On-lineHDFにおける 透析プログラムの条件検討 ~透析中に補液流量を変化~ 援腎会すずきクリニック ○鈴木 翔太、入谷 麻祐子、鈴木 一裕 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【目的】 • On-lineHDF治療は透析液の一部を補液として置換 することで低分子量蛋白除去効率を向上させる。 • ニプロ社製透析装置NCV-2には、透析中に血流量 や補液量(以下QS)を容易に変更出来る「透析プロ グラム」を装備している。 • NCV-2を用いた透析プログラムを用いてQS条件を 変更する事が、低分子蛋白から小分子量物質までの 除去効率に与える影響を検討したので報告する。 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【透析プログラムとは】 透析プログラム(NCV-2に搭載) 透析液流量 QD QB QF 血液流量 UF 除水速度 オンライン 補液流量 段階的な設定が容易! ニプロ社製透析用監視装置 「NCV-2」 患者さん一人一人の状態に合わせた 透析条件の設定が可能 【方法】 総補液量:60L n=6 評価項目 ・UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MG、Alb (血液および廃液中) ・アミノ酸の総除去量 総補液量:45.6L n=6 治療条件 On-lineHDF(前希釈)、5時間、 QB250mL/min、MFX-21Seco使用 総補液量:45.6L n=6 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【対象】 慢性維持透析患者6名 年齢 58.0±8.4 歳 透析歴 108.1±105.3 ヶ月 DW 67.1±10.5 kg 透析時間 5 時間 QB 383.3±40.8 mL/min Kt/V 1.93±0.25 GNRI 96.0±3.1 平成26年5月現在 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【結果】除去率 n=6 100% ※ ※ P<0.05 80% 60% QS一定 QS上昇 QS減少 40% 20% 0% UN Cre iP β2-MG 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 α1-MG 【結果】クリアスペース [L] 40 ※ P<0.05 ※※ P<0.01 ※※※ P<0.005 ※※※ 30 QS一定 QS上昇 QS減少 20 ※ 10 0 UN Cre iP β2-MG 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 α1-MG 【結果】小分子量物質除去量 [mg] n=6 25000 20000 15000 QS一定 QS上昇 QS減少 10000 5000 0 UN Cre 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 iP 【結果】低分子量蛋白除去量 [mg] n=6 300 250 200 QS一定 QS上昇 QS減少 150 100 50 0 β2-MG α1-MG 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【結果】Alb漏出量 [mg] n=6 ※ 1800 ※ P<0.05 1600 1400 1200 1000 800 600 1367 1424 1502 400 200 0 Alb 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 QS一定 QS上昇 QS減少 【結果】アミノ酸漏出量 [mg] n=6 16000 14000 12000 10000 QS一定 QS上昇 QS減少 8000 6000 4000 2000 0 TAA EAA NEAA 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 BCAA 【結果】除去量の経時変化 UN [mg] Cre [mg] 6000 ※ P<0.05 ※※ P<0.01 ※※※ P<0.005 800 300 700 5000 iP [mg] 250 600 4000 200 500 3000 QS一定 400 150 300 2000 QS上昇 100 QS減少 200 1000 50 100 0 0 1hr 2hr 3hr 4hr β2-MG [mg] 0 5hr 1hr [mg] 2hr 3hr 4hr 5hr 1hr 3hr 4hr 5hr Alb [mg] α1-MG 90 2hr 900 80 40 800 70 35 700 60 30 600 QS一定 50 25 500 QS上昇 400 QS減少 40 20 30 p=0.14 15 20 10 10 0 5 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 300 200 100 ※※※ 0 0 1hr 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 2hr 3hr 4hr 5hr 【結果】 α1-MGクリアスペース/アルブミン漏出量 ×10-4 6.0 5.5 QS一定 QS上昇 QS減少 5.0 4.5 4.0 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【考察】 • QS減少プログラムは3パターンの中で、一番多く低分子 量蛋白を除去することができた。 • これは透析膜のファウリングが少ない前半に大量濾過を かけることで、多くの大分子が除去されたためと考える。 しかし、それに伴いアルブミン漏出量も増大した。 • QS上昇プログラムはQS減少プログラムに比べ前半の漏 出量は少ないが、 5時間後も除去量が維持できていた。 • また、時間の経過とともにα1MGとアルブミンの分離が良 好となることから長時間に適していることが示唆された。 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 【結語】 • 限られた透析時間でオンラインHDFを行う場合は、 QS減少プログラムを用いた方が除去効率に優れて いる。 • 時間をかけてオンラインHDFを行う場合は、分離に 優れているQS上昇プログラムの方が効果的である と思われた。 2014年11月1日-2日 第20回 日本HDF研究会 学術集会・総会 演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業などとして ①顧問 なし ②株保有・利益 なし ③特許使用料 なし ④講演料 なし ⑤原稿料 なし ⑥受託研究・共同研究費 ニプロ株式会社 ⑦奨学寄付金 なし ⑧寄附講座所属 なし ⑨贈答品などの報酬 なし
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