財務省近畿財務局 News Release 和歌山財務事務所 Kinki Local Finance Bureau Ministry of Finance 平成 28 年 10 月 25 日 和歌山県内経済は、緩やかに持ち直している (和歌山県内経済情勢報告) 先行きについては、各種政策効果などを背景に、県内経済が回復に向かうことが期待され る。ただし、海外景気の下振れなど、県内景気が下押しされるリスクが存在しており、これ らの動向を注視していく必要がある。 【総括判断】 【各項目の判断】 ※ 28 年 10 月判断は、前回 28 年 7 月判断以降、28 年 10 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。 (連絡・問い合せ先) 財務省 近畿財務局 和歌山財務事務所 財務課 ℡:073-422-6142 【主な項目】 個人消費・・・緩やかに持ち直している 百貨店・スーパー販売額(既存店ベース)は、衣料品、身の回り品が前年を下回ってい るものの、飲食料品、家具・家電・家庭用品は前年を上回っている。 自動車新車登録届出台数は、普通車はハイブリット車を中心に好調であり前年を上回っ たものの、小型車、軽自動車は前年を下回ったことから、全体では前年を下回っている。 観光の動向は、国内観光客、外国人観光客ともに好調に推移している。 生産活動・・・回復しつつある 企業の生産活動は、鉱工業生産指数では、主要業種である、機械工業、化学工業、鉄鋼 業の全てで上昇しており、総じてみると回復しつつある 。 雇用情勢・・・緩やかに改善しつつある 雇用情勢は、有効求人倍率でみると横ばいで推移しているものの、新規求人数に増加の動 きがみられるなど、緩やかに改善しつつある。 設備投資・・・28 年度は前年を上回る計画 企業の設備投資は、法人企業景気予測調査(28 年 7-9 月期)でみると、28 年度通期の設 備投資は、全産業で前年を上回る計画となっている。産業別では、製造業、非製造業とも に前年を上回る計画となっている。 企業収益・・・28 年度は減益見通し 企業収益は、法人企業景気予測調査(28 年 7-9 月期)でみると、28 年度通期の経常利益 は、全産業で減益見通しとなっている。産業別では、製造業、非製造業ともに減益見通し となっている。 【その他項目】 住宅建設・・・前年を上回る 住宅建設は、新設住宅着工戸数(3 ヶ月後方移動平均値)でみると、全体では前年を上回 っており、内訳では、貸家で前年を下回っているものの、持家、分譲で前年を上回ってい る。 公共事業・・・前年を下回る 公共事業は、前払金保証請負金額(年度累計額)でみると、前年を下回っている。内訳 でみると、県で前年を上回っているものの、国、市町村、独立行政法人等で前年を下回っ ている。 企業倒産・・・倒産件数は前年を上回るものの、負債総額は前年を下回る 企業倒産は、倒産件数は前年を上回るものの、負債総額は前年を下回っている。 景況判断・・・「下降」超となっている 企業の景況判断は、法人企業景気予測調査(28 年 7-9 月期)の景況判断 BSI でみると、 全産業で「下降」超となっている。 産業別では、製造業では「上昇」と「下降」が均衡しているものの、非製造業では「下 降」超となっている。 規模別では、大企業では「上昇」超となっているものの、中堅企業、中小企業では「下 降」超となっている。 (参 考) 和歌山県内の経済情勢に関する「生の声」【ヒアリング結果】 (個人消費) ○ 売上は、全店ベースでは新規出店の影響で前年比プラスであるが、既存店ベースは、 競合が厳しくなっていることや人口減により、前年比マイナスとなっている。 (小売業・中堅企業) ○ 販売強化や交通アクセスの改善等により、売上は前年同月比でプラス。 (小売業) ○ 軽自動車は、燃費不正問題の影響や軽自動車の税金や保険料が普通車と大差なくなっ てきていることから、弱い動き。一方、普通車はハイブリット車がよく売れており売上 は好調。 ○ (自動車販売・中小企業) オリンピックの影響により、大画面や 4K のテレビが好調で、売れ筋商品の価格帯が 上昇している。 (家電販売) ○ 7 月、8 月は晴天の日が多く、来客数は昨年を上回り好調であった。 (観光施設) ○ 昨年のゴールデンイヤー(国体、高野山開創 1200 年等)の反動で、前年比で宿泊客 は減少したが、例年と比べると堅調。なお、最近は高野山や熊野等、県内のいくつか の観光地を周遊する観光客が増えてきている。 ○ (観光関係団体) TV 取材などを通じて知名度が上がっていることから、観光客は増加している。初回 来訪者も多くなっている。 (官公庁) (生産活動) ○ 海外向け生産が東南アジアを中心に引き続き好調に推移していることに加え、国内 向けも企業からの生産効率化の訴求により生産が増加している。 (機械工業・大企業) ○ 6 月は猛暑を見込んで活発に製造し、8 月末からも新製品生産のため設備をフル稼働 させている。 ○ (化学工業) 全体的には低調に推移している状況であるが、前四半期と比べると建設等の鋼材需 要が増えており需要は回復傾向。 (鉄鋼業) (雇用情勢) ○ 求職者の売り手市場で大企業や小売業界以外に流れる若者が多いことから、募集をか けても集まりが悪い。 ○ (小売業・中堅企業) 技術職の求人をハローワークに出しているが応募がない状況が続いている。 (不動産業)
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