3.選択領域(12時間):科学力パワーアップⅠ

【3.選択領域(12時間):科学力パワーアップⅠ】
本講座の目的は、「理科」「工業」それぞれの教科の現状と課題について理解を深めるとともに、「理科授業法」「航空機や自動車の制御技術」「地球環境問題」「先端化学と先端物質学」「植物の作用」等の各分野についての基本的理解を深めることにあります。生徒たちの理科
講習内容 離れが懸念されている今日、改めて、理系諸教科の面白さ、楽しさを再確認し、自然科学の基礎が、私たちの生活と深いところで繋がっていることへの理解を深める一助とします。
内 容
講座
講座テーマ
受講対象
時間
担当者
1
「小学校生活科・理科」
「中学校理科」
1.小学校・中学校及び高等学校の理科学習指導要領を概観する:目標(学校種の比
「高等学校理科」
較、現行版と改訂版の比較)、内容(小学校、中学校、高等学校)
接続する校種の理科の目標・内容について理解を深め、理科教育 「学習指導要領」
2.理科は本当に必要か?:市民のための理科教育、専門家養成のための理科教育、
理科教育の課題と改善のヒント
の課題について確認する。自校の理科教育課程編成及び改善を 「科学リテラシー」
幼稚園から大学院まで
意欲的に推進するための視点を見いだす。
「STS教育」
3.高校理科の実践例:STS教育、課題研究
「課題研究」
4.改善のヒント:チームワーク、授業で勝負
「チームワーク」
「授業」
中・高等学校教
諭(理科、工業)
3
野々山 清
2
制御技術とは「機械を思い通りに動かす」技術である.コンピュータ(マイコン)やセンサ
の性能向上や低廉化に伴い,制御技術は身の回りに浸透している.最も身近な例はエ
「制御工学」
アコンである.エアコンは温度を設定すれば室温を自動的にその温度に保ってくれる.
航空機,ロケットの飛行原理,航空機の自動操縦技術や自動車の 「航空・宇宙」
航空・宇宙概論及び航空機や自 一方,乗り物の自動化では航空機の自動操縦はすでに実用化されている.自動車で
自動運転技術について概要が理解でき,授業などで簡単な解説が 「自動車」
動車の誘導制御技術
は自動ブレーキはここ数年間で実用化された.自動運転も実証実験レベルに到達して
できる程度の知識を身に着ける.
「誘導制御」
おり実用化される日も近い.本講義では航空機やロケットの飛ぶ仕組みに続いて,制
「自動操縦・自動運転」
御技術の概要,さらに航空機の自動操縦技術や自動車の自動運転技術について概
要・実験例を示す.
中・高等学校教
諭(理科、工業)
1.5
前川 明寛
3
我々の足下には、地中に浸透した雨水が莫大な量の地下水として蓄えられ、ゆっくりと
流れている。雨の降らない日にも川の水が絶えないのは、基本的には地下水が河床
から湧き出しているからに他ならない。人々の暮らしと産業を支えて来た地下水は、水
暮らしと産業を支える地下水資
温が安定し、本来は水質も優れた貴重な水資源といえる。流域に住む市民の共有財産
源
として適切に管理し、有効に活用してゆく必要がある。本講義では、沖積平野を対象と
して、地下水の存在と流動、水質、利用と管理など、地下水資源を取り巻く状況につい
て解説する。
中・高等学校教
諭(理科、工業)
1.5
原田 守博
中・高等学校教
諭(理科、工業)
1.5
広瀬 正史
中・高等学校教
諭(理科、工業)
1.5
小澤 理樹
中・高等学校教
諭(理科、工業)
3
横内 茂
講 座 概 要
4
5
6
地球観測と地球環境問題
自然界におけるパターン形成
到 達 目 標
キーワード
「ダルシーの法則」
「不圧地下水と被圧地下
地下水が存在する沖積平野の帯水層構造および地下水流れの水
水」
理機構を理解するとともに、過剰な採取に伴う地盤沈下ならびに水
「沖積平野の地下水盆」
質汚染などの環境問題について認識を深め、持続的な地下水資
「地下水水質および温泉」
源の利用と管理の在り方について考察できる。
「地盤沈下と揚水規制」
「地下水資源の保全と活
用」
本講義では,オゾン層破壊や地球温暖化の問題を取り上げ,環境の認識をめぐる取り
組みを紹介する.電磁波を用いて広域環境を観る技術が発展し,長期間のデータや科
地球環境問題の諸課題を理解する.
学的知見が蓄積されることによって,様々な課題や現象の発見があった.状況を理解
衛星による地球観測の実態を知る.
する古典的な理学と新しい視野を拓く工学は共に発展している.また,自然変動と人間
地球環境問題,学問分野等のつながりを見出す.
の社会は密接に関連している.地球環境問題を題材として,学びの広がりや結びつき
を再確認する.
「オゾン層破壊」
「地球温暖化」
「リモートセンシング」
生物、非生物を問わず形あるすべてのものは、物体間に働く相互作用に起源を持つパ
ターン形成の産物である。似た形や挙動を示すものの間には、大きさや知能の有無に
パターン形成に関する基礎概念を理解し、広い範囲の対象物に対 「パターン形成」
依らず、環境との間に類似の相互作用を持つ場合が多い。本講義では、風紋などに見
して適用させて分析的に考えられる。また、次世代技術の一つとし 「自己組織化」
られる単純な例から化学反応や生物の挙動に見られる一見複雑な現象まで、さまざま
てパターン形成メカニズムの理解と活用の重要性を説明できる。 「バイオミメティクス」
なタイプのパターン形成について概観し、自己組織化やバイオミメティクスなど、近年注
目されている研究分野とのつながりを解説する。
他感作用(アレロパシー)とは、ある植物が放出する科学的物質が周囲の生物に影響
1.植物社会での種間競争の側面を理解する。2.農地における他
種子植物が持つ他感作用を垣間 を与える現象をいう。この現象はギリシャ時代より観察され、以後自然界や栽培下を問
感作用のプラスとマイナス面を認識する。3.高校生物の生態系に
見る
わず古今東西の文献に記録されたことは注目される。この講座では種子植物が持つ他
対する一助として理解する。
感作用を概説し、また植物の葉を用いた他感作用検定法を紹介する。
1/1
「他感作用」
「アレロパシー植物」
「アレロパシー物質」
「生態系」