株式会社 睦美化成 - 福岡県中小企業振興センター

情報取引企業訪問
No.59
株式会社 睦美化成
技術とデータが融合した
フッ素樹脂加工
睦美化成は、フッ素樹脂加工を
中心とする皮膜処理業者。1957
年の創業時には製菓機械の製造が
主な事業だった。もなかの皮を金
型で焼く機械を作り、高度経済成
長に伴う需要拡大の波に乗って発
展した。
かつては、もなかの皮を焼く際
は、焼き型に油を塗るのが当たり
前だった。そこで、油を使わずに
型離れを良くすれば売れると見込
み、始めたのが金型へのフッ素樹
脂加工だった。
当初は自社の製品に施していた
が、徐々にフッ素樹脂加工のみの
受注を増やして主力業務に成長さ
せた。製菓機械の需要は頭打ちに
なると予想していたからだ。フッ
素樹脂加工は、半導体製造装置部
品や地元の大手ゴム製品メーカー
の機械部品に採用されるなどして
拡大した。
企業の強み
人材育成と情報共有
睦美化成の成長を支えるのは、技術力の高さ。
フッ素樹脂加工は、材料による差別化が難しい。
そこで人材育成に力を入れ、加工する技術者の
能力向上で他社との違いを出す。特に複雑形状
や取り扱いに細心の注意を要する物への対応力
を重視している。
小型部品も処理できる
當房社長は、技術力を高められた理由を「一
筋縄ではいかない仕事に対する試行錯誤の連続
があったから」と振り返る。靴製造の金型では
複雑形状に対応するノウハウを蓄積。高価な精
密金型を加工する経験も積んだ。「常に勉強しな
いといけない」(當房社長)と向上心を持ち続け
る。
塗装風景
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BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.3
人材育成は、
オンザジョブトレーニング(OJT)
が基本。
「とにかくやらせてみる。小さな失敗を
経験しないと、取り返しがつかない失敗をして
しまう」
(同)と経験を積むことを重視する。ま
た、一つの製品への加工は最初から最後まで一
人が担当する。それによって達成感と責任感が
生まれるからだ。
人の技能と同等に作業データも重視。使った
材料、作業手順、動作などの細かい記録を蓄積
している。また「失敗も貴重なデータ」(同)と
位置付け、文書による資料とし、技術者で共有
する。失敗を防ぐ方法を全員で見つけ出し、同
じミスの発生を防いでいる。
処理の例
我が社の取引拡大事例
展示会で人材育成
ニケーションの経験を積む場となる。ブース
振興センターの支援による展示会出展は、
の訪問者の業界が幅広く、質問内容が千差万
会社の PR だけでなく人材育成に役立ててい
別であることも貴重だ。ユーザーから感謝の
る。特に新人にとっては、社外の人とのコミュ
言葉をかけられると自信と誇りが持てる。
當房睦仁 社長メッセージ
経験がない仕事でも、相談して任せてくれる
ことは大変ありがたい。依頼された仕事が困難
であっても怖がらず、チャレンジし続けてきた
ことが今につながっている。基本的に当社は、
難しいことを理由に断ることはない。同じ注文
であっても、長寿命化によるコスト削減や品質
向上など課題は常にある。それを探し、改善し
続けていく。今後も価格ではなく、他社がまね
當房 睦仁(とうぼう・むつひと)社長
できないことで差別化していくつもりだ。
企業概要
企
代
所
T
F
業
表
在
E
A
名
者
地
L
X
お問い合わせ
株式会社 睦美化成
代表取締役社長 當房 睦仁
福岡県久留米市福津本町2290の1
0942- 33- 3188
0942- 35- 5767
情報取引推進課 TEL:092-622-6680
Eメ ー ル
U R L
社 員 数
[email protected]
http://www.mutsumi-chem.jp
19 人
事業内容
フッ素樹脂加工、機能性被膜加工
BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.3
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