「健苗育成のポイント」(PDFファイル)

平成 27 年 4 月 3 日発行
情報
づくり
米
おいしい
No.2
●南魚沼市 ●NOSAI魚沼 ●JA魚沼みなみ
消雪情報(3月25日現在)
城内地域開発センター 積雪 162㎝ 消雪予想 4月21日 ※各地区によって、予想日は前後します。
今年は平年より「やや遅め」の予想です。融雪剤等を有効活用し、例年通りの作業日程で
作業しましょう。
◎ 播種 …「均一播種」と「うすまき」がポイント!
【ハトムネ状態】
均一播種のために
◦もみは、握っても手につかない程度まで水を切りましょう。
◦芽の伸ばしすぎは播種時のばらつきにつながります。
催芽時にハトムネ程度に仕上げましょう。
【播種量(うすまき)の目安】
苗の種類
稚苗
播種量(1箱当り)
乾もみ
催芽もみ
最適
伸ばしすぎ
【作業日程の目安】
必要箱数
(10a当り)
◉ 塩水選・種子消毒.... 4月10日頃~
◉ 播種日..................... 4月25日頃~
◉ 田植日..................... 5月20日~ 30日頃
130 〜 140g 160 〜 170g 16 〜 18箱
【播種密度の目安】
催芽籾120g
催芽籾160g
催芽籾180g
「あつまき」にするほど田植え時の
箱数や欠株が少なくなりますが、軟
弱徒長苗になりやすくなります。適
度に「うすまき」することで、活着の
良いがっちり苗を育成しましょう。
◎ 育苗 …徹底した温度管理で健苗育成!
【稚苗の最終生育目標】
草丈 12㎝
管理方法
育苗日数
加温
20 ~ 25日
無加温(ハウス) 23 ~ 30日
腰が太く幅が広い
(2㎜以上)、
丸みがあって
がっちりしている
種子根と冠根が
よく伸び、箱底に
白くつやのある
太い根がとぐろ
を巻いている
葉は幅が広く
真っ直ぐに立つ。
また、葉色は
濃い緑色
第一葉鞘長
3.5 ~ 4.0㎝
葉数
2.0葉
気温差が大きい時期での管理と
なります。育苗期は、温度に
よる影響を敏感に受けてしま
うため、こまめな温度管理を
行いましょう。
●出芽期
出芽期
◦灌水は播種時にたっぷり行いましょう。
◦幼芽が覆土を持ち上げ、もみが露出している
場合には隠れる程度に覆土をしましょう。
温度
管理
日中
夜間
30℃〜 32℃
日数
加温
無加温(ハウス)
2〜3日
5〜7日
終了目安
出芽長 0.5 〜 1㎝
-加温出芽の場合-
◦育苗器は必ず事前点検を行い、サーモの作動状況を確認しておきましょう。
◦温度が高すぎると病気が発生しやすくなるため、十分注意しましょう。
-無加温出芽の場合-
◦加温管理より 2 ~ 4 日程度長くなる場合があります。
(露地では更に気象の影響を受けやすくなります)
出芽期終了時の理想図
【主な障害】
障害
症状
原因
対策・対応
鞘葉、種子根ともに伸長しない。 ・出芽時の過高温
出芽不良 または鞘葉は伸長するが種子根 ・出芽時の過湿
の伸長が不良。
・浸種時の低温
・床土の透水性を改善する。
・出芽器内の温度を確認する。
●緑化期
緑化期
行いましょう。
ポイント
{
日中
夜間
日数
終了目安
温度
管理
◦灌水は箱周辺が乾いたら午前中にたっぷり
・被覆資材は、第 1 葉の完全展開
(草丈 3.5㎝程度)を目安に除覆 しましょう。
20℃〜 25℃
15℃〜 18℃
2〜4日
第 1 葉鞘長 3.5㎝
※除覆の遅れは徒長苗の要因となります。
※除覆と同時に灌水を開始します。
緑化期は苗の形質に大きな影響を与える期間です。
「徹底した温度管理」、「適切な時期の除覆」等の
ポイントを確実に押さえましょう。
【主な障害】
障害
症状
白化苗
出芽後も葉身が緑化せず白化
(黄白化)する。または緑化
しにくい。苗質が劣り移植後
の活着も劣る。
原因
・出芽期間が長い
・出芽時の過高温
・緑化初期の強い直射日光
・緑化期の低温または高温
緑化期終了時の理想図
(除覆のタイミング)
対策・対応
・完全な白化でなければ、緑
化 期間は過 度な低 温、高
温、強日射を避け育苗を継
続する。
●硬化期
硬化期終了時の理想図
(田植えを行う稲姿)
硬化期は外気に慣らして
いく期間です。日中はハ
ウスを開放し、田植え間
近になったら夜間も開放
しましょう。ただし、硬
化期前半は 8℃以下の低
温や 20℃以上の高温に
ならないように注意して
ください。
◦灌水は 1 日に 1 ~ 2 回、夕方を
避けて行いましょう。
硬化期
温度
管理
日中
夜間
日数
終了目安
15℃〜 20℃
10℃〜 15℃
10 〜 14 日
苗丈 12㎝
【主な障害】
障害
ムレ苗
症状
原因
対策・対応
・急激な温度変化
完 全 葉 が 2 葉になった頃、
・床土の PH が高い
葉身が急に巻き始め、次第
・床土の透水性が悪い
に周囲に広がり枯死する。
・厚まき
・急激な温度変化を避け、夜間の
温度を 8℃以下に下げない。
・床土のPHや透水性に留意する。
・厚まきや徒長を防止する。
◎ 移植前追肥(弁当肥え)
「早期活着」・「初期生育促進」・「良質茎確保」のために移植前追肥を行いましょう。
施用時期:田植え4 ~ 5日前(色がさめている場合は、早めに施用しましょう)
●硫安:1 箱当り 5g 程度施用
※施用後は、葉ヤケ防止のために
上から灌水し、葉にのっている
硫安を流しましょう。
●液肥:200倍に薄めて施用
箱数
1箱
10 箱
100 箱
手軽で
おすすめ!
◎ 被覆資材
液肥
5㎖
50㎖
500㎖
水の量
1ℓ
10ℓ
100ℓ
被覆資材は材質によって異なった特徴を持ちます。有効に活用しましょう。
【被覆資材の特徴一覧】
資材名
効果
特徴及び注意点
ラブシート
(不織布)
保温、通気、通水
単独で使用すると過乾燥しやすい。他シートと組み合わせて
使用する場合は、ラブシートの上に他シートを被覆する。
ミラシート
(白スポンジ系)
保温、保湿
保温効果に優れ、低温が予想される際は有効である。反対
に温度が高い場合は床土温度が上昇しやすいため苗ヤケの
発生に注意する。
表面のアルミにより遮熱効果があり床土の高温防止に役立
シルバーポリトウ# 80
保温、保湿、遮光 つ。また、低温時にも保温効果が期待できる。被覆する際
(ポリ + アルミ複合)
は表裏を確認する。
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2
|
30℃
被覆管理
その他管理
温度 昼温
管理 夜温
緑化期
(2∼3)
4
5
6
育苗箱
7
8
育苗箱
9
10
育苗箱
ミラシート
シルバーポリトウ#80
11
〜
17
7∼
12 ㎝
硬化期
(13 ∼ 15)
5 ㎝程度
パイプ
○枠は板、角材、単管パイプ等を使用。
○被覆資材は単管パイプ等で押さえるか、
箱下に折り込む。
18
20℃∼ 25℃
15℃∼ 18℃
○箱上のミラシートを被覆する。高温時
は、シルバーポリトウ# 80 で一時的
に覆う。
○出芽から緑化では、白化苗に注意する。
20
22
15℃∼ 20℃ 20℃以上にしない
10℃以上 8℃以下にしない
徐々に外気温にならす
○ミラシートの除覆は緑化期終了から硬化期初期。
○低温時の移植はさける。
(第1葉鞘長 3.5cm が目安)。
○田植え5日前に追肥
○高温時のヤケ、霜害に注意。
※軟弱・徒長の場合には施用しない。
○低温時は保温資材で被覆する。
① 十分湿った状態で箱を並べ、被覆する。
(土壌が乾燥している場合は、灌水をしてから被覆する。)
② 水分の蒸発を抑えるために被覆資材で覆う。
また、シート上に水が溜まるとその部分がヤケてしまうので、降雨後はホウキやブロワーで水を払う。
∼ 発生防止のポイント ∼
21
○移植の4∼2日前に落水する。
(苗の運搬を容易にする)
19
※窒素成分2 〜 1g/箱
(2)液肥の流し込み
液肥 200 倍程度で流し込む
(1)硫安の直接施用
(1 箱当たり 5g 程度)
床土面以上の湛水状態で以下の
いずれかの方法で行う。
3 追 肥
○入水は硬化初期(葉数 1.0 ∼ 1.2 葉)に行い、苗箱の
○出芽後、育苗箱を並べる。
床土面まで湛水する。
○育苗箱(ブロック毎)と枠の間を5㎝
○水深が浅い所で、箱の 1/3 以下になったら、草丈の半分
程度あけ、水回りを良くする。
以下まで湛水する。
○土の乾燥や晴天時の苗出し等の場合、
○低温が予想される場合は、一時的に深水管理を行う。
必要により被覆前に灌水する。
その後、通常の水管理。
3
1 回目入水時
の水位
2 回目以降
の入水水位
2 育苗箱設置・被覆資材
ご不明な点等がございましたら
JA 米穀課(TEL777︲3180)まで
お問い合わせください。
苗ヤケは、土壌の水分不足や急激な温度変化が原因で発生するため、除覆・入水までの期間は特に注意が必要です。(緑化期に発生しやすい)
●苗ヤケについて
|
出芽期
(2∼3)
1
プールの
水管理等
育苗日数
生育ステージ
(日数)
播 種 量:130 〜 140g/ 箱
(乾もみ重量)
育 苗 日 数:20 日
草 丈:12 cm
葉 数:2. 2 葉
第1葉鞘長:3. 5 cm
1 稚苗の育苗目標
露地水稲プール育苗(稚苗加温)と苗ヤケ防止対策