平成27年度 東京都立総合芸術高等学校 学校経営計画 校長 市川 治郎 1 目指す学校 東京都教育委員会の教育目標に基づき、唯一の芸術専門学科を置く東京都立高等学校として、美術科・舞台表 現科・音楽科の特色ある教育活動を生かし、次のような学校を目指す。 日々の特色ある教育活動を通して、我が国の芸術文化の様々な分野を支えていく人材育成のための 高等学校における芸術教育の拠点となる学校 ◎ 育てたい生徒像 1 多様な芸術分野において、高度な表現力や創作力と優れた芸術的感性をもつ、国際的にも活躍できる生徒 2 芸術の領域に偏らず、幅広く豊かな教養をもち、人間性や社会性に富み、広い視野に立った芸術活動を通じ た貢献ができる生徒 3 我が国の伝統芸能を含めて、芸術文化全般への深い共感と理解、そして愛情をもちながら我が国の芸術活動 を広く支え、その向上に意欲をもつ生徒 ◎ 描く学校像 1 最高水準の芸術教育を実現するとともに、組織的な教育力を発揮することができる学校 2 何事に対しても謙虚かつ真剣に取り組み、心優しくおおらかで、温かみのある人間関係を大切にする学校 3 教職員と生徒が心をひとつにして、世界に向けて新しい価値を発信することができる誇り高い学校 2 中期的目標と方策 1 進路決定率の向上 ○ 進路指導部と各科、担任の連携により、進路指導計画に基づいた計画的、組織的な指導をさらに充実させ、 進路決定率を向上させる。 (1)外部模試による3年間の学力追跡調査のデータを進路指導に有効活用する。 (2)普通教科においては学力向上のための講習会、各科においては実技向上のための講習会を実施する。 (3)生徒の志望等を正確に把握するために担任との面談期間を設け、現実的な志望校を絞り込む。 (4)学科別に卒業生を招いた進路懇談会等を行い、生徒の志望進路検討の機会とする。 (5)志望先に適した教科指導や入試対策指導を行うことにより、進路決定率をより向上させる。 2 専門教科と普通教科の調和ある学力向上の推進 ○ 生徒の進路実現に双方の協同は不可欠であり、この姿勢をもって全ての教員は指導にあたる。 (1)入学時からすべての授業で生徒に進学に対する意識付けを行う。 (2)家庭学習の時間を確保する指導を行い、生徒に自学自習の姿勢を育む。 (3)定期考査前後に学力向上のための重点期間を確保する。 (4)夏季休業等長期休業に受験対策等の講習会を実施する。 (5)学力スタンダードを1、2年次生に実施する。 (6)専門各科と普通教科の情報交換会議を開催し、情報を共有すると共に対応策を協議する。 3 独自性ある取り組みの推進 (1)本校ならではの教育課程を実践するための尐人数、習熟度別等の展開授業をさらに充実させる。 (2)東京都の芸術財産である優れた人材及び施設を活用し、より効果的な教育活動を展開する。 (3)文化祭を本校最大の学校行事(芸術祭)と位置づけ、各科の特色や成果を外部に示す機会とする。 (4)特別支援教育の視点を踏まえた教育を展開する。 4 成果発表会等のさらなる充実 ○ 入学時から卒業までの各科の主要な成果発表会を軸に生徒の素養を最大限に伸ばす。 (1)発表会等の周知方法、運営、評価等に関する各科共通の方法を整備する。 (2)全校的な観点から予算及び人員措置を行う。 5 他の芸術分野への理解と他科生徒との協働 (1)生徒に広い視野に立った芸術観を育ませるために、他科の基礎科目を学ばせると共に総合制作演習に おいて他科の生徒との交流や協働による作品制作を学ばせる。 (2)他科の生徒の成果発表を鑑賞し合う機会を確保し、相互に認め合う態度を育成する。 6 生活指導統一基準を踏まえたマナーや規範意識の向上、いじめや体罰の根絶 (1)生徒指導部を軸に、教科指導及び特別活動を含め、様々な機会を捉えて生徒の規範意識を培う。 (2)自分で時間を律することを身に付けさせる。遅刻しない、授業に遅れない生活習慣を身に付けさせる。 (3)あらゆるコミュニケーションの根源になる挨拶をしっかり身に付けさせる。 (4)全校集会等において社会生活を営む上で育成すべき礼や身だしなみや規律を指導する。 (5)清掃指導を徹底し、快適な環境を自ら整備する姿勢を身に付けさせる。 (6)心身ともに自己管理ができるように健康指導とスクールカウンセラーの活用事業を行う。 (7)いじめを防止するとともに体罰を根絶させるため、校内研修を実施する。 (8)校内組織及び学校運営連絡協議会において、いじめ対策及び体罰の根絶に向けた取り組を行う。 7 社会への発信力の向上 (1)保護者及び地域社会や都民、広くは国民に本校の教育活動について発信し、本校への理解を広げる。 (2)学校案内やホームページの有効的な活用を促進する。 (3)学校P.R.を組織的に行う。 (4)各種校内行事を保護者や近隣住民に積極的に公開する。 8 入学志望者の拡大 (1)各科で中学生対象に体験入学を開催する。 (2)中学校の教員等を対象とする説明会を開催する。 9 学校運営の改善・改革 (1)管理運営規程に基づく校務運営を徹底する。 (2)教職員は課題意識と当事者意識を持ち、学校経営計画を熟知しながら業務の遂行にあたり、実施後の 検証を欠かさずに行い、事後の改善点を次回に活かす取り組みを行う。 (3)個人情報保護を徹底する。諸規定・対策に即した確実な処理を行う。 (4)経営参画型経営企画室の完成を目指す。 10 留学及び国際交流の促進 (1)単位制のメリットを活用した単位取得の事例をまとめ、在籍留学の意思を支援する制度を整備する。 (2)国際交流に関する規程を定め、本校にとって教育効果のある交流について推進する。 3 今年度の取り組目標と方策 1 教育活動の目標と方策 ○ 学習指導(授業で基礎学力を向上させ、自学で定着と発展の習慣化を図る) (1)普通教科の学力向上に関しては、授業を第一に教科書を中心に魅力ある教材で補完しつつ、学習指導 要領に示された内容を学ばせる。自宅学習を中心に、復習や応用力の課題等で基礎学力を定着させる。 (2)専門教科の学習に関しては、限られた時間の中で効果的に実力を向上させる。時間を意識させ、守ら せることにより、練習や制作の自己管理ができるように指導する。 (3)年間を見通した学習指導計画の中で、特に4回の定期考査の前には重点的に普通教科の学習に取り組 める環境をつくり、定期考査後にも事後のケアーを個々の生徒に行う。 (4)言語や文章による表現力を、講評会やレポート、感想文等の指導で育成する。また、専門科目を通し て楽曲や演奏、作品、演技について根拠をもって批評する態度や姿勢を学ばせる。 (5)夏季休業に2、3年次生を中心に受験対策の講習会を実施する。 (6)1、2年次生に対して国語、数学、英語、地歴公民、理科の学力スタンダードを実施する。 (7)教科会及び学科主任会において、学力向上についての継続的な検討を行う。 ○ 進路指導(進路決定率のさらなる向上を目指す) (1)3年間の進路指導結果を踏まえ、第4期生の進路目標を早期に決定させる。そのために、進路のしお りや外部模試によるデータ等を活用するとともに、7月に担任との面談期間を設ける。 (2)5月に3年次保護者を対象に進学保護者会を科ごとに実施する。 (3)5月に母体校も含めた卒業生を招き学科別の進路懇談会を開催し、先輩からの情報を志望検討の材料 とする機会を設ける。 (4)普通教科の各科目の授業の内容は、センター試験等目標となる4年制大学等の入学試験に充分に対応 させる。 (5)専門学科は、近年の入試の動向を分析し、各大学に適応した受験対策を講じて指導する。 (6)大学入試センターへの対応のためにプレテスト等の外部模擬試験を実施する。 (7)進路指導部と各学科及び担任が連携し、生徒一人ひとりの志望実現のための取り組みを実践する。 ○ 生徒指導(自己管理ができる生徒の育成を目指す) (1)教科指導及び特別活動を含め、様々な機会を捉えて生徒の規範意識を培う。 (2)自分で時間を律することを身に付けさせる。遅刻しない、授業に遅れない生活習慣を身に付けさせる。 ノーチャイム制の趣旨をふまえた時間管理を継続し、生活指導統一基準を導入した指導を検討する。 (3)あらゆるコミュニケーションの根源になる挨拶をしっかり身に付けさせる。 (4)ホームルーム及び全校集会において、礼や身だしなみ、時刻を守る等の規律を指導する。 (5)情報モラルや薬物等危機管理に関する指導の機会を年間3回設ける。 (6)地域との連携において、防災避難訓練を実施する。1年次生対して5月に宿泊防災訓練を実施する。 (7)心身ともに健康な生活をおくるためにスクールカウンセラー事業を年間35回実施する。 (8)芸術の諸活動に求められる健康な身体づくりを推進する。体力向上に組織的・計画的に取り組むとと もに生活実態調査を踏まえ、望ましい健康管理ができるように指導する。 (9)学校保健委員会を開催し、生徒の健康指導に活かす。 ○ 独自の教育活動(さらなる追求を目指す) (1)本校の教育活動には専任教員のほか、多くの非常勤講師や市民講師が授業を担当する。各科の専門授 業はもとより、普通教科の授業や学級活動、特別活動にも本校の独自性ある取り組みを行い、 『幅広く 豊かな教養を持ち、人間性や社会性に富み、広い視野に立った芸術活動』を全ての授業担当者が指導の 念頭に置き、教育活動を展開する。 (2)報償費等の予算執行は執行計画に基づき、経営企画室との連携により速やかに執行する。 (3)生徒の制作や練習の場としてアトリエやレッスン室、スタジオ等を提供するために、午前7時30分 から8時25分まで開放するとともに、土曜学習日を年間17回程度設ける。 (4)各科の行事を、開催目的の達成のために全校あげて組織的に取り組む。 (5)芸術系諸大学や関連法人と幅広く連携を行い、生徒の教育活動に活用する。 (6)奉仕体験活動においては、本校を地域、都民等へ公開する機会をとらえ、社会生活をおくる上で必要 な、人としての絆を理解させる場面を生徒に体験させる。 ○ 特別活動及び部活動等(社会性の基盤を身に付けさせる) (1)ホームルーム活動を重視し、諸活動の中で規範や組織づくり、計画性、責任感などを身に付けさせる。 (2)各行事を通じて生徒の参画意識を高め、主体的に取り組ませた結果、成就感・達成感を感じ取らせる。 (3)生徒の代表としての生徒会及び卒業生の代表としての同窓会に対応し、諸行事を支援する。 (4)部活動や同好会活動を通じて目標をもった好ましい人間関係や計画性、技術等の向上を経験させる (5)大会やコンクール等に参加させ、部活動等の成果を社会的に問いかける姿勢を身に付けさせる。 ○ 学校経営・組織体制(服務事故を起こさない組織を目指す) (1)教職員に対し個人情報保護の徹底・強化を図るために諸規定を遵守させ、校内研修及び日々の業務の 中で徹底した取り組みを行う事により服務事故を起こさない体制をつくる。 (2)学籍管理システム「賢者」の運用及びFogosによる個人成績等の管理と運用を活用し、個人情報 の適正な管理を徹底する。 (3)人材育成に関しては、校内研修を組織的に年3回以上実施し次代を担う人材の育成を図る。 (4)常の業務の中で OJT と OffJT をバランス良く実施することで若手教員研修等を円滑に実施する。 (5)学校運営連絡協議会を年3回開催し、評価委員会による学校評価会を主体として学校評価を実施する。 評価アンケートの回収率を高め、この結果を次年度の学校経営に生かす。 (6)企画調整会議を毎週開催し、円滑な校務運営を定着させる。また、分掌や学科、各種委員会、年次等 で充分に検討された案件を企画調整会議に提出し、決定事案として速やかに起案する事を徹底する。 (7)自律経営予算の執行管理を徹底し、執行計画に基づく年間を見通した予算執行により、センター契約 率の向上を図る。 ○ 学校P.R. (本校ならではの教育活動の魅力をより広く発信する) (1)夏季休業中の体験入学を、各科ごとに計画・実施する。 (2)10月以降の週休日を活用し、学校説明会を各科2回ずつ計6回実施する。 (3)施設見学会を夏季休業中に2回実施し、本校の施設の魅力を都民に周知する。 (4)11月に都立学校等合同説明会新宿会場に参加する。 (5)中学校から依頼のある上級学校訪問を含め、学校訪問には組織的に対応する。 2 重点目標と方策 ○ 家庭学習の強化 (1)普通教科の学力向上のためには、先ず授業を第一とする。生徒も教員も1時間の授業を大切にし、教 科書を中心に魅力ある教材で補完しながら、限られた授業時間に集中させる。次に家庭における学習時 間を課し、復習や課題で基礎学力を定着させる。 (2)年間を見通した学習指導計画の中で、特に4回の定期考査の前には重点的に普通教科の学習に取り組 める環境をつくり、定期考査後にも事後のケアーを個々の生徒に行う。 (3)夏季休業期間中に2、3年次生を中心に受験対策の講習会を実施する。また、基礎的内容の習得が不 充分な生徒を対象にした補習も実施する。 (4)2月に1、2年次に対して学力調査を実施し、各教科が目標とする到達点に及ばない生徒に対して個 別等の補習を行いケアーする。 (5)教科会及び学科主任会において、学力向上についての継続的な検討を行う。 ○ 進路決定率のさらなる向上 (1)3年間の進路指導結果を踏まえ、第4期生の進路目標を早期に決定させる。そのために、進路のしお りや進路だより、外部模試によるデータ等を活用するとともに、7月に担任との面談期間を設ける。 (2)5月に3年次保護者を対象に進学保護者会を科ごとに実施する。 (3)5月に母体校も含めた卒業生を招き学科別の進路懇談会を開催し、先輩からの情報を志望検討の材料 とする機会を設ける。 (4)普通教科の各科目の授業の内容は、センター試験等目標となる4年制大学等の入学試験に充分に対応 させる。 (5)専門学科は、近年の入試の動向を分析し、各大学に適応した受験対策を講じて指導する。 (6)大学入試センターへの対応のためにプレテスト等の外部模擬試験を実施する。 (7)進路指導部と各学科及び年次が連携し、生徒一人ひとりの志望実現のための取り組みを実践する。 ○ 地域・都民への周知 (1)ホームページをこまめに更新し、各科の成果発表の機会を広く発信する。 (2)新宿フィールドミュージアムに参加し、区民をはじめ広く都民に各イベントの広報を行う。 (3)近隣の小・中学校との交流を促進するとともに、広く地域からの理解と協力を得る。 数値目標 ※( )内は昨年度の実績 1 夏季休業中の講習会及び補習等への参加者の延べ人数を300人以上にする。 (3年次285人) 2 第4期生の進路決定率を75パーセント以上にする。 (70.7%) 3 本校独自開催の学校説明会の参加者の総人数を650組以上にする。 (592組) 4 文化祭来場者数を4,500人以上にする。 (4,376人) 5 本校の教育内容を中学生により広く理解していただくために、体験入学を実施する。 美術科申込者延べ人数250人以上を目指す。 (203人) 舞台表現科申込者延べ人数170人以上を目指す。 (136人) 音楽科申込者延べ人数150人以上を目指す。 (122人) 6 入学者選抜に関しては、昨年度の入学者選抜の実績を踏まえ 推薦に基づく入学者選抜の各学科の平均応募倍率を4.6倍にする。 (4.46倍) 学力検査に基づく入学者選抜の各学科の平均応募倍率を2.0倍にする。 (1.93倍) 7 学校運営連絡協議会評価委員会アンケートによる生徒の学校生活充実度の肯定的意見の平均を、95%以上 とする。 (92%)
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