情報取引企業訪問 - 公益財団法人 福岡県中小企業振興センター

訪問
情 報 取引企業
株式会社
No. 75
ゼックフィールド
ゼックフィールドはシベリア産もみの木から抽出したエッセンシャルオイルを核に事業展開する技術
開発型ベンチャー企業だ。九州大学とオイルの成分を分析したり、博多女子高生と共同でリップやコロ
ンを製品化したりするなど産学連携に積極的に取り組む。女子高生とは今年、製品化だけにとどまら
ず、クラウドファンディングによる資金調達、事業計画の策定、収支管理などビジネス全体を体験でき
る仕組みとした。
企業の強み
証券会社を早期退
職した漆間 直会長
が2005年 に 設 立 し
た。当初はシベリア
産もみの木から抽出
したオイル「アビエ
スエッセンシャルオ
イル」の製造と販売
を手がけた。
もみの木は欧米で
クリスマスツリーと
して使われるほか、
もみの木から抽出したオイル
「アビエスエッセンシャルオイル」
抗菌作用があること
も知られていたとい
う。そこで九州大学農学研究院と共同研究を行
い、効能を調査した。インフルエンザウイルスに
対する調査では1時間後に9割、24時間後に全
量が不活性化することが分かった。不活性化とは
ウイルス本来が持つ感染力などを失うことを意味
する。関連特許も取得した。
また、エッセンシャルオイルの雰囲気下でパソ
コン作業を行った際の脳波を測定し、リラックス
効果があることも分かった。空気だけの状態と比
較してθ(シータ)
波が2−3割高くなっており、
リラックス状態になったことが表れている。
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BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2016.10
ナノバルブ製造装置
さらに近年はエッセンシャルオイルだけでな
く、派生商品の開発にも力を注いでいる。この過
程でナノバルブ製造装置の開発にもつながった。
装置は小型ながら装置の要となる特殊混合器の能
力が高いのが特徴だ。今後はすでに実績がある農
林水産業のほか、医療関連や工業用として導入拡
大を図る。
博多女子高生による(公財)福岡県中小企業振興センターでの製品説明
我が社の取引拡大事例
14年、博多女子高校の生徒と共同でエッセン
シャルオイルの成分を配合したリップクリーム
「ユニリップ」を製品化した。インフルエンザの
予防や精神安定につながるリップとして1本500
円で発売。
(公財)福岡県中小企業振興センター
を博多女子高校の学生が訪問して製品説明を行う
などした活動が大手小売りの目にも止まり、イオ
ン九州などでも販売することになった。イオン九
州でも生徒自らセールスプロモーション活動を展
開した。
イオン九州での販売促進活動
こうした努力の成果が実り、初年度1万本の売
3年目となる今年はエッセンシャルオイルから
より、博多女子高校
む。甘茶はノンカフェイン、ノンシュガー、ノン
り上げ実績を残すことができた。この取り組みに
は「第6回商業高校
生オリンピックinふ
くおか」で優勝する
など表彰を受けてい
る。2年目は共同開
発第2弾商品として
エッセンシャルオイ
ルを配合したコロン
女子高生と共同で製品化したリップクリーム
を発売した。
離れて、福岡県八女産の甘茶の製品化に取り組
カロリーと体によい効果がある製品であるが、あ
まり知られていない。そこで甘茶を使ったハーブ
ティーを製品化し、甘茶の良さを発信しようとす
るものだ。
さらに今回はクラウドファンディングを活用
し、資金調達する。1口1万540円で募集目標金
額は150万円。原料調達やパッケージラベル費用
などに充当する。
会長メッセージ
会社を設立して10年。
めに取り組んできたことで展望が見えてきた。も
開発が開花し、ようやく
研究院と共同研究し、ウイルスの不活性化を確認
これまで行ってきた技術
収穫の時期を迎えること
ができた。安全や社会の
信用を第一に製品開発し
みの木の枝葉から抽出したオイルは九州大学農学
している。今後も自然存在の健康によい製品を広
げ、同時に循環型社会の構築にも貢献したい。
てきた。評価を得るまで
時間がかかったが、まじ
漆間会長
企業概要
企 業 名
代 表 者
所 在 地
T E L
F A X
お問い合わせ
ゼックフィールド
漆間 直
福岡市東区多の津1-14-1
092-624-4335
092-624-4336
Eメ ー ル
U
R
L
事業内容
web@zec-field.co.jp
http://www.zec-field.co.jp
エッセンシャルオイルなどの製造・
販売
情報取引推進課 TEL:092-622-6680
BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2016.10
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