全科目 - 九州大学理学部化学科

平成 27年 度
九州大学大学院理学府
化学専攻
入学試験 問題
化
(12:30
学
∼
15:30)
注意事項
1)6科 目の 中か ら 3科 目を選択 し、解答す る こと
:
2)問 題用紙 は、各科 日、以下 の枚数 であ る。
無機化学 :3枚 、有機化学 :5枚 、構造化学 :5枚
物理化学 :3枚 、分析化学 :4枚 、生物化学 :4枚
「は じめ」の合 図 の後 に、 問題用紙 の枚数 を確認す る こと。
3)解 答用紙 の指定欄 に、受験科 目名、問題番号、受験番号および氏名 を記 入す る こと。採
点時 に太 い線 の 箇所で切 り離す ので、 科 目名 と問題番 号 は必ず上下 2ケ 所 の所定欄 に
記入す る こと。科 目名 は、無機 化学、有機化学 、構造化学、物理化学、分析化学、生物
化 学 のいずれか を記入す る。記入 漏れ がある場合、採点 で きず零点 にな る ことが あ る
ので 注意す る こと。
4)解 答用紙 は、各科 目、以下 の枚数で ある。
無機化学
物理化学
生物化学
:4枚
:3枚
:2枚
(専 用 2枚 を含 む )、
(専 用
有機化学
1枚 を含む)、 分析化学
:3枚 、構造化学 :3枚
:4枚 (専 用 1枚 を含 む)
問題 ごとにそれぞれ別 の解答用紙 に解答す る こと。
5)整 理番号欄 には何 も記入 しな い こと。
6)配 布 された解答用紙 9枚 および専用 解 答用紙 4枚 は、 自紙 も含 めてす べ て提 出す る こ
と。
7)解 答用紙 の裏 には何 も書かな い こと。
無機化学
1.以 下 の設問o∼ (oに 答 えよ。
③ ハ ロゲ ン化水素 の水溶液で HFの みが弱酸 である理由を答えよ。
ン酸 、亜 リン酸 (ホ スホン酸)、 次亜 リン酸 (ホ スフィン酸)の 水溶液に
おける第一酸解離定数 はそれぞれ互 いにほぼ近い値 である。 リン酸、亜 リ
ン酸、次亜 リン酸 の構造を結合 がわかるよ うに答えよ。
(b)リ
(c)固 体 の FeoH4)(S04)2・ 12H20は 淡紫色 の正八面体結晶であ る。これを水に溶
かす と赤褐色になるとともに、水溶液は酸性 を示す。 この理 由を反応式を
用 いて答えよ。
(d)そ れぞれ無水 の過塩素酸 リチ ウム、過塩素酸 ナ トリウム、過塩素酸 カ リウ
ムの水に対する溶解度 の大きさの順序を、理 由も含 めて答 えよ。
ジル コニ ウム と
(e)ハ フニ ウムはジル コニ ウム鉱石に 2%程 度含 まれてい るが、
ハ フニ ウムのイオ ン半径がほぼ等 しくその分離 は難 しい。原子番号 40の ジ
ル コニ ウム と原子番号 72の ハ フニ ウムのイオ ン半径 がほぼ等 しい理由を答
えよ。
(Dチ オ硫酸ナ トリウムは、亜硫酸ォ トリウム水溶液に硫黄粉末を加 えて煮沸
し、ろ過後、蒸発濃縮す ることで結晶 として得 られる。チオ硫酸ナ トリウ
ムが生成する化学反応式 を示せ。 また、チオ硫酸イオ ンに含 まれる二つの
硫黄の酸化数を電気陰性度 に基づいて計算せ よ。計算の過程も示す こと。
なお、酸素と硫黄のポー リングの電気陰性度の値は(3.50と 2.44で ある。
1
1言
「
2。
以下の設問0∼ (c)に 答えよ3
.
o次 の(1)γ (5)の 分子やイオンの化学式を書き、立体構造を図示すよ。なお、図
には多重結合やイオン価を示さなくてよい。
:
(1)ホ ウ酸
(う
ヒ炭素
)二 硫イ
│(3)ト ドテジン
ー
│
`
:
(4)ジ チオン酸イオン
`
(5)三 フジ化塩素
0)次 の(1)と (2)の 反応の化学反応式を書け。
(1)炭 化カルシウムと水との反応
.(2).塩
リウ 不均イ
素酸力‐
じ
^の
(c)テ ル ミッ ト法 に つ い て説 明 せ よ。
●
1'
3.以 下の設問o∼oに 答 えよ。専用 の解答用紙 を用 い ること。
③ マ ンガンイオ ンに関する以下の間(1)∼ (3)に 答 えよ。
(1)配 位性 が弱い酸 の水溶液に Mn2+を 溶 かす と、Mn2+を 含 む溶存化学種 として
単一の化学種 Aが 生 じる。Aは どのよ うな構造 をとると考 えられるか、答
えよ。 その分子 またはイオ ンの構造図を描 き、それ に対応する化学式を記
せ。 さらに対応する IUPAC名 を英語名 で記せ。
べ
(2)上 で述べた化学種 Aの モル吸光係数 がきわ めて小 さい理由を述 よ。 ただ
し、Aに おいて Mn2+は 高スピン状態 であることに注意せ よ。
(3)化 学種 Aを 一電子酸化する と化学種 Bが 得 られ る。Aと
ついてその理由も含めて答えよ。
Bの 構造 の違 いに
(b)配 位子場理論によれば、平面正方形錯体である白金(II)錯 体に対する d軌 道 の
エネル ギー準位 は、人面体形錯体 の正方歪みに よつて生 じた もの として理解
する ことができる。 この現象 について、準位図を用 いて説明せ よ。
単座配位子 Lを 反応 させ ると、会合機構 を経 由 して、
おの立体配置 が保持 され る。 どの よう
61-[PtCl(L)s耳 3)2]が 生 じる。その際、θ
な中間体が生 じるかに留意 して、その理由を答 えよ。
―
(C)ε お [PtC12NH3)2]に
(d)[Ruopy)3]2+ゃ [Os(bpy)3]2+が 良好な発光体であるのに対 し、[Fe(bpy)3]2+は 発光
を示 さない。Ru錯 体 と Os錯 体が どの ような励起状態を経由 して発光するか
をその機構を含 めて説明せ よ。 また、Fe錯 体 が発光 しない理由も説明せ よ。
なお、bpyは 2,2'― ビピ リジンであ る。
有機化学
1.以 下の設問(め ∼(c)に 答えよ。
o次 の化合物の構造式を示せ。
(2)1‐ methylbicyclo[4.3.1]deCane
(1)(み oyc190Ctene
o)2‐propメ imidaZOb l (02… methyl■ 2喘inaphthalene r
O次 の化合物のIUPAC名 (日 本語でもよい)を 記せ。必要であれば立体化学も示すこと。
11)
② ffYI卜 oY°了Y°γ
R12:H
ON92
(4)醜
(c)次 の各反応について、空欄 に適切な反応剤 A∼ Cを 記せ。また、1各 反応において重要 と
考 え られ る中間体を,つ ずつ構造式で示せg
(1)
″
″
「
〔
〔
〔〕
OB「
:〕
I″
2H2C=?
︲
H
︶
H
﹂
え
O
︲
の
︲
O
︲
:〕
(3)
:'N,2
︲
0
=︹
Y
︺
0
︲
メ
︲
(2).
イす
〔
〕
〔
∝
T「
Aの lH NMRと BC NMRと 13c NMR(DEPT 135)め チ 。
ャー トが示 して あ る。ただ し、DEPT 135で は 、C_H結 合 を三 う もつ 炭 素 (CH3)と C=H結 合
を一 つ もつ 炭 素 (CH)が 上 向 き の シ グナ ル と して 、 C■ H結 合 を二 つ もっ 炭 素 (CH2)が 下 向
きのシグナル として観測 され 、C■ H結 合のない炭素は観測されない。また、スピン結合は一
2.下 記 お よび 次 ペ ー ジ に 、ある化 合 物
重線 、二重線 、二重線 、四重線 、五 重線、六重線 、七重線、多重線 がそれぞれ、s、
qulnt、
sё xt、
sept、
d、
t、
q、
mで 表してある。質量分析では Aの 1価 の分子イオンとして〃z=163が 観測
され、その他 に 々=148、
“
よ。
120、 106、 92、 77、
43な どが観測された。以下の設問o∼ (d)に 答え
③ 芳香族領域 のシグナルから、芳香族の部分構造を示せ。
o lH NMRの 積分値 と結合定数、また DEPT 135か ら推測されるCH2の 部分構造を示せ。
(ё
)BC NM良 において、二つの炭素原子が重なって現れているシグナルはどれか、ケミカルシフト
値で答えよ。
(d)芳 香族領域 のシグナルが、アルキル置換 の方香族よりやや低磁場側にシフトしており、また
CH2の うち一つが高磁場側にシフトしていることに着 日し、この化合物 の構造を示せ。
lH NMR“ 00 MHZ,CDC13)
9.0
lH NMR(400NIHz,CDC13)δ
6:0
5.0
ppm
7.25二 7.18(m;2H),6.756.71(m,lH),6.66-6.61〔
n,2H),3.56(brs,lH),
3.15o,J=7.31L,2H),1.76(tsept,J=6.8,6.4 Hz,lH),1.55(dt,J=6.8,7.3L,21う ,0.99(d,J=6.4
L,6H)313c NMR(100 MHZ,CDC13)δ
148.7,129.4,117.2,112.8,42.3,38.7,26.1,22.8
13c NNIR(100 NIIIZ,こ pc13)
十.=■ ヽ■■●すい ・.'‐ ■
,■゛Ⅲ ・ Ⅲ
・ ・ ●■
■
'│‐
嫌
9om …騨
鸞
.オ
1鐵 1翻
│・
ppm
│`
‐
■1` ■ ■
・●■■‐■
マ^Ⅲ …
● w` ‐‐゛●・ ‐‐
■'‐・‐
・
'・
'
■脱盪
〕ヽ摩
力籠憲 1■ o
o
13c NvR DⅡ PT 135(100 MHZ,Cpc13)
竹″や`
ヤ マ摯竹
摯
‐
“
十響γ 1・ ・ ‐
∵ …り……■
・
・ 2… ,,・ デ
‐
― 響“●
ヤF彎・
・摯´
…
會 櫛 0 1JO議
1嚇 麟 癬 “
轍
“ 翻 撫…
脚
鸞
鮨
榊
1鸞 鰯
瑞詳 電
薄 鷺F=罵 議…薔 Ψ
ppm
3.下 に示 した s‐ indacene誘 導体 の合成に関する設問o∼ (ぅ に答 えよ。
2
10 mOI%FeCL・ 6H20,
CH2Cら ,60℃ (密 閉容器中)
3
1)濃 H2S04,
01C,lh
H2(0・ l
Pdノ
C
MPa)
異性化
ルPrOH
2)23,C,16h
80° C
902CH2Ph H2(0・ l MPa)
Pd/C
iPrOH
80° C
7二逗ヨ
0
4b
(a)
8
2分 子 の 1か ら 2が 生 成す る反応 では 、Cldsen縮 合 と Diechalm縮 合 が連続 して
起 こつ てい る。 そ の反応機構 を示せ 。
6)
3を 得 るた めに必 要 な試 薬 Aを 答 え よ。 なお、FeC13・ 6H20は 、触媒 として加 えて
│
い る。
,
0 2か らん を経て 4aが 生成する皮応の名称を答えよ。
③
5の 構造を示せ。
016は 、
=が
'
│
:
:
´
(ア )形 構造を経由 して異性化 した と考えられる。(ア )に あてはまる適
1
切な語句を答えよ。
o.4aと 三ステル部分の構造が異なるlbの 場合、
まず7が 生成しBが 脱離して8が 生
1 成す る。Bの 化学式を書けb
‐
構造化 学
1.水 素原子および水素分子 に関する設問
(a)、
0)に 答えよ。ここで、cは 光速、θは電気
素量、あはプランク定数、あ=あ /2π 、 は電子の質量、〃 は陽子の質量、 らは真空の誘
“
電率、λは波長、ッ=1″ は波数である。
(→
水素原子 について、次の間
(1)水 素原 子 のエ ネル ギ ー
E=―
(1)、
(2)に 答えよ。
Eは
(選 争卜);岩
で ある。ここで μは換 算質量 、4は 主量子 数 で あ る。発 光 ス ペ ク トル の Lyman系 列 に
属す る遷移
(4=ガ か ら れ=1へ の 遷移 )の 波数 を表す式 を導 け。
(2)水 素原 子 の Rydbcrg定 数 RHは
島
=鵠
t=109678 omJ
で ある。 bman系 列 に属す る遷移 の波数 の 小 さい方 か ら二 つ を cm 1単 位 で 計算 し、
有効 数字 3桁 で 答 えよ。
(b)水 素分子 につ いて 、 次 の 問
(1)∼ (4)に 答 えよ。
(1)電 子 と陽子 の座標および各粒子間の距離を右図
のよ うに定義する。古典 力学 にお ける全 エ ネル
ギ
=を
電子
位置 と運動量 の関数 として表 し、運動量を
→
効3
ψ轟´ 弓 λ
み→
の よ うに置 き換 え る と量 子 力学 的 な ハ ミル トニ
ア ンが 得 られ る。水 素分子 のハ ミル トニ ア ンを書
き下せ 。
に ,y3,Z3)
陽子
“
,L,Z4p
陽子
(2)水 素分子の 2個 の電子をそれぞれ電子 1、 電子 2と する。次のスピン関数
α(1)α (2)
/9(1)/9(2)
湯
(1'/9(2)+β (1)α (2)}
{α
(1)α (2)}
1)″ (2)一 β
金 で
{α
のうち、
電子 1と 電子 2の 座標の交換 に対 して対称なスピン関数 と反対称なス ピン関
数はそれぞれ どれか答えよ。
(3)水 素分子の電子基底状態は結合性軌道 %sσ に電子が 2個 入 つているので、波動関撃
の軌道部分は 広島(1)4sσ (2)と 表 される。スピン部分まで含む全波動関数は、パ ウリ
せ
一
不
を
と
ア﹂
る
あ
で
称
対
反
て
列 襲
D a 標
< < 座
α α
勁 凶
と
Φ 。
る
な
珈
屁
¨
の原理 に従 い、電子座標 の交換 に対 して反対称でなければな らな い。全波動関数
0(1,2)を スレニター行列式で記述すると、
(4)電 子 1と 電子 2の スピン角運動量演算子 のz成 分 &zと S2zに 対 し、次の関係が成立
す る。
こ
(1)
zα (1)= :α
(1)=―
島
`′
S2`α (2)=
S2zβ (2)=一
:β
.
(1)
:α (2)
:´
(2)
問(3)の 全波動関数 Φ(1,2)は 、全スピン角運動量演算子の z成 分 島=島 z+ち の固有
関数であることを示 し、め の固有値を求めよ。
2.
トリメチ レンメタ ンビラジカル (下 図)は 、4個 の π電子 が 4個 の炭 素原子 上 の π軌道
に非局在化 した電子構造 を もつ 分子 で ある。
H I
H
│
H/C4、 c/C2\ H
││
H″
C
/´ 3\
`
H
この 電 子 構 造 を単 純 ヒュ ッ ケル 法 を用 い て考 察 す る。 図 の よ うに炭 素原 子 に ラベ ル 1∼
4を つ け、そ れぞ れ の原 子 上 の 2pπ 軌道 を χi―/4と す る。以下 の設 問
(a)∼ (C)に 答 え よ。
(a)単 純 ヒュ ッケル法で用 い られ る近似 を箇条書 きで 答 え よ。
(b)単 純 ヒュ ッケル法 を用 い て トリメチ レンメタ ンビラジカル の 分子 軌道 のエ ネル ギ ー を
求 め る方 程 式 (永 年方程式 )を 答 えよ。 ただ し、 クー ロ ン積分 を α、 共 鳴積 分 を β、 軌
道 エ ネル ギ ー を εとす る。 また、導 出過程 は示 さな くて よ い。
(9)設 問(b)の 永年方程式 を解 いて トリメチ レンメタ ンビラジカル の 軌道 エ ネル ギ ー を求
めよ。答 えだ けでな く、 計算 の過程 も示す こと。 さ らに、軌道準位 図 を描 き、電子 配置
を示せ。
(d)ト リメチ レンメタ ンビラジカル の 分子軌道 を求 め る と、 以下 が 得 られ る。
′亀 =0。 71z-0.41″ 2 0・ 41‰ -0.41z4
仇 =0.71‰ +0.41″2+0・ 41″ 3+0・ 41%
‐
2=
偽=
0.7ち γ2 0・ 71″
3
0.41/2+0・ 41‰ -0.82〃 4
炭素原子 Cl∼ C4上 に不対 電子 は どのよ うに分布 す るか、 分子 軌道 の情報 を も とに答 え
よ。ただ し、分子軌道 ¢a∼ 9dは ヽ必 ず しも軌道 エ ネルギ ー の低 い順 に並 んで はいな い こ
とに注意 せ よ6ま た、計算誤差 によ る小 数点 以下 2桁 目の差 異 につ いて は無 視 して よ い。
(c)孤 立 した 2pi軌 道 の軌道 エ ネル ギ ー は αで ある。 トリメチ レンメタ ンビラジカル の π結
合 一つ 当た りの 結合 エ ネル ギ ー を求 め よ。
3.次 の文章を読 んで設問
o∼ (oに 答えよ
ヘキサ ン溶液 中のアン トラセ ンの吸収スペ ク トルおよび 357 nm(28000 cm 1)の 紫外光
で励起 したときの発光 スペ ク トルを図 1に 示す。図 1の 吸収 スペ ク トルよ りさらに低波数
領域 (14000∼ 20000 cm 1)に もアン トラセンの吸収スペ ク トルが観測 されている。 この吸
収スペ ク トル の強度 は、図
ε<0.01 mol lm3m・ )。
1の 吸収 ス ペ ク トル と比 べ て著 しく小さ い
方 、 13000∼ 19000
(モ ル 吸光係数
cm lの 波数領域 に観測 された 9,1ぃ ジブ ロモア
ン トラセ ンの 吸収スペ ク トルの強度は、低波数領域 のアン トラセンの吸収スペ ク トルの強
度よ り約一桁大 きい。
図 2に アン トラセンのエネルギー ダイアグラムを示す。記号 И∼Dは 電子状態を示 して
いる:実 線 と波線は、それぞれ放射過程 と無放射過程 による遷移 を表 している。状態 Dを
光励起 した場合 には、速度定数 れ∼んで示 した過程を経由してエネルギーが失活する。
電子状態 の対称性は電子遷移 の確率 を決める重要な因子である。アン トラセ ンと 9,10ジブ ロモアン トラセ ンの対称性は 2h点 群 に属する。D2h点 群 の指標表 (表 1)を アン トラ
セ ンと 9,1い ジブ ロモアン トラセンの分子構造 と座標軸 とともに示す。
∞ 0
20000
22000
24000
'
26000
28000
30000
32000
34000
波数 /cm¬
と 357111m(28000 cm 1)の 紫外光 で励起 した
ときの発光 ス ペ ク トル (灰 色 の線 ;20000∼
図 ム
図 1.ヘ キサ ン溶液 中のアン トラセ ンの吸収
スペ ク トル (黒 色 の線 ;25000∼ 34000 cm l)
27500 cm 1)
T E ・E T ち E ヽ 経 雄 ポ ぎ ミ 中
撻 漂 ポ 駅
吸収
2.ア ントラセンのエネルギーダイアグラ
(れ ∼れは速度定数を示す。
)
表
g
3
へ Au﹄ 鴫 鴫 聰 B
(→
1
1
1
-1
-1
-1
1
1
71
1
-1
1
1
-1
1
1
-1
1
1
1
1
1
1
-1
-1
1
-1
1
-1
-1
1
-1
1
-1
1
-1
1
-1
1
-1
-1
1
-1
1
-1
-1
1
1
-1
-1
1
1
1
1
-1
-1
-1
-1
1
1 2h点 群 の指標表
1
1
1
1
1
25000∼ 34000 cm 1と 14000∼ 20000 cm lの 波数 領域 に観測 され た ア ン トラセ ンの 吸収 ス
ペ ク トル は、それぞ れ ノ∼Dの どの電子 状態 間 の 遷移 によるか、電子 遷移 の始 状 態 と終
状態 の 記 号 を答 えよ。
(b)図 1の アン トラセ ンの吸収 スペ ク トル と発光 スペ ク トルは、近似的 に鏡像関係 となっ
て いる。 このような鏡像関係 のスペ ク トルが観測 される理由を答えよ。
(c)ア ン トラセ ン の 状 態 И の 電 子 配 置 は … (blg)2(b2g)2で ぁ り、 状 態 Cの 電 子 配 置 は
… (blg)2(b23)1(b3u)1で ある。 したが って 、状態 И の既 約表現 は Agと な る。 表 1を も とに
状態 Cの 既約表IEEを 求め、状態 Иから状態 Cへ の電気双極子遷移が許容か禁制か答え
よ。
ペ
(d)13000∼ 19000 cm lの 波数領域 に観測 された 9,10-ジ ブ ロモアン トラセンの吸収ス ク ト
1)の アン トラセ ンの吸収 スペ ク トル
ル の強度が、ほぼ同じ波数領域 (14000∼ 20000 cm・
の強度 よ り約一桁大 きい理 由を答えよ。
(c)ア ン トラセ ンのベキサ ン溶液 を液体窒素温度 に冷却 して 357 nm(28000 cm 1)の 紫外光
で励起 したところ、二つの異な る色 の発光 が観測 された。これ らは、色 の違 いか ら状態
βおよび状態
Cか らの発光 に帰属 された。状態 3と 状態 Cか らの発光 の名称 、および
速度定数 れ と れで与え られて いる無放射遷移 の名称 を答えよ。
(oア ン トラセ ンの状態 Bの 寿命 侮 )と 状態 Cの 寿命
いて表せ。
(τ
c)を 図 2に 示 した速度定数 を用
物理化学
気体定数をR、 ボル ツマ ン定数 をたBと す る。
1.以 下の設問(a)、
(b)に 答 えよ。解答 には専用 の解答用紙 を用 い よ。
③ 純成分系では、1モ ル あた りのギブズエネル ギー 亀 がその成分 の化学 ポテ
ンシャル である。(∂ 亀 /む )r=鴫 を利用 して、成分 Aの みか らなる理想気体
の化学 ポテンシャル μigを 求めよ。温度 rに おける成分 Aの 蒸気圧を ′l、
標準圧力を ′。とす る。
│
(b)温 度 rお ょび圧力 ρにおいて、液体成分 Aと 液体成分 Bか らなる理想混合
気体 と理想溶液が平衡にある。 この とき、気体中での成分 Aの 分圧 は ′A`
モル分率は ノA` 化学 ポテンンャル は μ長であ り、溶液 中での成分 Aの モル分
率は χ人、化学 ポテンシャル は 4で ある。以下の問(1)∼ (5)に 答 えよ。
(1)μ iを
だF、 ′A` バを用いて表せ。
(2)μ lを μll、 χAを 用 いて表せ。 │こ で μllは 温度 r、 圧力 ′=′ 1に おける
純成分 Aの 化学 ポテンシャル である。
(3)′ l(′ A` χ
lの 関係式を求めよ。
(4)温 度 rに おける成分 Bの 蒸気圧 を バ 、理想気体および理想溶液 中での成
分 Bの モル分率 をχ:お よび ッBと する。 ′とχBの 関係 お よび ′とッBの 関係
を表す式を求めよ。 さらに、 これ ら二つの関係式を用 いて、 この温度にお
ける気体 ―液体 の平衡 を表す相図の概略を描け。 ただ しρl<′ :と する。
(5)大 気圧 下 にお け る この 2成 分 系 の 温度 と組 成 の 関
係 は、
右図の よ うになっている。この図を利用 して、
分留
せ。
(蒸 留)に
7
よつて液体 の精製 がで きることを示
昭
2.水 の解離平衡
′
耳 20+Hl+O童
について以下ρ設問o∼oに 答えよ。ここでtれ 、ちはそれぞれ解離、結合
の速度 定数 で あ る。
(a)水 の全濃度 を σ、 H十 ぉ ょび OH
の 濃度 を χとす る とき、濃度 χの 時間変化
″/ル を、れ、ち、εおよびχを用いて書き表せ。
●)水 が温度 rで 平衡状態にあるとき、設問oの 結果蕉用いてれ、ち、とおよ
び χの 間 に成 り立 つ 関係 式 を求 め よ。
つまり新 しい平衡に移行するた
(c)水 の温度をrか ら■ (r<亀 )に 瞬間的に、
めに必要な時間より十分短い時間で変化させると、水の解離平衡は7で の状
態から■での状態に移る。このとき、H+お よびOH‐ の濃度も変化する。い
ま、■での平衡状態におけるH+お よびOH の 濃度を とし、勘 =χ 為 と
`も
い場合、次式で与
するとき、舷 の時間変化グ(勘 )ルルは勘 があまり大きくな
えられることを設問(a)、 o)の 結果を用いて示せ。
‐
│ち)生 │― (為
+2た 2χ e)△
“
(d)勘 と時 間 ′との 関係 を表す 式 を求 め 、雄 の変化 を、縦軸 を ル 、横 軸 を′
して図示せよ。ただし、′
=oに おける盤 を勘0と する。
3.次 の文章を読み、以下の設問(→ ∼(oに 答 えよ。
ある系の物理量の時間平均は、その系 と同質の多数 の系 よりなるけ)極 計集
団の平均値 として与えることができる。温度r、 体積ア、粒子数Nの 系がエネ
ルギー島の状態:に ある確率を9)
とすると、 この統計集団に含
E)=Σ じ
FttPiで 与えられる。系のエネル ギ∵
まれる系のェネルギーの平均値は〈
Jは その平均値〈
E)の まわ りで揺 らいでいる。 この揺 らぎの大きさ△Fは
(△ J)2=〈 (J_〈 F〉 )2)に よつて与えられる。
③ 温度T、 体積y、 粒子数Nの 系についての下線部(ア )の 統計集団のことを何 と
い うか。名称 を答えよ。
(b)下 線部(イ )の e
島 /た BTは 何 と呼ばれているか。名称を答えよ。
(c)下 線部(イ )の cと e Fi/た BTの 関係を表す式を導出せ よ。また、cは 何 と呼ばれ
ているか。名称 を答えよ。
E)の 関係を表す式を示せ。
(d)0と 〈
J2)_(J)2と な る こ とを示 した 上 で 、 (△ J)2=た BT2の を導 出
J)に
せよ。ここで、の は定積熱容量である。なお、系の内部エネルギーυは〈
等 しい とせよ。
(c)〈 (F― (F))2)=〈
(つ
ヘルムホルツの式を用い
F)に 等 しい とき、ギブズー
系の内部エネルギーυが〈
71n O+Tφ の形式で与えられること
て、ヘルムホルツエネルギーがИ=― た
Ё
を示せ。ただし、φは に依存 しないアとⅣの関数 である。
「
分析化 学
注意 :全 ての化学種 の活量係数は 1、 温度は特に指示 のない限 り 25℃ とす る。数値計算 で
は、計算 の過程を示 し、解答 は有効数字 2桁 で記せ。必要な場合は単位 を明記せ よ。な
お、N5=2.2、 10g5=0.70、 2.303Rr/F=o.o60Vと せ よ。
1,,以 下の設問 o、 (b)に 答 えよ。
③ アニリン C6H5NH2に ついて以下の問 (1)、 (2)に 答 えよ。 ただ し、アニ リンの塩基解離定
数 は 2.5× 10 6m01dm 3、 水 の 自己解離定数 は ふFl.O x 10 И mo12dm 6で ぁる。
ldm 3ァ ニ リン水溶液 の水酸化物イオ ン濃度 を求めよ。
(1)0.10五 〇
(2)ア ニ リンの共役酸 C6H5NH3+の 酸解離定数 を求めよ。
(b)キ レー ト滴定 に関す る次 の文章を読み、以下の問 (1)∼ (4)に 答 えよ。
1.0×
10 4m01dm 3の Co2+を 含 む水溶液 100 cm3を 0.010 moldm 3ェ チ レンジア ミン
四酢酸 (EDTA、 H4Yで 表す)水 溶液に よりpH l.00と 6.00の 緩衝溶液中で滴定する場合 、
点における CoY2-錯 体 の生成率 (=[CoY2二 ]/([C02+]+[cOY2T]))は pHに より
滴定の当量′
異なる。 それぞれ の pHに おける生成率を以下の手順に従 って求めよ。 ただ し、CoY2-の
生成定数は 旋 。
Y=[COY2]/(Ic02+][Y4])=1.0× 1017m01 ldm3で ぁ り、EDTAの 逐次酸解
Ю
離定数 は 馬 1=1.0× 102、 κ2=1.0文 103(Ka3=1・ 0× 106、 馬 4=1.0文 10二 moldm 3と
するもまた,存 在する錯体 は CoY2-だ けとし、Co2+の 加水分解、滴定に伴 う溶液 の希釈 は
無視 できるとする。
(1)当 量点におけるコバル トの総濃度QoTお よびEDTAの 総濃度CttTを 溶液中に存在する
化学種の濃度を用いて表せ。
衡 'と ん1∼ κ酔を用いて[Y4-]
(2)溶 液 中の CoY2-以 外の EDTA化 学種の総濃度 を Cプ とし、
H+]の 関数 として示せ。また、それぞれの酸解離定数 に数値 を入れ、pH l.00と 6.00
を〔
にお け る
[Y4]と
cプ の 関係 を示せ。
プ=[COY2]/(Ic02+]cプ )を 問
(3)そ れぞれ の pHに お ける条 件 生 成 定数 旋 。
(b)―
(1)の 結
果 と Kc・ 。
Yの 値 を用 いて 計算 せ よ。
(4)当 量点では QoT=CYTが 成立する。pH l.00と 6.Obそ れぞれの当量点におけるCoY2-
錯体の生成率を計算せよ。
2.以 下の設 問
(け t(b)に
答 えよ。
③ 以下の電池 (1)∼ (3)に ついて、電池反応の反応式とネルンス ト式を示せ。 なお、標準
電位は 」 とし、化学種 Aの 濃度は[A]で 、分圧 は PAで 表せ。
(1)Ptlビ ,H211 Fe3+,Fe2+I Pt
o)AglAgCl,Cl=│I Cu2+,cざ
I Pt
(3)Ag14g+‖ [F6(CN)613-,[Fc(CN)6]4-I Pi
(b)金 属イオン M2+と 陰イオンrの 難溶性塩 Mx2の 水溶液中における(I)式 で表される溶解
反応の溶解度積を Ksp=5.0× 10 16m612 dm 6と する。また、(II)式 で表されるMX2め 酸化
′
.還 元反応あ標準電位を P(M動 とする。
'MX2さ M2++2r
'(I)
MX2+2ё ゛ M+2X
´
(II)
以 下 の 問 (1)∼ (3)に 答 え よ。
│
(1)MX2の 飽和水溶液における M21の 濃度を求めよ。
(2)(II)式 の反応 のネルンス ト式を示す。
ovの
(3)(III)式 で表 される M2+の 酸化還元反応の標準電位がプ(M)=o。 ケ
求めよ。
「
M21+2c き M
cII)
プ 。∞)の 値を
とき、
3.次 の文を読み、以下の設問 (o∼ (d)に 答 えよ。解答 には専用 の解答用紙 を用 い よ。
金属イオ ン Aと
Bの 混合溶液に配位子 Lの 溶液を加 えると、安定な錯体 AL3お よび
BL2が 定量的に生成 し、その他 の錯体 は生成 しない。AL3お よび BL2の 溶液は、それぞ
れ波長 3801111nと 520111nに 吸収極大を示す。光路長 が 1.00 cmの 同一セル を用 いて測定
した場合、AL3の 溶液 (2.00× 10 3m01dm 3)の 380111nに おける吸光度 7380)は 0。 800、
520111nに おける吸光度 α520)は 0・ 100で あつた。一方、BL2の 溶液 (5.00× 10 4m01dm 3)
では、И380は 0・ 050、 И520は 0・ 300で あった。なお、A、 Bお よび Lそ れぞれ の溶液は、
3801111nと 5201111nに 吸収 を示 さない。
③
ALbお よび BL2そ れ ぞれ の溶液 の
380 1rlmお よび 520111nに お け るモル 吸光係 数 観 0
お よび ら20(Cm l m01 ldm3)を 求 め よ。
(b)Aと Bの 濃度 の合計が 1.00× lo2 moldm 3で ぁる溶液が 10 cm3ぁ る。 この溶液に、配
位子 Lの 溶液を加 えてい くと、40 cm3カ ロえた ときにすべての金属イオ ンが錯形成 した。
この溶液 の ∠380は 0・ 440、 И520は 0・ 760で あった。 この ときの AL3と BL2そ れぞれ の
濃度を求 めよ。
(c)設 問 (b)で カロえた配位子
Lの 溶液 の濃度 を求めよ。
(d)AL3の 錯 生成定数は、BL2と 比べ て十分に大きい とす る。Aと Bを 含 む溶液 が 10 ci3
あ り、Aと Bの 濃度はそれぞれ 1.60× 103m01dm・ と 6.00x104moldm‐3で ある。 こ
の溶液 に、濃度 が 120 moldm 3の 配位子 Lの 溶液を 0.100 ё
m3ず っ 0.600 cm3ま で加
えてい く。 この ときの И380お よび И520と Lの 溶液 の添加量の関係 をグラフに示せ。 な
お、配位子 Lの 溶液 の添加 による希釈 の効果 は無視す る。
0。
4.次 の設問 o∼ (d)か ら3問 選びくそれぞれ10oん 200字 程度で答えよ。ただし4問 全て ´
を解答 した場合は、減′
点の対象 となるので注意す ること。
0酸 化還元滴定の指示薬に必要な性質について説明せよ。
(b)原 子吸光分析における分析値に与える高濃度塩化ナトリウムめ影響について説明せよ。
ニ
(c)ラ マン散乱スペ ク トル において、アンチス ト クス線 の強度はス トー クス線 よりも弱い:
その理由を、振動準位 に基づいて説明せ よ。
(o環 境中の
90srを
分析す る方法について説明せよ。
生物化学
1.次 の文を読んで、以下の設問o∼ o)に 答 えよ。
天然には様 々なタンパ ク質分解酵素 が存在す る。キモ トリプシンは、膵液 に含まれ る消
化酵素 の一種 で、セ リンプロテアーゼ に分類 され る。膵臓 か ら①不活性型 の [ ① ]と
して分泌 され 、 [ ② ]に より、15位 アルギニ ン と16位 イ ソロイ シン間の結合 が切 断 さ
れ ることによ り、活性状態 の π―キモ ′
トリプ シンとなる。これはさらに他 の部位 で切断 され、
活性型 の α―キモ トリプシ ンになる。 α―キモ トリプ シンの触媒部位 には、 [ ③ ]、
[
]の 3つ のア ミノ酸残基 が隣接 して存在 し、これ らはまとめて [ ⑥ ]
と呼ばれ る。 これ らの うち、 [ ③ ]と [ ④ ]の 触媒活性基は化学的な共有結合に
よる標識 によ り調べ られ、特定 された。例 えば、 [ ③ ]は 、有機 リン化合物 であるDIPF
④ ]、
[
⑤
(diiSOprOpyl phosphonu。
五date)が 反応 して酵素 が不可逆に不活性化 され ることで 同定 された。
②α―キモ トリプシンには [ ③ ]と 同 じア ミノ酸残 基は lo数 個存在す るが、195位 以外
はDIPFと は反応 しない。DIPFは ほ乳類 に対 しては強い神経毒であ り、この場合 も [ ⑥ ]
を活性 部位 に持 つ 酵 素 に対 して 阻害剤 と して働 く。 一 方 、
(Mtosyl― L― phenvlalttvl chloromethvl ketonc)が
[
④
]は 、 ③TPCK
特異的に結合す るこ とより同定 された。このよ
うに、反応性基を持つ基質類似体を酵素 の活性部位 に結合 させて近接 の官能基を共有結合
修飾す る方法は
す るには、
[
[
③
⑦
]と
]法 と呼ばれ る。 [
⑦ ]法 で修飾 されたア ミノ酸残基 を同定
呼ばれる方法を用 いて調べ る。
植物 にもタンパ ク質分解酵素が存在す る。 パパイ ンは、パパイヤに含まれるタンパ ク質
分解酵素で、システイ ンプ ロテアーゼ に分類 され る。パパ イ ンの活性中心では、 [ ⑨ ]
と
[
⑩
]の ア ミノ酸残基が主な触媒活性基になつてい る。④パパイ ンもTPCKに よつて
阻害 され る。ところで、濯塾2生 生生ヱ2塁 塞塗ぬ睦塑型壁螢墜塾亜量塑毀蔓塾畳生出白盆柔
らかくなるが、加熱処理 したパパイヤにはその効果はない。
セ リンプ ロテアーゼや システイ ンプ ロテアーゼの阻害剤 の一つに、ロイペプチンがある。
ロイペプチンの構造は、GttL璽ユ±h塾但聾製塑土型重山上 であるも ロイペプチンは、機
能性タンパ ク質の抽出や活性測定の実験において、タンパ ク質分解酵素の作用を抑 えるた
めによく用い られる阻害斉Jで ある。 ロイペプチンは、多 くのセ リンプ ロテアーゼや システ
イ ンプ ロテアーゼの阻害斉Jで あるが、α―キモ トリプシンは阻害 しない。
③
[
① ]∼
[ ⑩ ]に 該当する語句を答 えよ。なお、同 じ語句を使用 して も良い。
(b)X線 結晶構造解析によると、下線部 (1)の 不活性型 [ ①
]の 触媒部位にある三つの
アミノ酸残基について、活性型のキモ トリプシンとは とんど同 じ形で存在 してい る。
それではなぜ、 [ ① ]で は活性がきわめて弱いのか、理由を説明せよ。
(c)下 線部 (2)に ついて、その理由を簡潔に説明せよ。
③ DIPFが ほ乳類に対 して強い神経毒として作用するとき、神経系において不活性化 され
る酵素 の名称を答 えよ。
(e)下 線部 (3)に ついて、TPCKは どの よ うな反応 により結合するのか、説明せ よ。また、
α―キモ トリプシンにDIPFを 作用させた後にTPCKを 添カ
ロ
するとどうなるか、簡潔に説
明せ よ。
(o
下線 部 (4)に つ い て 、TPCKが 結合す るパパ イ ンの触媒 活性 基 は 、TPcKが 結合す るキモ
トリプ シンの触媒活性 基 とは異 な る。 TPCKが 結合す る官能基 の名 称 を答 え よ。
(g)下 線 部 (5)に つ い て 、そ の理 由を説 明せ よ。
o
ロイペ プチ ンにつぃて以下の問(1)、
(2)に 答 えよ。
(1)下 線部 (6)は 、 ロイペ プチンはN端 か らア ミノ酸が ロイシン、 ロイシン、 アル ギ
ニ ンの順番 につ なが り、N末 端はアセ チル基、C末 端はカルボ キシル基がアル デ
ヒ ド基になつてい る ことを示 している。 このペ プチ ド誘導体 の構造式を書 け。
ただ し、立体化学については書き示す必要はない。
(2)ロ イペ プチンの阻害様式を考慮 し、ロイペ プチンが α―キモ トリプシンを阻害 し
ないのはなぜか、理由を簡潔に説明せ よ。
2.赤 血 球 と酵母 に よるグル コース 代謝 に 関す る以下 の設 問(o∼ (d)に 答 え よ。
③ 赤 血 球 と酵母 とを酸 素 を含 ま な い 嫌 気 状 態 の 条件 下 で 、 それ ぞれ 適 当 な培 地 に グル コ
ー ス を加 え37℃ で 培 養 す る と、 これ を消 費 しATPを 作 る こ とが で き る。 この と き両細
胞 とも途 中ま で は全 く同 じ反応 で 代謝 が 進行 す るが 、最 終段 階 で 異 な る反応 を行 い 全
行 程 が 終 了す る。 問(1)∼ (5)に 答 え よ。
(1)両 細 胞 にお け る共通 な代謝 経 路 で 最 後 に生 成物 Aが で き る。 生 成 物 Aの 化 合物名 と構
造 式 (示 性 式 で も良 い )を 書 け。
(2)両 細胞 にお ける代謝 経 路 で 、 生 成 物 Aが 変化 す る反応 を、赤血 球 、酵 母 、 それ ぞれ の
細胞 に 関 して化学反応 式 で記 せ 。
(3)問 (2)の 反応 は赤血球 では代謝経 路 にお け る最終 反応 だが 、酵母 で は さ らに も う一 段 階
の 反応 が行 われ る。 この反応 を化 学反応 式 で記 せ 。
(4)問 (3)の 反応 は、嫌 気 条件 下で の酵母 がATP合 成 の た め グル コー ス 代謝反応 を続 け る上
で は必 須 の反応 で あ る。 この理 由 を述 べ よ。
(5)人 類 は長 い歴史 の 中 で 、酵母 にお け る問(2)と 問(3)の 答 えの反応 を利 用 して きた。 これ
らふ た つ の反応 を と もに使 って 、人類 の 生活 に役 立 ててい る例 を一つ 示せ 。
(b)酵 母 を酸 素 が 十 分 存 在 す る好 気 条 件 下 で 、 (ぅ と同 じよ うに培 養 した 。 問 (1)∼ (3)に 答
え よ。
、
(1)問 o― (1)の Aは 下記 の よ うに反応 後 、化合 物 Bと 気体 Cを 生 成す る。Bと Cの 化 合物名 を書
け
。
A + HS― COA + NAD+
―
→B + G + NADH + H+
(2)化 合物BはATP生 産 のために酸化反応回路に入 り代謝 を受ける。 この反応回路 の名称
とB中 の グル コース 由来の炭素か らできる最終化合物名 を答えよ。
(3)赤 血球にはオルガネ ラが存在 しないが、この細胞を好気条件 下で、設問(ぅ と同 じよ う
に培養すると、Aは ど うなるか答 えよ。
(c)グ ル コー ス の 1∼ 6位 の炭 素 をそれ ぞれ Cl∼ C6と し、 ― 力 所 の み の炭 素 を放射性 同位 体
14cで
標 識 した グル コー ス を大量 の 非標 識 グル コー ス に混ぜ 、設 問(b)同 様 の好気条 件 下
で 、酵 母 に よるグル コー ス 代謝 にお け る気 体発 生 の 時 間経過 を観 測 した。 代謝反 応 が
MCで
進 む に従 い 、
標 識 され た気 体 の発 生 が 見 られ た 。 解 糖 の一 部 が示 され てい る下記
の 図 を参考 に問(1)∼ (3)に 答 え よ。
(1)MCで 標識 され た気 体 の発 生が一 番 早 くみ られ たの はC3も し くはC4が 標識 され た グル
コー ス か らで あ ら た。 この理 由を簡 潔 に説 明せ よ。
(2)グ ル コー ス が 代 謝 され 、設 問 (b)の Bの か た ちで 問 (b)― (2)の 酸 化 反 応 回路 に入 る。
しか し、回路 が一 回転 した時点ではMC標 識 された気体 の発生はみ られ ない。 この理
由を答 えよ
(3)間 (b)… (2)の 酸化反応回路か ら子C標 識 された気体が一番早 く発生 したのは、C2も しく
はC5が 標識 されたグル コースか らであった。 この理 由を説明せ よ。
B02気
流下 で 酵母 に代 謝 させ 、ATPを 生産 させ た。 この とき、 グル コー ス
③ グル コー ス を
博
(C6H1206)と 02と の 反応 を化 学反 応 式 で 書 け。 なお 、酸 素分 子 が全 体 の 反応 中 で どの よ
うに 関与 す るかが わか る よ うに 、気 体酸 素
の化 合 物 も反応 に加 え、下 式 を完成 させ よ。
C6H1206す 61802
(掲
02)以 外 の “0は 0と し、必要 に応 じて他