シャトー ド ラ ヴィエイユ シャペル 視察レポート フランス / ボルドー 年間生産量 35,000~45,000 本という、小規模シャトー フランスのあらゆるワイン産地を訪ね歩き、14 年かけて見つけた理想の場所 オーナー“フレデリック”がワインを造るまでには、 様々なドラマがありました オーナーのフレデリックは 1984 年から約 1 年間、日本語を学ぶために日本(名 古屋)に留学していたことがあります。昼間は日本語の語学学校に通い、午後から は名古屋市内のレストランでアルバイトをしていました。そのため、少し日本語が 話せます。この時、同じレストランで働いていた奥様のファビエンヌと出会い、そ れがきっかけとなって二人は結婚。その後、いったんフランスに戻った後、約 10 年間、フランス企業の駐在員として中国に滞在した後、1998 年にフランスに帰国 します。ワイン好きで美食家だった両親のいる家庭に育ったフレデリックは、若い 頃から素晴らしいワインに接する機会に恵まれていました。そのような環境で育っ た彼は自然とワインに対する情熱を持つようになりました。ファビエンヌと世界各 国を旅する中で、その土地で出合った様々なワインを飲んでは語り合っていた二人 は、いつしか「自分たちでワイン造りをやってみたらどうだろう?」と考えるよう になりました。 そして 40 代を迎えた頃、長年抱いていたワイン造りへの想いを実現させたいと思うようになりました。自ら のワイン造りを思い立ってから、2006 年に現在のシャトー ド ラ ヴィエイユ シャペルを手に入れるま でに 14 年もの月日がかかりました。フレデリックは、最初から、最終的にはビオディナミでワインを造ろう と考えていました。そのため、畑の周辺の環境、土壌などの自然環境が守られている土地を探す必要がありま した。ボルドーだけではなく、ブルゴーニュやロワール、アルザスやプロヴァンスなどフランス中のワイン産 地を訪ね 100 箇所以上もの土地を見て回りました。 絶対に妥協できないポイント、そこに造り手の個性が表れます フレデリックは、「トラクターを新しくするとか、葡萄の樹は植え替えることが出来るが、自然環境は変えら れないから絶対に妥協できないポイントだった。」 「ワイン造りをするということは、その場所に住んで、その 土地で生活することを意味するから、家族の同意も必要だ。金銭面などを含めてすべての条件がパズルのよう にぴったりとはまったのがヴィエイユ シャペルだった。」と語っています。子供の頃、自然の豊かな田舎に 暮らしていたという彼は、体を動かして仕事をすることは良いことだと考えており、ワイン造りは自分に向い ていると思っています。出来る限り自然な状態でワインを造りたいと考えている彼は、コルクも質の高い天然 コルクにこだわっています。 ~ヴィエイユ シャペルにとって重要なドルドーニュ川~ シャトー の目の前にドルドーニュ川が流れています。堤防を上がると水面が目前にあり、まさに「川沿い」の場所にシャトーはあります。葡萄畑 はドルドーニュ川の川岸に広がる沖積土で、土壌の組成は、砂利質粘土と粘土質に分かれています。雨の後は泥っぽくなり、乾くとすぐに固くなっ てしまします。オーガニック栽培をしているため、固くなった土を手作業で耕しています。 「テレビを見るよりドルドーニュ川を眺めている方がお もしろい。」と語るフレデリック。ドルドーニュ河が畑に与える影響について語ってくれました。 ①風通しが良い 河からの風が葡萄の葉や房を畑を乾かす利点があります。ボルドーではベト病とウドンコ病が発生しやすく、オーガニック栽培が難しいと言われて いますが、ここでは風通しが良いため余分な農薬を使わずに済み、オーガニック栽培にもメリットを与えています。 ②泥を含んだ水が気温を調節する ドルドーニュ川は、目でも確認できるくらい茶色く濁っています。泥を含んだ水が、夏は冷蔵庫のような役割を、冬はヒーターの役割を果たし温度 を調節してくれると言います。そのおかげで冬に霜と雹は滅多に降らず、夏は周辺地域よりも気温が 3 度ほど涼しいなど畑にとって重要な役割を 果たしています。 ドルドーニュ川沿いという立地は葡萄栽培、そしてワイン造りに素晴らしいミクロクリマをもたらしてくれます。自然と集約のある健全な葡萄を栽 培することが出来ます。土壌は、川からの堆積物による様々な有機物を豊富に含むため、しっかりとした骨格のあるワインになります。また、海か らは 90km の距離がありますが、1 日に 2 度、大きな潮の満ち引きがあります(干満の差は最大 9m)。この満ち引きが土壌(テロワール)に変 化を与えています。ドルドーニュ川の存在、そして守られた自然環境のおかげで、畑には様々な生き物が活動する生態系があります。畑の中の生物 多様性があること、これはオーガニックな葡萄栽培、ワイン造りに欠かせない要因です。 ~オーガニック栽培 「全てを畑にするのではなく、虫が自然に生息できるように森も残す。」 (フレデリック談) 所有畑は合計 21ha、 (そのうち、現在生産している葡萄畑は 7.2ha)です。内訳は、セミヨン 0.48ha(平均樹齢 40 年)、カベルネ フラン 1.1ha(平 均樹齢 40 年)、メルロ 5.30ha(樹齢 25 年、50 年、75 年)、さらにフィロキセラ以前の樹齢 120 年から 150 年の非常に古い葡萄が残る 0.33ha の区画があります。DNA 分析を行った結果、その中にはメルロ(全体の 30%)やマルベック等の他に 60%が非常に珍しい”ブシャレス(Bouchalés)” という品種があることが発見されました。これらの葡萄は台木に接ぎ木されていない自根のものです。 ・草を 1 畝ごとに生やす …草が樹の近くに生えすぎていると、カタツムリが葡萄の葉を食べてしまうという問題もある。 ・ボルドーの他の生産者は、除草剤を使っている生産者が多い …除草剤を使わずに草を生やすことで樹の根と根が養分を奪い合う。⇒収量が少なくなり、凝縮感が増す。また、 不要な草は土を掘り返して除草する。 ・生態系を壊さないようにインセクト コリドー(虫の通り道)を確保する …全てを葡萄畑にしないで畑周辺に森や林を残し虫が生息することで生物多様性を保つ。 ・ムーンカレンダーを使用 …例えば 50 年樹齢の樹は月が欠けていくときに、若い樹は月が満ちていくときに剪定するなど、 樹齢によっても方法を変えている。 ~希少品種ブシャレスとは一体…?~ 「以前この地に住んでいたボデ夫妻が所有していた畑には、希少古代品種ブシャレス が自根で残っていますが、実はシャトーを購入した 2006 年ヴィンテージまではメル ロだと思っていました。テイスティングをした時に味わいが違うと思い、2009 年に DNA 調査を行ったところ、メルロではなくブシャレスだということが判明しました。 2014 年にはブシャレスが生えている畑の 400 株をさらに細かく調査しました。その 結果、ブシャレスがかなり多く残っていることが分かりました。 ※メルロとブシャレスは混植されています。その他 10%ほどはプルーサン、フラン、 カルムネール、マルベック等の品種が植えられています。 <ヴィンテージ情報> 2015 年…2009 年より 2010 年に近い、非常に良い年。2009 年より酸が豊富。 2014 年…2015 年と比較すると日照が少なかったが、良いヴィンテージ。 2013 年…非常に難しい年。樽に対抗できる味わいにならなかったため、白赤共に樽熟のキュヴェは造らなかった。 ※赤はトラディション(FB-928)のみ生産。上級キュヴェのメルロをブレンド。 2012 年…2008 年と似ている。とても良いヴィンテージ。 2011 年…乾燥した年で、収量が低かった(18hℓ/ha)。 2010 年…(2009 年よりもバランスが良い)長期熟成可能な年。 2009 年…言うまでもなくグレートヴィンテージ。酸は控えめ。 珍しいセミヨン 100%で造る、ボルドー ブランが新入荷 新入荷 ル グラン ブラン 2015(左) Les Grands Blancs 品番:FC-021/JAN:4935919310215/容量:750ml 白・辛口 ¥1,836(本体価格¥1,700) 国/地域等:フランス/ボルドー 葡萄品種:セミヨン 100% 熟成:ステンレスタンク 100% 栽培:オーガニック(ユーロリーフ) 従来、白はセミヨン 100%を使って樽熟成させたキュヴェのみを造っていましたが、2013 年にステンレスタンク だけで仕込んだワインを造ったところ、これが好評で 2015 年も再び造りました。葡萄の平均樹齢は 50 年、植密 度は 4,700 本/ha。土壌は粘土シルト質です。収穫は区画ごとに手摘みで行います。発酵は天然酵母を使いステン レスタンクで行います。セミヨンらしい蜂蜜を思わせる甘い香り、ステンレスタンク 100%とは思えないほどボ リューム、豊かな果実味が感じられます。 ル グラン ブラン フュ ド シェーヌ 2014(右) Les Grands Blancs 品番:FC-020/JAN:4935919310208/容量:750ml 白・辛口 ¥3,240(本体価格¥3,000) 国/地域等:フランス/ボルドー 葡萄品種:セミヨン 100% 熟成:フランチオーク(新樽) 栽培:オーガニック(ユーロリーフ、AB マーク) セミヨン 100%を使用し樽発酵、樽熟成させたキュヴェです。葡萄の平均樹齢は 50 年、植密度は 4700 本/ha。 土壌は粘土シルト質です。収穫は区画ごとに手摘みで行います。発酵は天然酵母を使い、フレンチオークの新樽 で行います。バトナージュは行いません。そのかわり、樽にローラーがついており、樽を回転させることで澱と 攪拌しています。熟成はそのまま樽で 6 ヶ月行います。フィルターをかけずにボトリングし、瓶で 1 年間寝かせ ることで樽と果実味のバランスがよくなります。熟した柑橘系の果実のエレガントなアロマと樽の要素がバラン スよく混ざり合っています。口に含むと深みがあり、非常に豊かな果実味があります。 上級キュヴェのメルロをブレンドした 2013 年ヴィンテージ “ボルドーコンクール 2011” 金賞受賞 Château de la Vieille Chapelle Tradition Château de la Vieille Chapelle Reserve 注目を浴びた 2010 年 メルロの魅力溢れるまろやかな味わい Les Merlots de Baudet 平均樹齢 70 年。葡萄の収穫は 平均樹齢 60 年。葡萄の収穫はすべ 平均樹齢 60 年。熟成はフレンチ すべて手摘みで行います。熟成 て手摘みで行い、ます。天然酵母を オーク樽で 10 ヶ月です。熟した はフレンチオーク樽で 10 ヶ 使用し、発酵・熟成はコンクリート 赤い果実のアロマ、口に含むと非 月。清澄もろ過もしていませ タンク内で行います。清澄もろ過も 常にやわらかなタンニンが心地よ ん。フルーティな果実味と一緒 していません。カシスやベリーなど く感じられます。メルロの持つ丸 にリコリスやペッパー、スパイ の熟した赤い果実のアロマ、口当た みとカベルネ フランのエレガン スの複雑な要素も感じられ、な りはしなやかで非常にバランスが トさがうまく調和しています。 めらかな口当たりがあります。 取れています。 【赤・フルボディ】 【赤・フルボディ】 【赤・フルボディ】 国/地域等:フランス/ボルドー 国/地域等:フランス/ボルドー 国/地域等:フランス/ボルドー 葡萄品種:メルロ 80%、 葡萄品種:メルロ 80%、 葡萄品種:メルロ 100%、 カベルネ フラン 20% カベルネ フラン 20% 品番:FB-928 品番:FB-929 品番:FB-930 JAN:4935919219280 容量:750ml JAN:4935919219297 容量:750ml JAN:4935919219303 容量:750ml ¥2,700(本体価格¥2,500) ¥3,240(本体価格¥3,000) ¥1,944(本体価格¥1,800)
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