血液流量増加と治療時間延長の比較 ~MFX-21Secoを使用した前希釈オンラインHDFでの検討~ 援腎会すずきクリニック ○鈴木翔太、伊東 健、澤本奈々重、入谷麻祐子、二階堂三樹夫、 鈴木一裕 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【目的】 • 透析治療において血液流量(以下QB)を増やすこと は、溶質クリアランス上昇につながり溶質除去効率 が増加する。 • 前希釈オンラインHDFでは溶質濃度が低下し、拡散 を用いた溶質クリアランスは低下するため、QBを増 加させる意義があると考えている。 • 前希釈オンラインHDFにおけるQB増加と、透析時間 延長の関係について溶質除去動態を検討した。 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【方法】前希釈on-lineHDF 血流[mL/min] 時間[h] 条件① 250 5 条件② 250 6 条件③ 400 5 ※ニプロ社製マキシフラックスMFX-21Seco 評価項目:UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MGの除去率 UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MGの除去量 Albの漏出量を1時間毎に測定 ※全ての条件においてtotalQD=600mL/min、QS=200mL/min 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【対象】 対象患者:6名(男性:5名、女性1名) 年齢 59.7±7.2歳 透析歴 66.8±63.8ヶ月 DW 69.0±6.1kg 透析時間 5.0 h 血液流量 400 mL/min Kt/V 2.1±0.2 2013年6月現在 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【結果】除去率 100% 90% ** *** 80% *** * *** * *** * :P<0.05 ** :P<0.01 *** :P<0.001 70% 60% * 50% 40% ** 30% 20% 10% 0% 尿素 クレアチニン 無機リン β 2-MG 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 α 1-MG QB250 5hr ① QB250 6hr ② QB400 5hr ③ 【結果】除去量 [mg] 20000 *** 15000 10000 *** 5000 *** 0 尿素 クレアチニン [mg] 350 300 無機リン * *** * :P<0.05 ** :P<0.01 *** :P<0.001 ** 250 * 200 *** 150 QB250 5hr ① QB250 6hr ② QB400 5hr ③ 100 50 0 β 2-MG α 1-MG 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 QB250 5hr ① QB250 6hr ② QB400 5hr ③ 【結果】クリアスペース [L] 40 *** *** *** 30 QB250 5hr ① QB250 6hr ② QB400 5hr ③ 20 10 0 [L] 15 尿素 クレアチニン 無機リン * :P<0.05 ** :P<0.01 *** :P<0.001 *** QB250 5hr ① QB250 6hr ② QB400 5hr ③ 10 5 ** 0 β 2-MG α 1-MG 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【結果】Alb漏出量 ** [mg] * :P<0.05 ** :P<0.01 *** :P<0.001 * 3000 * 2500 QB250 5hr ① 2000 QB250 6hr ② QB400 5hr ③ 1500 1000 1.5g 1.6g 2.2g 500 0 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【結果】Alb 1g当たりのα1MG除去量 [mg/g] * 90 * :P<0.05 ** :P<0.01 *** :P<0.001 80 70 QB250 5hr ① 60 QB250 6hr ② 50 QB400 5hr ③ 40 30 60.0 62.3 59.8 20 10 0 α 1MG(mg)/Alb(g) 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【考察】 • 同一治療時間では、血液流量を増大させることで小 分子量物質から低分子量蛋白の除去効率を増加さ せることができた。 • 治療時間の延長と血液流量の増大を比較した場合、 血液流量増大することによって治療時間延長よりも 低分子量蛋白の除去効率上昇が可能となる。 • これは血液流量増加によってヘモダイアフィルタの ファウリングがあまり起きていない治療前半で効率を 稼ぐことが可能であったと考えられる。 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 【結語】 • 前希釈オンラインHDF治療において血液流量を増大 することで、治療時間延長とは異なった除去動態効 果が得られ、また低分子量蛋白の除去効率が上昇し た。 • 治療時間延長と血液流量増大を組み合わせることに より、小分子量物質と低分子量蛋白の除去効率バラ ンスをコントロールできる可能性が示唆された。 第19回日本HDF研究会学術集会・総会 演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業などとして ①顧問 なし ②株保有・利益 なし ③特許使用料 なし ④講演料 なし ⑤原稿料 なし ⑥受託研究・共同研究費 ニプロ株式会社 ⑦奨学寄付金 なし ⑧寄附講座所属 なし ⑨贈答品などの報酬 なし 第19回日本HDF研究会学術集会・総会
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