第 1 回レポート問題 位相幾何学 BI (担当: 新國) 2015 年 4 月 27 日 (月) 問題. 以下の大問 1 , 2 , 3 の全てに解答せよ. 講義で述べた各命題は用いて 良い. 1 X, Y をそれぞれ集合とし, f : X → Y を写像とする. このとき, 次が成り立 つことを示せ. (1) ある写像 g : Y → X が存在して, g ◦ f = idX が成り立つならば, f は単射で あることを示せ. (2) ある写像 g : Y → X が存在して, f ◦ g = idY が成り立つならば, f は全射で あることを示せ. (3) ある写像 g : Y → X が存在して, g ◦ f = idX , f ◦ g = idY が同時に成り立 つならば, f は全単射で, 特に g = f −1 であることを示せ. 2 X, Y をそれぞれ位相空間とし, x0 ∈ X, y0 ∈ Y とする. いま, 位相空間対の ある連続写像 φ : (X, x0 ) −→ (Y, y0 ) , ψ : (Y, y0 ) −→ (X, x0 ) が存在して, ψ ◦ φ ≃ idX (rel. {x0 }) , φ ◦ ψ ≃ idY (rel. {y0 }) が成り立つならば, φ が誘導する基本群の準同型写像 φ♯ : π1 (X, x0 ) −→ π1 (Y, y0 ) は同型写像で, また, ψ が誘導する基本群の準同型写像 ψ♯ : π1 (Y, y0 ) −→ π1 (X, x0 ) は, φ♯ の逆写像であることを示せ. 1 3 R3 の部分集合 M を { } M = (x1 , x2 , x3 ) ∈ R3 | x21 + x22 = 1, 0 ≤ x3 ≤ 1 で定義し, R3 の相対位相によって位相空間とみなす1 . このとき, M は単位円周 { } S1 = (x1 , x2 ) ∈ R2 | x21 + x22 = 1 とホモトピー同値であることを示せ.2 以上 提出期限: 2015 年 5 月 11 日 (月) 16:35 直接の手渡し, もしくは郵送にて提出すること. 手渡しによる提出の場合は, 特段 の理由のある場合を除き, 代理人による提出を認めない. 郵送による場合は, 2015 年 5 月 11 日 (月) 消印有効で, 以下の住所に簡易書留で郵送すること: 〒 167-8585 東京都杉並区善福寺 2-6-1 東京女子大学現代教養学部数理科学科 新國 亮 宛 レポート作成にあたっては, 別紙「レポートの書き方についての注意」を熟読す ること. そこで指示された体裁が守られていないレポートは 減点する. また, 2014 年 9 月 29 日 (月) に数学専攻の宮地 晶彦先生から数理科 学科在学生全員に送信されたメール (件名: 「数理科学科の学生の皆さんへ」) も 改めて確認すること. 1M と同相な位相空間をアニュラスという . { } S1 を R3 の部分位相空間 (x1 , x2 , 0) ∈ R3 | x21 + x22 = 1 とみなし, 更に写像 r : M → S1 を, (x1 , x2 , x3 ) ∈ M に対し r (x1 , x2 , x3 ) = (x1 , x2 , 0) で定義して, 講義における例 2 と同様の議論を辿ってみよ. 2 ヒント: 2 レポートの書き方についての注意 1. (数学に限らず) 一般にレポートを提出する際の注意 · 氏名, 所属学科及び専攻, 学生番号を書く · 講義のタイトル, 担当教員の名前も書く これら最低限のことすら成されていないレポートを見ることがある. レポートに は必ず表紙を付けて, そこに上記事項を記載すること. 使用する用紙のサイズは, 特に指定がなければ A4 もしくは B5 が良いだろう. 全ての用紙は, ホッチキス (ス テイプラー) などを用いて必ずしっかりと綴じること. ゼムクリップ留めはダメ. · 課題 (問題) をきちんと記載する 課題や問題が明記されているものは, それらもレポートに記載し, 解答と合わせ て自己完結的に書くこと. ただ答えだけ書けば良いというものではない. · きれいに, かつ他者が読みやすいように書く努力をする 無造作に書き殴っただけのレポートは, 読んで貰えないと思って良い. 読み手を 説得する, あるいは納得させる努力を惜しまないことが大切である. · 締切厳守 これは常識中の常識だが, 残念ながら締切を守れない学生もいる. 締切日時まで に提出できないというやむを得ない理由がある場合は, 締切前に必ず担当教員にそ の旨を連絡し, 指示を仰ぐこと. 2. 数学のレポートを提出する際の注意 · 解答に至る経過を, 筋道を立てて論理的にきちんと記述する 数学の問題に取り組み, それに解答する際には, どのように考え, どのような経 過を辿って解答に行き着いたのかを, 他者が読んでわかるように書く努力をするべ きで, 計算用紙をそのまま提出したようなレポートは論外である. このことは君た ちが中高生のときに既に学んだはずのことであり, 大学で学び直すことではない. また, 解答がわからなかったからといって, 途中でいきなり解答するのをやめたま ま提出するのもダメである. レポートは試験ではない. どこまで自分で考えて, ど こがわからなかったのかまで具体的に書くべきである. レポートは試験とは違うので, 勿論, 人に聞いたり, 関連する情報を専門書等を利 用して調べたりして構わない. また, 何人かの学生で議論を重ねたうえで, 1 つの 解答が生まれるという場合だってあるだろう (むしろそのような相乗効果は歓迎す る). とにかく考えられる手を尽くして最良のレポートを作成することを心掛ける こと. 一方, 自分で全く考えようともせず, 何かを丸写ししただけのレポー トは, すぐにバレる. 多少, 文章や表現などを変えてあったとしても.
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