血液内科問題 1 74 歳の男性。5 年前に骨髄異形成症候群と診断され、貧血に対して赤血球濃厚液の輸血療法を定 期的に受けていた。これまでの輸血総量は 50 単位であった。3 か月前から白血球減少と血小板減少が 徐々に進行するため骨髄検査が行われた。 現症:身長 158 ㎝、体重 54 ㎏、体温 36.5℃。眼球結膜貧血様、黄染なし。表在リンパ節触知せ ず。心肺所見に異常なく、肝脾触知せず。 血液所見:赤血球数 214 万、Hb 7.4 g/dL、Ht 21.5%、白血球数 1,700 (芽球 2%,桿状好 中球 13%,分葉核好中球 40.5%,リンパ球 33.5%)、血小板数 1.9 万。PT 87% (基準 80-120)、APTT 31.7 秒 (対照 32.2)、フィブリノ-ゲン 356mg/dL (基準 200-400)、FDP 2.5 μg/mL (基準 10 以下)。血清生化学的所見:総蛋白 6.8 g/dL, アルブミン 4.0 g/dL, LD 187 単位 (基準 119-221), 尿素窒素 16 mg/dL, クレアチニン 0.75 mg/dL, 尿酸 6.1 mg/dL, CRP 0.8 mg/dL, フェリチン 1546ng/dL (基準 30-400)。 骨髄検査:芽球 18%、染色体は 46,XY 骨髄血塗沫標本 (May-Giemsa 染色)を示す。 今後の治療方法として正しいのはどれか。2つ選べ。 a レナリドミド b シクロスポリン c メチル化阻害薬 d 非血縁間骨髄移植 e 輸血療法と鉄キレート療法との併用 血液内科問題 2 33 歳の男性。頸部のしこりを主訴に来院した。6 か月ほど前に頸部のしこりを自覚した。その後、頸部の しこりは徐々に増大してきた。生来健康で喫煙、飲酒はしない。意識は清明。体温 38.0℃。両側頸部 および両側鎖骨上窩に長径 3.5cm、表面平滑なリンパ節を 6 個、左鼠径部に長径 4cm のリンパ節を 3 個触知する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血 球 432 万、Hb 10.5g/dl、Ht 39%、白血球 12,500(桿状核好中球 5%、分葉核好中球 65%、 好酸球 10%、好塩基球 1%、単球 2%、リンパ球 18%)、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋 白 7.0g/dl 、 ア ル ブ ミ ン 4.0g/dl 、 尿 素 窒 素 20.0mg/dl 、 ク レ ア チ ニ ン 0.8mg/dl 、 尿 酸 7.5mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、AST 38IU/l、ALT 32IU/l、LDH 340IU/l(基準 176~ 353)、CRP 1.5mg/dl。胸部 X 線写真で両側肺門部に腫瘤影を認める。頸胸腹部造影CTおよび PET/CT で、両側頸部、両側鎖骨上窩、縦隔リンパ節、両側鼠径部リンパ節腫大を認める。骨髄検 査においても腫瘍細胞の浸潤が認められた。頸部リンパ節生検 H-E 染色標本を示す。 問. この患者の治療方針として適切なのはどれか。 a R-CHOP 療法単独 b R-CHOP 療法+放射線療法 c 放射線療法単独 d ABVD 療法単独 e ABVD 療法+放射線療法
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