地域再生計画(港整備交付金) 事後評価

平成27年3月 鹿児島県・長島町
地域再生計画(港整備交付金) 事後評価
地域再生計画の名称
恵み豊かな海づくり「あづまの鰤王」ブランド推進計画
地域再生計画の区域
鹿児島県出水郡長島町の区域の一部(本浦港,脇崎港 及び 三船漁港)
地域再生計画の作成主体の名称
鹿児島県,長島町
計画期間
平成17年度∼平成21年度
交付金交付期間
平成17年度∼平成21年度
地域再生計画の取り組みの背景
長島町は,鹿児島県本土の北西部に位置し,本計画の対象区域は潮位差の大きい八代海に面していることから,潮流の変化に富んだ好漁場に恵まれているため,入り江など地理的特性を生かした沿岸漁業
や海面養殖漁業が盛んである。特にタイ,ブリの養殖漁業は急激に発展し,「あづまの鰤王」としてブランド名が確立し,地域にとって重要な産業となっている。このような中,本浦港,脇崎港,三船漁港
の利用頻度が高まり,漁船数が増加するとともに,船型が大型化しており,施設の利用に支障が生じており,このままでは地場産業の発展を阻害することも懸念されている。
地域再生計画の目標
本浦港は外郭施設の整備が遅れていることから,港内で安全な避難係留が困難となっている。漁船が水を積み込む脇崎港(赤崎地区)では航路水深も浅い上,係留施設が不足している。また脇崎港(脇崎
地区)では船舶の大型化により安全な係留が困難となっている。さらに三船漁港でも漁船数の増加や大型化に係留施設が対応できなくなっている。
これらに対応する係留施設や泊地,防波堤の整備を一体的に行うことで,本計画地域の船舶,漁船の安全な接岸,停泊を可能にし,沿岸の水産業の振興及び長島町北部地域の活性化が図られるものであ
る。
地域再生基盤強化交付金事業の概要
〔施設の種類(事業区域)事業主体〕本浦港 脇崎港 三船漁港 長島町
〔事業期間〕港湾施設 平成17年度∼平成21年度 , 漁港施設 平成17年度∼平成21年度
〔整備量〕 港湾施設 物揚場,防波堤,護岸(防波),船揚場,泊地,臨港道路 , 漁港施設 物揚場,船揚場,浮桟橋,輸送施設,用地
〔事業費〕総事業費 1,258,000千円(うち交付金 539,400千円)
(内訳)港湾 896,000千円(うち交付金 358,400千円)
漁港 362,000千円(うち交付金 181,000千円)
その他の事業
漁業集落環境整備事業
平成14年度から,漁業集落の生活環境基盤の改善を目的として,漁業集落道路及び漁業集落排水施設の整備に取り組んでいる。
地域再生計画に記載した目標
指標
単位
目標1 ブリ養殖漁場の給餌や品質管理の改善
出荷時ブリ
kg
目標2 本浦港での安全な係留
係船岸充足率
%
目標3 脇崎港での安全な係留
係船岸充足率
%
目標4 水産業の振興
養殖魚の水揚げ売上高
目標5 三船漁港での安全な係留
係船岸充足率
%
目標6 三船漁港での効率的な漁業活動
用地充足率
%
億円
基準値
目標値
実績値
(平成17年度)
5
(平成17年度)
34
(平成17年度)
43
(平成17年度)
80
(平成17年度)
44
(平成17年度)
35
(平成21年度)
6
(平成21年度)
51
(平成21年度)
68
(平成21年度)
90
(平成21年度)
64
(平成21年度)
88
(平成22年度)
5.2
(平成22年度)
51
(平成22年度)
68
(平成22年度)
46
(平成22年度)
64
(平成22年度)
88
目標達成度
給餌や品質管理の改善により目標に近づくことができた。
本浦港における物揚場,防波堤等の整備により,目標を達成すること
ができた。
脇崎港における物揚場,防波堤等の整備により,目標を達成すること
ができた。
港湾,漁港における防波堤,物揚場,護岸等の整備したが,平成22
年度時点では,養殖魚の水揚げ売上高は他要因もあり,減少した。
三船漁港における物揚場,浮桟橋等の整備により,目標を達成する
ことができた。
三船漁港における用地の整備により,目標を達成することができた。
各施設の整備状況写真
本浦港 整備状況写真
(交付金対象施設)
(できるだけ漁船が係留されている状況
の写真が良い)
本浦港
本浦港
脇崎港 整備状況写真
(交付金対象施設)
(できるだけ漁船が係留されている状況
の写真が良い)
脇崎港
三船漁港 整備状況写真
(交付金対象施設)
(できるだけ漁船が係留されている状況
の写真が良い)
三船漁港
総合評価
地域再生計画の各目標値については,港整備交付金を活用し,各港に物揚場,防波堤,護岸(防波),浮桟橋,船揚場,臨港道路等の整備を行い,港内の静穏度向上を図り,船舶の安全な係留を図ること
で達成することができた。これらにより「あづまの鰤王」等の水産物の生産効率が向上し,消費者ニーズに沿った鮮度が高い商品の安定的な供給も可能となり,地域漁民の漁業振興と生活基盤の安定も図ら
れたところである。
今後は,整備された港湾や漁港を活かした更なる水産業の振興に努め,恵み豊かな海づくりと地域活性化を図る必要がある。