CHEMOTHERAPY 310 AB-206に SEPT. 1978 関 す る基 礎 的 研 究 な ら び に 呼 吸 器 感 染 症 へ の 応 用 中富 昌夫 ・那 須 斎藤 厚 ・森 林 勝 ・岩 崎 博 円 ・大 田麺 祐 信 興 ・広 田正 毅 ・堀 内信 宏 敏 明 ・朝 長 昭 光 ・原 耕平 長崎大学 医学部第2内 科学教室 (主任:原 耕平教授) 餅 田親 子 ・猿 渡 勝 彦 ・伊 折 文 秋 ・林 愛 長崎大学 医学部付属病院検査部 (主任:糸 賀 最 近 の新 しい 抗 生 剤 の発 見 に よ って 感 染症 の治 療 は比 敬教授) い る 現 況 で あ る。 較 的 に容 易 とな っ て きた。 し か し,重 症 末 期肺 感 染症 や 今 回,開 老 人 また は抗 癌 剤,ス テ ロイ ド剤 な どの 投 与 時 に お け る (Nalidixic 免 疫低 下 時 の感 染 症 の 治療 に は,し ば しば 困 難 を 感 じて acid,以 Fig. 1 Chemical structures related derivatives of AB-206 and 発 さ れ た 抗 菌 剤AB-2061)は,ナ acid,以 下PA)あ 以 下PPA)と 下NA),ピ リジ クス酸 ロ ミ ド酸(Piromidic る い は ピ ペ ミ ド酸(Pipemidic 関 連 し た 化 合 物 で,Fig.1に な 構 造 式 を 有 し て い る 。 そ の 特 徴 は,抗 に お い て,ほ こ と,従 in acid, と ん どす べ て の グ ラ ム陰 性 菌 に 活 性 を 示 す 来 のNA,PAよ vitroに 示 す よう 菌 スペ ク トラム り優 れ た 抗 菌 力 を 示 す こ と, お い てNAよ り耐 性 獲 得 が ゆ る や か な こ と な どで あ る。 AB-206 わ れ わ れ は 本 剤 に つ い て,基 礎 的 研 究 な らび に 呼 吸 器 感 染症 例 に投 与 した 場 合 の効 果 お よび 副 作 用 に つ い て 検 討 し た の で,そ の成 績 を 報 告 す る。 1.基 1.抗 礎 実 験 方 法:教 Salmonella と各 種 臨 床 材料 よ 36, Citrobacter freundii aureus 10, E. coli 53, Shigella bsiella 53, Enterobacter aerogenes 45, Kle- aerogenes 54, marcescens 54, Proteus 41, Pr. rettgeri 22, Pr. 16, Morganella morganii 43, Pseudomo54) の 計686株 に つ い て,日 本 化 学 療 nas aeruginosa 法 学 会 標 準 法 改 訂 案2)に 従 っ て,108/mlの AB-206とNAの 増 菌 用 培 地 に はTrypticase け はBTB寒 soy infusion NIHJ 定 成 績 をTable 照 株 と し て 使 用 さ れ た.E.coli で0.39μg/ml,NAで6.25μg/mlで 研)を JC-2を 測 定 し た。 broth(BBL),測 agar(栄 天 培 地(栄 株 と し て はE.coli 実 験 成 績:測 菌液 を用 い て 最 小 発 育 阻 止 濃 度(MIC)を 用 平 板 培 地 に はHeart teusだ 54, 38, C. diversus 24, C. amalonatica inconstans Pipemidic acid (PPA) 究 (Staphylococcus Ent. cloacae 54, Serratia vulgaris 13, Pr. mirabilis Nalidixicacid (NA) 研 室 保 存 の 標 準 株22株 り分 離 され た 菌664株 Piromidic acid (PA) 的 菌力 定 研)を,Pro- 使 用 した。 対 照 菌 用いた。 1,2,3,4に NIHJ 示 し た。 対 Jc-2は,AB.206 発 育 が 阻 止 され VOL.26 Table 1 311 CHEMOTHERAPY S-4 Antibacterial activity of AB-206 NA against standard strains and た。 教 室 保 存 標 準 株 に 対 す るAB-206のMICは,NAの そ れ と 比 較 し て,全 般 に2∼3管 程 度 に 低 い 値 を 示 し, と くに 緑 膿 菌 を 除 く グ ラ ム 陰 性 桿 菌 に 対 し て 強 い 抗 菌 力 を 示 し た 。 各 種 臨 床 材 料 よ り分 離 さ れ た 菌 株 に 対 し て も 同 様 に2∼3管 強 い 抗菌 力 を示 した 。 す な わ ち 各種 細 菌 が 最 も多 く発 育 阻 止 さ れ たMIC値 coccus aureusはAB-206 μg/ml以 を 見 る と,Staphylo- 12.5μg/ml,NA100∼100 上,SalmonellaはAB-206 6.25μg/ml,Citrobacter 0.39μg/ml,NA freundiiお よ びC.diversus で はAB-2060.78μg/ml,NA6.25∼12.5μg/ml,E. coliで はAB-2060.39μg/ml,NA6.25μ9/m1,shi- gellaで は 、AB-2060.39μg/ml,NA3.13μg/m1,Kle- bsiella aerogenesで はAB-2060.39∼0.78μg/ml,NA 3.13∼12.5μg/ml,Enterobacter cloacaeで m1,Serratia NA aerogenesとEnt. はAB-2060.39∼0.78μg/ml,NA6.25μg/ marcescensで 6.25μg/mlで でAB-206 はAB-2060.78μg/ml, あ っ た 。Proteusで 0.20μg/ml,NA はPr.vulgaris 3.13∼6.25μg/ml,Pr. mirabilisでAB-2060.39μg/ml,NA Pr.rettgeriで を 示 し た が,AB-206の morganiiで aeruginosaで NAは100μg/mlあ こ れ ら のMICの ml以 Table 2 Antibacterial activity of AB-206 示 し た 。Pr. も同 様 で あ った 。 はAB-20612.5μg/ml, るい は それ 以 上 で あ った 。 相 関 をFig.2∼11に 上 を 耐 性 とす る とAB-206に and NA to organisms 性 のパ タ ー ン 方 が 低 いMICを inconstans,Morgmell Pseudomonas 6.25μg/ml, はAB-206もNAも2峰 isolated from 示 し た 。25μ9/ 耐 性 でNAに clinical materials 感受性 SEPT.1978 CHEMOTHERAPY 312 Table 3 Antibacterial activity of AB-206 and NA to organisms isolated from clinical materials Table 4 Antibacterial activity of and isolated from clinical materials Fig. 2 Correlogram and NA of MIC between AB-206 AB-206 NA to organisms Fig. 3 Correlogram and NA of MIC between AB-206 Fig. Fig. 5 Fig. 6 313 CHEMOTHERAPY VOL.26S-4 Correlogram and NA 4 Correlogram Correlogram of MIC between of MIC between of MIC between AB-206 AB-206 and NA AB-206 and NA (Genus Citrobacter) の も の は1株 NAに も 見 られ な か っ た 。AB-206に 感 受 性 で 耐 性 の も の はStaphylococcus50株(92.6%), SalmoneN1株(3%),E.coli 14株(26.4%),Citro- baoterpeundii7株(18.4%),a.diuer3us2株(8.3 %),KlebsielJaaerogenes7株(13%),Enterobacter aerogenes 6株(11.1%),Ent.cloacae7株(13.0%), Sermtiamamscens19株(35.2%),.Proteusrett8eri 12株(55%),Pr.inconstans8株(50%),Nrganella mor8anii15株(34.9%),Pseudomona3aerugino3a 33株(61.1%)で あ っ た 。Shigella,Citrobacter amalonatica,Proteus mirabms,Pr.vulgarisは 全 株 感 受 性 で あ った。 2.ヒ トに お け る 吸 収 ・排 泄 実 験 方 法:体 5例 重52∼72kg,年 齢31∼37歳 の 健 康成 人 に 早 朝 空 腹 時 ま た は 朝 食 後 に 各 例500mg(2Tab.) CHEMOTHERAPY 314 Fig. 7 Correlogram of MIC between SEPT. AB-206 and NA (Genus Enterobacter) Ent. cloacae Ent. aerogenes Fig. 8 Correlogram and NA Serratia of MIC between marcescens Fig. of MIC between Pr.vulgaris, Correlogram and NA of MIC between morganii AB-206 and NA (Genus Proteus) Pr.rettgeri,Pr.inconstms Pr.mirabilis mimbilis ●Pr.vulgaris 10 Morganeila 54 strains 〇Pr. 54 strains 54 strains AB-206 Fig. 9 Correlogram 1978 41 strains 〇Pr.inconstans 16 strains 13 strains ●Pr.rettgeri 22 strains 43 strains AB-206 VOL.26 315 CHEMOTHERAPY S-4 を経 口投 与 し た。 投 与後1/2,1,2,4お よび6時 間 目に 採 血 し,各 期 間 は 蓄 尿 し て,こ れ を被 検 体 と して 血 中 濃 度,尿 中排 泄 状 況 を 検 討 した 。 また,症 例3(Fig.12) -54歳41kg,女 性 の 慢 性 気 管 支 炎 患者 一 に も 同 様 に 500mg経 Fig. 11 Correlogram of MIC between AB-206 and NA (Pseudomonas aeruginosa) 口投 与 し て,血 中 濃 度 の 推移 をみ た 。 測 定方 法 は,E.coli Fig. Pseudomonas aeruginosa Kp株 を 検 定菌 と して,定 量 用 培 12 Case 3, 54 y. o., F. 41kg, bronchitis Chronic 54 strains Drugsensitivity (H.influenzae) NA(+++) ABPC(+++) CER(+++) CP(+) Sutum Cough(+)(+)(+)(+) H.influenzae(+) ESR 17/37 CRP(-) WBC 6100 Table 5 Serum levels of AB-206 Table 6 in healthy Urinary excretion adults after of AB-206 (+)(+)(+)(+)(+)( +++) 12/37 (-) 8900 meal and starvation CHEMOTHERAPY 316 地 に はD.S.T.Agar(Oxoid)を 用 い た カ ップ 法 に て行 な っ た 。 標 準 曲 線 作 製 に は,血 を,尿 中 濃 度 測 定 に は ヒ ト血 清 中 濃 度 に はpH7.2,1/15Mリ ン酸 緩 衝液 を用 い 実 験 成 績:実 験 結 果 をTable 血 中 濃 度 は1∼2時 μg/mlで 間 目 に み ら れ,そ あ っ た 。6時 13 Serum adults の最 高 の 値 は6.25∼5.3 間 目 に は0.2∼0.56μg/mlが 出 さ れ た 。 朝 食 摂 取 後 に 同 様 に500mg経 Fig. levels の 場 合 とほ ぼ 同様 で あ っ たが,そ 1∼2時 間遅 れ て2∼4時 の 血 中 濃 度 は,健 5,6,Fig.13,14,15 投 与 し た 場 合,そ of AB-206 口 投 与 され た in healthy 見 られ,そ 間 目であ った 。 た は2∼4時 あ った 。 間 に高 濃 度 の排 泄 が の 濃 度 は 大 体54∼140μg/mlで あ った 。6 例 ほ ぼ 同様 で5.4∼7.8 %で あ った 。 累 積 回収 率 をFig.14に II.呼 示 した 。 吸 器 感 染 症へ の 応 用 象症例 昭 和52年3月 500 mg orally 与 した 場 合 間 後 に5.8μg/mlで 時 間 目 まで の 尿 中 回収 率 は,全 1.対 空腹時 の最 高 濃 度 出 現 時 間 が 康 成 人 の場 合 とほ ぼ 同様 で,Fig.15 に 示 す よ うに,4時 尿 中 排 泄 は1∼2ま 検 1978 場 合 の血 中濃 度 の 最 高値 は3.8∼6.25μg/mlで 54歳 の 慢 性気 管 支 炎 患 者 に食 後500mg投 た。 尿 の 希 釈 に は 同緩 衝 液 を 用 い た 。 に 示 し た 。 空 腹 時 に500mgを SEPT. か ら8月 まで に 長 崎 大学 第2内 科 外 来 また は 入 院 の5例 を 対 象 と した 。 そ の 内訳 は,気 管支 肺 炎2例,気 管 支 拡 張 症1例,慢 性 気 管 支 炎1例 お よび急 性 気 管 支 炎 の1例 で あ った 。 年 齢 は45∼70歳,男 性3 例,女 性2例 で あ った 。 2.投 与 方 法,投 与 量 お よび 期 間 1日 投 与 量 は 全 例1,500mgで,毎 内服 させ た。 投 与 期 間11日 食 後3回 に 分 割 し の1例 を 除 き残 り4例 は7 日間 で,投 与 総 量 は10.5∼16.5gで Fig. 14 Cumulative urinary recovery of AB206 in 5 healthy adults after oral administration of 500 mg 3.臨 あ った 。 床 効果 効果 判 定 は,白 血 球 数,CRP,血 沈,ム コ蛋 白あ るい は 胸 部 レ線所 見 な どの臨 床 検 査 と,咳 漱,喀 痰 量 ・性 状, 体 温 な どの 自覚 症 状 また は起 炎 菌 の消 長 な ど を 総 合 し て,著 効(+++),有 効(++),や や 有 効(+),無 の4段 階 に 判定 した。 そ の結 果 をTable 効(-) 7に 示 した 。 総 合 的 に は5例 全例 無 効 と判 定 した 。 喀 痰 検 出 菌 は Haemophilus influenzaeが2例 よ り検 出 され,残 例 は 起 炎 菌 不 明 で あ っ た。H.influemaeは り3 本 剤7∼11 日間 の 投 与 で も喀 痰 内 よ り除 菌 され な か った 。 4.副 作用 本 剤 投 与 前 お よび後 に お け る 自他 覚 所 見 お よび 検 査 所 見 に よ り副 作 用 を 検 討 した 。血 液 ・生 化 学 お よび腎 機 能 Fig. 15 Serum levels of AB-206 in patient with chronic bronchitis (Case 3) after meal 検 査 値 をTable III. AB.2061)は 500mg orally 8に 示 した 。本 剤 投与 前 後 を通 じて特 別 の副 作 用 と思 わ れ る もの は 無 か った 。 た抗 菌 製 剤 で,NAと PPA3)と 考 案 住 友 化 学 工 業 株 式 会 社 で 新 し く開 発 さ れ 同様 に,主 類 似 の誘 導 体 であ る。 本 剤 はNA, とし て グ ラ ム陰 性 樟 菌 に 強 い 抗 菌 力 を示 す が,わ れ わ れ の検 討 の結 果 で もNAよ 好 な抗 菌 力 を示 した 。 す なわ ち,NAに 25μg/ml以 NAに 下)AB-206に 耐 性 株 は1株 耐 性 の 株 はStaphylococcus りさ らに 良 感受 性 で(MIC も なか った 。 aureusで は54株 中 54株 あ った が,そ の うち の50株(92.6%)がAB-206 に 感受 性 で あ った 。 同 様 に,Salmonellaの1株 中1株 VOL.26 S-4 CHEMOTHERAPY 317 CHEMOTHERAPY 318 (100%),E.coliの20株 bacter 中7株(77.8%),Serratia marcescensの28株 inconstansの13株 (100%),Pr.rettgeriの14株 domonas 206に 中13株 計686株 中33株(66%)がAB- こ れ ら の 成 績 よ り し て,AB-206はNA耐 性 株 に対 す せ た 場 合 の 血 中 濃 度 は,前 2∼4時 者 で1∼2時 間 目に ピ ー ク を 示 し,そ μ9/m1,後 間 目に 内服 さ 間 目 に,後 者 で の 値 は 前 者 で5.3∼6.25 者 で3.8∼6.25μ9/mlで あ っ た 。6時 で の 尿 中 回 収 率 は5.4∼7.8%で 5例 間 目ま あ った 。 の 呼 吸 器 感 染 症 に1日1,500mgを 著 効 ま た は 有 効 例 は な く,全 投 与 し た が, 例 無 効 で あ っ た 。2例 ヘ モ フ ィ ル ス 桿 菌 が 検 出 さ れ た が7∼11日 より の投 与 で も除 Table7に 示 し た が,ヘ モ フ ィル ス桿 菌 が 検 出 され た 部 レ 線,臨 経 口投 与 に 床 症 状 の改 善 と と もに 本菌 も除 去 さ れ た 。 起 炎 菌 不 明 の気 管 支 拡 張 症 お よ び 急 性 気 管 支 炎 も,そ 22, vulgaris picillin(TAPC)750mgの Pr. inconstans 43, Ps. aeruginosa 同 等 か2∼3管 トに お け る吸収 ・排 泄:健 康 成 人 男子3例 に, 早 朝 空 腹 時 にAB-206500mgを 中 濃 度 は 投 与 後1∼2時 mlで 投 与 し た場 合 の最 高 血 間 目で,そ の値 は5.3∼6.25μgl あ った 。 また 同 様 に,2例 の健 康 成 人 男子 に朝 食 後500mgを 投 与 した 場 合 は,2∼4時 6.25μ9/mlの 最 高 血 中 濃 度 で あ った 。 間 目に,3.8∼ 54歳 の女 性 の慢 性 気 管 支 炎 患 者 に,朝 食 後 に500mg を投 与 した場 合 の最 高 血 中濃 度 は,4時 mlを 間 目に5.8μg/ 示 した 。 3.臨 床 的研 究:5例 ニ シ リン 剤 は ヘ モ フ ィル ス 感 染 症 に 対 し 余 り効 果 は 期 待 で き な い も の と考 え ら れ た 。 感 受 性 テ ス ト成 績 に お い て グ ラ ム 陰 性 菌 に 対 し て 非 常 た そ の 吸 収 ・排 泄 パ タ 化 器 感 染 症 な らび に尿 路 感 染 症 に は 有 性 気 管 支 炎1例,急 性気管支 与 を行 な った が,臨 床 的,細 菌学 的 な 効果 は み られ なか った 。 4.副 作 用:5例 に つ い て,投 与 後 の 自 ・他 覚 症 状 お 文 献 1) 石 神 裏 次: 第24回 日本 化 学 療 法 学 会 東 日本 支 部 2) 総 会, 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ムAB-206。 札 幌, 1977 最 小 発 育 阻 止 濃 度 (MIC) 測 定 法 改 訂 に つ い て。 Chemotherapy 22 (6): 1126∼1128, 1974 3) 那須 勝, 斎 藤 正 毅, 岩 永 正 明, 厚, 森 信 興, 堤 中富 昌夫, 恒 雄, 広 田 堀 内 信 宏, と め つ い て 基 礎 的 ・臨 床 的 研 究 を 餅田親 子, 猿 渡 勝 彦, 伊 折 文 秋, 林 愛, 原 耕 平: Pipemidic acidに 関 す る基 礎 的 研 究 な らび に 呼 吸 器 感 染症 に お け る評 価 。Chemotherapy 2861∼2869,1975 効 な も の と思 わ れ た 。 新 し い 抗 菌 剤AB-206に あ った。 の呼 吸 器 感 染 症(気 管 支 肺 炎2 炎1例)に,1日1,500mg分3投 系 製 剤 の 他 に も 内 服 薬 剤 が 期 待 さ れ て い る 。 し か し,本 IV.ま 強 い 抗 菌 力 を示 した。 慢 性 気 管 支 炎 の経 過 観 察 中 に は しば しぼ ヘ モ フ ィル ス に 優 れ た 抗 菌 力 を 有 す る こ と,ま 54) 最小発育阻止濃 作 用 と思 わ れ る もの は見 られ な か った 。 使 用 で 改 善 した。 桿 菌 が 増 悪 因 子 と し て 関 与 す る こ と が あ り,ペ 13, よび 血 液 ・生 化学 ・尿所 見 な どを検 討 した が,特 別 に 副 れ ぞ れAmoxicillin(AMPC)750mg,Talam- ー ン よ り考 え,消 Pr. rettgeri morganii 例,気 管 支拡 張 症1例,慢 剤 投 与 後Bacampicillin(BAPC)1,000mg ま た はChloramphenico1(CP)1,500mgの よ り,胸 41, 54, Proteus 6時 間 目ま で の尿 中 回 収 率 は5.4∼7.8%で 菌 で きな か っ た。 2症 例 は,本 marcescens に つ い て,NAとAB-206の 2.ヒ る種 々の 感 染 症 に対 し て も有 用 と考 え られ る。 早 朝 空 腹 時 と 朝 食 後1時 54,Salmonella 38, C. diversus 24, C. amal- 度 を 求 め 比 較 した 。AB-206はNAと 感 受 性 で あ った 。 本 剤500mgを 54, Serratia 16, Morganella 中15株(100%),Pseu- aeruginosaの50株 と各 種 臨 床 材 料 aureus freundii Pr. mirabilis 中14株(100%),Mo- morganiiの15株 室 保 存 の 標 準 株22株 onatica 10, E. coli 53, Shigella 45, Klebsiella aerogenes 53, Enterobacter aerogenes 54, Ent. cloacae 中6株(100%),.Ent.cloacae 中19株(67.9%),Proteus rganella 36, Citrobacter 中7株(53.8%),Entero- 1978 の 結果 を 得 た。 菌 力:教 分 離 菌664株(Staphylococcus 中0株(0%), aerogenesの13株 aerogenesの6株 の9株 1.抗 中7株(58.3%),C.diversusの2株 中2株(100%),C.amalonaticaの2株 Klebsiella 行 な い,次 中14株(70%),Citrobacter freundiiの12株 SEPT. 23 (9): VOL.26 CHgMOTHERAPY S-4 FUNDAMENTAL STUDY TO THE 319 OF AB-206 PULMONARY AND ITS APPLICATION INFECTIONS MASAO NAKATOMI, MASARU NASU, HIROMARO IWASAKI, MICHISUKE OOTA, ATSUSHI SAITO, NOBUOKI MORI, MASAKI HIROTA, NOBUHIRO HORIUCHI, TOSHIAKI HAYASHI, AKIMITSU TOMONAGA and KOHEI HARA The Second Department of Internal Medicine, Nagasaki University School of Medicine (Chief: Prof. KOHEI HARA) CHIKAKO MOCHIDA, KATSUHIKO SAWATARI, FUMIAKI IORI and AI HAYASHI The Department of Clinical Laboratory, Nagasaki School of Medicine (Chief: Prof. University TAKASHI ITOGA) Fundamental and clinical studies on AB-206, a new antimicrobial agent, were carried out and the following results were obtained: 1. Antimicrobial activity: Minimal inhibitory concentrations (MICs) of AB-206 against 22 standard strains which had been subcultured in our department and 664 strains (Staphylococcus aureus 54, Salmonella 36, Citrobacter freundii 38, C. diver sus 24, C. amalonatica 10, E. coli 53, Shigella 45, Klebsiella aerogenes 53, Enterobacter aerogenes 54, Ent. cloacae 54, Serratia marcescens 54, Proteus vulgaris 13, Pr. mirabilis 41, Pr. rettgeri 22, Pr. inconstans 16, Morganella morganii 43, Pseudomonas aeruginosa 54) isolated from the various clinical materials were determined in comparison with those of nalidixic acid (NA). MICs of AB-206 were 2 to 4 times lower than those of NA in almost all bacteria. 2. Absorption and excretion in man: Three healthy male adults were given 500 mg of AB-206 orally at fasting time and the peak serum levels were 5.3 to 6.25 ,ug/ml 1 to 2 hours after administration. Two healthy male adults were also given 500 mg of AB-206 orally after meal and the peak serum levels were 3.8 to 6.25 pg/ml 2 to 4 hours afterwards. A 54 years old female patient with chronic bronchitis was administered 500 mg of AB-206 after meal and its peak level of the drug was 5. 8 Pg/ml 4 hours after medication. Urinary recovery rates within 6 hours were 5.4 to 7. 8%. 3. Clinical effect: Five patients with pulmonary infections (Bronchopneumonia 2, Bronchiectasis 1, Chronic bronchitis 1, Acute bronchitis 1) were treated by 1, 500 mg of AB-206 per day. Clinical and bacteriological effectiveness was poor in all five cases. 4. Adverse reaction: Subjective and objective symptoms and hematological, biochemical data and renal function were checked up after administration of AB-206. No side effect was observed.
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