
血管内冷却などを追加)
呼吸、循環管理
DIC治療
熱中症の予防・治療には・・・
☆塩分と水分の両者を適切に含ん
だもの(0.1~0.2%の食塩水)が
推奨。
☆現実的には市販の経口補水液が
望ましい
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それぞれの成分
Na
(mEq/l)
WHO2002年 75
K
(mEq/l)
20
Cl
(mEq/l)
65
炭水化物 浸透圧
(g/l)
(mOsm/l)
13.5
245
3号液 輸液
20
30
34
200
スポーツドリン 21
ク
経口補水液
50
5
16.5
67
326
20
50
25
270
血液
135
3.5
105
汗
10-70
3-15
5-60
• 推奨飲水量
35
成人
500~1000mL/日
幼児
300~600mL/日
乳児
30~50mL/日/kg
290
効率よく水分
を吸収でき、
有効な予防に。
<簡単な水分補給の目安>
• 体重測定⇒その減少分と同等の水分補給
または
• 0.1~0.2%程度の食塩水(=1Lの水に1~2gの食塩)と砂糖
大さじ2~4杯(20~40g)の糖分を加えたもの
• 市販の飲料水なら、Na量を100mLあたり40~80mg含んだもの
が適当。
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Ⅰ度またはⅡ度への処置
経口的に
Yes
経口摂取
可能
No
水分・塩分
補給
点滴治療
冷却した細胞外液補充液
(ラクテック、ヴィーンF、ビカネイ
ト)
500mLの急速輸液
(600~1200mL/時)で開始
排尿あれば・・・
維持量に
移行
Ⅲ度への処置
• 積極的に体温を冷却
• 冷却した細胞外液補充液(ラクテック、ヴィーンF、ビカネイト)ま
たは生理食塩水500mLの急速輸液(1200~2400mL/時:20~
40mL/kg/時)で開始
• 排尿が確保され、かつ体温39度以下となるまで急速輸液を継
続する。
• ショックに対し、急速輸液を1~2L投与しても改善しない場合、
循環モニタリングを行いながらノルアドレナリン使用
• 呼吸・循環管理、DIC治療
• 黄紋筋融解症に対するダントロレンは現在推奨されていない。
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☆ポイント☆
• 深部体温が38度台になるまで積極的な冷却を
• 高体温の時間が長いと予後不良
• できるだけ早期に目標温度に達すること
冷却には、
• 水槽に浸漬させる
• 大量の水を噴霧する
などの方法も。
死亡患者の特徴
こんな人には
気をつけて!!
• 高齢
• 日常生活動作の低下
• 心疾患の治療歴
• 精神疾患の治療歴
• 来院時のバイタルサインが悪い
(高体温、収縮期血圧低下、意識状態低下)
• 死亡は来院後早期である
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Thank you for your attention!
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