(平成28年10月判断)を掲載しました

News Release
近畿財務局大津財務事務所
Kinki Finance Bureau, Otsu branch office
平成 28 年 10 月 25 日
滋賀県内経済情勢報告
-平成 28 年 10 月判断-
県内経済は、持ち直しつつある
(11 期連続)
*本報告は、経済指標(28 年 6 月~8 月指標を中心)等を基に 28 年 10 月における県内経済の概況をとりまとめたもの
先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、回復に向かうことが期待される。ただし、
海外景気の下振れなど、景気が下押しされるリスクがある。また、英国のEU離脱問題など、海外経
済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。
【総括判断】
前回(28 年 7 月判断)
持ち直しつつある
今回(28 年 10 月判断)
前回
比較
総括判断の要点
生産は足踏み状態が続いているも
のの、個人消費は緩やかに持ち直し
ており、雇用情勢も緩やかに改善し
ているなど、全体としては持ち直し
の動きが続いている。
持ち直しつつある
(注)28 年 10 月判断は、前回 7 月判断以降、10 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
【各項目の判断】
前回(28 年 7 月判断)
個 人 消 費
一部に弱さがみられるものの、
緩やかに持ち直している
今回(28 年 10 月判断)
一部に弱さがみられるものの、
緩やかに持ち直している
生 産 活 動 足踏み状態が続いている
足踏み状態が続いている
雇 用 情 勢 緩やかに改善している
緩やかに改善している
住 宅 建 設 前年を上回っている
前年を上回っている
公 共 事 業 前年を下回っている
前年を下回っている
設 備 投 資 28 年度は前年を上回る計画
28 年度は前年を上回る計画
企業の景況感 「下降」超となっている
「下降」超となっている
企 業 収 益 28 年度は増益見通し
28 年度は増益見通し
企 業 倒 産
負債金額は前年を上回っている 負債金額は前年を上回っているが、
が、件数は前年を下回っている 件数は前年を下回っている
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前回比較
【主な項目】
個人消費
<一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している>
百貨店・スーパー販売額は、天候要因から秋物衣料品が低調となっているほか、飲食料
品もこのところ弱含んでいることから、全体では前年を下回っている。
乗用車新車登録届出台数は、ハイブリッド車が好調となっているものの、軽自動車が引
き続き低調なことから、全体では前年を下回っている。
生産活動
<足踏み状態が続いている>
鉱工業生産指数でみると、はん用・生産用・業務用機械や窯業・土石などで上昇してい
るものの、化学や繊維などが低下していることから、全体では足踏み状態が続いている。
雇用情勢
<緩やかに改善している>
有効求人倍率は 9 か月連続で 1.1 倍台となっており、新規求人数も前年を上回っている
など、緩やかに改善している。
住宅建設
<前年を上回っている>
新設住宅着工戸数でみると、分譲住宅や貸家などが増加していることから、全体では前
年を上回っている。
公共事業
<前年を下回っている>
前払金保証請負金額でみると、市町などが減少していることから、全体では前年を下回
っている。
設備投資
<28 年度は前年を上回る計画>
法人企業景気予測調査(平成 28 年 7~9 月期)でみると、28 年度の設備投資は前年を上
回る計画となっている。
産業別では、製造業、非製造業とも前年を上回る計画となっている。
企業の景況感 <「下降」超となっている>
法人企業景気予測調査(平成 28 年 7~9 月期)の景況判断 BSI でみると、現状判断は「下
降」超となっている。
産業別では、製造業では「上昇」超に転じているものの、非製造業では「下降」超とな
っている。
先行きについては、「上昇」超に転じる見通しとなっている。
企業収益
<28 年度は増益見通し>
法人企業景気予測調査(平成 28 年 7~9 月期)でみると、28 年度の経常利益は増益見通
しとなっている。
産業別では、製造業では減益見通しとなっているものの、非製造業では増益見通しとな
っている。
企業倒産
<負債金額は前年を上回っているが、件数は前年を下回っている>
負債金額は大型の倒産があったことから前年を上回っているものの、件数は前年を下回
っている。
お問合せ先:大津財務事務所財務課
Ministry of Finance JAPAN
財 務 省
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℡077-522-6455
(参考資料)
県内の経済情勢に関する特徴的な動き「生の声」<ヒアリング結果>
(個人消費)
○ 8 月、9 月は猛暑の影響に加え、例年以上に台風が発生したことから客足が鈍く、
秋物衣料品が振るわなかった。
(小売・大企業)
○
ハイブリッド車を中心に売れており、足下では前年比 5%程度、売上が伸びている。
(小売・中小企業)
○ 7 月はオリンピックの影響で4Kテレビの売上が好調であったが、8 月はエアコンが
前月までに売れ尽くしたほか、台風が多く客足が鈍かった。
(小売・大企業)
(生産活動)
○ 主力の車載用絶縁材は、ハイブリッド車の高需要を背景にフル稼働生産が続いており、
今後についても電気自動車の普及に伴い、更なる需要を見込んでいる。
(化学・大企業)
○
28 年度は上期から受注状況が好調であり、主に自動車関連の省力化機械設備などが伸
びている。
(業務用機械・中小企業)
○
医療用資材の需要は好調であるが、足下では主力である工業用資材の需要が減少して
いる。
(繊維・中小企業)
(雇用情勢)
○ 同業他社が好待遇で人材争奪戦を行っていることや当工場が郊外に立地しているこ
となどから、募集をかけても集まらない状況である。
(輸送用機械・大企業)
○
小売業は土・日も仕事で、夜も遅いというイメージがあることから、予定人数の確保
が難しく、正規社員の残業等でカバーしている。
(小売・大企業)
○
10 月からの社会保険の適用拡大により、年末に向けて、労働時間を調整するパート・
アルバイトが増える見通しであることから、さらなる人手不足を懸念している。
(飲食サービス・中堅企業)
○
最近では企業側においても少し余裕が出てきたためか、即戦力ではなく長期で育成で
きる人材を求める傾向にあり、新卒の求人が増えている。
(官公庁)
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