平成 28 年度版『現代の国語』 Ⅰ.教育基本法・学校教育法への対応 検討の観点 ◉◉教育基本法・学校教育 法の理念を踏まえて編 集上の配慮がされてい るか。 内容の特色 ● 教育基本法の第 2 条「教育の目標」 ,第 3 条「生涯学習の理念」 ,および, 検討の観点 Ⅱ.学習指導要領への対応 検討の観点と内容の特色 平成 28 教 内容解説資料 ❹豊かな心の育成 感動する心,公正さを重んじる精神など,豊かな情操と道徳心を培 「話すこと・聞くこと」 「書くこと」の学習活動において,公共の精神・ 自他の尊重・環境の保全などについて身近な問題として考えられる 題材を取り上げ,豊かな人間性と社会性を育むことができるように している。 ❺ 現代的な課題へ対応 く取り組む姿勢を養い,積極的に問題解決にあたるために,対話や 第 1 号 真理を求める態度,豊かな情操と道徳心を養う。 (例 1 年「少年の日 合意形成などの具体的方法や考え方,そのために欠かせない論理的 の思い出」 ,2 年「人間は他の星に住むことができるのか」 ,3 年「初恋」など) 「空中ブランコ乗りのキキ」 ,2 年「見えないチカラとキセキ」 ,3 年「握手」 など) な思考力・判断力・表現力を育成する教材を配列している。 ❻ 情報社会を生き抜く力の 育成(情報リテラシー) 情報リテラシーを高めるための教材を掲載している。 (例 3 年「情報 社会を生きる」 ,資料編「学ぶ力を高めよう」など) 第 4 号 生命・自然の尊重,環境保全に寄与する態度を養う。 (例 1 年「ク 第 5 号 伝統と文化を尊重し,他国を尊重して国際平和へ寄与する態度を Ⅱ.学習指導要領への対応 養う。 (例 1 年「竹取物語」 ,2 年「達人のことば」 ,3 年「間の文化」など) ◉◉学習指導要領に対応し ● 学習指導要領の目標と内容がもれなく指導できる教科書になっている。 た工夫や配慮は,どの ● 学習過程の明確化や学習の系統性の重視,言語活動・読書活動の充実 ようになされているか。 ❼ 実生活で生きてはたらき, ❼◦生徒の日常生活や社会生活の課題を取り入れて,学習で習得した知 各教科等の学習の基本と 識・技能が生徒の日常生活等の場で生かされるように,話題・題材, なる力の育成 知識・技能,活動の具体化を工夫している。 ❽ 言語活動の充実 な言語活動を取り上げている。 どを取り上げ,全ての学年において言語活動が充実している。 得とそれらを活用しての思考力・判断力・表現力の育成に資すること ❶ 基礎的・基本的な知識や 技能の習得 ❶◦基礎的・基本的な知識や技能を習得し,習得したことを自覚して,繰 ❾ 学習の見通しと振り返り の明確化 り返し活用することをとおして定着させていけるよう,各領域とも学 うに工夫している。 い力」がひとめでわかるように工夫している。 に工夫を凝らし,確実に習得できるようにしている。 ❸ 主体的・意欲的に学習に 取り組む態度の養成 各学年の巻末に「 『読み方を学ぼう』一覧」を設け,学習した「読み方」 を振り返って確かめることができるようになっている。 ❷◦学年の発達段階を踏まえ,課題解決的な言語活動を系統的に設定し, 思考力・判断力・表現力を高めることができるようになっている。 ❸◦生徒自身が,確かな目的と見通しをもって,学び方を意識しながら学 学習指導の系統性と 連続性の明確化 習に取り組み,達成感と以後の学習に生きる成果を自覚する,という 学習の流れによって,意欲的に取り組めるよう工夫している。 生徒が取り組みたくなる言語活動,読む意欲を喚起する魅力的な文 章教材が豊富に取り上げられていて,主体的な学習を促している。 対話や話し合いなどの共同的な言語活動の場を適切に設け,仲間と ともに学習の達成感を得て,学ぶ意欲を高められるようにしている。 けている。見通しをもって学習に取り組み,学習を振り返ることによ 各学年の冒頭部分に「領域別教材一覧」を設け,各教材での「つけた 「読み方を学ぼう」や, 「話すこと・聞くこと」 「書くこと」の「ポイント」 等の育成 ❾◦各教材とも,冒頭部分に学習目標を示し,末尾に振り返る活動を設 って自分の学習を診断・評価して,次の学習に生かすことができるよ 習の方法や重視する観点を明確に示している。特に, 「読むこと」の ❷ 思考力・判断力・表現力 ❽◦全領域の教材において, 「つけたい力」との関連を明確にして,多様 発表・紹介・討論・案内・報告・創作・鑑賞・編集・論述・批評な などが図られた編集になっている。基礎的・基本的な知識・技能の習 ができる教科書である。 語活動の中に,情報の収集・整理・発信の方法が具体的に示している。 「読むこと」の教材や資料編においても,情報について考えを深め, 参画する態度を養う。 (例 1 年「この小さな地球の上で」 ,2 年「地域情 報誌」 ,3 年「企画会議」など) など) ❻◦ 「話すこと・聞くこと」 「書くこと」の教材を中心に,課題解決的な言 (例 1 年「レポート」 ,3 年「批評文」など) 第 3 号 正義と責任,男女の平等,自他の敬愛と協力,主体的に社会に ジラの飲み水」 ,2 年「動物園でできること」 ,3 年「フロン規制の物語」 ❺◦急激な社会の変化がもたらす現代の課題(言語・情報・環境・国際 理解・人権・平和・防災・食育など)に,社会の構成員として粘り強 ● 特に,教育基本法第 2 条に基づいた教材が全学年に配置されている。 第 2 号 創造性,自主・自立の精神,勤労を重んじる態度を養う。 (例 1 年 ❹◦他者と喜びや悲しみを共有する想像力や感性,自然や美しいものに う優れた文章を教材化している。 学校教育法の第 21 条「義務教育の目標」 ,第 30 条・第 49 条「生涯学 習の基盤・学力の三要素」を踏まえた編集になっている。 内容の特色 ◦指導事項(言語能力)の系統性・連続性が学年内においても学年間に おいても重視されている。習得と活用を繰り返すことによって,言語 能力を確実に高めることができるように工夫している。 伝統的な言語文化の尊重 と国語や郷土を愛する心 ◦和歌・俳句・古文・漢詩・漢文などを幅広く取り上げ,言語文化の 継承・発展やその意味を考えることができるよう配慮している。 「資料編」でも,古事記や川柳などのほか,落語・歌舞伎・狂言につ いて,豊富な図版とともに親しみやすく紹介している。 検討の観点 充実 ◦「読むこと」の教材の後に「私の本棚」を設けて関連図書を紹介する とともに,資料編の「読書の広場」には各学年 48 冊の図書の紹介と 情報検索・情報活用のヒントを掲載している。 読書郵便・読書記録・本の帯づくり・ブックトーク・ビブリオバトル などの多彩な読書活動を配置し,生徒の興味・関心の幅を広げ,知 識を深め,読書に親しみ,読書に取り組む態度を育てるように工夫 している。 各学年に採録した近代文学の名作と関連づけて, 「芥川龍之介の世 検討の観点 Ⅲ.学習・指導への配慮 Ⅱ.学習指導要領への対応 読書生活・読書活動の 内容の特色 ❶ 生徒の発達段階・学年の 特性 話題・題材は,生徒の学校生活や身のまわりの日常生活から,社会 生活へと広がるように配慮している。 ❷自学自習への対応 ことができるように工夫している。 (例「読み方を学ぼう」など) 各学年資料編の「読む力を伸ばそう」では,自学自習にも対応し,先 に示されたコース別の課題に基づいて文章を読んでいく形式で, 「挿 ◦日常生活や社会生活の中から,自ら課題を発見し,互いに意見を出 絵を考える・図やグラフを書く・キーワードを拾い読む・制限時間内 に速読する・リーフレットにまとめる」など,個に応じた実践的な読 ブ・ラーニングに対応した教材が充実している。 (例 1 年「グループ ◦今までの歩みを振り返ったり,今の自分を見つめたり,将来について みの力を高めるための新しい試みをしている。 ❸他教科や日常生活との 関連 社会 1 年「玄関扉」 ,2 年「平家物語」 ,3 年「間の文化」 ,資料編「日 「達人のことば」 ,3 年「漢字一字で表現すると」など) Ⅲ.学習・指導への配慮 本文学名作集」など。 理科 1 年「クジラの飲み水」 ,2 年「人間は他の星に住むことができ ●「話すこと・聞くこと」 「書くこと」 「読むこと」と〔伝統的な言語文化と るのか」 ,3 年「フロン規制の物語」など。 国語の特質に関する事項〕の学習は,特定の時期に偏ることなく,また, 美術 1 年「鑑賞文」 ,3 年「間の文化」など。 指導事項・指導内容をバランスよく,適切に配分している。 保健体育 2 年「見えないチカラとキセキ」など。 ❶◦『現代の国語』は,本編と資料編の 2 部構成となっている。本編は, 技術・家庭 1 年「食感のオノマトペ」など。 必修の学習内容を扱い,目次で標準的なカリキュラムを示している。 道徳 1 年「少年の日の思い出」 ,2 年「走れメロス」 ,3 年「握手」など。 生徒の発達段階や学年の特性,学校生活や行事等,季節感などを考 総合的な学習の時間 1 年「グループ新聞」 ,2 年「地域情報誌」 ,3 慮して,1 年と 2 年は 7 単元,3 年は 6 単元とし,さらに各学年に学 年開きの単元と古典の単元を設け,系統的に配列している。 資料編は, 「読書の広場」 「考える広場」 「参考資料」からなり,情報活 年「名言集」など。 ❹地域性への配慮 地域の文化に対する関心を高め,その特色を尊重する態度を養える どを掲載して,ことばの力,学ぶ力を高める資料編となっている。 関連 2 学期制・3 学期制の両方に対応し,時間配当にも配慮している。 ❸ 分量 ❸◦生徒の発達段階に応じ,各学年の配当時数の中で無理なく学習計画 が立てられる分量となっている。 各教材の文章の長さも適切なものが選ばれ,意欲的に学べるように 配慮している。 ◉◉教材は適切に選定され ているか。 ような教材を選んでいる。 (例 2 年「方言と共通語」 「 『超訳』に挑戦」 「達人のことば」 「地域情報誌」 ,3 年「企画会議」など) ❷◦領域間の関連が適切に図られ,体系的な学習指導ができるようにな っている。 ● 教科書全体をとおして,学習指導要領に示された教材選定の観点を踏 まえ,学習意欲を喚起するとともに,確かなことばの力の育成に資す る教材を選定している。 ❹◦各領域の教材選定において,地域的な偏りが生じないよう配慮し, 幅広い題材をバランスよく選定している。 用に資する資料,伝統文化に親しむ資料,言語活動に必要な知識な ❷ 配分・配列,領域間の 題材についての認識を深め,国語科の学習で習得したことばの力が 【他教科等との関連】 必要な基盤となる能力や態度を育てることに配慮している。 (例 2 年 ❶ 全体構成の工夫 ❸◦他教科や生徒の日常の言語生活・社会生活との連携が図られ,幅広い 他教科等や日常生活などの中で生きてはたらくように工夫している。 考えたりする教材を配置し,一人一人の社会的・職業的自立に向け, ◉◉構成・配列・分量は 適切か。 ❷◦何を学ぶか,何を学んだかに加え,どのように学ぶかという「学び方」 をわかりやすく示すことで,学ぶ意義を自覚しつつ,自学で活用する し合いながら解決策を考え,課題解決に向けて取り組む,アクティ キャリア教育 しながら,ことばの力が身につけられるようにしている。一方で,文 返して提示するなど,ことばの力の定着のための工夫をしている。 誘うコラムを設けている。 新聞」 ,2 年「地域情報誌」 ,3 年「企画会議」など) ❶◦ 3 年間をとおして系統的・段階的に教材を配列し,既習事項を活用 章構成の仕方や質問の仕方など,基礎的な重要事項に関しては,繰り 界」 「太宰治の世界」 「夏目漱石の世界」として,近代文学の読書へと 問題解決的な学習 内容の特色 ❺ 小学校・高校との連携 ❺◦小学校から高校までの学習の系統性や継続性に配慮し,中学校で求 められる,社会生活に必要な国語の能力の基礎を確実に育成できる ようにしている。 1 年の初めの物語「オオカミの友だち」は,平易な文章でありながら, 人とのつながりについて深く考えることができる教材となっている。 「ペンギンの防寒着」は,小学校で学習した説明文の読解の基礎・基 本を確認できる教材であり,小学校との円滑な接続に配慮している。 表紙には,耐久性を高める表面加工が施してあり,手になじみやすい。 3 年には,ものの見方を広げ深め,生き方を考えさせる,高校への橋 渡しになるような教材を配置している。 (例「間の文化」 「小論文」 「 『文 殊の知恵』の時代」など) 内容の特色 Ⅲ.学習・指導への配慮 ◉◉教科書のユニバーサル デザイン ● 特別支援教育やカラーユニバーサルデザインの観点から,全ての生徒 にとって,読みやすく学びやすい教科書となるよう,さまざまな面で 配慮している。 ❶特別支援教育についての ❶◦各教材の冒頭に学習のねらいを示しつつ,学習活動の手順を丁寧に 示している。 「話すこと・聞くこと」 「書くこと」教材では,学習手順 を上段に,学習のポイントや参考となる情報を下段に示すなど,わか りやすく情報が整理され,スムーズな学習指導に資するレイアウトと なっている。 情報のまとまりを線で囲んだり,重要な情報を大きく示したり太字に したり,図版と図版の間を空けたりすることで,わかりやすく,見や すくしている。 各学年の「読むこと」教材に配置した「読み方を学ぼう」では,文章 での解説は簡潔に示し,わかりやすい図解を用いることで,内容を 視覚的にとらえられるように工夫している。 配慮・工夫 ❷ カラーユニバーサルデザ インについての工夫 ❸ 文章表現・用語・記号・ 図版・図解など ❹書体・文字の大きさ・ 字間・行間 ❺ 挿絵・図版・写真など ❻ 印刷・装丁・造本など Ⅳ.領域ごとの内容と特色 検討の観点 検討の観点 内容の特色 話すこと・聞くこと 生徒の学校生活・日常生活・社会生活の中から発達段階に即して話題・ 題材を選び,目的や場面に応じて適切に話す能力・聞く能力を育てるよ うに学習を意図的,計画的に組織している。 全ての学年において,学習指導要領の言語活動例を網羅しており,さ らに,生徒の興味・関心を喚起する多彩な言語活動を取り上げて教材 化している。 (例 1 年「スピーチ」 「討論ゲーム」 「即興劇」 ,2 年「プレゼ ンテーション」 「対話劇」 ,3 年「句会」 「ブックトーク」 「企画会議」など) 各教材の冒頭に学習目標と「学習の流れ」を示し,具体的な活動の流れ を見通すことができるようにしている。 各教材の末尾には「学習を振り返る」を設け,目標を再確認しながら学 んだことを振り返って確かめるとともに,次の学習や日常生活へ生かす 視点を示している。 共同的な学習の基盤となる「場づくり」を重視した教材,対話型コミュ ニケーションや共同的な問題解決を位置づけた教材を配列し,仲間とと ❷◦色覚の特性を考慮し,誰にでも見やすく,学びやすい配色となってい る。 識別しにくい配色は避け,形の違いや,記号・番号・説明文などの 補助的な手がかりを設けている。 色の濃淡や罫線の使い分けなどの工夫を凝らしている。 もに学習の達成感を得られるようにしている(例 1 年「スピーチ」 「質問」 「討論ゲーム」 ,2 年「パネルディスカッション」 ,3 年「企画会議」 「ワー ルド・カフェ」など) 学習活動の手順を明確に示すとともに,学習のポイントやテーマ例・ス ピーチ例・話し合いの例などを示すことによって,ゴールイメージをも ❸◦生徒が意欲をもって学習を進められるように,わかりやすく読みやす い用語・表現を用いて活動指示などを行っている。 図版・図解を適切に配置し,学習内容や方法が具体的にわかるよう に工夫している。 ❹◦読みやすさ,学びやすさを追究し,独自の明朝体・ゴシック体・教 科書体を開発・使用している。画数や点画の方向等においても誤解 が生じないように配慮している。 漢字の学習や,書き写すことの多い韻文・古典教材の本文では,手 書き文字に近い書体である教科書体を用いている。 文字の大きさや明朝体・ゴシック体を適宜使い分け,情報が整理し やすく,学習しやすいように工夫している。 字間・行間は,生徒の発達段階や可読性に配慮し,読みやすく学び やすいデザインとなっている。 ❺◦余白を生かすレイアウトで,読みやすく学びやすい紙面となっている。 挿絵・図版を適所に配置し,生徒の学習意欲を喚起し,内容の理解 を支えている。 表紙は,明るく柔らかい印象で,親しみやすいものとなっている。 ❻◦環境にやさしい用紙と植物油インキを使用している。 目が疲れにくい白色度の用紙を使用している。 製本は堅牢であり,十分な耐久性を備えている。 表紙には,耐久性を高める表面加工が施してあり,手になじみやす い。 ちやすく,学習に取り組みやすくなるよう工夫している。 (例 1 年「スピ ーチ」 「質問」 ,2 年「パネルディスカッション」 ,3 年「企画会議」など) 資料編には,発想法・思考法の使い方,メモの活用の仕方,インタビュ ーの仕方,話し合いの方法,学習用語辞典など,本編の学習と関連づ けて,学ぶ力を高めたり知識を整理したりできる教材を配列している。 書くこと 生徒の日常生活・社会生活・言語生活の中から発達段階と書く必要性・ 必然性に即して話題・題材を選び,目的と意図に応じて適切に書く能 力を育てるように工夫している。 全ての学年において,学習指導要領の言語活動例を網羅しており,さ らに,生徒の興味・関心を喚起する多彩な言語活動を取り上げて教材 化している。 (例 1年「レポート」 「行事案内リーフレット」 「グループ新聞」 , 2 年「意見文」 「手紙」 「地域情報誌」 ,3 年「小論文」 「批評文」 「名言集」 など) 各教材の冒頭に学習目標と「学習の流れ」を示し,具体的な活動の流れ を見通すことができるようにしている。 各教材の末尾には「学習を振り返る」を設け,目標を再確認しながら学 んだことを振り返って確かめるとともに,次の学習や日常生活へ生かす 視点を示している。 学習活動の手順を明確に示すとともに,学習のポイントやテーマ例・作 品例を示すことによって,ゴールイメージをもちやすく,学習に取り組 みやすくなるよう工夫している。 検討の観点 内容の特色 ある文章を書くことなど,基礎的な重要事項については,3 学年をとお して繰り返し学習する場を設け,確実な定着を図っている。 (例 1 年「意 見文」 ,2 年「主張文」 ,3 年「小論文」 「批評文」など) 学習の過程において,交流の場を適切に設けることで,共同の学びを 促しながら,生徒の学習意欲を喚起するように工夫している。 Ⅳ.領域ごとの内容と特色 Ⅳ.領域ごとの内容と特色 根拠を明確にして考えを述べることや,文章構成を工夫して説得力の 検討の観点 ▶ 読書 の学習と関連づけて,学ぶ力を高めたり知識を整理したりできる教材を 配列している。 読むこと 言語や情報,人権,環境,国際理解,平和など,現代の課題に向き合 のない葉書」+「読書郵便・読書記録」 ,2 年「見えないチカラとキセキ」 +「本の帯・ポップづくり」 ,3 年「花や咲く咲く」) 各「読むこと」教材の末尾には, 「私の本棚」として,教材文と同じ作者 の本や,テーマや構成に関連のある本,読書生活を広げる本などの多様 な観点から豊富に図書を紹介している。資料編の「読書の広場」には各 学年 48 冊の図書の紹介と情報検索・情報活用のヒントを掲載している。 伝統的な言語文化と国 語の特質に関する事項 ▶ 伝統的な言語文化 換点」が配置され,文学作品としてのダイナミックな展開をとらえるこ とができるように工夫されている。 性をもって表現する力を高めるのに適している。 (例 1 年「クジラの飲 み水」 ,2 年「人間は他の星に住むことができるのか」 「動物園でできる 各学年の古典単元の冒頭部分には,色鮮やかな折込ページを配し,古 こと」 ,3 年「間の文化」 「フロン規制の物語」など) 典への興味と学習意欲を喚起するように工夫している。 資料編には, 「古事記」 「枕草子」 「徒然草」 「近世の俳句」 「川柳」 「狂歌」 悩みや葛藤,喜怒哀楽を描き,人間や生き方について教室で深く考え などの多様な作品を採録し, 「落語」 「歌舞伎」 「能・狂言」などの伝統芸 合うことのできる名作を豊富に配列している。 (例 1 年「空中ブランコ 能の世界に親しむ資料も豊富に掲載している。 乗りのキキ」 「少年の日の思い出」 「トロッコ」 ,2 年「小さな手袋」 「走れ メロス」 ,3 年「握手」 「故郷」 「坊っちゃん」など) ③「学びをひろげよう」 (多様な言語活動) 「学びの道しるべ」 の「学びをひろげよう」では,文章や図表の効果を考 える課題,調べたことをまとめて発表する課題,条件をふまえて意見を 述べる課題,読み比べる課題など,学力の定着・向上に資する多様で 効果的な言語活動を設定している。 ▶「読み方を学ぼう」 資料編「日本文学名作集」では,年表とあわせて,文章の一部が掲載さ れており,文学史の知識にとどまらず,声に出して読んだり,暗唱した 「読むこと」 教材末に配置した「学びの道しるべ」では,丁寧かつ簡潔に ②「考えを深めよう」 (解釈・熟考・評価) 「読み方を学ぼう」は, 「学びの道しるべ」と関連づけ,その教材に適し た「読み方」として, 「人物相関図」 「三角ロジック」 「情景描写」 「象徴」 「例 示」 「対比」 「回想」など,幅広い方法を取り上げている。 「読み方を学ぼう」では,図解を大きく示し, 知識・技能を可視化する ことによって,学び方として習得できるように工夫している。 各学年の巻末には, 「 『読み方を学ぼう』一覧」を付し,繰り返し確認し, 活用することをとおして,定着させていけるように工夫している。 1 年「竹取物語」では,現代語を交えて作品の全体像をつかみ,文学作 2 年「平家物語」 ( 「敦盛の最期」)では, 「読み方を学ぼう 4 物語の転 文章構成や論理展開が明快な教材が多く,論理的思考力を高め,説得 ①「内容を整理しよう」 (情報の整理と確認) の言語作品を多く取り上げ,それらが現代の私たちの生活の中にも生 品として味わえるように工夫している。 多角的に考え,豊かな心を育むことのできる教材を配列している。 学びのプロセスを示している。 ● 短歌・俳句や物語・随筆・紀行文,漢詩・漢文など先人の遺産として きていることを感じ取ることができるように教材化を工夫している。 いながら,問いを生みだし,想像力をはたらかせて,人や社会について ▶「学びの道しるべ」 夏休み前の時期を想定して「読書」の教材として,読書への意欲を喚起し, 読書の幅を広げるための,文章や読書活動を配置している。 (1 年「字 資料編には,引用の仕方,発想法・思考法の使い方,メモの活用の仕方, 図表の使い方,原稿用紙の使い方,推敲の仕方,学習用語など,本編 内容の特色 りできるようにしている。 ▶ 語彙・文法・漢字など 「国語の特質」に関する取り立て教材として, 「文法のまど」 ・ 「文法のま とめ」 , 「ことば発見」 , 「漢字のしくみ」の三系列をバランスよく配列し, 日常の言語生活を豊かにし,言語運用能力を育むことができるようにし ている。 「ことば発見」や「文法のまとめ」では, 練習問題を設け,学んだことを すぐに確認して,確かな知識として定着を図ることができるようにして いる。 「読むこと」教材の脚注欄には,文中語句の説明のほか,辞書を活用し て調べる,短文を作るなどの対象となる語句を精選して示している。 漢字の学習では, 「読むこと」教材の中で提出する漢字と,漢字取り立 て教材と組み合わせて,各学年ともバランスよく配当している。 資料編では,国語辞典・漢和辞典・類語辞典・四字熟語辞典など,多 様な辞書の活用の仕方を 3 学年にわたって系統的に示している。 資料編の「学習用語辞典」では,3 年間をとおして身につけたい国語科 の学習用語を簡潔に解説し,繰り返し確認できるようにしている。
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