2014 年 12 月 1 日(月)
第 6 回電磁気学 I 演習
解答
~電荷保存則,変位電流~
1.電荷保存則を領域 V にわたって積分すると,

   i (r , t ) 
V
 (r , t ) 
dV  0
t 
  (r , t ) 
dV  0
V
V
t 
d
S i (r , t )  n(r )dS  dt V  (r , t )dV  0
   i (r , t )dV   
ここで,第 3 式へ変形する際,左辺第 1 項の体積積分はガウスの定理を用いて,
領域 V を囲む表面 S 上の面積分に直した.また,左辺の第 2 項では領域 V が固定
されているとして,時間微分を体積積分の外に出してある.導線内の電流は導線
の側面に平行に流れているものとすると,その側面に立てた単位法線ベクトル n
は電流密度 i と直行していて, i  n  0 である.したがって,第 1 項の面積分は,
導線の断面 S1 , S 2 , S 3 においてのみ計算すればよく,

S1
i  n1dS   i  n2 dS   i  n3 dS 
S2
S3
d
 (r , t )dV  0
dt V
となる.第 1 項から第 3 項は断面 S1 , S 2 , S 3 を通過する電流を表し,第 4 項の体
積積分は全電荷を表していることから,
I1  I 2  I 3 
dQ
0
dt
と求まる.
2.電荷密度には線密度,面密度,体積密度の 3 つの場合があります.それぞれ,単
位長さ,単位面積,単位体積当たりの電荷ですので,これらから全電荷を求めると
きは,線積分,面積分,体積積分します.全電荷 Q    (r , t )dV という式だけ覚え
V
ていると,例えば一様な面密度の電荷密度に体積を掛けて全電荷を求めてしまうこ
とがあります.全電荷を求めるときは(逆に電荷密度を求めるときも),注意してく
ださい.
2-1.オームの法則 i  E を電荷保存則に代入し,さらにガウスの法則   E   /  を
適用すると,
 (r , t )

   i (r , t )    E (r , t )    (r , t )
t

となる.  (r , t ) に関する微分方程式を解くと,
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 (r , t )   (r ,0) exp(t /  )
となる.これは,物質中における電荷密度の時間的減衰の様子を示している.
したがって,内球表面上の電荷は,
Q(t )  Q0 exp( t /  )
と表される.また,内球表面における電場は,
E (r , t ) 
Q exp( t /  )
Q(t )
e  0
er
2 r
4r
4r 2
と求まる.
2-2.電場のエネルギーの減少分がジュール熱となる.場所 r に単位体積当たり単位時
間に発生するジュール熱 p(r , t )  i (r , t )  E (r , t )  E 2 (r , t ) を,導体球間で体積積
分し,時刻 t  0 から時刻 t の間に発生したジュール熱 P(t)を計算すると,
P(t )  
t

0 V
p(r , t )dV dt  
t

b
0 a
p(r , t )4r 2 drdt 
Q02
8
1 1
  {1  exp( 2t /  )}
a b
となる.ここで t   とすると,
Q02  1 1 
  
8  a b 
と求まる.
P ( ) 
3.物質に印加する電場を E=E0sint とすると,伝導電流密度 ic と変位電流密度 id はそ
れぞれ,ic=E0sint, id=E0cost となる.それらの大きさが等しいとすると,
E0=E0 となる.つまり, =/であるから,fc=/2=/2と求まる.
銅と石英ガラスについて fc を計算すると,それぞれ 1.07×1017 Hz, 6.76×10-8 Hz とな
る.(このことから,電気伝導率の大きい銅では,極めて高い周波数で初めて変位
電流が支配的になることがわかる.)
4.点電荷 q が原点を通過した時刻を 0 とすると,時刻 t における点電荷の位置は
rq  vt , v  (v, 0, 0) .このとき,点 r に生じる電場は,
E (r , t ) 
q
r  rq
4 0 | r  rq |3
点 r の x 軸からの距離 ( y 2  z 2 )1 / 2   を用いると,変位電流密度 i d ( x,  , t ) の各成分
は,
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E x (r , t )
q  
x  vt

 
t
4 t  ( x  vt) 2   2
qv 2( x  vt) 2   2


4 ( x  vt) 2   2 5 / 2
idx ( x,  , t )   0


idy ( x,  , t )   0





q  
y
 
t
4 t  ( x  vt) 2   2
3( x  vt) y
E y (r , t )

qv

4 ( x  vt) 2   2


3/ 2



5/ 2
E z (r , t )
q  
z

 
t
4 t  ( x  vt) 2   2
qv
3( x  vt) z


4 ( x  vt) 2   2 5 / 2
idz ( x,  , t )   0



3/ 2 


3/ 2




となる.したがって,変位電流密度の大きさ id ( x,  , t ) は,
idx ( x,  , t )2  idy ( x,  , t )2  idz ( x,  , t )2
i d ( x,  , t ) 
qv 4( x  vt) 2   2 

4 ( x  vt) 2   2 2
1/ 2

と求まる.また,x 軸となす角度は,
  tan
i
1
 tan 1
( x,  , t )  idz ( x,  , t )
2
dy
2
idx ( x,  , t )
3( x  vt) 
2( x  vt) 2   2
と表される.
【補足】角度は,   cos 1
良いです.
idx ( x,  , t )
 cos 1
id ( x,  , t )
2( x  vt) 2   2
4( x  vt)
2

  2 ( x  vt) 2   2

としても