塚田晋一郎報告スライド(PDF)

2015/2/17
NPO法人
安保法制の
政治日程(予想)
日米ガイドライン改定
集団的自衛権行使容認との関係性
朝日新聞(2
朝日新聞(
2月13
13日夕刊)
日夕刊)
塚田 晋一郎
集団的自衛権問題研究会 研究員
NPO法人ピースデポ 事務局長代行
2015年2月17日 文京シビックセンター
集団的自衛権問題研究会・公開研究会
安保法制の政治日程(予想)
読売新聞(2
読売新聞(
2月13
13日夕刊)
日夕刊)
集団的自衛権とはなにか?
・「自衛権」=国連憲章 第51条で初めて
明文化(1945年)
・個別的自衛権と集団的自衛権
・国連ないし複数国による集団安全保障措置
が取られるまでの間の「移行期」に、自衛
のために武力行使を行う権利。
・冷戦期から現在に至るまで、大国の他国侵
攻の口実として使われてきた。
⇒全ての国家が有することは無論だが、
歴史的に濫用されてきた例外的なもの。
1
2015/2/17
日米ガイドライン(日米防衛協力のための指針)
・日本が攻撃された際の自衛隊と米軍の役割
分担を記した文書。
・日米間の行政文書。※法的拘束力はない。
(本来、憲法、法律、条約より下位にあるべきもの。)
「周辺事態」
・97年改定の現行ガイドラインで登場。
・「地理的概念ではなく、生じる事態の
性質に着目したもの」(防衛省)
↓他方で
・小渕首相答弁(99年4月28日、参議院本会議)
・1978年 冷戦下:「ソ連の日本侵攻」に
備え、初めて策定される。
・1997年 冷戦後:「朝鮮半島有事」等を
想定し改定。「周辺事態」の概念を盛る。
現行ガイドラインの「最も重要な目的」
<3分野>
(1)平素から行う協力
(2)日本に対する武力攻撃に対しての
対処行動等
(3)日本周辺地域における事態で日本の
平和と安全に重要な影響を与える
場合(周辺事態)の協力
⇒現行ガイドラインで、既に「平素から有事まで」
の内容。それをさらに「切れ目のない」ものに
するために、また改定するとしている。
「周辺事態が生起する地域にはおのずと限界があ
り、例えば中東やインド洋で生起することは現実
の問題として想定されない。」
⇒一定の地理的制約があると解釈もされる。
進行中のガイドライン改定作業
・今回で2回目の改定。
・「日本を取り巻く変化する安全保障環境に
対処するため」(中間報告)
「一層厳しさを増す我が国を取り巻く安全
保障環境」(防衛大綱、国家安全保障戦略、
防衛白書、7.1閣議決定 などに頻出。)
・日本の「『積極的平和主義』に対応」し、
米国の「アジア太平洋地域へのリバランス
と整合する。」(中間報告)
2
2015/2/17
日米ガイドライン改定・中間報告
日米ガイドライン改定・中間報告
・2014年10月8日夕 発表
・当初は9月発表予定→延期
・「集団的自衛権」の明記は先送り
・「周辺事態」の概念を削除
→「平時」と「有事」を「切れ目なく」
→「周辺」でなくなり地理的に無制限に
・14年内改定めざすも延期。
⇒安保関連法制の調整。今国会に提出予定。
※「改定のポイント」
「日本の平和と安全の切れ目のない確保」
(江渡防衛大臣、10月8日)
日米ガイドライン改定・中間報告
日米ガイドライン改定・中間報告
・日米安保条約第4条、第6条の
「極東条項」との矛盾が拡大。
第六条 日本国の安全に寄与し、並びに
極東における国際の平和及び安全の維持に
寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸
軍、空軍及び海軍が日本国において施設及
び区域を使用することを許される。
※今回の改定によって、地理的制約なしに、
自衛隊が米軍を支援することが可能に。
※明記されずとも、集団的自衛権行使との
リンクが浮き彫りに。
・日米安保条約第5条とも齟齬がある
第五条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、い
ずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危
うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び
手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを
宣言する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置
は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連
合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、
安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持す
るために必要な措置を執つたときは、終止しなければなら
ない。
3