新規ヘモダイアフィルタ FIX-Secoの高血流条件下で の除去特性 援腎会すずきクリニック ○入谷麻祐子、鈴木翔太、本田周子、鈴木一裕 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【目的】 • 前希釈オンラインHDFは、置換液分の透析液流量が 低下するため小分子量物質の除去効率が減少する。 この除去効率低下は高血流とすることで補うことが 出来る。 • 当院では、これまでMFX-Secoを用いて高血流オン ラインHDFの除去動態について報告してきた。今回 PVP・BPAフリー、トリアセテート膜採用のFIX-Seco がニプロ社より新規発売された。その除去動態につ いてMFX-Secoと比較検討したので報告する。 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【方法】 • 使用ヘモダイアフィルター FIX-210Seco, FIX-250Seco, MFX-21Seco, MFX-25Seco • 条件 QB=400mL/min、QS=200mL/min、tQD=600mL/min • 評価項目 除去率 UN, Cre, iP, β2-MG, α1-MG UN, Cre, iP, β2-MG, α1-MG, Alb, アミノ酸 除去量の変化率 UN, Cre, iP, β2-MG, α1-MG, Alb 除去量 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【対象】 慢性維持透析患者6名 年齢 56.7 ± 9.3 歳 透析歴 70.2 ± 59.0 ヶ月 DW 72.0 ± 8.4 kg 透析時間 5 時間 QB 366.7 ± 51.6 mL/min Kt/V 2.02 ± 0.20 GNRI 96.0 ± 4.7 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【除去率 (300min)】 ※ N=6 ※p<0.0125 ※ 90% 80% 70% 60% ※ 50% 40% 30% 20% 10% 0% UN Cre iP β2-MG 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 α1-MG FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 【小分子量物質除去量 (300min)】 (mg) N=6 25000 20000 15000 FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 10000 5000 0 UN Cre 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 iP 【低分子量蛋白除去量 (300min)】 (mg) N=6 ※p<0.0125 350 300 250 ※ FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 200 150 100 50 0 β2-MG α1-MG 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【アルブミン漏出量 (300min)】 ※ (mg) ※ 5000 4500 ※ 4000 4000 3500 3000 N=6 ※p<0.0125 3443 3302 2500 2642 2000 1500 1000 500 0 Alb 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 【クリアスペース (300min)】 (L) 40.0 N=6 ※p<0.0125 ※ 35.0 ※ 30.0 25.0 FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 20.0 ※ 15.0 10.0 ※ 5.0 0.0 UN Cre iP β2-MG 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 α1-MG 【アミノ酸漏出量(300min)】 (mg) 20000 15000 FIX-210S FIX-250S 10000 MFX-21S MFX-25S 5000 0 TAA EAA NEAA 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 BCAA 【除去量の経時変化 ①】 UN (mg) 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 Cre (mg) 1000 800 FIX-210S 600 FIX-250S 400 MFX-21S 200 MFX-25S 0 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr iP (mg) 500 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr β2MG (mg) 100 400 80 300 60 200 40 MFX-21S 100 20 MFX-25S 0 0 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr FIX-210S FIX-250S 1hr 2hr 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 3hr 4hr 5hr 【除去量の経時変化 ②】 (mg) 70 α1MG Alb (mg) 2000 1800 60 1600 50 1400 40 1200 FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 1000 30 800 20 600 400 10 200 0 0 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【除去量の変化率】 (%) 100 α1MG Alb (%) 100 90 90 80 80 70 70 60 60 50 50 40 40 30 30 20 20 10 10 0 0 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr FIX-210S FIX-250S MFX-21S MFX-25S 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【考察】 • FIX-Secoが大分子領域の除去に優れていたのは、 膜材質に非対称構造のトリアセテートを採用している 為にファウリングが少なく、除去効率が維持されたた めと考えられる。 • 5時間、血流400mL/minの高透析量条件でも、MFXSecoより大分子領域の除去効率が優れ、Alb漏出量 は4g以内であり、安全に使用できると考えられる。 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 【結語】 • FIX-Secoは、低分子量蛋白を積極的に除去したい 患者へ、安全に適応できる可能性が示唆された。 • 除去動態、生体適合性などの観点からも、FIX-Seco シリーズが発売されたことで選択の幅が広がったと 言える。 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 CO I 開示 筆頭発表者名: 入谷 麻祐子 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある企業などとして、 ①顧問: ②株保有・利益: ③特許使用料: ④講演料: ⑤原稿料: ⑥受託研究・共同研究費: ⑦奨学寄付金: ⑧寄附講座所属: ⑨贈答品などの報酬: なし なし なし なし なし ニプロ株式会社 なし なし なし 第30回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会
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