第1回小委員会資料 競輪事業の現状と将来見通しについて 平成22年9月 製造産業局 1.競輪事業の目的 青森前売S.C. 競輪事業は、自転車競技法(昭和 サテライト石狩 藤崎場外 サテライト六戸 サテライト札幌 23年法律第209号)に基づき、 青森 サテライト男鹿 ①自転車その他機械工業の振興 サテライト石鳥谷 サテライト六郷 サテライト松風 函館 サテライト大和 サテライト会津 ②体育、社会福祉など公益の増進 サテライト宮城 サテライト新潟 サテライト中越 ③地方財政の健全化 競輪場 (46ヵ所) 専用場外車券売場 を目的として、都道府県・市町村 サテライトかしま サテライト福島 サテライトあだたら 弥彦 サテライト妙高 郡山場外 (54ヵ所) 平場外 前売専用場外車券売場(8ヵ所) 平 宇都宮 ウィンドーム館林 利根西前売S.C. が実施。 サテライト山陰 現在、48地方公共団体が、 46か所の競輪場にて実施。 サテライト笠岡 向日町 なお、場外車券売場数は62か所 サテライト船橋 名古屋 静岡 ラ・ピスタ新橋 伊東 豊橋 サテライト鴨川 岸和田 高松 奈良 松阪 川越場外 国道前売S.C. サテライト横浜 和歌山 観音寺 小松島 松山 京王閣 川崎 玉野 高知 サテライト大阪 サテライト若松 江田S.C. サテライト西予 サテライト鴨島 (平成22年9月現在)。 大津 サテライト市原 平塚 小田原 四日市 サテライトこまつ ◆ 岐阜 一宮 広島 サテライトしおさい鹿島 サテライト成田 千葉 松戸 立川 大垣 防府駅前S.C. 二番町前売S.C. 大宮 西武園 サテライト山陽 防府 取手 サテライト双葉 福井 サテライト阪神 サテライト津山 サテライト水戸 前橋 富山 サテライト安田 サテライト南国 ハイビジョンシアター門司 サテライト北九州 サテライト久留米 サテライト宇佐 小倉 サテライト武雄 別府 武雄 久留米 佐世保 サテライト長崎 サテライト阿久根 サテライト門川 熊本 サテライト宮崎 サテライト三股 サテライトみぞべ サテライトきもつき サテライト鹿児島 1 2.法目的である社会還元(機械振興・公益増進)の考え方 競輪の実施(車券発売) = 本来は「賭博罪」にあたる行為 売上の一部を「補助事業」という形で広く社会還元を行うこと を前提に、地方公共団体に限って例外的に競輪を実施する ことが認められている。 地方公共団体から納められる交付金は、広く社会還元を行う ための原資となっており、これによって、競輪を実施する法的 正当性が維持されている。 地方公共団体が行う、競艇、競輪、地方競馬、オートレース は、法律、制度ともに同様の仕組み。 かつて国が行っており、現在は特殊法人が行っている中央 競馬は、国庫納付(畜産振興、社会福祉)による社会還元。 2 3.競輪事業の運営体制 48地方公共団体 (競輪施行者) 当たり車券に対する払戻し 売上げの75% 競輪の開催・運営 (車券の発売等)(注1) 車券購入 顧客 売上の一 定割合(約 3.2%)を交 付金として 納付 交付金(注 2)の1/3 (約 1%)を上限 として還付 業務委託契約 場外車券売場(62カ所) 車券の受託発売 業務委託契約 (財)日本自転車競技会 レースの審判・検車等 レース出場契約 競輪選手 選手の養成/ 出場あっせん 選手数:約3,500人 (財)JKA 競技規則制定、選手あっせん、 機械振興・公益目的の補助 選手育成等 公益法人 社会福祉法人 NPO等 (注1)競輪施行者間でも車券販売委託を行っている。また、函館市、青森市、埼玉県、松戸市、富山市、静岡 市、豊橋市、四日市市、岸和田市、高知市、北九州市は民間事業者に包括業務委託を行っている。 (注2)JKAの競輪運営支援事業の経費分は除く。 (注3)競艇、地方競馬、オートレースも概ね同様の体制。 3 4.各公営競技の売上高(推移) 公営競技の売上高は、減少傾向。 直近の競輪の売上高はピーク時に比べて63%減。 (単位:億円) 45,000 40,000 中央競馬:2兆5,901億円 (平成9年度比65%) 35,000 30,000 25,000 競艇:9,257億円 (平成3年度比42%) 20,000 15,000 競輪:7,276億円 (平成3年度比37%) 10,000 地方競馬:3,634億円 (平成3年度比37%) 5,000 0 オートレース:973億円 (平成3年度比29%) 競輪 オートレース 中央競馬 地方競馬 競艇 出所:各種資料を基に車両課作成 4 5.各公営競技の売上高(増減率比較) 直近3年間では競輪の落ち込みが最も激しい。 最も落ち込みが緩やかなのは地方競馬。 (%) 各公営競技の売上高の前年比の推移 115.0 競 110.0 輪 オートレース 競 艇 中央競馬 105.0 地方競馬 100.0 96.7 95.0 94.7 94.2 92.8 91.9 90.0 85.0 5 6.各公営競技の売上高(販売チャネル別シェア比較) いずれの公営競技も、本場売上の販売シェアが低下傾向。 場外売上のシェアは、競輪では微増傾向にあるものの、他の公営競技は横ばい又は低下傾向。 いずれの公営競技も電話投票(主としてインターネット投票)を伸ばしており、上昇が顕著なのは地方競馬。 各公営競技の売上高の場別構成推移 地方競馬 中央競馬 競艇 オート 競輪 0% 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 10% 40% 50% 60% 80% 90% 13.4 14.5 16.3 17.5 19.0 42.6 43.3 30.6 38.9 41.7 40.5 50.1 47.1 45.4 43.3 41.4 32.8 29.8 26.7 24.2 22.5 16.6 19.2 21.4 24.7 27.1 33.1 39.6 33.5 32.4 5.6 5.2 5.0 4.8 4.6 11.6 13.7 16.8 20.2 23.7 44.7 44.2 43.2 52.9 47.7 本場売上 70% 63.3 65.9 66.0 66.7 66.9 45.8 43.0 38.5 35.6 33.1 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 30% 23.3 19.6 17.7 15.7 14.1 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 20% 44.3 47.8 49.6 51.9 54.0 55.5 54.6 53.0 50.9 48.6 場外売上 11.7 15.6 20.3 24.9 29.0 100% ○本場売上 ・それぞれの公営競技を行う 場での販売による売上。 ○場外売上 ・他の場で開催する公営競技 の投票券を販売する場合の 売上(場間場外)。 ・場外車券(舟券、馬券)売場 での売上。 ○電話投票 ・電話による投票 ・インターネットでの投票 による売上。 電話投票 6 7.車券売上高の推移と変動要因 増加要因は、競輪場以外(場外車券売場及び電話・インターネット投票)利用者数の増加。 減少要因は、競輪場入場者の減少、利用者1人平均購買額の減少。 トータルでは、競輪場入場者数と利用者1人平均購買額の減少の減少寄与が大きいために、車券売上高総額の減少 をもたらしている。 (億円) 1500 (1)車券売上高の変動要因(前年度金額差) 入場者数要因(競輪場) 利用者数要因(競輪場以外) 平均購買額要因(競輪場) 平均購買額要因(競輪場以外) 残差 車券売上高前年度差 1000 500 0 ▲ 210 ▲ 500 ▲ 487 ▲ 638 ▲ 1000 ▲ 1177 ▲ 1500 ▲ 2000 ▲ 1245 (2)競輪場、競輪場以外の利用者数 及び1人平均購買額の推移 年間利用者数(万人) 競輪場 入場者 平成3年度 4年度 5年度 6年度 7年度 8年度 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 2,745 2,634 2,504 2,340 2,224 2,194 2,099 1,943 1,752 1,568 1,460 1,290 1,212 1,073 980 862 814 695 648 競輪場以外 利用者 1,678 1,915 2,173 2,344 2,577 2,776 3,224 3,620 3,903 4,031 4,251 4,294 5,008 5,147 5,344 5,656 6,030 6,354 6,648 平均購買額(円) 競輪場 57,160 54,179 50,803 48,190 46,974 44,823 42,933 39,736 37,153 35,054 33,008 29,882 25,424 22,698 20,869 19,538 18,248 17,532 15,440 競輪場以外 23,014 23,254 22,205 22,059 22,105 21,030 19,756 18,719 18,047 17,050 16,207 15,392 13,476 13,046 12,593 12,246 11,467 10,501 9,402 注:競輪場以外のデータについては、平成4年以降調査したため、それ以前 については遡及推計を行った。 7 8.公営競技の入場者数 各公営競技ともに入場者数は減少傾向。 競輪の落ち込みが最も激しい(対平成3年度78%減)。 (万人) 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,495万人 1,500 1,000 732万人 648万人 449万人 211万人 500 0 平成3年度 6年度 9年度 競輪 オートレース 12年度 競艇 15年度 中央競馬 18年度 地方競馬 平成21年度 8 9.売上高の見通し(試算) 平成20年度までの売上高を基に推計した「Aパターン」と、平成21年度の売上高の落ち込みを加味したものを 「Bパターン」2パターンを試算。 いずれのパターンにおいても、売上高は大幅に減少していく見通し。 車券売上高の将来見通し (単位:億円) 10,000 9,151 9,000 8,775 8,611 8,401 7,913 8,000 7,276(H21実績値) 7,472 7,913 7,042 7,000 6,712 7,057 6,339 6,723 6,048 6,405 6,000 5,786 5,564 5,997 推計 5,337 5,666 5,105 5,359 5,000 4,926 5,103 4,791 4,569 4,000 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 売上高(Aパターン) H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 4,407 H30 売上高(Bパターン) *平成15年度以降の実績値を基に関数式を設定し、48施行者が競輪事業を継続する前提で試算。 9 10.競輪施行者の収支状況(推移) 営業活動収入は、車券売上高が大部分を占め、車券売上高以外の収入は僅か。 営業活動収支率は、平成17年度以降平成20年度まで上昇。平成21年度は急激に低下。 営業活動収入、営業活動収支率(対売上高比)の推移 (億円) 12000 (%) その他の営業活動収入 3.5 電話投票 場外売上 3.0 本場売上 10000 3 営業活動収支率(右目盛) 2.5 2.5 8000 2 1.8 6000 1.7 1.4 1.4 1.5 4000 1 0.9 2000 0.5 0 0 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 「営業活動収入」・・本場売上+場外売上+電話投票+その他の営業活動収入(他の施行者が主催する競輪の車券を受託発売による収入等) 「営業活動収支」・・営業活動収入-競輪事業に係るコスト(賞典費、人件費、施設費等)を差し引いたもの。 *平成21年度は暫定値(以下平成21年度の収支の数値については同様) 赤字施行者数 H3 H4 H5 H6 H7 H8 0 0 3 2 3 2 *撤退施行者は除く H9 H10 2 3 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 6 9 7 5 12 16 13 10 4 2 12 10 11.競輪のコスト構造と収支状況(施行者別収支比較その1) 競輪場売上が減少し、競輪場での売上よりも、競輪場以外(場外車券場、電話・インターネット投票)の売上の比率が 拡大。 競輪場以外の収支の黒字で自らの競輪開催の収支の赤字をカバーしているケースが最も多い。 営業活動収支均衡ラインに比較的接近している赤字グループ予備軍が存在。 施行者収支率別分布表(平成21年度) 10 静岡市 競 輪 場 以 外 の 収 支 率 ( % ) 黒字グループB 8 名古屋競輪組合 前橋市 岐阜市 6 営業活動収支均衡 ライン 熊本市 一宮市 久留米市 福井市 黒字グループA 高知市 豊橋市 4 取手市 青森市 平均 2.79(%) 広島市 武雄市 松阪市 大垣市 小松島市 2 別府市 立川市 藤沢市 宇都宮市 松山市 富山市 佐世保市 神奈川県競輪組合 京都府 奈良県 和歌山県 岸和田市 千葉市 東京都十一市競輪事業組合 平塚市 玉野市 松戸市 いわき市 伊東市 川崎市 茨城県 観音寺市 函館市 西蒲原郡弥彦村 高松市 赤字グループ 北九州市 防府市 小田原市 埼玉県 四日市市 0 大津市 注:観音寺は交付金 猶予特例制度利用中 -2 -8 -6 -4 -2 平均▲1.34(%) 0 2 4 自らの競輪開催の収支率(%) *各競輪施行者の収支状況を、の3つに分類 ①自らの競輪開催の収支と競輪場以外の収支がともに黒字:10施行者(黒字グループA) ②自らの競輪開催の収支は赤字だが、競輪場以外の収支の黒字で赤字を穴埋めし、トータルで黒字:26施行者(黒字グループB) ③トータルで赤字:12施行者(赤字グループ) 11 11.競輪のコスト構造と収支状況(施行者別収支比較その2) 過去5年間の設備改善投資金額が年平均1億円以上の競輪場に赤字グループは存在しない。 周辺人口が減少するほど、赤字グループが増加する傾向あり。 収益形態 黒字グループA 9 函館市 いわき市 前橋市 埼玉県 松戸市 川崎市 平塚市 小田原市 四日市市 黒字グループB 26 青森市 西蒲原郡弥彦村 宇都宮市 茨城県 取手市 立川市 東京都十一市競輪事業組合 千葉市 藤沢市 伊東市 静岡市 豊橋市 名古屋競輪組合 岐阜市 富山市 福井市 和歌山県 岸和田市 玉野市 広島市 防府市 松山市 北九州市 久留米市 別府市 熊本市 過去5年間の施設改善投資 赤字グループ 12 神奈川県競輪組合 一宮市 大垣市 松阪市 大津市 京都府 奈良県 高松市 小松島市 高知市 武雄市 佐世保市 1億円以上 1億円未満 13 いわき市 西蒲原郡弥彦村 宇都宮市 千葉市 川崎市 平塚市 静岡市 豊橋市 名古屋競輪組合 岐阜市 北九州市 久留米市 別府市 競輪場から半径10㎞以内の人口 100万人以上 30万人~ 100万人未満 11 23 32 函館市 青森市 前橋市 茨城県 埼玉県 立川市 埼玉県 立川市 函館市 前橋市 東京都十一市競輪事業組合 宇都宮市 松戸市 茨城県 千葉市 平塚市 川崎市 小田原市 東京都十一市競輪事業組合 神奈川県競輪組合 静岡市 松戸市 名古屋競輪組合 豊橋市 神奈川県競輪組合 岐阜市 一宮市 小田原市 京都府 大垣市 伊東市 奈良県 四日市市 一宮市 富山市 大垣市 福井市 四日市市 大津市 松阪市 和歌山県 富山市 岸和田市 福井市 広島市 大津市 高松市 京都府 松山市 奈良県 高知市 和歌山県 北九州市 岸和田市 久留米市 玉野市 熊本市 広島市 防府市 高松市 小松島市 松山市 高知市 武雄市 佐世保市 熊本市 30万人未満 11 青森市 いわき市 西蒲原郡弥彦村 伊東市 松阪市 玉野市 防府市 小松島市 武雄市 佐世保市 別府市 注1:観音寺市は交付金猶予特例制度期間中であり、競輪開催日数が少ないことから、集計から除外した。 注2:藤沢市、取手市は、競輪場を借り上げて競輪を開催し、競輪開催日数が少ないことから、「過去5年間の施設改善投資」「競輪場から半径10㎞以内の人口」の集計からは除外した。 12 11.競輪のコスト構造と収支状況(参考データ) 黒字グループAは、競輪場での車券売上高が高いだけでなく、場外及びインターネット等売上高も高い。 過去5年間の 施設改善投資 (年平均) 収益形態 競輪場から 半径10km以内の人口 全国平均 黒字グ 黒字グ ループA ループB 赤字グ ループ 1億円 以上 1億円 未満 100万人 以上 30万人 ~ 100万人 ※注3 30万人 未満 全競輪場 合計額 (億円) ※注4 該当施行者数 48 9 26 12 13 32 11 23 11 営業活動収支率(売上比;%) 1.4 2.7 1.8 ▲ 0.9 2.3 1.1 1.4 1.9 0.5 損益分岐点比率(%) 93.2 86.8 91.7 104.6 90.1 94.6 93.3 91.5 97.8 営業活動収入原価率(%) 98.6 97.4 98.3 100.9 97.9 98.9 98.7 98.2 99.6 151.6 175.7 148.5 131.4 153.3 157.6 214.2 155.0 123.9 7,276 20.8 29.6 19.4 16.2 24.7 20.5 36.3 22.3 9.9 1,000 130.7 146.0 129.0 115.2 128.6 137.1 177.8 132.7 113.9 6,276 車券売上高(億円)(1場当り) 競輪場売上高(1場当り) 場外及びインターネット等売上高 (1場当り) 開催経費 105 1,884 注1:観音寺市は交付金猶予特例制度期間中であり、競輪開催日数が少ないことから、集計から除外した。 注2:藤沢市、取手市は、競輪場を借り上げて競輪を開催し、競輪開催日数が少ないことから、「過去5年間の施設改善投資」「競輪場から半径10㎞以内の人口」の集計からは除外した。 注3:営業活動収支率=営業活動収支/車券売上高(%) 注4:損益分岐点比率=固定費/(営業活動収入-変動費)(%)。この比率が100%であると収益と費用が等しくなって、損益がゼロになる。100%未満になると利益が生じ、それを超え ると損失が生じる。 注5:競輪場のみ 13 注6:「国勢調査」一部推計含む 12.競輪場入場者数の状況 競輪場の入場者数は、場周辺人口により大きく差異。 ◆南関東、愛知、大阪など場周辺の人口密度が高い競輪場での入場者数が多い。 (千人) 競輪場別の入場者数(平成17年度~平成21年度の5年平均) 450 411 392 400 352 358 356 350 319 296 300 309 298 260 248 259 250 232 210 200 207 209 187 183 165 161 157 155 132138 150 120 100 50 84 108 94 76 67 132 126 114 116 100 78 61 104 91 99 80 76 66 59 61 61 31 0 函青い 弥前取宇大西京立松千花川平小伊静一名岐大豊富松四福大奈向和岸玉広防高観小高松小久武佐別熊 わ 月 田 古 日 日歌和 音松 都 武王 留 世 き 館森平彦橋手宮宮園閣川戸葉園崎塚原東岡宮屋阜垣橋山阪市井津良町山田野島府松寺島知山倉米雄保府本 14 13.主な開催コスト -「場外発売関連経費」- 場外車券売場(他の競輪場を含む)に場外発売を委託する際の支払う費用等が「場外発売 関連経費」。 競輪の売上高の約2/3は場外発売によるものであり、増加傾向。 増加要因は、専用場外車券売場数の増加(現在62カ所のうち、35カ所が平成14年度以 降にできたもの)や他の競輪場(場間場外)への委託の増加によるもの(P23参照)。 場外発売関連経費の推移 (億円) 700 604 600 500 400 300 200 100 0 15 13.主な開催コスト -賞典費(その1)- 定義:競輪施行者と競輪選手(個人事業主)とは、出場契約を締結し、レースに出場。同契約に 基づき、レース出場にあたって、競輪施行者から競輪選手に支払われる賞金及び各種手当。 内容:着位賞金、日当及び各種手当(出場手当、ナイター手当、雨天手当及び年末年 始手当)。 最もグレードの低いレース(FⅡクラス)の場合でも、以下の金額が支払われる。 着位賞金 1着:67,000円~9着:35,000円 出場手当 28,000円/日 日当 3,500円/日 ※FⅡクラスは1開催3日間であり、仮に出場選手が3日間とも9着であった場合でも20万円の賞金 等が支払われる。 (参考)選手ランク別平均年間賞金等獲得額(平成21年度) 全選手平均 1,117万円 S級 1,841万円 A級 うちS班 9,236万円 うち1班 1,026万円 うち1班 2,298万円 うち2班 863万円 うち2班 1,386万円 うち3班 740万円 879万円 16 13.主な開催コスト -賞典費(その2)- 売上に占める賞典費の構成比は増加傾向。ピーク時に比べて倍増 (2.6%→5.3%、P23参照)。 賞典費は、競輪施行者と選手との交渉により決定。 賞典費とは別に、競輪施行者から選手に対しては、旅費も支給。 (平成21年度:総額約26億円) 。 (単位:億円) (単位:人) 賞典費及び選手数の推移 700 4,500 4,000 600 3,460 3,500 500 3,000 388 400 2,500 300 2,000 1,500 200 1,000 100 500 27 0 27 27 26 0 賞典費 選手旅費 選手数 *選手旅費の実績額が把握できるのは、施行者が全輪協を通じて支払うこととした平成18年度以降のみ。 17 13.主な開催コスト -JKA交付金(その1)- JKA交付金納付額は228億円。しかし、交付金還付が76億円あり、実質的な交付金納付 額は152億円(平成21年度)。 交付金率は、平成14年度から約3.7%→約3.3%に低下。 平成19年度から、競輪の活性化事業を行った施行者に交付金の一部を還付。 交付金率は実質的に約2.1%に低下。 (単位:%) 交付金率の推移 4.0 3.7 3.7 3.3 3.5 3.3 3.3 3.0 2.5 3.1 228億円 2.6 264億円 152億円 2.0 2.2 2.1 2.1 1.5 1.0 競輪 競輪(交付金還付後実質負担率) 競艇(日本財団交付金) 注1:交付金率は、地方競馬は1.2%、オートレースは3.5%(交付金還付制度があり、実質負担率は2.5%)。 18 13.主な開催コスト -JKA交付金(その2)- JKAは自転車競技法に基づく競輪振興法人にも指定されており、競輪施行者より交付金の納付を受 け、それを原資として各種業務を行っている。 業務内容:競技規則の制定、自転車の規格の制定、選手あっせん、選手養成等の競輪運営 支援、自転車その他の機械工業の振興や体育、社会福祉など公益の増進を目 的とした補助金交付 平成22年度のJKAの主な収入及び支出(予算)は以下の通り。 交付金収入 217億円 補助金交付額 128億円 補助事業運営費(広報費、人件費等) 18億円 交付金還付額 75億円 競輪運営支援費 81億円 うち広報費 28億円 うち競輪選手共済会への助成金(※) 21億円 うち競輪関係システム等に関する委託費 3億円 うち選手及び審判育成費 3億円 うち人件費 19億円 うち管理費等 7億円 支出合計 *交付金還付等は、特定資産から支出。 302億円 ※競輪選手共済会は、競輪選手に対する医療給付、退職給付及び年金給付事業を行っている が、その原資を選手掛金だけで賄い切れていないため、JKA及び競輪施行者が助成している。 19 50,000 13.主な開催コスト -従事員人件費- 定義(従事員):競輪施行者に雇用され、競輪の開催の補助を行っている非常勤地方公務員等 であり、車券の販売、場内清掃、警備等を行っている。 従事員人件費は直近5年間でほぼ半減(平成16年度:267億円→平成21年度:133億円)。 売上高の減少に伴い、従事員数を大幅に削減するとともに、基本給(日給)も引き下げたことによ るもの。競輪施行者は相当程度のコスト削減を進めてきている。 従事員数 (単位:人) 基本給(日給) (単位:円) 従事員数及び従事員平均基本給(日給)の推移 40,000 10000 8,362 35,000 9000 7,669 8000 30,000 7000 25,000 6000 20,000 5000 14,119 15,000 4000 7,468 10,000 3000 2000 5,000 1000 0 0 従事員基本給(日給) 従事員数 20 13.主な開催コスト -日本自転車競技会委託費(その1)- 日本自転車競技会は、自転車競技法に基づく競技実施法人に指定されており、競輪施行者か らの委託を受け、競輪の審判等各種業務を行っている。 業務内容:①競輪に出場する選手の管理 ②競輪に使用する自転車の検査 ③競輪の競技審判及び ④出場選手の組み合わせ(番組編成)等。 競技会の支出の大半は人件費。また、売上に占める構成比はほぼ横ばい。よって、一定のコ スト削減努力は行ってきている。 (単位:億円) 日本自転車競技会への委託費の推移 300 250 200 150 110 100 50 0 競技会委託費 21 13.主な開催コスト -日本自転車競技会委託費(その2)- 競輪開催時の業務を行うにあたっては、常に40名以上の体制をとっている。その内訳は、 通常、審判業務に25人、選手管理9名、自転車の検車5名、番組編成5人となっている。 また、 ・レースのスターターピストルを発射するだけの者(発走合図員) ・周回板を操作するだけの者(周回員) も存在。 発走合図員と打鐘員 (最終周の前に鐘(ジャン)をならす者) 打鐘員と周回員 22 14.費用構造の長期推移(車券売上高に対する構成比) 場外発売関連経費及び賞典費の構成比が上昇傾向にあり、原価コスト圧迫要因となっている。 それ以外の支出項目の比率は、概ね横ばい又は減少傾向。 (1)車券売上高に対する主要支出項目構成比の推移 (%) 8.2 8.3 7.8 8.0 場外発売関連経費 (604億円) 7.0 6.0 賞典費 (388億円) 5.0 5.3 5.0 5.1 4.8 4.0 3.0 3.7 2.8 3.2 2.6 2.0 1.0 1.9 1.6 1.4 1.4 1.0 1.2 0.0 1.9 1.4 0.5 0.0 3.2 3.6 職員人件費(25億) 競輪場(本場)借上料(25億) 0.3 0.3 3.1 JKA交付金 (228億円) 従事員人件費 1.8 (133億円) 1.5 競技会事務委託 費(110億円) 1.0 0.3 広告宣伝費(75 億円) 23 15.開催経費の内訳の比較(競艇との比較) 売上げに占める場外発売関連経費の割合はほぼ同じ。 売上げに占める賞典費の割合は競輪の方が高い。これは競輪の選手数が競艇の倍以上(競輪3,460人、競艇1,520人) であること等による。 外部委託費の売上げに占める割合は、競輪の方が高いが、これは競輪では包括委託が進んでいること等による(競艇 には包括委託を行っている施行者が存在しない)。 開催経費の比較 2500 2,427億円(24.8%) 場外関連経費 739 (7.6%) 1,884億円(25.9%) 2000 場外関連経費 1500 1000 賞典費 場外関連経費 604 (8.3%) 賞典費 236(2.4%) 外部委託費 136(1.4%) 従事員人件費135(1.4%) 賞典費 388 (5.3%) 競走会委託費 210(2.1%) 外部委託費 158(2.2%) 従事員人件費133(1.8%) 500 0 競技会委託費110(1.5%) その他(広報費等) 340 (4.7%) JKA交付金 152(2.1%) 競輪 注1:競輪は平成21年度、競艇は平成20年度ベース。割合(%)は売上高に対する割合。 注2:競輪の交付金比率は交付金還付後の施行者の実質的負担率。 注3:競走会への委託費は、交付金1.3%及び競走会への施行者からの委託費0.8%を合算したもの。 外部委託費 (民間包括委託、清掃・警備等) 従事員人件費 競技会・競走会委託費 その他(広報費等) その他(広報費等) 709(7.3%) JKA・日本財団交付金 日本財団交付金 264(2.6%) 競艇 24 16.競輪と競艇の基礎データ比較 競輪場数/競艇場数、選手数は競艇は競輪の約半分。 営業活動収支は競輪は競艇の約半分。赤字施行者は競輪が競艇の2倍以上。 競輪 競艇 48 39 うち赤字施行者数 12 5 競輪場数/競艇場数 46 24 場外発売場数 62 30 3,460人 1,520人 施行者数 選手数 交付金率(注2) 2.1% 2.6% 営業活動収支率 1.4% 3.3% 注1:競輪は平成21年度、競艇は平成20年度ベース。 注2:競輪の交付金比率は交付金還付後の施行者の実質的負担率。 25
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