6 なばな後作水稲「キヌヒカリ」の窒素施肥法

研究成果情報
新技術・情報名
農 産
6
なぱな後作水稲「キヌヒカリ」の窒素施
稲
栽培
分類
②
肥法
1.成果の内容
1)技術・情報の内容及び特徴
なばな後作圃場の土壊中残存アンモニア態窒素の現地実態調査を行い、
極早生良食味水稲品種「キヌヒカリ」の良質安定栽培のための窒素施肥
法を明らかにした。
(1)現地圃場における土壌中残存アンモニア態窒素含量は0.2∼5.8mg/100
9の範囲(10a当たり窒素量に換算して0.3∼7.5kg)にあり、圃掲間によ
るバラツキが大きい。なばなへの最終追肥時期が遅い圃場では、残存ア
ンモニア態窒素含量が多くなる。
(2)同一の基肥窒素施用堂でも水管理により倒伏程度に差があるものの、
残存アンモニア態窒素含量が概ね1.5mg/1009を越えるとキヌヒカリの
倒伏を招く。
(3)なばなへの最終追肥は3月上旬までとし、残存窒素量が多い圃場(1.5∼
5.8mg)では、なばな後作「キヌヒカリ」の基肥窒素施用堂(N成分kg/
10a)は0∼3kg程度とする。残存窒素量が少ない圃場(0.2∼0.8mg/100
9)では5kgが適量である。穂肥は1回目1.5kg(出穂前22∼18日)、2
回目1.5kg(1回施用後7∼10日後)とする。
2)技術・情報の適用効果
なぱなとの作付体系におけるキヌヒカリの作柄が安定する。
3)適用範囲
湿田、半湿田を除くなばな後作圃場におけるキヌヒカリの水稲早期栽
培地帯。
4)成果の利活用・普及指導上の留意点
(1)なぱな残置のすき込み時期が遅れると水稲の活着不良を起こすことが
あるので8月下旬までにすき込む。
(2)生育に応じて水管理を徹底し、倒伏軽減を図る。
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2.具体帳的データ
898765432
N獄
1
残存Ⅲ
4
mgZ10ogo
最終追肥時期
現地におけるなばなの愚終適肥時卿と残洲輔
図1
注)数字は10a当たり追肥窒素施用風
倒伏程庇
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3
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□:良好
■:不良
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6
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NH4−N(、g/1009)
’図12雛溌ける鞭ばな後作罰賜の残存慨繍
注)数字はlOa当たり基肥窒素施爪量
衷1悪存窒素盆の少ない圃掲におけるキヌヒカリの収堂及び品質
(豊前分場、平成1,2年の平均)
前基肥㎡当り㎡当り登鶏玄米a当り同左検迩倒伏
作N堂稗長穐数粗数歩合千粒重収堂比率等級程度
3
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熊
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その他特記事項
担当部科室名:豊前分蝿普通作物研究室
研究担当者名:小田原孝治・矢野雅彦・松江勇次
研究課題名:新品種導入に関する栽培法碓立
期間:平成元年∼平成3年
予算区分:経常
既発表論文・炎料名等:平成元∼3年度豊前分場普通作物研究室
夏作試験成綬書
取りまとめ資任者名:小田原孝治
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