On-lineHDFにおける 透析プログラムの検討 援腎会すずきクリニック ○鈴木 翔太、入谷 麻祐子、本田 周子、鈴木 一裕 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【目的】 • On-lineHDF治療は透析液の一部を補液として置換 することで低分子量蛋白除去効率を向上させる。 • ニプロ社製透析装置NCV-2には、透析中に血流量 (以下QB)や補液量(以下QS)を容易に変更出来る 「透析プログラム」を装備している。 • 透析プログラムを用いて治療中にQBやQSを変更す ることで、除去動態にどのような影響を与えるか検討 したので報告する。 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【方法①】 n=6 評価項目 ・UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MG、Alb (血液および廃液中) ・アミノ酸の総除去量 n=6 治療条件 On-lineHDF(前希釈)、5時間、 QS200mL/min、MFX-21Seco使用 n=6 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【方法②】 評価項目 条件1(QS小から) n=6 ・UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MG、Alb (血液および廃液中) ・アミノ酸の総除去量 条件2(QS大から) n=6 治療条件 On-lineHDF(前希釈)、5時間、 QB250mL/min、MFX-21Seco使用 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【対象】 慢性維持透析患者6名 年齢 58.0±8.4 歳 透析歴 108.1±105.3 ヶ月 DW 67.1±10.5 kg 透析時間 5 時間 QB 383.3±40.8 mL/min Kt/V 1.93±0.25 GNRI 96.0±3.1 平成26年5月現在 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【結果】除去率 100% ※ ※ 80% ※※※ ※ P<0.05 ※※ P<0.01 ※※※ P<0.005 ※※※ 60% QB一定 40% QB上昇 QB減少 20% 0% UN Cre iP β2-MG α1-MG 100% 80% 60% QS上昇 40% QS減少 20% 0% 1 UN 2 Cre 3 iP 4 β2MG 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 5 α1MG 【結果】除去量 [mg] [mg] 25000 300 20000 250 200 15000 QB一定 150 10000 100 5000 50 0 0 [mg] QB上昇 UN Cre iP [mg] 25000 300 20000 250 QB減少 β2-MG α1-MG 200 15000 QS上昇 150 10000 QS減少 100 5000 50 0 0 UN Cre iP β2-MG 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 α1-MG 【結果】Alb漏出量とα1-MG除去率/Alb漏出量 [mg] 2.5 1500 ×10-4 ※ P<0.05 ※※ P<0.01 ※※※ P<0.005 2.0 QB一定 1.5 1000 QB上昇 1367 1400 1472 500 1.0 QB減少 0.5 0.0 0 Alb α1-MG除去率/Alb漏出量 ※※※ ×10-4 2.5 [mg] 1500 2.0 1000 1502 1424 500 1.5 QS上昇 1.0 QS減少 0.5 0.0 0 Alb α1-MG除去率/Alb漏出量 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【結果】アミノ酸漏出量 [mg] ※ P<0.05 ※※ P<0.01 ※※※ P<0.005 15000 10000 QB一定 ※ QB上昇 5000 QB減少 0 TAA EAA NEAA BCAA [mg] 15000 10000 QS上昇 QS減少 5000 0 TAA EAA NEAA 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 BCAA 【結果】除去量の経時変化(QB変化) [mg] [mg] UN 7000 [mg] Cre 1000 350 900 6000 iP 300 800 5000 250 700 600 4000 QB一定 200 500 3000 2000 400 150 300 100 QB上昇 QB減少 200 1000 100 0 0 1hr 2hr 3hr 4hr 0 1hr 5hr β2MG [mg] 50 2hr 40 80 35 70 30 4hr 5hr α1MG [mg] 90 3hr 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr Alb [mg] 900 800 700 600 60 25 50 20 40 30 20 10 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr QB一定 400 QB上昇 15 300 10 200 5 100 QB減少 0 0 0 500 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 1hr 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 2hr 3hr 4hr 5hr 【結果】除去量の経時変化(QS変化) UN [mg] 6000 α1-MG 800 [mg] [mg] 300 700 40 5000 iP Cre [mg] ※ P<0.05 ※※ P<0.01 ※※※ P<0.005 250 600 4000 35 200 500 3000 400 30 2000 QS上昇 150 QS減少 300 100 200 25 1000 0 1 2 20 3 0 4 1 [mg] 90 2 3 4 5 α1-MG 10 5 1 15 20 10 10 5 0 1 2 3 4 5 Alb QS上昇 ※※※ 500 20 0 5 600 25 30 4 700 50 40 3 800 30 60 2 900 35 70 QS減少 1 [mg] 40 80 QS上昇 0 5 β2-MG 15 [mg] 50 100 QS減少 400 2 3 300 4 5 200 100 0 0 1 2 3 4 5 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 1 2 3 4 5 【考察①】血流変化 • QBを変化させても、小分子量から低分子量蛋白まで の除去量に有意な差を認めなかった。 • 経時的な変化を見ると、QB上昇群で開始直後の除 去量は少ないが、後半は維持されていた。 • よって、除去量を増やすためには、透析後半も高い QBを保持することが重要であると考える。 • また、アミノ酸漏出量も、QB上昇群が最も少なかっ た。 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【考察②】補液変化 • QS減少群は多くの低分子量蛋白を除去することが できた。 • これは透析膜のファウリングが少ない前半に大量濾 過をかけることで、多くの大分子が除去されたためと 考える。しかし、それに伴いアルブミン漏出量も増大 した。 • 一方、QS上昇群はQS減少群に比べ前半の漏出量 は少ないが、 5時間後も除去量が維持できていた。 • また、時間の経過とともにα1MGとアルブミンの分離 が良好となることから、長時間に適していることが示 唆された。 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 【結語】 • QB変更プログラムでは、低分子量蛋白の除去を維 持してアミノ酸の漏出を防げる「QB上昇プログラム」 が優れている。 • QS変更プログラムでは、限られた時間で治療を行う 場合は「QS減少プログラム」を用いた方が効率よく 除去できるが、長時間透析の場合は、分離に優れて いる「QS上昇プログラム」が有効である。 • On-lineHDFにおける透析プログラムの運用は、除 去特性を生かした処方透析が可能となる。 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 第42回日本血液浄化技術学会学術大会 演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業などとして ①顧問 なし ②株保有・利益 なし ③特許使用料 なし ④講演料 なし ⑤原稿料 なし ⑥受託研究・共同研究費 ニプロ株式会社 ⑦奨学寄付金 なし ⑧寄附講座所属 なし ⑨贈答品などの報酬 なし 2015年4月25日-26日 第42回日本血液浄化技術学会学術大会
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